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【納涼】怖い話【VIP】(中編)
2019.07.26 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
1:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)14:53:58.286ID:7blKN20t0
淡々と怖い話投下していくので読み物としてお使いください
(前編はこちら)
54:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:28:04.198ID:7blKN20t0
「知らない番号からの電話」
私が初めて自分の携帯電話を持ったのは、中学2年生の時です。
それからずっと十数年程、携帯番号は変わらずにいたのですが、つい先日とても恐ろしい事があったので番号を変えてしまいました。
その出来事は夜中1時過ぎに起きました。
まだ眠くなかった私は布団に潜り込みながら、携帯をいじっていたんです。
すると突然電話帳に登録していない、知らない番号から電話がかかってきました。
普段なら登録していない番号、しかもこんな夜中の電話は怪しんで取る事はないのですが、つい手が滑り電話を取ってしまいました。
すぐに切ろうと操作しようとした瞬間、電話の向こうで誰かの声が聞こえました。
結構大きな声で話しているようで、携帯を耳に当てなくても聞こえます。
「…に、…と…に、」
恐らく女性だと思いますが、甲高い声で何かを話しているようです。
もしかしたら間違い電話かもしれない、知人が番号を変えて何か訳があってかけてきたのかも、と思ってもっとよく聞こうと携帯を耳に近づけました。
すると不思議な事にブツンッと向こうから電話を切られたのでした。
何だったんだろうと思いましたが、その日はあまり気にせず眠りにつきました。
しかし翌日から、毎回同じ時間に同じあの番号から電話がかかってくるようになったんです。
2回目の着信時はすぐに取ってこちらから
「もしもし、誰?」
と問いかけました。
でも相手の声は大きいはずなのに言葉が不明瞭でどうしても何を話したいのか聞き取れなかったんです。
5~6回電話を取りましたがいつもこんな様子なので、悪戯電話だと思って次からは着信できないように着信拒否設定にしました。
すると驚いた事に別の番号から電話がかかってきたんです。
55:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:28:21.720ID:7blKN20t0
その状態が2週間程続いたでしょうか、何度着信拒否しても番号を変えてかけてくる電話に、次第にイライラしてきました。
だから電話がかかってきた時に、つい大声で
「もう止めて!しつこい!」
と叫んだのです。
そうしたら向こうから電話を切る音が聞こえました。
ああ、これでもうかかってこないといいなと思った次の瞬間、また電話がかかってきてしかもボタンを何も押していないのに電話が繋がったのです。
え!どういう事?と思考が停止していると勝手にスピーカーフォンに変わり、向こうの音が聞こえてきました。
「…に、…と…に、…って」
あの時のように何か話しています。
「い…に、わた…と…いっしょ…って…」
段々と話す言葉がはっきりと聞こえてきました。
「一緒に死ぬって言ったのに私と一緒に死ぬって言ったのに嘘つき嘘つきお前もこっちにこい連れてってやるお前の所に行くぞ逃がさな」
ガシャン!
怖くなった私は携帯を床に放り投げました。
当たり所が悪かったのか携帯の画面は割れて、でもそのおかげか通話は切れていたので携帯をそのままにして夜通し起きて、朝になったらすぐ携帯ショップへ行って機種変更と番号変更をしました。
あれ以来あの恐ろしい電話はかかってきません。
でももしも次にまたかかってきたら…私は今度こそあちらに連れて行かれるのかもしれません…。
58:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:30:35.452ID:7blKN20t0
「ダッシュする女」
これは私が大学生の時の話です。
私は大学へ通うために一人暮らしを始めました。
4階建てのマンションで、各階部屋が20戸ほどならんでいる造りでした。
だいたいですが80世帯ぐらいが入れる、結構大きめのワンルームマンションでした。
特段大学生専用という物件でもなく、私のような大学生からサラリーマン、ご夫婦で住んでらっしゃるような方もいるマンションです。
4階建てなのですがエレベーターはついてなく、変わりにマンションの両端に階段がついており、片方は正面玄関、片方は駐輪場などがある方に降りれる階段でした。
初めての一人暮らしだったので色々と大変でしたが、1ヶ月もすると自炊にも慣れ、特段困る事はありませんでした。
マンションの住人の方も顔ぐらいは分かるようになり、朝や夜にすれ違ったりすると
「おはよう」
や
「こんばんは」
とあいさつを交わすぐらいの関係にはなっていました。
私の部屋は4階の端っこにありまして、駐輪場に繋がる方の階段がすぐそば、要するに正面玄関からは一番遠い所の部屋でした。
部屋の中には窓がついているのですが、曇りガラスで全く外は見えません。
窓の端がちょっとだけ開閉でき、開けるとギリギリ外が見えるかな…というような窓でした。
まあ、要するに賃料が高いマンションではないという事です。
同じ学部の人も1階に住んでおり、特段仲良くないのですが
「あ、40*に住んでるんですよ~」
「俺は10*に住んでますよ。困った事あったら言ってね~」
みたいな会話は一度あったぐらいでした。
6月の中頃、バイト先の居酒屋から帰ってきてご飯を食べるともう12時ちょっと手前でした。
明日も授業があるので、もう寝るかと思い、いつものように電気を消して寝ようと布団に入りました。
それから5分後ぐらいに、廊下を誰かが走る音が聞こえてきました。
まあ、ぼろマンションなのでたまに騒いだりする人やどんちゃんやる人もいますので
「うるさいなー」
ぐらいの気持ちで寝ようとしてました。
ですがその後もずっと廊下をダッシュしてる音が聞こえます。
どうやら私の部屋の前にダッシュで戻って来ては、あっちの方へ走っていっているような音がします。
我慢も限界に達しイラっと来たので、ドアを開けて注意しようと思いました。
ドアを開けた瞬間、やばい事したなと冷静な判断が出来たような気がします。
廊下には赤いスカート、マンションの中なのに傘をさし、汚いスニーカーを履いてる身長150センチぐらいの中年女がもの凄い勢いでダッシュしていました。
僕がドアを開けるとダッシュを止め、ニヤッと笑いながら、こっちへ向けて歩いてきました。
59:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:30:58.723ID:7blKN20t0
当然に僕はドアを閉めて、鍵とチェーンをしました。
そこで気づいたのですが、こんだけダッシュをしていたら一緒の階にいるサラリーマンとかおっさんとかが怒鳴らない訳はありません。
皆、この事を知っていたのかもしれません。
ドアのガチャガチャが開始されました。
警察かな?と思いましたが、とりあえず部屋の奥の方に行くとドアガチャが止みました。
しばらく沈黙が続き、諦めて帰ったかな…と思った次の瞬間、曇りガラスの窓に女のシルエット、開けてた小窓からは手のようなものがガサガサ出入りしました。
私は即座に玄関の方へ走ってチェーンと鍵を開け、1階まで今度は自分がダッシュで行きました。
そして同じ学部の奴の部屋のチャイムをピンポンピンポンと連続で押しました。
すぐに開けてくれましたので、僕が
「とりあえず入れて」
と言うと部屋に迎え入れてくれました。
今しがた体験した事を話すと、とりあえず危なそうなので応援を呼ぶか、とそいつの友達を3人呼んでくれました。
10分ぐらいで来てくれたので、5人で私の部屋に行くと、部屋のどこも変化はありません。
あいつ誰やったんやろなー、みたいな事を話していると、新しく来てくれた人の1人が小窓に気づき
「ここに手を入れられたん?」
と聞いてきたので、僕が
「そうです」
と答えました。
よく考えると、端部屋の4階、足場など無い壁にある窓です。
ワイヤー等で吊り上げないと、女のシルエットが見える訳ありません。
「え?」
と思って小窓を見ると、泥みたいな指型が付いていました。
私はその日のうちに原付を貸してもらって実家へ帰り、部屋は解約しました。
私の体験はこれで終わりです。
落ちも何もないのですが、Oの南の方にある4階建てのマンションでの話です。
淡々と怖い話投下していくので読み物としてお使いください
(前編はこちら)
54:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:28:04.198ID:7blKN20t0
「知らない番号からの電話」
私が初めて自分の携帯電話を持ったのは、中学2年生の時です。
それからずっと十数年程、携帯番号は変わらずにいたのですが、つい先日とても恐ろしい事があったので番号を変えてしまいました。
その出来事は夜中1時過ぎに起きました。
まだ眠くなかった私は布団に潜り込みながら、携帯をいじっていたんです。
すると突然電話帳に登録していない、知らない番号から電話がかかってきました。
普段なら登録していない番号、しかもこんな夜中の電話は怪しんで取る事はないのですが、つい手が滑り電話を取ってしまいました。
すぐに切ろうと操作しようとした瞬間、電話の向こうで誰かの声が聞こえました。
結構大きな声で話しているようで、携帯を耳に当てなくても聞こえます。
「…に、…と…に、」
恐らく女性だと思いますが、甲高い声で何かを話しているようです。
もしかしたら間違い電話かもしれない、知人が番号を変えて何か訳があってかけてきたのかも、と思ってもっとよく聞こうと携帯を耳に近づけました。
すると不思議な事にブツンッと向こうから電話を切られたのでした。
何だったんだろうと思いましたが、その日はあまり気にせず眠りにつきました。
しかし翌日から、毎回同じ時間に同じあの番号から電話がかかってくるようになったんです。
2回目の着信時はすぐに取ってこちらから
「もしもし、誰?」
と問いかけました。
でも相手の声は大きいはずなのに言葉が不明瞭でどうしても何を話したいのか聞き取れなかったんです。
5~6回電話を取りましたがいつもこんな様子なので、悪戯電話だと思って次からは着信できないように着信拒否設定にしました。
すると驚いた事に別の番号から電話がかかってきたんです。
55:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:28:21.720ID:7blKN20t0
その状態が2週間程続いたでしょうか、何度着信拒否しても番号を変えてかけてくる電話に、次第にイライラしてきました。
だから電話がかかってきた時に、つい大声で
「もう止めて!しつこい!」
と叫んだのです。
そうしたら向こうから電話を切る音が聞こえました。
ああ、これでもうかかってこないといいなと思った次の瞬間、また電話がかかってきてしかもボタンを何も押していないのに電話が繋がったのです。
え!どういう事?と思考が停止していると勝手にスピーカーフォンに変わり、向こうの音が聞こえてきました。
「…に、…と…に、…って」
あの時のように何か話しています。
「い…に、わた…と…いっしょ…って…」
段々と話す言葉がはっきりと聞こえてきました。
「一緒に死ぬって言ったのに私と一緒に死ぬって言ったのに嘘つき嘘つきお前もこっちにこい連れてってやるお前の所に行くぞ逃がさな」
ガシャン!
