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家へのお別れ
2007.11.25 (Sun) | Category : 誰も信じない人へ
僕が中1になった春に、大好きだったお爺ちゃんが肺癌で亡くなりました。
62でした。僕は孫の中では一番年上だったので、一番お爺ちゃんに可愛がられていました。今でもすごく守ってもらっています。
さて、お爺ちゃんの七回忌も終わった初夏、お爺ちゃんが建てた家を、その息子である伯父さんが建て直すことになりました。いよいよ明日は解体業者が入るという晩のことでした。仏壇の前に寝ていたお婆ちゃんは、外に気配を感じました。が、「あ~お爺ちゃんが来てるなぁ」と思って、安心して寝てしまったらしいです。そして早朝。雨戸を開けてみると、その仏壇から真っ正面に当たる部分の縁側が、じっとりと濡れていたのです。人の背丈くらいの長さで、じっとりと。あまりそういうことを信じない伯父は、
「犬でも入り込んでシッコしてったんだよ」
と言いましたが、なんの匂いもない。何にもまして不思議だったのは、その濡れっぷりでした。太い材木を組み合わせて作っている縁側の、その太い材木の中心近くまで、水分が浸透していたのです。お爺ちゃんが家にお別れを言いに来たんだと思いました。
お爺ちゃんはよくその縁側に座って、将棋をうっていましたから。
62でした。僕は孫の中では一番年上だったので、一番お爺ちゃんに可愛がられていました。今でもすごく守ってもらっています。
さて、お爺ちゃんの七回忌も終わった初夏、お爺ちゃんが建てた家を、その息子である伯父さんが建て直すことになりました。いよいよ明日は解体業者が入るという晩のことでした。仏壇の前に寝ていたお婆ちゃんは、外に気配を感じました。が、「あ~お爺ちゃんが来てるなぁ」と思って、安心して寝てしまったらしいです。そして早朝。雨戸を開けてみると、その仏壇から真っ正面に当たる部分の縁側が、じっとりと濡れていたのです。人の背丈くらいの長さで、じっとりと。あまりそういうことを信じない伯父は、
「犬でも入り込んでシッコしてったんだよ」
と言いましたが、なんの匂いもない。何にもまして不思議だったのは、その濡れっぷりでした。太い材木を組み合わせて作っている縁側の、その太い材木の中心近くまで、水分が浸透していたのです。お爺ちゃんが家にお別れを言いに来たんだと思いました。
お爺ちゃんはよくその縁側に座って、将棋をうっていましたから。
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