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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.23 (Sat) Category : 

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ー鬼になる理由<美耶2>ー <オオ○キ教授シリーズ>

2018.02.02 (Fri) Category : 創作作品

884:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/12/20(土)00:40:17ID:YP/vX9cU0
鬼になる理由<美耶2> 1/4

「少し待ってな」
とお兄ちゃんが言うので、私は立ち止まって、お兄ちゃんが笹川さんの車を覗き込むのを離れて見てた。
ハルさんの話によると、笹川さんは、多少熱血的なところはあるものの、突然、奇行に走ったりするタイプではなかったよう。
それでも、お兄ちゃんは、
「錯乱状態が続いてるかもしれないから」
と、私には笹川さんに不用意に近づかないように忠告した。
車から離れたお兄ちゃんは、首を横に振ってる。いなかったんだ…。

「とりあえず、晴彦に連絡しておいて」
と言われたので、携帯を取り出した。
…けど、圏外…。
念のため、お兄ちゃんの携帯も見てみると、そっちは通じそう。
番号を暗記している私がダイヤルして、お兄ちゃんに渡した。ハルさんはすぐに出たようで、会話してる。

伝えることを伝えたあと、お兄ちゃんは私に携帯を渡してくれた。
…ちょっと決まりが悪い(汗)。けど、声を聞けるのは嬉しい。
受話部分を耳に当てると、でも、通話は切れてた。画面を見ると圏外。
「お前、電波に嫌われてんなあ」
と笑う兄貴。
うるさいっ。



885:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/12/20(土)00:40:51ID:YP/vX9cU0
鬼になる理由<美耶2> 2/4

ハルさん伝いに聞いた、笹川さんが『鬼を見た場所』は、I村の村落を過ぎた山の入り口だったはず。
100m置きぐらいに点在してる家屋の窓枠を見ながら、私たちはI村の中間まで来た。
人の姿はないけど、気配はする。家の陰やカーテンの隙間からの視線。
「警戒心強いなあ」
お兄ちゃんは半ば呆れている。
「話しかけないでね」
私は牽制した。
そのほうがいい気がする。

7月だというのに、ひどく空気が冷たかった。
汗かきのお兄ちゃんも、
「山だから涼しいのかな」
と首をひねるほど暑がらない。
快晴の空に昇る太陽は、若干、天頂から西に動いてる。
「おなか空いたね」
と、場を和ますために言ってみた。空腹感はまったくない。
「もうそんな時間か?家出たの、11時近かったもんな」
腕時計を持たないお兄ちゃんは、携帯を出した。
「晴彦から着信入ってるわ」
画面には、10分ほど前にかかってきた見覚えのある電話番号が表示されてる。
かけ直したけど、ノイズがひどくて、通じてるのかどうかもわからなかった。



886:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/12/20(土)00:41:23ID:YP/vX9cU0
鬼になる理由<美耶2> 3/4

ハルさんに連絡がつかない。
それがものすごく不安だった。
「笹川さんの車を見つけたときに、お兄ちゃん、ハルさんと話したでしょ?なんて言ったの?」
確認すると、お兄ちゃんは、
「晴彦も午後から休みを取って合流するって言ってた。もう向かってるよ」
と、意味ありげにニヤついて答える。
私は、
「ハルさんは来ないでほしいな…」
と言った。
お兄ちゃんは、
「…なんで?」
と、浮かれた声のトーンを落とした。
「わからない、けど、なんとなく…」
返事に困っていると、お兄ちゃんが言った。

「いま、晴彦にかけ直したとき、お前、雑音がひどくて何も聞こえないって言ったろ。俺には聞こえたよ」
「『ハヨキレヨ』って言葉が、何度もね」

青くなった私を見て、
「帰るか?」
と、お兄ちゃんは聞いた。
私は拒否した。
「私たちが笹川さんを見つけてあげなかったら、ハルさんが探すことになるんでしょ?そのほうが嫌だもん」
お兄ちゃんは声を上げて笑いながら、
「おし。やっぱりお前は俺の妹だ」
と自慢(?)した。



887:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/12/20(土)00:42:12ID:YP/vX9cU0
鬼になる理由<美耶2> 4/4

覚悟を決めれば、なんのことはない道程だった。
鬼が出るのでもなく、魔都に引きずり込まれるわけでもない。
「いざとなれば、小角を呼ぶから」
と軽口を叩く私に、
「はいはい」
とあしらう兄貴。

「小角といえば修験道の開祖なんだけどさ」
道すがら、お兄ちゃんが雑学を披露してくれた。
「修験道っていうのは、日本の神道や中国の陰陽道が交じり合った、難解な宗教だったわけ。で、後に密教の影響を受けて真言を取り入れたりしてくるんだ」
「真言…って、お兄ちゃんの宗派?」
あんまり興味なかったけど、お兄ちゃんの唱えるお経が珍しかったので、尋ねてみたことがあったんだ。
「そ。だから、俺も『行者様』とは無縁じゃない」
明らかに無理なこじ付けをしてるお兄ちゃん。
「はいはい」
とあしらっておいた。

そして、私たちは、『鬼が出る』だろう、問題の家に着いた。



引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ6【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1223829762/884-887












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