怖くなった私は携帯を床に放り投げました。
当たり所が悪かったのか携帯の画面は割れて、でもそのおかげか通話は切れていたので携帯をそのままにして夜通し起きて、朝になったらすぐ携帯ショップへ行って機種変更と番号変更をしました。
あれ以来あの恐ろしい電話はかかってきません。
でももしも次にまたかかってきたら…私は今度こそあちらに連れて行かれるのかもしれません…。
58:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:30:35.452ID:7blKN20t0
「ダッシュする女」
これは私が大学生の時の話です。
私は大学へ通うために一人暮らしを始めました。
4階建てのマンションで、各階部屋が20戸ほどならんでいる造りでした。
だいたいですが80世帯ぐらいが入れる、結構大きめのワンルームマンションでした。
特段大学生専用という物件でもなく、私のような大学生からサラリーマン、ご夫婦で住んでらっしゃるような方もいるマンションです。
4階建てなのですがエレベーターはついてなく、変わりにマンションの両端に階段がついており、片方は正面玄関、片方は駐輪場などがある方に降りれる階段でした。
初めての一人暮らしだったので色々と大変でしたが、1ヶ月もすると自炊にも慣れ、特段困る事はありませんでした。
マンションの住人の方も顔ぐらいは分かるようになり、朝や夜にすれ違ったりすると
「おはよう」
や
「こんばんは」
とあいさつを交わすぐらいの関係にはなっていました。
私の部屋は4階の端っこにありまして、駐輪場に繋がる方の階段がすぐそば、要するに正面玄関からは一番遠い所の部屋でした。
部屋の中には窓がついているのですが、曇りガラスで全く外は見えません。
窓の端がちょっとだけ開閉でき、開けるとギリギリ外が見えるかな…というような窓でした。
まあ、要するに賃料が高いマンションではないという事です。
同じ学部の人も1階に住んでおり、特段仲良くないのですが
「あ、40*に住んでるんですよ~」
「俺は10*に住んでますよ。困った事あったら言ってね~」
みたいな会話は一度あったぐらいでした。
6月の中頃、バイト先の居酒屋から帰ってきてご飯を食べるともう12時ちょっと手前でした。
明日も授業があるので、もう寝るかと思い、いつものように電気を消して寝ようと布団に入りました。
それから5分後ぐらいに、廊下を誰かが走る音が聞こえてきました。
まあ、ぼろマンションなのでたまに騒いだりする人やどんちゃんやる人もいますので
「うるさいなー」
ぐらいの気持ちで寝ようとしてました。
ですがその後もずっと廊下をダッシュしてる音が聞こえます。
どうやら私の部屋の前にダッシュで戻って来ては、あっちの方へ走っていっているような音がします。
我慢も限界に達しイラっと来たので、ドアを開けて注意しようと思いました。
ドアを開けた瞬間、やばい事したなと冷静な判断が出来たような気がします。
廊下には赤いスカート、マンションの中なのに傘をさし、汚いスニーカーを履いてる身長150センチぐらいの中年女がもの凄い勢いでダッシュしていました。
僕がドアを開けるとダッシュを止め、ニヤッと笑いながら、こっちへ向けて歩いてきました。
59:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:30:58.723ID:7blKN20t0
当然に僕はドアを閉めて、鍵とチェーンをしました。
そこで気づいたのですが、こんだけダッシュをしていたら一緒の階にいるサラリーマンとかおっさんとかが怒鳴らない訳はありません。
皆、この事を知っていたのかもしれません。
ドアのガチャガチャが開始されました。
警察かな?と思いましたが、とりあえず部屋の奥の方に行くとドアガチャが止みました。
しばらく沈黙が続き、諦めて帰ったかな…と思った次の瞬間、曇りガラスの窓に女のシルエット、開けてた小窓からは手のようなものがガサガサ出入りしました。
私は即座に玄関の方へ走ってチェーンと鍵を開け、1階まで今度は自分がダッシュで行きました。
そして同じ学部の奴の部屋のチャイムをピンポンピンポンと連続で押しました。
すぐに開けてくれましたので、僕が
「とりあえず入れて」
と言うと部屋に迎え入れてくれました。
今しがた体験した事を話すと、とりあえず危なそうなので応援を呼ぶか、とそいつの友達を3人呼んでくれました。
10分ぐらいで来てくれたので、5人で私の部屋に行くと、部屋のどこも変化はありません。
あいつ誰やったんやろなー、みたいな事を話していると、新しく来てくれた人の1人が小窓に気づき
「ここに手を入れられたん?」
と聞いてきたので、僕が
「そうです」
と答えました。
よく考えると、端部屋の4階、足場など無い壁にある窓です。
ワイヤー等で吊り上げないと、女のシルエットが見える訳ありません。
「え?」
と思って小窓を見ると、泥みたいな指型が付いていました。
私はその日のうちに原付を貸してもらって実家へ帰り、部屋は解約しました。
私の体験はこれで終わりです。
落ちも何もないのですが、Oの南の方にある4階建てのマンションでの話です。
61:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:32:56.940ID:7blKN20t0
「初めての1人暮らし」
これは私が初めての1人暮らしをした時のお話です。
1人暮らしは初めての経験で、期待と不安の両方の気持ちがありました。
家賃は安めで駅からは近くて、築年数も新しめの場所がいいなと思っていました。
しかし当然ながらこの条件に合う場所はなかなか見つからず、何かひとつでも条件を諦めれば見つかるという不動産屋のアドバイスで、築年齢10年のところを選ぶことにしたのです。
きっと古くてボロいイメージなんだろうなと思いながら内見に行くと、意外と綺麗な造りだったのでびっくりしました。
部屋の中はジメッとしていて、長い間人が住んでいないような印象はありました。
陽当たりも良く収納有、お風呂は追い焚き機能がついていたので、これは掘り出し物だと勘違いした私は、他の人に取られてしまうという焦りもあって即決してしまったのです。
引越をして新生活が始まりました。
昼間は太陽が入り明るく気持ちが良いのですが、やはり夜になると1人は寂しく少し怖い気持ちにもなりました。
まぁ初めての1人暮らしだしそのうちこの生活にも慣れるだろうと思っていたのですが、気持ちは日が過ぎても落ち着かず、あまり眠りにつくことができないため毎日お酒を飲んで気を紛らわせていました。
気がつくといつの間にか眠っていたのですが、どこからか聞こえる物音で目が覚めました。
「何の音かな?」
身体を動かして部屋を見ようとしたものの、全く動きません。金縛りです。
金縛りは以前もなったことがあったので、焦らず動く目だけを頼りに辺りの様子を伺います。
どうやら物音はお風呂から聞こえているようで、シャワー?からポタポタと水が垂れているような音がします。
当然ながら寝る前は蛇口をしっかりと締めていたはずです。
いつから水が出ていたのかは分かりませんが、とにかく金縛りをほどこうともがきました。
すると異変が起きました。
水の垂れる音が、お風呂場から近づいて来るのです。
何かの気配も感じ、恐怖でパニック状態になった私は目をつぶって「助けて!助けて!」と何度も頭の中で繰り返し叫びました。
ですが容赦なく音と気配は私に近づき、恐る恐る薄目を開けてみると…
黒い塊が動いているのを目にしてしまいました。
気づくと朝になっていました。
部屋が明るくなって体も動くことに安堵した私は、昨日の出来事が夢だったのか現実だったのか分からず、お風呂場を確認しに行きました。
シャワーの水は止まっていました。そもそも蛇口は全く緩んでもいません。しかし足元を見ると水たまりができていたのです。
そして水のシミが足跡のように点々と、私のベッドの横まで続いていました。
次の日、1人では居られないと感じた私は友人を呼んで泊まってもらおうと思いました。
その友人は、いわゆる霊感のあるタイプです。
ところが友人は部屋に来るなり
「この部屋何か変な感じがする」
と言い、泊まるのを拒否されてしまいました。
友人には、私が体験した事は何も伝えていません。
これはマズいということで、私は友人の家へ泊まらせてもらうことになりました。
後日、不動産屋さんで状況を説明すると、実は事故物件だったと聞かされました。
本当は入居する前にその説明をしなくてはいけないのが決まりらしいのですが、案内してくれた方が新人で知らなかったようです。
私はそのまま部屋を解約して、引越ししたばかりで転居することとなりました。
事故の内容は怖くて聞くことはできませんでした。
でも、お風呂場で何かがあったのだろうとは思っています。
今もあの部屋が存在しているのかは知りません。
63:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:34:12.233ID:7blKN20t0
「いわくつきの川」
今ではどこの場所にもプールがあって、子供が川で泳ぐことも少なくなりました。
また大人も自然の川に接する機会が少なくなって、鮎やうなぎやそのほかの魚を川で取ることもなくなって来ています。昔は貴重な蛋白源だったのでしょうし、私が子供の頃は事実そうでした。
ですがその代わり、川で亡くなる人の話は何度となく子供の頃から聞いていました。私の知っている人だけでも、何人かいます。
厄介なのは、川の石の苔は乾いているときは全く滑らないのですが、ひとたびぬれた手でその苔に触ると滑って石を掴むことが出来ません。
それですぐそばに石があるにも拘らず、つかまり切れずに死ぬ人がいたのだそうです。
そんな場所はなぜか限られていて、そこで何人もの方が亡くなった話を子供の頃から聞かされました。
そこは学校の帰りの途中にあり、狭い道路が川に向かって突き出したところにありました。その下は崖になっていて、上からは見通すことが出来ませんでした。
その道を通って学校から帰るとき、ましてや一人で日も暮れた時はいつも恐怖感に襲われました。
ある日、新しい自転車を手に入れたことが嬉しくて、そんなことなど忘れて手放しをして走っていました。
