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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.23 (Sat) Category : 

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ー鬼になる理由<晴彦2>ー <オオ○キ教授シリーズ>

2018.02.10 (Sat) Category : 創作作品

114:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:42:14ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 1/6

どっちかというと、くだらないことでキレてたオレを、冷静に鎮めてくれるのは崇志兄の役目だった。
だから、
「鬼が出た」
なんてうろたえる崇志兄は、むしろイジる絶好の的になった。

「それで、出たのは赤鬼ですか?青鬼ですか?」
からかうと、崇志兄は本気で嫌そうな顔をする。
「んなお伽話じゃねえんだよ。妄執の塊…つか…。思い出したら寒気がしてきた」
大げさに二の腕を擦るのを見て、美耶ちゃんが、
「そういうとこでふざけるから、肝心なとこで信用しないんじゃない」
と呆れた。
美耶ちゃんは、笹川さんが鬼に変わったところなど見ていない、と言ってる。



115:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:42:37ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 2/6

座り込んでいる笹川さんは、会話はできるけど、まだ動けない様子だ。
「体中が痛い」
と愚痴るたびに、崇志兄が謝ってる。
「いいですよ。俺も、なんとなく自覚があるから」
笹川さんが崇志兄のフォローを始めた。
「眩しい光が急に差し込んできて、イラっと来たんですよ。だから光源を狙って鉈を振り下ろそうとした…気がする」
美耶ちゃんが引き攣った表情で、笹川さんから離れた。

そういえば、笹川さんは以前にもそんなことを言ってたなあ。
I村で初めて鬼に遭遇した夜、オレからの着信が入った瞬間に、携帯が『強烈な光』を発したとか。
あのとき、オレは美耶ちゃんと一緒にいたわけだから、やっぱり、美耶ちゃんがこの現象を引き起こしてるわけか。

―――――――――――……。
鬼の天敵になるほど、美耶ちゃんの神格は高いのか。
頼もしい…けど…。



116:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:43:12ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 3/6

「あんまり長居したくないんだが、動ける?」
崇志兄が笹川さんを促しているけど、笹川さんは首を振る。
「座ってるのがやっとで、立つのも…」
腰を浮かせようと試みているけど、苦痛に顔をしかめただけだった。
「そういえば、崇志兄、村の人は?一緒に行動してたんじゃなかったの?」
人手があれば笹川さんを動かせるかと思い、そう言ったら。
崇志兄は怪訝な顔をした。
そして、美耶ちゃんは慌てた様子で、
「携帯出して」
とオレに詰め寄った。
??

美耶ちゃんに促されて携帯の着信と送信記録を調べると、崇志兄に送信した回数は2回になってた。
着信を調べると、同じく2回になってた。
…おかしい…。
崇志兄からは、笹川さんの車発見の連絡をもらってからも3回ぐらい電話があったはずだ。オレもちゃんと受け答えてる。なのに、その間の記録が抜け落ちてた。
「俺はかけてないし、お前と話をした記憶もない」
崇志兄がそう説明するのを聞いて、やっと、オレにも『奇妙さ』がわかってきた。
オレが話をしたあの声は、一体、誰の声だったんだろう?

「牡丹灯篭の札返し、だな」
崇志兄がボソッと言った。
お露という亡霊にとり憑かれた浪人の新三郎が、その亡霊から逃れるために、護符を貼った一室に3日3晩閉じこもる。
3日目の朝、一番鶏が鳴く声を聞いて、もう大丈夫だと自ら戸を開けた新三郎の前に、深夜の闇と亡霊の迎えが見えた、という怪談。
その一番鶏の声をまやかしたのが、『札返し』という妖怪だと言われている。



117:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:43:46ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 4/6

「結局、笹川氏も、俺も、晴彦も、みんな『鬼』の術中にハマったんじゃないか」
小気味よさそうに崇志兄が言う。
喜ぶとこじゃないだろ。
唯一、騙されてない美耶ちゃんは、
「私しか頼りにならないの…?」
と、いかにも頼りなさげにオレたちを見回した。
「…ごめん。でも大丈夫だから」
自信はなかったけど、そう勇気づけておいた。
実際、美耶ちゃんは、状況判断はできるけど行動は著しく間違うから、任せられないし。

とりあえず、オレと崇志兄で笹川さんを屋外まで運んだ。
そして、ここまで、オレが崇志兄の車を持ってくることになった。

村の中は閑散としていた。まだ3時前なのに…。
見知った世帯はいくつもあるから、声をかけていきたい気もする。でも、さっきの『鬼の電話』の内容を考えると、村の人には関わらないほうがいいように思えた。
崇志兄の声をした『鬼』は、盛んに、
「村内では親切に協力してもらってる。晴彦もI村に来たらみんなのところに挨拶に寄ってくれ」
と言っていたからだ。
幸い、というか、車をI村の裏山に停めたオレは、崇志兄たちに合流するまで誰にも会わずに済んだ。
こういう行動は、あとになってみると意味がわかってくることが多い。



118:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:44:37ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 5/6

鬼とは違う部類かもしれないけど、妖怪に関して、こんな仮説を読んだことがある。
――――あれは人間の悪行をごまかしている物語だ――――

幼い子どもの容姿を持つ座敷童は、元々は旅人殺しの皮肉なのだという。
人里離れた山村に、深夜、宿を取りはぐれた旅人が辿り着く。一夜の寝床を貸した家族は、夜のうちにこっそりと旅人を殺し金品を奪う。
翌日から羽振りのよくなったその一家を、周囲の人間は、「福の神のぼっこが来た」と強烈な嫌味をこめて暗に罵るのだそうだ。
座敷童のいなくなったあと(金品が尽きたあと)、その家族が非業の運命を辿るというところからも、この妖怪が『招いてはいけない存在』だということがわかる。

そんなふうに見ていくと。
『河童』は子どもの間引きの話。
『山の御殿(人の気配のない山中にいきなり豪邸が現れるが、どんなに探しても住人の姿を見ることができない、というような童話)』は口減らしに年寄りや病人を遺棄した話。
『怪物(動物の変化したもの)の存在』は、証拠隠滅のために家畜に死肉を食わせた名残り。
と、こじつけられちゃうんだなあ。
これらの物語の原型が残っている東北に、父さんは行きたがっている。たしかに、父さん好みの展開だな。



119:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/10(土)00:45:00ID:S6eQj9SO0
鬼になる理由<晴彦2> 6/6

鬼に関しては、オレは『桃太郎』とか『酒呑童子』ぐらいの知識しかない。
どちらも鉄の産出地域で、強大な力を持った豪族を、朝廷(天孫系)が討伐するという歴史がベースになっている。

だけど、このI村の鬼は、そんなに長い歴史があるようには思えない。
それに、ここの鬼は…。
―――実在してる…?

―――――――――――……。
ヤバいなあ…。
ワクワクしてる、オレ…。
本物がいるなら、会ってみたい。


引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ7【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1230444736/114-119












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