忍者ブログ

都市伝説・・・奇憚・・・blog

都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。 メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ ☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中! ☆☆ありがとう5000万ヒット!☆☆

[PR]

2024.11.23 (Sat) Category : 

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ー番外編(高校生)ー <オオ○キ教授シリーズ>

2018.01.05 (Fri) Category : 創作作品

454:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:53:44ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 1/9

長い話ばかりで恐縮しているのと、兄貴編を書いてみたくなったので、サイドストーリーを投下します。
教授は出ません。郷土史もありません(汗)。

運動系は得意なほうだったけど、特に頭が良かったわけでも、経歴のスペックがあったわけでもない。
なのに、中学、高校と、つけられたあだ名は【アニキ】だった。
同級生からも、なぜか上級生からも。

当時、まだ小学生だった妹は、最初は可愛く、
「お兄ちゃん」
と呼んでくれていたんだけど、俺の悪友たちに感化されて、すぐに、
「ダメ兄貴」
が代名詞の定番になった(泣)。

そんな時代の話。



455:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:54:32ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 2/9

俺の一学年上に、名高、という先輩がいた。
高校時、俺は陸上部と心理学研究会という眉唾なクラブに所属してた。
名高先輩は、その陸上部のほうで世話になった人だ。
おとなしくて気弱な性格だったけど、考えなしに行動する俺を絶妙にサポートしてくれたりして、意外と頼りになる先輩だった。
そして、足は抜群に速かった。

名高さんが3年に進み、クラブにも出てこなくなって疎遠になった頃、妙な噂を聞いた。
「受験ノイローゼらしいよ」
彼は、見るからに厳しい家で育てられてるといった内向的な雰囲気を持っていたから、プレッシャーがきついことは、簡単に想像ができた。

気になって、話を聞きにクラスまで行ったこともあったけど、要らん世話を焼く周囲に、
「あんまり関わらないほうがいいんじゃない?」
と押しとどめられて、結局、声をかけることもなく放置してしまった。



456:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:55:05ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 3/9

もう肌寒かった10月の半ば。
深夜まで漫画読んで遊びほうけていた俺は、なんとなく視線を感じて、2階の部屋の窓から眼下を覗いた。
名高先輩が立ってた。影が異様に薄かった。
俺はすぐに玄関を飛び出して、先輩が立っていた位置に行った。
けど、もう痕跡はない。

先輩の存在が消滅するイメージが繰り返し浮かんだ。
焦ってあちこちを探すと、俺の家から一区画目にある信号の交差点を、左に折れる影が見えた。
家のほうから、お袋の呼び止める声が聞こえたので、
「すぐ帰るからっ!」
と返事をして、俺は先輩を追った。



457:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:55:56ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 4/9

尻尾を捕まえる、という言葉があるけれど、まさにそんな感じで、俺は、先輩の影という尻尾を追った。
もうちょっと真面目に走りこんどきゃ良かった。全然追いつけねえ。
汗だくになりながら着いた先は、学校だった。
寒気がするほどの不安が襲ってくる。
息は完全に上がっていたけど、頭は冷静になれた。冷静にならないと【間に合わない】と思ったから。
校門をよじ登って、校庭に忍び込む。

闇に包まれた校舎は不気味で、ガキだった俺は、足がすくんだ。
先輩の影はどこにもない。学校に入ったのかどうかも定かじゃない。

でもさあ。
真夜中に、音信の途絶えてる俺の家に来るぐらいなんだぜ?よっぽど思いつめてなきゃ、やらないよな。
ノイローゼの人間が、最期の場に選ぶのは、自宅か学校ぐらいじゃないのかよ。

鍵がかかっているだろう昇降口を避けて、俺は、教室棟の脇にある、螺旋状の非常階段を上り始めた。



458:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:56:55ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 5/9

階段は、安全基準なんか気にも留めないという造りで、中央部は、最上階から地面まで吹き抜けている。
腰までの手すりはついているけど、そんなもんは簡単に越えられる。
先輩…、まさか、上から降ってこねえだろうなあ(汗)。
振り仰いでも、上部は、鉄階段の底に阻まれて見えなかった。

4階部分に到達して、いよいよ最上階の5階に着こうとしていた俺は、落ちてくる先輩を受け止めるイメージトレーニングに集中していた。

だってな、この先は屋上に到達するしか道がない。
俺が無駄足を踏んでいるんじゃなかったら、先輩は屋上か、階段の上部にいるはず。
螺旋の上から、ひょいっと先輩の顔が覗きそうな気がした。
「…俺、来てますよ…」
思いとどまってほしくて、ビビリながらも声をかけた。



459:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:57:30ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 6/9

そしたらさ。おかしいんだよ。
螺旋階段の下のほうから、カンカンと金属を踏み鳴らすような足音が聞こえてきたんだ。
吹き抜け部分に顔を出して確かめると、3階辺りに足が見えた。
な…なんで先輩のほうが下にいるんだよ?!抜いてきたわけもないのに…。

足は下方に向かっている。
俺も方向転換をして、足を追った。
相変わらず早い。距離を離される。
焦る。なぜかわからないけど、思う。
【あの足が地面に下りる前に捕まえないと】



460:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:58:17ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 7/9

俺が2階あたりまで下りたとき、先輩は、すでに地上まで数段を残すのみだった。
俺は何も考えずに手すりを越え、吹き抜け部分から下に飛び降りた。

地面までは長かった…。

足裏と足首と膝に、思いがけない衝撃を感じて、悲鳴が出た。
でも、うずくまる前に、階段の出口を塞ぐことができた。
あと1段を残して地面に下りきらなかった先輩は、驚いた顔をして、足を止めた。

その瞬間、すぐ脇の植樹の並木から、盛大な音がして。
屋上から飛び降りたらしい先輩の体が、小枝まみれになりながら俺の目の前に落ちてきた。



461:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:59:05ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 8/9

携帯を常備する時代じゃなかったから、救急車を呼んでくれたのは、俺の叫び声を聞いて集まってくれた近所の人たちだった。
木がクッションになったのか、先輩は、俺の呼びかけに答えるぐらい元気で、隣りに座り込んでた。
「なんでお前がいるの?」
と聞かれたけど、
「バカヤロー」
としか答えられなかった。

でも、後々まで一番の謎とされたのは、まったくの部外者だった俺が、自殺未遂をした先輩の横で、捻挫で動けなくなっていたことだったらしい。



462:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/11(木)23:59:45ID:Zf/BtvQm0
番外編(高校生) 9/9

後に住職になった俺は、妹にそのときのことを話し、
「死に急ぐ人間の信号をキャッチしたいから、俺は坊さんになろうと思ったんだよ」
と説明した。
でも、妹は、
「兄貴、キモイ」
と、冷めた対応をしただけだった…。



引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ5【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1219147569/454-462











拍手[0回]

この記事にコメントする

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
最新コメント
[10/25 ukvartiraFum]
[10/04 NONAME]
[09/30 NONAME]
アクセス解析
カウンター

Powered by [PR]

忍者ブログ