自転車の運転で大きなミスなどしたことがなかったのですが、その道にくると突然不自然にハンドルが左に切れて、そのまま川の方へ墜落をしました。
どのくらいの時間落ちていたのかわかりませんが、幸いにも川に入るギリギリの所で留まっていたらしく、向こう岸を歩いていた人が気が付いてくれて私は病院に担ぎ込まれ、助かりました。
その他にも何かと事故が多いので、地元の篤志家がその場所にお地蔵さんを建立して無事を祈ったというほどでした。
その後のことはわかりませんが、そこは幽霊の目撃談も多かったらしく、崖の上に人影が浮かんでいたとか、その付近を泳いでいると川底に引っ張り込まれるなど、子供の頃から聞かされ今でもはっきりと覚えています。
64:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:35:37.683ID:7blKN20t0
「無表情な男性の顔」
私は夢でよくない知らせなどを知ることが多いのですが、その時もそうでした。
その日は普通に疲れて11時ごろに床に就いた日でした。さほど暑くもない日でしたが、夜中寝苦しくなり、ひどくうなされたのです。
私は暗闇を見つめていました。どこを見てもただのうす暗闇で、なんとなく不気味に思っていると突如男性の顔が現れました。
暗闇の中から男性の顔がこちらを無感情な顔つきで見つめてくるのです。誰なのかはわかりません。私の目線の先1メーターほどのところに顔だけが浮かび上がっている感じで、真正面でずっと見つめられているのです。
しばらくすると虚しさと苦しさを訴えてくるような表情に変わり、また無感情な表情に戻りました。
幽霊というよりは普通の人間の顔つきなのに、その皮膚は薄暗くどんよりとしていました。その顔を3日3晩見続けたのです。
その男性について面識はなかったと思っていたのですが、後日にニュースを見ていた時、偶然にも誰なのか判明しました。
ニュースで事故の報道を見たとき、被害者の男性がまさにその人でした。それは昔住んでいたところでお世話になった、近所の男性だったのです。
ご近所さんに気さくにあいさつされる方だったので覚えていたのですが、間違いなく彼でした。事故の具合からして即死なようでしたが、あの顔は事故に会ってしまったことへの無念さだったのでしょうか。
あれ以来彼の顔は見ていません。
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「初めての1人暮らし」
これは私が初めての1人暮らしをした時のお話です。
1人暮らしは初めての経験で、期待と不安の両方の気持ちがありました。
家賃は安めで駅からは近くて、築年数も新しめの場所がいいなと思っていました。
しかし当然ながらこの条件に合う場所はなかなか見つからず、何かひとつでも条件を諦めれば見つかるという不動産屋のアドバイスで、築年齢10年のところを選ぶことにしたのです。
きっと古くてボロいイメージなんだろうなと思いながら内見に行くと、意外と綺麗な造りだったのでびっくりしました。
部屋の中はジメッとしていて、長い間人が住んでいないような印象はありました。
陽当たりも良く収納有、お風呂は追い焚き機能がついていたので、これは掘り出し物だと勘違いした私は、他の人に取られてしまうという焦りもあって即決してしまったのです。
引越をして新生活が始まりました。
昼間は太陽が入り明るく気持ちが良いのですが、やはり夜になると1人は寂しく少し怖い気持ちにもなりました。
まぁ初めての1人暮らしだしそのうちこの生活にも慣れるだろうと思っていたのですが、気持ちは日が過ぎても落ち着かず、あまり眠りにつくことができないため毎日お酒を飲んで気を紛らわせていました。
気がつくといつの間にか眠っていたのですが、どこからか聞こえる物音で目が覚めました。
「何の音かな?」
身体を動かして部屋を見ようとしたものの、全く動きません。金縛りです。
金縛りは以前もなったことがあったので、焦らず動く目だけを頼りに辺りの様子を伺います。
どうやら物音はお風呂から聞こえているようで、シャワー?からポタポタと水が垂れているような音がします。
当然ながら寝る前は蛇口をしっかりと締めていたはずです。
いつから水が出ていたのかは分かりませんが、とにかく金縛りをほどこうともがきました。
すると異変が起きました。
水の垂れる音が、お風呂場から近づいて来るのです。
何かの気配も感じ、恐怖でパニック状態になった私は目をつぶって「助けて!助けて!」と何度も頭の中で繰り返し叫びました。
ですが容赦なく音と気配は私に近づき、恐る恐る薄目を開けてみると…
黒い塊が動いているのを目にしてしまいました。
気づくと朝になっていました。
部屋が明るくなって体も動くことに安堵した私は、昨日の出来事が夢だったのか現実だったのか分からず、お風呂場を確認しに行きました。
シャワーの水は止まっていました。そもそも蛇口は全く緩んでもいません。しかし足元を見ると水たまりができていたのです。
そして水のシミが足跡のように点々と、私のベッドの横まで続いていました。
次の日、1人では居られないと感じた私は友人を呼んで泊まってもらおうと思いました。
その友人は、いわゆる霊感のあるタイプです。
ところが友人は部屋に来るなり
「この部屋何か変な感じがする」
と言い、泊まるのを拒否されてしまいました。
友人には、私が体験した事は何も伝えていません。
これはマズいということで、私は友人の家へ泊まらせてもらうことになりました。
後日、不動産屋さんで状況を説明すると、実は事故物件だったと聞かされました。
本当は入居する前にその説明をしなくてはいけないのが決まりらしいのですが、案内してくれた方が新人で知らなかったようです。
私はそのまま部屋を解約して、引越ししたばかりで転居することとなりました。
事故の内容は怖くて聞くことはできませんでした。
でも、お風呂場で何かがあったのだろうとは思っています。
今もあの部屋が存在しているのかは知りません。
63:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:34:12.233ID:7blKN20t0
「いわくつきの川」
今ではどこの場所にもプールがあって、子供が川で泳ぐことも少なくなりました。
また大人も自然の川に接する機会が少なくなって、鮎やうなぎやそのほかの魚を川で取ることもなくなって来ています。昔は貴重な蛋白源だったのでしょうし、私が子供の頃は事実そうでした。
ですがその代わり、川で亡くなる人の話は何度となく子供の頃から聞いていました。私の知っている人だけでも、何人かいます。
厄介なのは、川の石の苔は乾いているときは全く滑らないのですが、ひとたびぬれた手でその苔に触ると滑って石を掴むことが出来ません。
それですぐそばに石があるにも拘らず、つかまり切れずに死ぬ人がいたのだそうです。
そんな場所はなぜか限られていて、そこで何人もの方が亡くなった話を子供の頃から聞かされました。
そこは学校の帰りの途中にあり、狭い道路が川に向かって突き出したところにありました。その下は崖になっていて、上からは見通すことが出来ませんでした。
その道を通って学校から帰るとき、ましてや一人で日も暮れた時はいつも恐怖感に襲われました。
ある日、新しい自転車を手に入れたことが嬉しくて、そんなことなど忘れて手放しをして走っていました。
自転車の運転で大きなミスなどしたことがなかったのですが、その道にくると突然不自然にハンドルが左に切れて、そのまま川の方へ墜落をしました。
どのくらいの時間落ちていたのかわかりませんが、幸いにも川に入るギリギリの所で留まっていたらしく、向こう岸を歩いていた人が気が付いてくれて私は病院に担ぎ込まれ、助かりました。
その他にも何かと事故が多いので、地元の篤志家がその場所にお地蔵さんを建立して無事を祈ったというほどでした。
その後のことはわかりませんが、そこは幽霊の目撃談も多かったらしく、崖の上に人影が浮かんでいたとか、その付近を泳いでいると川底に引っ張り込まれるなど、子供の頃から聞かされ今でもはっきりと覚えています。
64:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:35:37.683ID:7blKN20t0
「無表情な男性の顔」
私は夢でよくない知らせなどを知ることが多いのですが、その時もそうでした。
その日は普通に疲れて11時ごろに床に就いた日でした。さほど暑くもない日でしたが、夜中寝苦しくなり、ひどくうなされたのです。
私は暗闇を見つめていました。どこを見てもただのうす暗闇で、なんとなく不気味に思っていると突如男性の顔が現れました。
暗闇の中から男性の顔がこちらを無感情な顔つきで見つめてくるのです。誰なのかはわかりません。私の目線の先1メーターほどのところに顔だけが浮かび上がっている感じで、真正面でずっと見つめられているのです。
しばらくすると虚しさと苦しさを訴えてくるような表情に変わり、また無感情な表情に戻りました。
幽霊というよりは普通の人間の顔つきなのに、その皮膚は薄暗くどんよりとしていました。その顔を3日3晩見続けたのです。
その男性について面識はなかったと思っていたのですが、後日にニュースを見ていた時、偶然にも誰なのか判明しました。
ニュースで事故の報道を見たとき、被害者の男性がまさにその人でした。それは昔住んでいたところでお世話になった、近所の男性だったのです。
ご近所さんに気さくにあいさつされる方だったので覚えていたのですが、間違いなく彼でした。事故の具合からして即死なようでしたが、あの顔は事故に会ってしまったことへの無念さだったのでしょうか。
あれ以来彼の顔は見ていません。
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65:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:36:33.234ID:7blKN20t0
「画像が違う」
これは家族団欒をしていて、携帯でその様子を撮っていた時に起きた出来事です。
その日はいつもと変わらず、私と妻、子供2人の4人で夜ご飯を食べていました。
子供たちは変顔をしながら楽しく食事をし、笑いの絶えない食卓となっていました。
