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雷親父
2007.12.04 (Tue) | Category : 誰も信じない人へ
最近ではあまり見かけませんが、20年ほど前までは
「雷オヤジ」
というのが町内に必ず一人や二人いて、近所の子供がいたずらをしたりすると、容赦なく怒鳴りつけられたりしたものでした。
僕の祖父はその典型的な雷オヤジで、小学校のクラスでも
「お前んとこの爺さんは怖い」
と、悪ガキ共がみんなびびるような存在でした。
その祖父も寄る年波には勝てず、つい数年前、長い寝たきり生活の後息を引き取りました。
さて、その祖父の葬儀の時ですが、喪客のなかに、40代後半位の中年男性のグループがありました。
「見たことない人達だなあ」
と思っていると、彼等は実はかつてこの町内で評判の悪童グループで、祖父とはまるで仇同士のような存在だったということです。
そのおじさん達の中の一人に、今はバイク店を経営しているという人がいて、
「うるさい爺さんだったが、あの人がいなかったら俺達は皆もっとひどくグレてた」
と祖父の思い出を語ってくれて、
「祖父は本当は子供たちから愛されていたんだな」
と、僕は何だか祖父のことを誇りに思いました。
さて、ここまでは何の問題も無かったのですが、そのおじさん達の一人にちょっと酒乱ぽい人がいて、葬式の最中に大声で他の人にからんだりしていました。
一緒に来た人が止めていたのですが、その時突然
「ガタッ」
と大きな音がして、しっかり固定されているはずの遺影が床に落ちてきました。
すると、さっきのバイク屋の人が
「ホラ、悪さするから爺さん怒ってるじゃないか」
と言い、酒乱の人もおとなしくなりました。
あまりオカルトっぽくないけれど、死んでも祖父は雷親父でした。
「雷オヤジ」
というのが町内に必ず一人や二人いて、近所の子供がいたずらをしたりすると、容赦なく怒鳴りつけられたりしたものでした。
僕の祖父はその典型的な雷オヤジで、小学校のクラスでも
「お前んとこの爺さんは怖い」
と、悪ガキ共がみんなびびるような存在でした。
その祖父も寄る年波には勝てず、つい数年前、長い寝たきり生活の後息を引き取りました。
さて、その祖父の葬儀の時ですが、喪客のなかに、40代後半位の中年男性のグループがありました。
「見たことない人達だなあ」
と思っていると、彼等は実はかつてこの町内で評判の悪童グループで、祖父とはまるで仇同士のような存在だったということです。
そのおじさん達の中の一人に、今はバイク店を経営しているという人がいて、
「うるさい爺さんだったが、あの人がいなかったら俺達は皆もっとひどくグレてた」
と祖父の思い出を語ってくれて、
「祖父は本当は子供たちから愛されていたんだな」
と、僕は何だか祖父のことを誇りに思いました。
さて、ここまでは何の問題も無かったのですが、そのおじさん達の一人にちょっと酒乱ぽい人がいて、葬式の最中に大声で他の人にからんだりしていました。
一緒に来た人が止めていたのですが、その時突然
「ガタッ」
と大きな音がして、しっかり固定されているはずの遺影が床に落ちてきました。
すると、さっきのバイク屋の人が
「ホラ、悪さするから爺さん怒ってるじゃないか」
と言い、酒乱の人もおとなしくなりました。
あまりオカルトっぽくないけれど、死んでも祖父は雷親父でした。
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