都市伝説・・・奇憚・・・blog
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冬の馬場島で
2019.12.25 (Wed) | Category : ミステリー・不思議な話
452:本当にあった怖い名無し:2007/05/14(月)17:31:21ID:CBzFvLxM0
馬場島は北アルプス北部の名峰、剱岳の登山口である。
冬山シーズンになると豪雪の剱岳を目指して多くのアルピニストが訪れる。
夏はオートキャンパーでにぎわう馬場島も雪が舞い始めると途中、伊折部落から先で道は冬季通行止めとなる。
剱岳を目指す登山者は重荷を背負って馬場島までの長い道路を延々と歩かなければならない。
馬場島の少し手前、ゾロメキ発電所の近くにトンネルがある。(正確にはスノーシェード)
延々と歩いてきた登山者が風雪を避けて最後の一本をいれるのに最適の場所だ。
3月初旬のことである。我々大学山岳部一行は早春の剱岳を目指していた。
小雪こそ舞っているものの、早月川添いの林道は風もなく、我々は重荷に汗を流していた。
トンネルにつくと、リーダーのTさんの
「一本いれようか」
の一言で休憩となった。
くだらないことをしゃべりながら、行動食のチョコレートを食べたり、たばこを吸ったりしていた。
と、突然「ウォー」とも「おー」ともつかない、うなり声のようなものがトンネルの中に響いた。
「何でしょう」
と不思議に思って誰にともなく聞くと
「動物かなんかの声だろ」
と先輩。あまりにもはっきりと聞こえるので恐怖を感じるほどではなかったのだ。
453:本当にあった怖い名無し:2007/05/14(月)17:35:08ID:CBzFvLxM0
僕は休んでいる所と反対の出口まで音の源を探しに出かけたが、どこから聞こえてくるのか分からない。
場所を移動してもいつも同じ大きさで声は響いていた。
「幽霊ですかね」
「こんな昼間に出るもんか」
しばらくして声が止むと、不思議な気分を抱えつつ、馬場島を目指して出発した。
馬場島の派出所には県警のK隊長がいて、我々を迎えてくれた。
富山県警の山岳警備隊がちょうど春山訓練で入山しているとことだった。
山に入ると結構な雪でラッセルも深く、その晩は早月尾根でテントを張り翌日になって早月小屋に入った。
テントに入り、ラジオを聞いていると
「今日、剱岳の早月尾根で訓練中の・・・」
とやりだした。
どうも警備隊のKさんが獅子頭付近で雪崩に巻き込まれ、池の谷に落ちたらしい。
山岳部の中にもKさんと顔見知りの先輩がおり、どうすれば良いか、と悩む。
結果的には当時の我々の実力では冬の剱で何もお手伝いすることは出来なかった。
Kさんの遺体は7月になって池の谷の中程で発見された。
ビバークの体制をとってうずくまるような格好だったという。
あの日、我々がトンネルで聞いた声は何だったのだろう。その後土地の人に訊いても
「そんな声の動物はいない」
という。
僕は山の神様が何か伝えたくて叫んでいたのではないか、と思う。
その後、早月小屋で
「Kさんの落ちた日は結婚記念日、発見された日は誕生日だったんだ」
と聞いた。
何ともやりきれないことだった。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?162
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1175230138/452-453
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馬場島は北アルプス北部の名峰、剱岳の登山口である。
冬山シーズンになると豪雪の剱岳を目指して多くのアルピニストが訪れる。
夏はオートキャンパーでにぎわう馬場島も雪が舞い始めると途中、伊折部落から先で道は冬季通行止めとなる。
剱岳を目指す登山者は重荷を背負って馬場島までの長い道路を延々と歩かなければならない。
馬場島の少し手前、ゾロメキ発電所の近くにトンネルがある。(正確にはスノーシェード)
延々と歩いてきた登山者が風雪を避けて最後の一本をいれるのに最適の場所だ。
3月初旬のことである。我々大学山岳部一行は早春の剱岳を目指していた。
小雪こそ舞っているものの、早月川添いの林道は風もなく、我々は重荷に汗を流していた。
トンネルにつくと、リーダーのTさんの
「一本いれようか」
の一言で休憩となった。
くだらないことをしゃべりながら、行動食のチョコレートを食べたり、たばこを吸ったりしていた。
と、突然「ウォー」とも「おー」ともつかない、うなり声のようなものがトンネルの中に響いた。
「何でしょう」
と不思議に思って誰にともなく聞くと
「動物かなんかの声だろ」
と先輩。あまりにもはっきりと聞こえるので恐怖を感じるほどではなかったのだ。
453:本当にあった怖い名無し:2007/05/14(月)17:35:08ID:CBzFvLxM0
僕は休んでいる所と反対の出口まで音の源を探しに出かけたが、どこから聞こえてくるのか分からない。
場所を移動してもいつも同じ大きさで声は響いていた。
「幽霊ですかね」
「こんな昼間に出るもんか」
しばらくして声が止むと、不思議な気分を抱えつつ、馬場島を目指して出発した。
馬場島の派出所には県警のK隊長がいて、我々を迎えてくれた。
富山県警の山岳警備隊がちょうど春山訓練で入山しているとことだった。
山に入ると結構な雪でラッセルも深く、その晩は早月尾根でテントを張り翌日になって早月小屋に入った。
テントに入り、ラジオを聞いていると
「今日、剱岳の早月尾根で訓練中の・・・」
とやりだした。
どうも警備隊のKさんが獅子頭付近で雪崩に巻き込まれ、池の谷に落ちたらしい。
山岳部の中にもKさんと顔見知りの先輩がおり、どうすれば良いか、と悩む。
結果的には当時の我々の実力では冬の剱で何もお手伝いすることは出来なかった。
Kさんの遺体は7月になって池の谷の中程で発見された。
ビバークの体制をとってうずくまるような格好だったという。
あの日、我々がトンネルで聞いた声は何だったのだろう。その後土地の人に訊いても
「そんな声の動物はいない」
という。
僕は山の神様が何か伝えたくて叫んでいたのではないか、と思う。
その後、早月小屋で
「Kさんの落ちた日は結婚記念日、発見された日は誕生日だったんだ」
と聞いた。
何ともやりきれないことだった。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?162
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1175230138/452-453
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