「そうだ、写真でも撮ろうかな。」
私は普段写真を撮るという習慣がないのですが、ふとたまには撮影してみようかと思い、携帯で写真を撮り始めました。
子供達は妻に写真を撮られ慣れているので、面白いポーズを取りながらシャッターチャンスを作ってくれます。
そうして食事を終え、妻の携帯へ撮影した写真を転送しようとした時でした。
「あれ?」
私がiPhoneの写真フォルダを開いてみると…見た事もない赤ちゃんのドアップ画像がありました。
しかしその画像ファイルをタップして開いてみると、確かに先ほど撮影していたうちの子供の画像になっています。
つまりサムネイルの画像だけ、知らない赤ちゃんの画像に入れ替わっているのです。
なんだこれは!と、オカルト好きな私は興奮しながら嫁にその画面を見せるも、嫁は
「何これ!?怖いんだけど!」
と本気で怖がっていたので、画像はそのまま削除しました。
その赤ちゃんは、私も嫁も知らないし、見た事のない顔でした。
一体あの赤ちゃんは何者だったのでしょうか…。
67:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:36:57.785ID:XziVi6nS0
最近少し怖いことがあって、
家のリビングにいると、突然女性の低い声で鼻歌が聴こえてくるんです。
「ん~…ん~ん~ん~…」
最初は本当にかすかにしか聞こえなくて、でも放っておくとどんどん声は近づいてきます。
「ん~…ん~ん~…」
それでも放っておくと、もうどんどんどんどん声は大きく、近くなるんです。
「ん~…ん~ん~ん~…」
なので私は、その声に気づいたらいつも般若心経の最後の部分を
繰り返し唱えるようにしています。
そうすると、その声は遠ざかっていくんです。
リビングにいると、その声がいつ聞こえてくるか不安で、落ち着きません。
声が小さいうちに気付いて般若心経を唱えないと、すぐに近くまで声がやってくるからです。
そんな風に意識していたのですが、
こないだ大好きなバンドのCDが発売されて、大興奮のまま家に帰ってきてリビングで
CDをヘッドホンで大音量で聴いていたんです。
もう本当に最高で、たまらなく興奮していました。
全曲聞き終えて、ヘッドホンを外すと耳元で
「んーーーーーーーーーーーーーーーー」
って。
68:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:37:10.030ID:XziVi6nS0>>72
これ怖い
69:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:38:16.697ID:6lWkIlW6a
>>67
あー鳥肌立つわ
70:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:38:37.806ID:7blKN20t0>>87>>159
「助からない患者」
心霊モンじゃないんだが、おれが検査技師だった頃の話で聞いてくれ。
その時も、今も一応バイク乗り。
おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。
急変とかで、まあよくあることだ。
処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)だった。
救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。50代位の男性だった。
一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで肉の焼けるにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。
全然動く気配もない。もう時間の問題だ。
「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
と救急隊員は言った。
医師も
「あー、こりゃすごいね」
と言って治療をする気もなさそうだ。
「ひどい・・・・」
看護婦も目が怯えていた。
俺は一応検査をするための準備にかかった。
機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。
おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが、表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。
「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」
と俺は言った。
皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。
「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」
「あ、あ」
俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
その部屋の中にいた、医師、看護婦、俺、救急隊員、全員が凍りついた。
まあ、2時間もしないうちに患者は亡くなったんだが、なんども「私はしぬんですか?」って聞かれて、おれたちは不謹慎だが逃げ出したい衝動になんどもかられたよ。
71:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:39:42.269ID:7blKN20t0
「間違って呼び出しボタンを押してしまった」
大学生のときに同じ学校の友達が体験した恐怖体験です。
ある夜、友達が私のアパートに駆け込んできました。
まるで怖いものでも見たように青ざめた顔で、部屋の床にへたり込んだ友達になにがあったのかと問うと、こう言ったのです。
風呂に入っていて、追炊き機能のボタンを押そうとしたとき、間違って呼び出しボタンを押してしまった。
その時、風呂の外から女の声で
「待ってて、今行くから」
と聞こえてきたのだと言うのです。
友達は、結構いい賃貸マンションに住んでいるのですが、実家は地方のため、私と同じ一人暮らしです。彼女もいません。
一体だれの声だと思ったとたん、悪寒が押し寄せてきて震えがとまらなくなったそうです。
怖くて風呂から出るのもためらわれたが、風呂から出ないことには外にもいけない。
そんなわけで、脱いだ服をあわてて着て逃げるようにマンションから飛び出してきたのだといいます。
「部屋の中に、女の人がいたのを見たの?」
との私の問いかけに、友達は小さく
「わからない。怖くて、わき目も振らずに家のドアまで向かった。でも…ドアにはきちんと鍵がかかっていて、チェーンもしていたんだ。大学から帰って、俺が戸締りをした。鍵はかかっていた。間違いないんだ。」
と、がたがた震えながら言いました。
結局その日は友達を家に泊めましたが、電気を消さず冷蔵庫に入れてあった酒を浴びるように飲み、なんとか気持ちを落ち着かせていた、といった状態でした。
そして彼はそのまま実家に帰り、両親がマンションの荷物を引き取りに来たようでした。
それ以来、連絡を取っていないのでその後のことは分かりません。
あの話を聞いて以来、私は風呂の中で呼び出しボタンを押さないように、細心の注意を払っています。
73:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:41:03.330ID:7blKN20t0
「ビデオメッセージ」
会社の同僚が亡くなった。
フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。
Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で、休みがあればあっちの山、こっちの崖へと常に出かけていた。
亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。
「なあ、俺がもし死んだときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」
趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、ということだった。
俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろといったが、クライミングをやめることだけは絶対に考えられないとKはきっぱり言った。いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。
Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮ることになった。
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める。
「えー、Kです。このビデオを見てるということは、僕は死んでしまったということになります。
○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本当にありがとう。僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っています。
僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。僕は天国で楽しくやっています。
皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。
××(娘の名前)、お父さんはずっとお空の上から見ています。だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」
もちろんこれを撮ったときKは生きていたわけだが、それから半年後本当にKは死んでしまった。
