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電気スタンド
2007.12.02 (Sun) | Category : 誰も信じない人へ
A君という男の子が小学生の時に体験したというお話。
A君は明治時代からあるという古い旅館の子供だったんだ。
A君のお母さんの生まれ育った家でもあった。
つまり、A君のお父さんはお婿さんに来たんだね。
A君は、子供だったから、古い家は何だか怖かったんだって。
自分の家なのに。
それで、A君は小学1年の時から自分の部屋を与えられて両親とは別に寝るようになったんだけど、夜、真っ暗になるのがどうしても怖くてでも、暗いのが怖いというのが恥ずかしかったんで、
家にある古い大きな倉庫から、とっても古い電気スタンドを探してきてそれを自分の枕元に置いたんだ。
怖くなったら電気を付けられるように。
ところが、ある晩、電気スタンドの灯りを付けて絵本を読んでいたら何だか、女の子のささやくような声がしたんだって。
「・・・・うん、・・・・大丈夫・・・早く寝て・・・・」
とか、誰かと話しているような声だったんだ。
怖がりなはずのA君だったんだけと、不思議とその時は怖くなくて、その後、何だか眠くなってきて、灯りを消して眠ったそうだよ。
それから、女の子の声は、毎晩のように聞こえたんだって。
不思議だったけど、A君は両親にもそのことを話さなかった。
電気スタンドを勝手に倉庫から持ってきたことがばれちゃうから。
毎晩、聞いているうちに、女の子の声は、どうやらその女の子の母親と話をしているらしいことが分かった。
でも、聞こえるのは女の子の声ばかりで、相手になっているはずの母親の声は全然聞こえなかった。
そのうち、A君はどうしてもその女の子と話をしてみたくなったんだ。
それで、ある晩、とうとう声をかけてみたんだって。
「こんばんは、君は誰?どこにいるの?」
ってね。
そうしたら女の子から、驚いたような声で、
「君の方こそ誰?声しか聞こえないよ?」
という返事があったんだ。
しばらく、いろいろと話しているうちに女の子の方も電気スタンドが枕元にあってそこからA君の声が聞こえてきていることが分かったんだって。
それで
「僕のスタンドは家にあったすごく古い奴なんだけど・・・君のは?」
ってA君が聞いたら、女の子の声は
「友達からもらったの。私が病気だから、仲のいい友達がプレゼントしてくれたんだ。」
って答えたんだって。
その女の子は入院中だった、そうなんだ。
ところがそうやって女の子の声とA君が話している最中に突然にA君のお母さんが戸を開けて部屋に入ってきたんだって。
A君のお母さんは、A君一人しかいない部屋から話し声が聞こえるのを不思議に思って来てみたんだね。
A君は、あっ、怒られる、と思ったそうなんだけど、お母さんは、枕元にある古い電気スタンドを見て、困ったような、悲しいような、不思議な表情をしてA君に言ったんだって。
「倉庫から出してきたの?このスタンドはね、お母さんの大切な思い出なの。お母さんの子供の時の親友の形見なのよ。」
お母さんの話だと、その電気スタンドは、お母さんが小学生の時に仲の良いお友達が何かの病気で入院してしまって、その際にお見舞いかわりにあげたものなんだって。
でも、そのお友達は入院中に急に亡くなってしまい、お友達のお母さんから、形見分けとして返してもらったのがその電気スタンドだったんだ。
もう寝なさい、と言ってA君のお母さんが部屋から出ていった後、A君はもう一度、電気スタンドに向かって、話しかけた。
「君の言っていた友達って、今の女の人かい?」
って。
でももう二度と、電気スタンドからは声はしなかった。
次の日の朝、お日様の下で、A君は電気スタンドの電球を割って壊したんだ。
A君は明治時代からあるという古い旅館の子供だったんだ。
A君のお母さんの生まれ育った家でもあった。
つまり、A君のお父さんはお婿さんに来たんだね。
A君は、子供だったから、古い家は何だか怖かったんだって。
自分の家なのに。
それで、A君は小学1年の時から自分の部屋を与えられて両親とは別に寝るようになったんだけど、夜、真っ暗になるのがどうしても怖くてでも、暗いのが怖いというのが恥ずかしかったんで、
家にある古い大きな倉庫から、とっても古い電気スタンドを探してきてそれを自分の枕元に置いたんだ。
怖くなったら電気を付けられるように。
ところが、ある晩、電気スタンドの灯りを付けて絵本を読んでいたら何だか、女の子のささやくような声がしたんだって。
「・・・・うん、・・・・大丈夫・・・早く寝て・・・・」
とか、誰かと話しているような声だったんだ。
怖がりなはずのA君だったんだけと、不思議とその時は怖くなくて、その後、何だか眠くなってきて、灯りを消して眠ったそうだよ。
それから、女の子の声は、毎晩のように聞こえたんだって。
不思議だったけど、A君は両親にもそのことを話さなかった。
電気スタンドを勝手に倉庫から持ってきたことがばれちゃうから。
毎晩、聞いているうちに、女の子の声は、どうやらその女の子の母親と話をしているらしいことが分かった。
でも、聞こえるのは女の子の声ばかりで、相手になっているはずの母親の声は全然聞こえなかった。
そのうち、A君はどうしてもその女の子と話をしてみたくなったんだ。
それで、ある晩、とうとう声をかけてみたんだって。
「こんばんは、君は誰?どこにいるの?」
ってね。
そうしたら女の子から、驚いたような声で、
「君の方こそ誰?声しか聞こえないよ?」
という返事があったんだ。
しばらく、いろいろと話しているうちに女の子の方も電気スタンドが枕元にあってそこからA君の声が聞こえてきていることが分かったんだって。
それで
「僕のスタンドは家にあったすごく古い奴なんだけど・・・君のは?」
ってA君が聞いたら、女の子の声は
「友達からもらったの。私が病気だから、仲のいい友達がプレゼントしてくれたんだ。」
って答えたんだって。
その女の子は入院中だった、そうなんだ。
ところがそうやって女の子の声とA君が話している最中に突然にA君のお母さんが戸を開けて部屋に入ってきたんだって。
A君のお母さんは、A君一人しかいない部屋から話し声が聞こえるのを不思議に思って来てみたんだね。
A君は、あっ、怒られる、と思ったそうなんだけど、お母さんは、枕元にある古い電気スタンドを見て、困ったような、悲しいような、不思議な表情をしてA君に言ったんだって。
「倉庫から出してきたの?このスタンドはね、お母さんの大切な思い出なの。お母さんの子供の時の親友の形見なのよ。」
お母さんの話だと、その電気スタンドは、お母さんが小学生の時に仲の良いお友達が何かの病気で入院してしまって、その際にお見舞いかわりにあげたものなんだって。
でも、そのお友達は入院中に急に亡くなってしまい、お友達のお母さんから、形見分けとして返してもらったのがその電気スタンドだったんだ。
もう寝なさい、と言ってA君のお母さんが部屋から出ていった後、A君はもう一度、電気スタンドに向かって、話しかけた。
「君の言っていた友達って、今の女の人かい?」
って。
でももう二度と、電気スタンドからは声はしなかった。
次の日の朝、お日様の下で、A君は電気スタンドの電球を割って壊したんだ。
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