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桐の花
2007.12.01 (Sat) | Category : 誰も信じない人へ
母は長男の嫁です。
父の兄弟はみな肉親だというのに冷たく、曾祖母、祖父、祖母の介護を全部押し付けられ、お嬢様だった母は泣きながらもよくやってあげていたと思います。
そんな曾祖母、祖父も亡くなり、残った祖母の最期も母が優しく面倒をみてあげました。
元気な時はたいして仲もよくなかったし20年間くらいぼけてて、ほんとに苦労をかけられていましたが…。
亡くなる前、祖母はボケはかなり進んでいたけれど、血の繋がらない母の顔だけはわかったのです。
寂しがりやの祖母でしたが、母に本当に救われていたと思います。
葬式の日
「終わったんやねえ」
と母がつぶやきました。父の兄弟達が血相変えて形見を奪い合いする中母はぼーっとしていました。
翌朝、私達が起きるとなぜか母の枕元に淡い紫の桐の花が5つ6つ。
寝る前にはなかったし、窓もしまっているし、人の出入りもなかったのですが。
そして家の近所には桐の木などありません。
私達は「?」という感じでしたが、母はそれを大事に仏壇に飾りました。
祖母が末期近く、病院の窓から桐の花が咲いているのをジッと眺めていたので、母が一枝もらってくると大変いい顔で笑ったそうです。
「おばあちゃんがあいさつにきてくれたんよ」
祖母が、母にお礼を贈ったのでしょうか。
父の兄弟はみな肉親だというのに冷たく、曾祖母、祖父、祖母の介護を全部押し付けられ、お嬢様だった母は泣きながらもよくやってあげていたと思います。
そんな曾祖母、祖父も亡くなり、残った祖母の最期も母が優しく面倒をみてあげました。
元気な時はたいして仲もよくなかったし20年間くらいぼけてて、ほんとに苦労をかけられていましたが…。
亡くなる前、祖母はボケはかなり進んでいたけれど、血の繋がらない母の顔だけはわかったのです。
寂しがりやの祖母でしたが、母に本当に救われていたと思います。
葬式の日
「終わったんやねえ」
と母がつぶやきました。父の兄弟達が血相変えて形見を奪い合いする中母はぼーっとしていました。
翌朝、私達が起きるとなぜか母の枕元に淡い紫の桐の花が5つ6つ。
寝る前にはなかったし、窓もしまっているし、人の出入りもなかったのですが。
そして家の近所には桐の木などありません。
私達は「?」という感じでしたが、母はそれを大事に仏壇に飾りました。
祖母が末期近く、病院の窓から桐の花が咲いているのをジッと眺めていたので、母が一枝もらってくると大変いい顔で笑ったそうです。
「おばあちゃんがあいさつにきてくれたんよ」
祖母が、母にお礼を贈ったのでしょうか。
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