クライミング中の滑落による事故死で、クライミング仲間によると、通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように下には安全マットを敷いて登るのだが、このときはその落下予想地点から大きく外れて落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。
通夜、告別式ともに悲壮なものだった。
泣き叫ぶKの奥さんと娘。俺も信じられない思いだった。まさかあのKが。
一週間が過ぎたときに、俺は例のビデオをKの家族に見せることにした。
さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は、俺がKのメッセージビデオがあるといったら是非見せて欲しいと言って来たので、ちょうど初七日の法要があるときに親族の前で見せることになった。
74:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:42:40.581ID:7blKN20t0
俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。
「これも供養になりますから、是非見てあげてください」
とDVDをセットし、再生した。
ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。
あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。
あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか?
「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んでしまっ・・いう・・ります。
○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本・・ありが・・・」
Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けているヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。
「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。
僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、
お父さん死んじゃっヴァアアアアアアアアアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」
75:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:43:33.542ID:7blKN20t0
背筋が凍った。
最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う断末魔の叫びのような言葉に変わり
、最後Kが喋り終わるときに暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。
これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、K兄さんはいたずらでこういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげでその場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますといってみんなに謝った。
翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に住職がDVDの入った紙袋を見るや否や
「あ、それはうちでは無理です」
と。
代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったがそこでも
「えらいとんでもないものを持ってきたね」
と言われた。
そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来ならあの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。
76:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:44:31.438ID:7blKN20t0
「祖母の骨」
父方の祖母が亡くなった時のこと。
通夜の時、親戚が座る席に見知らぬ男性がいた。
父方の親戚たちは毎年集まる習慣があったのだが、その男性の姿は一度も見たことがなかった。
母にそっと
「あの人誰?」
と聞くと、父の兄だという答えが返ってきた。
当時私は小学生だったのでよく分からなかったのだが、父の兄(以下伯父)は昔ギャンブルで多額の借金を背負い、実家に多大な迷惑をかけたため、縁を切られていたのだという。
しかし、実母の葬儀ということで連絡がいっていたため、顔を見せたらしい。
奥さんも連れてきており、そちらは普通のおばさんという感じだったが、伯父の方は陰気な雰囲気で、子供心に
「ちょっと気持ち悪いな」
と思った。
そんなこんなで葬儀は進み、祖母の遺体が荼毘に付された後のこと。
親戚一同が箸で骨を拾い、互いに渡し合っている時、小学生の私には見慣れない光景なので所在無さげにキョロキョロとしていたところ、ふと伯父が目に入った。
するとなんと、伯父が祖母の骨を食べていた。
どうやら本人も他の人に見られてはまずいと思っていたらしく、せわしなく視線を泳がせていたので、バッチリ目が合ってしまった。
伯父は口をモグモグさせながら、心なしかニヤニヤと笑っているように見え、心底ゾッとした。
小学生だったので
「骨を食べてる!」
と衝撃を受け本当に怖かったが、何だか親に言ってはいけないような気がして、このことは10年以上誰にも言えずにいた。
しかし大学に入って民俗学に明るい友人ができ、ふとこのことを思い出したので話してみたところ
「ああ、骨噛みでしょ。九州地方にそういう風習があるよ」
と、そんな恐ろしいことじゃないよとでも言うように答えてくれた。
父の実家は中部地方なのだが、詳しく調べてみると九州に限らず日本各地にそのような【骨を噛む・食べる】という風習があるようだ。
故人を悼む気持ち・大切に思う気持ちや、故人の生命力・能力にあやかろうとする感情から行うという意味があるのだとか。
もしかしたら伯父は、縁を切られてしまった実家・あるいは母との繋がりを保つために、骨を食べたのかもしれない。
しかしその行為はある事だとしても、あの時の不気味な伯父の眼差しは、今でも目に焼き付いて離れない。
77:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:46:16.308ID:7blKN20t0
「白い着物の女の霊」
いまから20年ほど前、父が建てた家に家族5人で暮らしていた時の話です。
当時小学校4年生だった末の弟は、その家でずっと白い着物の女の霊を見続けていたそうなのです。
女の霊が現れるときは決まって階段をあがった踊り場のところに立っていて、階段下正面にあるトイレに入っていく弟をじっと、無表情で見つめていたそうです。
初めはなにがなんだかわからず、弟は
「お客さんかな…?」
と思っていたらしいですが、人間じゃない、おばけだ!と気づいてからは怖くなってトイレをサッと済ませたり、それまで開けっ放しで入っていた扉を閉めるようになったそうです。
いつもいるという訳ではなかったらしく、ふと見ると
「あ、いる…」
という感じだったそうで、弟はそのうち小は庭の用水路で済ませるようになり、大はバタバタバタっと走って行って驚くほどの早さで済ませ、またバタバタバタっと部屋に戻ってくるようになりました。
両親はそんな弟を行儀が悪いと叱りつけ、私と上の弟は
「こわがり!ビビり屋!」
と茶化しいじめたのですが…弟はなにも言わずただただ黙っていました。
この話を打ち明けられたのはそれからだいぶ後、弟も大きくなって、とある事情で家を手放して家族が離れ離れになり久々に再会した時でした。
「実は…」
と言いにくそうに、大げさでもなく淡々と話す弟に
「なぜその時に言わなかったのか?」
「黙っててこわくなかったのか?」
とみんなで質問責めにしたのですが
「…言っても信じてくれると思わなかった。誰も信じてくれないことと、誰かに言ったらおばけが仕返しに来るんじゃないかと思って、怖かったから我慢していた」
と。
なるほど…と、その女の霊の話を聞いた時はゾッとしてしまいました。
弟は真面目な性格で嘘をつくようなタイプではありません。
それにそんな嘘をついたところで何にもなりません。恐らく本当に体験していたのでしょう。
ちなみに女の霊は悲しいのか怒っているのかまったくわからない、ただただ無表情だったそうです。
白い着物で顔までもが白っぽく、ぼわーっと透けるような浮きあがるような…なんとも不思議な雰囲気で、人間とは違うそうです。
霊といえば恐ろしい表情を浮かべていたり、うらめしいことを言ったりという話ばかりですが、弟が見たように静かでそこにただいる、というものも多いのではないでしょうか。
結局その白い着物を着た女の霊の正体はわからないままですが、余談があります。
弟がその話をすると
「…あ、そういえば」
と母も不思議な話を思い出したように打ち明けました。
母は叔母(母の妹)が泊りがけで遊びに来た時、飲んだり食べたりしながら夜遅くまで尽きない話をしていると、廊下とリビングを隔てたすりガラスの引き戸に白いものがひらっと見えたことがあるそうなのです。
うるさくしたから祖母が目を覚まして起きてきたのかな?と見に行ったものの、誰もいない。
白いものは布がひらっと舞いあがってスッと消える感じだったそうですが、叔母も見たので見間違いではないそうです(一応叔母にも確認してみましたが、同じことを言っていました)。
白い布って、もしや…?と、一連の話を聞いた時には家族全員鳥肌がたちました。
ちなみにその家は現在別の方が住んでおり、今もまだ同じままあります。
78:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:46:44.132ID:6lWkIlW6a
一人にしないでくれよ俺はちゃんと見てるぞ
80:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:47:47.473ID:7blKN20t0
「くねくね」
これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に遊びに行った。
都会とは違い、空気が断然うまい。僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。
そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風が止んだ。
と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。
僕は、
『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい風が吹いてくるんだよ!』
と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。
すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。
その方向には案山子(かかし)がある。
『あの案山子がどうしたの?』
と兄に聞くと、兄は
『いや、その向こうだ』
と言って、ますます目を凝らして見ている。
僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。
すると、確かに見える。何だ…あれは。
遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』
兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
風がピタリと止んだのだ。
しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。
81:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:48:16.998ID:7blKN20t0
兄は
『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』
と驚いた口調で言い、気になってしょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。
兄は、少々ワクワクした様子で、
『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』
と言い、はりきって双眼鏡を覗いた。
すると、急に兄の顔に変化が生じた。みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。
僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。
『何だったの?』
兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』
すでに兄の声では無かった。兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は…。
よし、見るしかない。どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。
その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
僕が
『どうしたの?』
と尋ねる前に、すごい勢いで祖父が
『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』
と迫ってきた。僕は
『いや…まだ…』
と少しキョドった感じで答えたら、祖父は
『よかった…』
と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。
僕は、わけの分からないまま、家に戻された。
帰ると、みんな泣いている。僕の事で?いや、違う。よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。
僕は、その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。
そして家に帰る日、祖母がこう言った。
『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』
僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。以前の兄の姿は、もう、無い。
また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。
何でこんな事に…ついこの前まで仲良く遊んでたのに、何で…。
僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。
祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。
僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。
表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながらずっと双眼鏡を覗き続けた。
『いつか…元に戻るよね…』
そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。
そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。
…その時だった。
見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。
82:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:49:41.210ID:7blKN20t0
「真夜中のドライブ」
これは私が20代の時のことです。
当時付き合っていた彼氏と一緒に、ドライブへ出かけることとなりました。
彼はとても大雑把な性格で、特に目標を決めずに真夜中でも平気で出かける人でした。
彼曰く
「夜中の方が道路が空いていてスムーズだし、観光地も楽に回れる」
のだそうです。
その日、彼はただ
「山梨へ行こう」
とだけ言い、夕方に出発しました。
目的地どころか泊まるところも決めていないという無計画なドライブです。
私も若かったので、何だかワクワクするという気持ちになっていました。
やっと山梨に入ったと思ったのですが、○○市というところに入ってから山道のみになりました。
真夜中なのでいくら走っても真っ暗な山の中で、民家も全くありません。
夜11時を過ぎても山道のままなので、このまま夜明けまで走り続けるしかないと思っていました。
すると道路から一歩奥に入ったところに「旅荘」という古い看板が見えました。
私達は
「まさかこんなところに」
と思ったのですが、側道に車を止めて奥の方を見てみると、本当に木造の古めかしい旅館があったのです。
そこで車から降りて近づいてみると、入口付近は白っぽくてキレイで、ドアのすりガラスの中にはオレンジ色の光の様なものが見えました。
「もう潰れちゃったんじゃないの?」
なんて言いながら近寄ってみると、玄関の外にあったドラム缶の裏に人影が見えたのです。
私は思い切って
「こちらの旅館の方ですか?」
と声をかけると、その人影はこちらをチラリと見た様に思えました。
しかし何故かその人影は、ドラム缶の陰にスッと消えてしまいました。
あれ?と思い近寄って見ると…誰もいませんでした。確かに人がいたと思ったのですが…。
私は直感的に幽霊だ!と思い、彼に
「逃げよう!」
と言って車に駆け込みました。
ところが彼は幽霊を全く信じないタイプで
「人がいたの?何で泊まれるか訊いてみないの?」
と言って玄関まで近寄っていったのです。
私はもうほぼ半泣きです。彼は古い木でできた、すりガラス付きの玄関をノックしていました。
しばらくすると、彼が走って戻ってきました。
「何かいるっ!ドア越しにピッタリ誰かが張り付いてきた!」
と叫んでいました。
私達は慌てて車を発進しようとしたのですが、まるでホラー映画のワンシーンの様にエンジンが中々かかりません。
こんなことがあるのかとパニック状態になりましたが、やっとエンジンがかかって走り出しました。
恐怖映画では、よく振り向くと後部座席に幽霊が乗っていたり、窓の外に誰かが張り付いているのが見えるシーンがあったので、視線を絶対にそこへ向けない様、ひたすら前だけを見つめていました。
頭の中では何度も「南無阿弥陀仏」と唱えていました。
その時急に彼が
「後ろが見えない」
と言いました。
バックミラーを見ると、いつの間にか車のトランクが開いて上がっていたのでした。
思わず幽霊が乗ってきた?!と思ってゾワーっとしましたが、そのままでは走行できません。
さすがに怖いのでしばらく走ってから車を止めて、彼がトランクを閉めました。
もうドライブは中止で、そのまま必死で東京に戻りました。
翌朝ガソリンスタンドで給油をしたのですが、その時にスタッフの人から
「後ろ、すごい泥がついてますよ」
と言われました。
びっくりして見ると、車のトランクの辺りに泥だらけの指の様な跡がいくつもついていたのです。
もしかして幽霊がトランクをこじ開けて、乗り込もうとしていたのでしょうか。そう思うと、怖くて仕方ありません。
それ以来彼は真夜中の無謀なドライブに出かけることはなくなり、半年後に私達は別れてしまいました。
今でも忘れらない、私の恐怖体験です。
84:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:50:56.358ID:7blKN20t0
「走行中に叩かれたドア」
私は衣料品の縫製をおこなう会社に勤めていて、その日は外部の縫製工場にお願いしていた製品を回収するために、2tトラックを運転していました。
これは、その帰り道での出来事です。
その外部の縫製工場までは会社から片道40分ほどの距離で、ガードレールの先が深い崖になっている山道を通ります。
山道といっても、それなりに交通量があることで整備はしっかりとされていましたし、カーブは多いものの車幅にゆとりのある二車線の道路で、危ない道だと思うことはありませんでした。
夏というにはまだ早い時期でしたが、その日は雲一つないキレイな青空で、じっとしていても汗ばむような日でした。
私はゴーと唸り声をあげるエアコンの音を聞きながら、山の緑が生き生きとした山道をドライブ気分で走行していたのですが、急に強烈な眠気に襲われてしまいます。
ハンドルを握ったまま腕の力が抜けて、トラックが小さく横に動くのをなんとか抑えようとしても、だんだん力の抜ける間隔が狭くなり抑えることも難しくなっていきました。エアコンの音もだんだんと聞こえなくなっていきます。
自分が危険な状態にあるのはわかっていても心が何も感じなくなっていて、怖いと感じないから眠気は強くなる一方です。
自分が運転をしているのに、まるで他人の体験を見ているような気分になっていました。
この山道には休憩用の場所がいくつかあるから、それが見えたらすぐに入ろう…。
少しでも頭が動いている間にトラックを止められる場所に着くことを祈りながら、なんとか運転をしていたときです。
バンバンと私の右手側、運転席のドアが大きく叩かれました。車が軽く揺さぶられるくらいの強さでした。
するとそれまでの眠気がウソだったかのようになくなり、聞こえなくなっていたエアコンの唸りも鮮明に聞こえ始めました。
最初は、フラフラと走っている危険なトラックに異常を感じたバイクが、ドアを叩いたのかと思いました。
ですが辺りを見渡してもバイクの姿はどこにも見えません。
それならあの音と揺れは何だったのだろうか。まさか飛び出してきた動物でもはねたのか…それとも気づかぬ間に対向車と接触事故でも起こしたのだろうか…。
危険な状況からは脱したものの、今度は事故を起こしたかもしれないという不安が襲ってきました。
ほどなくすると道路に車両休憩用のスペースが見えたので、トラックを停車させて車体を確認しました。
しかしキズ・ヘコミなどはどこにもなく、とりあえずは接触事故等ではないことがわかりホッと胸をなでおろしました。
一応歩いて道路を引き返し確認をしましたが、音がなるような原因になるものはどこにも見つけられませんでした。
このとき私の脳裏に浮かんだのは、この道路には事故で死んだドライバーの幽霊が出るという話でした。
事実、その山道は事故が多く注意を呼びかける看板がうるさいほど出ています。
ドライバーの幽霊以外にも、殺人事件に関係するといわれる場所が何か所もある山道でした。
私はそんなものよくある噂だろうぐらいに思っていましたし、この山道は何度も通っていますが、幽霊の姿どころか恐ろしいと感じたことは一度もありません。
ですが自分がこうして実際に不可解な体験をしてしまうとは…。
あの時この体験をしていなければ、こうして自分が体験したことを伝えることもできなくなっていたかもしれない。
そう考えると、不思議な出来事の正体が幽霊だとしても
「ありがとう」
と言わずにはいられません。
きっと事故を起こす前に幽霊に起こされたのではないか、そんな風に思えて仕方がありません。
86:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:52:54.148ID:7blKN20t0
「ラジオからの声」
数年前のある日、車を運転中にとても怖い思いをしました。
その日はクリスマスが近くなった12月の金曜日で、私は遠距離恋愛中の恋人に会うために国道を走っていました。
仕事の終わる時間が遅くなってしまったため、時間はもうとっくに深夜で、都心から離れていくにつれてどんどん車の量は減っていきます。
私は疲れていましたが早く恋人に会いたい気持ちのほうが強く、休憩もそこそこに二つ先の県にある目的地を目指しました。
どれほど走ったでしょうか。時刻を見ると夜の1時半。なだらかで走りやすい国道は終わり、ぐねぐねとした山道が始まります。
さいわい周りに車はなく自分の走りやすい速さで運転できたのですが、あるヘアピンカーブにさしかかった時、かけっぱなしだったラジオが突然無音になりました。
まあ山の中だし電波が途切れたのかな~くらいにしか最初は思わなかったのですが、ザーーーというノイズの音に混じって、かすかに誰かの声が混じっています。
まあただチャンネルが混線しただけだろう、はやく治らないかなと思っていると、突然がくんと車のハンドルがとられました。
あわてて急ブレーキを踏み、山の中で私は車を止めました。
真っ暗の山道の中で、車のヘッドライトだけがあたりを照らしています。外はとても冷えていて、暖房を切るとすぐにフロントガラスが真っ白に曇りそうでした。
さっきのはいったい何だったんだろう、と思ってばくばく鳴っている心臓を落ち着けていると、先ほどのノイズ混じりのラジオから、今度ははっきりとした女性の声で
「はやく会いに来てよ」
私は鳥肌が止まりませんでした。
ラジオの電源をオフにして一刻も早く山を抜けたい、明るい道路に出たいと車を走らせました。
10分ほどしてすぐに何事もなく山を降りることができたのですが、あの時のとても生きた人間とは思えない冷たい声がまだ耳の奥に残っています。
この話をすると恋人は仕事と運転で疲れてたせいだよ、なんて笑うのですが…私にはあれがとてもただの幻聴だなんて思えません。
しかしあの声は、どことなく恋人に似ていたような…。
88:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:55:13.204ID:7blKN20t0
「合宿での体験」
私が高校生の時の体験談です。
小学校から高校までバスケットをしていた私は、通っていた高校で毎年夏の合宿がありました。朝から晩まで練習の日々で、ミーティングは夜中まで続きました。
3泊4日の合宿での最終日。
その日はミーティングもなく最終日ということもあり、練習も早めに終わりました。
同じ地区の強豪チームと合同合宿で、みんなで楽しく話していました。
そんな中、トイレに行って帰ってきた女子が急に部屋の人数を数え始めました。
どうしたの?と聞くと、その女子がトイレに行ってみると、トイレが一つ閉まっていたのだそうです。
その子は自分以外に誰もトイレに行っていないからおかしいな…と思ったので、みんなのいる場所へ戻ってきて人数を数えてみたというのです。
その合宿先は小さなところで、私たち以外の人が泊まっている事実もありません。
そして何度数えても、部屋には全員います。
興味を持った何人かは、本当かどうかトイレを見に行きました。私は怖くて行きませんでしたが、確かに一番奥が閉まっていたそうです。
そこのトイレは洋式で横向きに座る様になっていて、扉は便座の横にあります。
閉まっているということは誰かが居るはずなので、気になった先輩達は閉まっているトイレを下から覗きました。
するとスリッパがコチラを向いているのが見えたそうです。
やっぱり誰か居る、と思って立ち上がった瞬間、上から髪の長い女の子が手を伸ばしていたというのです。
先輩達は悲鳴をあげて走って戻ってきました。
何かいることは確かで、ヤバい怖い!ということで私達は早々と布団を敷き寝ることにしました。
私はというと、昔から少し霊感が強く、小さい時からよく白い女性や手のない男性、武士のような男性を見たりしていたのでなんかやだなあと思いながら目を瞑りました。
いつもは疲れてすぐ寝れるのに、その日はなかなか眠りにつくことが出来ずゴロゴロしていました。
私はドア側に寝ていて、窓際にいた先輩に目が行きました。
薄暗かったのですが、その先輩の布団の上にまたがっている子供が見えました。ビシビシと嫌な予感を感じます。
そして私の急に体が重くなり、パッと目を開けました。
そこには…私の体の両サイドに六人の子供達が座っていました。戦時中の様な格好をした子供達でした。
その子たちを良く良く見てみると、私の耳を見ている子、私の腕を見ている子、足、目、などなど、一人一人違う箇所を見ていました。
なんでだろう?と思い良く良くその子たちを見てみたら、その見ている箇所がその子たちの体にはないのです。
私は目を瞑り
「なにも出来ないよ」
と心の中でつぶやきました。
手に掴まれた感触がきて
「あ、やばいな」
と思った次の瞬間、急に電気がパッとつき部屋が明るくなりました。
目を開けたら1人の先輩が走って寄ってきて
「大丈夫?」
と声をかけてくれました。どうやら先輩にも見えていたようです。
それ以降そこでの合宿はなくなりましたが…未だにあの子供たちがなんだったのかは分からずじまいです。
90:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:56:23.612ID:7blKN20t0
「事故物件への1泊」
これは私が中学2年だった夏休みの出来事です。
その時ちょっと不良な3人の友達とつるんでいた私は、なにかイベントをしようと相談していました。
夏休みということで、肝試しに行くことに決まりました。
肝試しをするにも普通の所で行うのは面白くない、そんな意見もでたのでかなり場所を厳選しました。
その際悪友の1人から
「事故物件があるからそこに1日泊まろう」
と話がでました。
どうやら悪友の親が不動産会社をやっていて、その不動産会社が管理している物件に曰く付きの所があったようです。
貸し手もなかなか決まらないようで、1日くらいなら、とお願いをしたところOKはもらえたのですが…不動産会社の人があまり浮かない表情だったことを覚えています。
当日、私たちは電車に乗って目的地へと向かいました。
正直この時はピクニック気分で友達と泊まれるのが楽しみでしょうがなかったので、その後に起こることなど全く考えてもいませんでした
物件に着いた私たちは、早速その日に持ち寄った食べ物、飲み物で宴会を始めることにしました。
その中には出るわけないだろうという心理が強く働いていたのだと思います。
一通りお腹を満たしたあとは、水も電気も止まっていたので近くの銭湯にいきました。
その後は暗い部屋の中で怖い話をしていましたが、ここで異変が起きます。
リビングと和室の間のふすまが少しだけ、人が1人通れるだけ開いていました。
誰かが閉め忘れたのかな?と思いましたが、みんなは閉めたといっています。
何らかの異変は覚悟していましたし、それだけのことでビビッていると思われたくなかったので、その後は少し談笑をしてから寝ることとしました。
しかし朝起きると、大きな異変がありました。
友人の1人(Sとします)が部屋にいません。
時間は朝5時。外へトイレに行ったのかな?とその時は思いました。他の友人は気持ちよさそうに寝息を立てています。
10分くらいたった頃でしょうか、Sがドアを強めに空け帰ってきました。
そして
「帰るぞ、帰らないと…」
と大きな声で言いました。
どうやら始発のやっているその時間を見計らっていたようです。
Sの顔は疲れたように顔色が悪く、寝ていないことが推察できました。
状況がよくわからなかったので理由を聞きましたが、Sは
「帰るぞ」
としか言いません。
その気迫に負けて、私達はすぐに帰り支度をして電車に乗りました。
帰りの電車の中で、Sはポツリポツリとそういう状況になった経緯を話し始めました。
91:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:56:41.358ID:7blKN20t0
夜、私たちが寝静まったあともSは寝付けないまま起きていたそうです。
すると物音が立ち始めたそうです。人の歩く音のような。
その後、うなり声のような音も聞こえてきたので他の人を起こしてみたがまったく起きず、あわてて外へ逃げ出したとのことでした。
電車の中でその話を聞いた私たちは、信じることもなく凝った演出してるな…位に思っていました。
幽霊等を全く信じていなかったためです。
そしてこの夏休み中に、Sは亡くなりました。
死因はトラックに轢かれてしまったことなのですが、運転手は居眠りとかではなく、ハンドルが勝手に動いたんだ、と言ったそうです。
その後、ある日私が部活から帰ってくると母親が神妙な顔で話をしてきました。
「あんた一体何したの?」
「何か隠していることない?」
事故物件に泊まった事は言っていなかった(友達の家に泊まるとは言っていた)ので隠そうかと思いましたが、見透かしたかのような母親の質問と形相から、隠すのはやめて正直に話ました。
すると母親がここ最近の状況を語り始めました。
どうやら私がいない時、のぞき窓には写らないのにノックをしてくる来訪者がいたそうです。
「どなたですか?」
と聞いても開けてくれとしか言わず、無視しているとノックの音は大きくなったとの事です。
それが日を追うごとに頻繁になってきて、身の危険を感じていたようです。
我が家に起きたこの異変と、Sが変死したことから、母親は泊まりに行った日に何かをやったということに感づいたようです。
この時分かったのですが、母親には霊感があったのです。
母親はその後どこかへ連絡をすると、私を連れてすぐに近くにある神社へ向かいました。
神社に着くと、さっき母親が電話していたと思われる、霊能力者だという方が待っていました。
その霊能力者と神社の人の見解としては、事故物件にはとても強い地縛霊がいること、Sはその霊の影響でなくなったこと、そして次のターゲットはおそらく私であることが告げられました。
そして面白半分で霊を肝試しの道具にしてはいけない、ましてや強く念の残っている事故物件のような場所に泊まることなど許されないと、強く叱責を受けました。
本当に心から反省しましたが、とにかく対応するしか無いということで、お祓いを受けてお守りをもらい、何やら文字の書かれた写しを2枚頂きました。1枚は他の友人へ渡すよう言われました。
書かれた文字は最低でも1日3回、3日間を読むようにといわれました。
読んでいる際に物音がするかもしれないが、読むのを止めてしまわず最後まできっちりと読むことと言われました。
最初の頃は確かに物音がしていたのですが、回数を重ねるたびに少なくなっていき、3日目には物音が立たなくなっていました。
その後、友人達と一緒にお礼を言いに神社へ行くと、神主や霊能力者の方からほっとした表情で
「生きていてくれてよかった。」
と言われました。
神社で言われた通りにしなければ、私もSのように死んでいたかもしれません。
私自身にはそこまで身の危険が迫っているという自覚はありませんでしたが、あまりにも違う世界の話なのでよくわかりません。
お守りは毎年そこの神社で新調し、頂いた文字の写しは今も手放せずに持っています。
そして怖い場所や本能が避ける場所には行かないことで、自己防衛をすることにしました。
霊のいる場所で弄んだ行為をすると、取返しのつかない見返りが待っているかもしれません。
皆様はそのようなことの無きよう願うばかりです。
93:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)15:57:41.896ID:CJAi3cR00
中学生の頃の話。
夜9時ごろ、自宅のトイレで大をしていたとき。
ふっと横の窓を見上げると、変な顔があった。
その窓は、家の外(裏側の、軽自動車がやっと一台通れる程度の路地)に直接面している窓。
ガラスに顔をべったりとくっつけている感じで、鼻や頬が押し付けられて平べったくなってた。
一瞬髪の毛が逆立ったんだけど、すぐに、(ああ、これはのぞきか?)と思い直した。
当時姉が高校生だったので、トイレをのぞく奴がいても不思議はない。
外に面したトイレの窓なので、当然すりガラス。
だから中に入っている人間(俺)が男なのか女なのかよくわからず、ぴったり顔をつけてのぞこうとしたのだと感じた。
それなら怒鳴りつけるなり何なりすればよかったのだろうが、一瞬腰を抜かしそうになった後だったので、なんだかちょっと行動力がなくなっていて、そのままそーっとトイレを出た。
俺が振り返っても動き出しても、その「顔」はうろたえるようすもなく、そのままトイレの中を必死でのぞき続けているようだった。
ぴったりガラスに押しつけられているので、異様に大きな顔にも見えた。太った男のようだった。
トイレの外に出てから、しかしこのままにしといたら姉貴がかわいそうだなあと思い直した。
どんな奴なのか顔だけでも見といてやろうと、家族には何も言わずにサンダルを履いて外に出て、家の裏に回った。
路地に出て、トイレの窓のところを見た。
人影はない。そりゃもう逃げてるわな。
ちょっと苦笑しかけて、すぐにあることに気づいて俺はもう一度ぞっとした。
トイレの窓の外には、ドロボウ除けのステンレスの面格子が取り付けられていたんだ。
面格子と窓ガラスとの距離は5センチ足らず。とてもじゃないが人間が頭を突っ込める隙間はないんだ。
俺はあわてて家の中に戻り、その夜は布団をかぶって寝た。
あのガラスに押し付けられた肉厚な顔のイメージが、しばらく頭から離れなかった。
95:以下、VIPがお送りします 2019/07/23(火)16:00:03.610ID:7blKN20t0
「だるま」
その仲良し夫婦は旅行が趣味で、よく外出を楽しんでいた。
国内を行き尽くした2人はそのうち、海外旅行へも積極的にチャレンジするようになる。
言葉が通じず、新しい体験だらけの海外旅行はとても新鮮でのめり込む要素も満載だったため、刺激を求めた2人はいつしかツアーではなく単独で海外へ渡るようになっていた。
そんな2人が某国でショッピングを楽しんでいた時、事件が起きた。
服を選んでいた妻が、いつの間にか店から忽然と姿を消したのだ。
妻はさっきまで更衣室で着替えていたはずだった。しかしいつまで待っても出てこない彼女は、まるで蒸発したかのようにいなくなった。
夫はお店の人に事態を訴えるも、言葉が通じず泣き寝入りするしかない。
現地の警察に通報するも、結局妻の行方は不明のまま夫だけは帰国することとなってしまった。
愛する妻はどこへ消えたのか…。どうしても諦め切れない夫は、暇さえあれば足しげく某国へと通った。
しかし妻の足取りは掴めずじまいだった。
もう何度某国へ来ただろうか。今回は友人達も同行して入国した。
友人達は半ば諦めかけていた夫を元気づけようと、何か面白いものはないかと模索していた。
すると町の一角に、人だかりが出来ている。
「何かイベントでもやっているのかな?」
人混みの間からひょいと覗いた一行の目に飛び込んできたのは、見せ物小屋だった。
そこには、手足のない全裸の女性がいた。
その女性がひょこひょこと無表情で歩き回っているのを、多くの見物客が眺めていたのだ。
どういった経緯でその女性がそのような状態になったのかは、知る由もない。なんとなくこの状況が不愉快に感じた一行は
「そろそろ食事でも行こうか」
とその場を離れようとした。
しかし妻が行方不明となっている夫だけが、いつまでもその場を離れようとしない。
「おい、○○(夫の名)、もう行くぞ」
と声をかけると、夫はボソッと呟くように言葉を発した。
「△△…。」
えっ?
友人達は耳を疑った。
△△(妻の名)がついに見つかったのか!どこにいるんだ!と驚きながら問うと、○○は無言で指を指した。
なんとそれは、見せ物となっている例の女性だった。
そんな馬鹿な…。
友人達は驚愕したが、確かに△△にそっくりだ。しかし彼女がこんな姿になっているとは、誰も信じることができなかった。
夫は、ただ茫然と立ち尽くしていた。
その後、その見せ物小屋と交渉した一行は手足のない女性を引取り、あらゆる手段で△△本人かどうかの照合を行った。
結果、その手足のない女性は△△であることが医学的にも証明された。
△△の身になにがあったのか、はっきりしたことはわからない。
ただ△△は生きてはいるものの、両手両足を切断され、声帯も失っていた。さらには、精神も既に崩壊しているような状態だった。
両手両足のない彼女の姿は、まるで「だるま」のようだった。
【【納涼】怖い話【VIP】(後編)】
引用元:【納涼】怖い話【VIP】
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1563861238/
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