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ーお諏訪さまー <オオ○キ教授シリーズ>
2018.01.03 (Wed) | Category : 創作作品
351:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:01:03ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 1/8
今回は地名も施設名も公表しますね。
説明がうまく伝わるかは、すごく不安だけど(汗)。
あ、そうだ。この話には皇室批判が含まれます。
気になる方は読まないでください。
「旨い蕎麦を食べに行くか」
教授が珍しく縁起のいい誘い方をしてくれた。
どうも、前回の鋏供養が後ろめたかったらしい(笑)。二つ返事で同行を引き受けた。
蕎麦といえば信州だ、というから、中央道をひた走って諏訪に向かう。
諏訪は、観光地である諏訪湖のイメージしかなかったので、
「もう少し北に上がったほうが、ほんとに信州って感じがする」
と提言したけど、却下だった。
要するに、蕎麦で釣って、諏訪に行かせたかっただけなのね…。
352:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:02:29ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 2/8
諏訪インターを下りると、すぐに、
「北に上がってくれ」
と指示された。
ちょっと意外。まず南下して、諏訪大社の本宮にお参りすると思ってたのに。
諏訪大社っていうのは、竜神さまを祀っている、日本でも屈指の階位を持つ神社なの。
それぐらいの知識は事前に仕入れてる。
上社と下社に分かれていて、本宮である上社には男神、下社には女神が祀られている。
この2人は夫婦なのだそうだ。
上社と下社は、諏訪湖を挟んでほぼ対岸に位置している。
真冬になると、夫婦の神様は、お互いを求めて、諏訪湖に張った氷の上を渡るのだとか。
それが、よく名前を聞く【御神渡(おみわたり)】という現象らしい。
勉強の成果を自慢げに語ると、教授は、
「君らしくロマンチックな着眼点だな」
と、…たぶん、馬鹿にした。
353:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:03:02ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 3/8
「上社に祭られている男神、タケミナカタは、大国主(おおくにぬし)の息子だ」
20号線を走っている間、教授は、私に【正しい】知識を授けてくれた。
「大国主は知ってるかな?」
「たしか…、【因幡の白兎】の歌に出てきた神様だと…」
大きな袋を肩にかけ だいこくさまが来かかると ここに因幡のしろうさぎ 皮をむかれて赤裸
うろ覚えの歌詞を歌うと、教授は、
「そのとおりだよ。島根県の出雲大社の主神で、国譲り神話の主人公でもある神様だ」
と誉めてくれた。
記憶が正しかったことに私は喜んだけど、
「国譲り神話…が、ピンときません」
と、恥も晒した(汗)。
(続きは『続きを読む』をクリック)
お諏訪さま 前編 1/8
今回は地名も施設名も公表しますね。
説明がうまく伝わるかは、すごく不安だけど(汗)。
あ、そうだ。この話には皇室批判が含まれます。
気になる方は読まないでください。
「旨い蕎麦を食べに行くか」
教授が珍しく縁起のいい誘い方をしてくれた。
どうも、前回の鋏供養が後ろめたかったらしい(笑)。二つ返事で同行を引き受けた。
蕎麦といえば信州だ、というから、中央道をひた走って諏訪に向かう。
諏訪は、観光地である諏訪湖のイメージしかなかったので、
「もう少し北に上がったほうが、ほんとに信州って感じがする」
と提言したけど、却下だった。
要するに、蕎麦で釣って、諏訪に行かせたかっただけなのね…。
352:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:02:29ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 2/8
諏訪インターを下りると、すぐに、
「北に上がってくれ」
と指示された。
ちょっと意外。まず南下して、諏訪大社の本宮にお参りすると思ってたのに。
諏訪大社っていうのは、竜神さまを祀っている、日本でも屈指の階位を持つ神社なの。
それぐらいの知識は事前に仕入れてる。
上社と下社に分かれていて、本宮である上社には男神、下社には女神が祀られている。
この2人は夫婦なのだそうだ。
上社と下社は、諏訪湖を挟んでほぼ対岸に位置している。
真冬になると、夫婦の神様は、お互いを求めて、諏訪湖に張った氷の上を渡るのだとか。
それが、よく名前を聞く【御神渡(おみわたり)】という現象らしい。
勉強の成果を自慢げに語ると、教授は、
「君らしくロマンチックな着眼点だな」
と、…たぶん、馬鹿にした。
353:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:03:02ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 3/8
「上社に祭られている男神、タケミナカタは、大国主(おおくにぬし)の息子だ」
20号線を走っている間、教授は、私に【正しい】知識を授けてくれた。
「大国主は知ってるかな?」
「たしか…、【因幡の白兎】の歌に出てきた神様だと…」
大きな袋を肩にかけ だいこくさまが来かかると ここに因幡のしろうさぎ 皮をむかれて赤裸
うろ覚えの歌詞を歌うと、教授は、
「そのとおりだよ。島根県の出雲大社の主神で、国譲り神話の主人公でもある神様だ」
と誉めてくれた。
記憶が正しかったことに私は喜んだけど、
「国譲り神話…が、ピンときません」
と、恥も晒した(汗)。
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354:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:03:57ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 4/8
教授は、少し笑って説明する。
「日本神話に因ると、日本の国土はイザナギとイザナミという夫婦神によって生み出された。いわゆる国産みの神話だ」
「イザナギたち2神が代替わりした後に現れるのが、彼らの子どもであるアマテラスとスサノオとツクヨミという3神で、いまの天皇家の祖先と位置づけられている」
「彼らは、知力や武力を使って、日本のあちこちにはびこっていた【敵対勢力】を平定していくんだが、その最初の強敵が大国主だった」
「はあ…」
つまり、【だいこくさま】は、いまの皇室の敵、もっと広げれば日本人の敵だったってわけ、かな。
ウサギを助けた優しいイメージと合わないと訴えると、教授は補足した。
「大国主は出雲の大豪族だったと思われる。製鉄に秀で、高層建築まで手がけた優秀な技術者だよ。そこへ、アマテラスたちの率いる大軍団が押し寄せ、国を明け渡すように強制した。それが【国譲り神話】だ」
「…」
なんだかわからなくなってきた。
アマテラスは、それじゃあ侵略者ってこと?
355:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:05:00ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 5/8
教授の説明は続く。
「壮絶な死闘の末、大国主は敗れて、出雲はアマテラス側のものになった。ところが、大国主の息子であるタケミナカタはそれを不服として最後まで抗戦し、ついには、この諏訪の地まで追いやられた」
「え?じゃあ、諏訪大社って天皇家の敵を祀ってるんですか?」
そんな立場の神社を日本の最高位に認定する日本って、どういう構造をしてるんだろう…。
教授が答えをくれる。
「表向きは、大国主がアマテラスに出雲を献上したことになっているから、敵ではない」
「…なるほど」
合点が行った。
大国主が【喜んで国譲りをした】から、大国主とアマテラスは仲良しのまま、お互いに神様となることができたってわけね。
そして、息子であるタケミナカタもお咎めなし、と。
「でも、もしアマテラス側に負い目がなかったら、そんな裏協定みたいなことをしなくても、堂々と【悪者の大国主をやっつけました】って言えるんですよね?」
私が言わんとしていることは、教授にすぐに伝わった。
「そうだね。アマテラスが一方的な侵略者だったからこそ、大国主を悪者として後世に伝え残すことができなかったんだ。悪いのは、むしろアマテラスのほうだったからね」
ほらほら。教授らしい話題になってきたぞ(笑)。
356:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:05:36ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 前編 6/8
「アマテラスの子孫がいまの皇室になれたのは、そういう侵略を重ねて、日本を牛耳っていったから?」
私の質問に、教授は躊躇なく頷く。
「じゃあ、いまの日本は、代々の皇族が、武力や権力で抑えつけて統治してきた結果なんですか?」
と聞くと、教授は、
「ダイレクトな言い方だ」
と苦笑しながらだったけど、肯定した。
私は、さらに重ねた。
「アマテラスたちは、もともと、どのあたりに住んでいた民族だったんでしょうか?」
即答する教授。
「朝鮮半島だ」
………………。
それって……。
357:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:06:21ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 前編 7/8
私は教授の知識を信用している。
たとえ、突拍子もないと思えることでも。
「もしかして、ヤバイ話を聞いてます、私?」
声を潜めると、教授は笑った。
「皇族渡来説は、いまや常識だよ。表立ってマスメディアに流れはしないがね」
「…」
ほっとした…。
皇室批判に先陣を切るほど、私の肝は強くない(汗)。
教授は続ける。
「高松塚やキトラ古墳に朝鮮系の壁画が残っているのは知ってるね?」
教科書の復元図を思い出しながら、私は頷いた。
「あの古墳群は宮内庁の管轄だ。天皇家と朝鮮は関わりが深いと、宮内庁自らが認めているんだよ」
改めて安堵の溜息をつくと、教授は大声で笑った。
358:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)00:07:23ID:qVNtFYwZ0
お諏訪さま 前編 8/8
気分を変えるために、話題の方向を転じてみる。
「そういえば、大国主も【だいこくさま】なんですね。兄貴からもらったお守りも【大黒さま】だったような…」
「その2つは、昔はよく混同されたんだ。でも、まったくの別物だよ」
と教授は言う。
「前にも言ったと思うけど、住職のお守りの【大黒天】は、インド神話の神の変化した姿だ。一方で大国主は、日本土着の民族だった」
「そっかあ…。でも、興味深い一致ですね…」
私はポケットに入れているお守りに手を添えながら答えた。
古代の出雲で土地を守ろうと闘った大国主。破壊の神と恐れられながら、私を守ってくれた大黒さま。
「魔には魔を、かあ…」
と呟くと、教授は、
「現代人にこそ、その発想は必要だな。いまの人間は毒を抜かれすぎていて、些細な悪意にすら対抗できない」
と返した。
いじめなんか、その典型かもしれない。
と、自己反省してみたりする。
367:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:41:39ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 1/12
諏訪湖畔を北上していると、左手に【諏訪湖間欠泉センター】の看板が見えてきた。
教授はそこに入れという。
半円形の近代的な建物は、教授のシュミとしては違和感がありすぎる。
「ここの3Fの展望室は、間欠泉が噴き出すと面白い空間になるよ」
と誘われたけど…。
なんか…今回の旅は、いつもと違う。
教授よりも私が主体になって考えられてるような気がする。
368:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:42:28ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 2/12
展望室はガラス張りの明るい空間になっていた。
一角に小さなお土産屋さんがあって、全体にベンチが置かれている。
建物自体は高くないから、眺望は諏訪湖と温泉街の一角だけ。
でも、冬の風に叩きつけられた青い湖面が靄を漂わせている光景は、幻想的で、いろんな想像力をかきたてられた。
出雲を追われたタケミナカタは、この地でどんな生涯を過ごしたのかな。
下社に祀られた奥さんとは、よっぽど仲がよかったんだろうな。
だって、神様になってからも会いに行くぐらいだもの。
窓に張りついて、そんなことを考えていた私は、ふと気づいた。
夫婦の神は、なぜ一緒に上社に祀られなかったのだろう?
毎年、この広い諏訪湖を渡らなくては会えないような配置にされたのは、なぜなの?
369:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:43:11ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 3/12
「教授…」
私は、後ろのベンチで休憩をしていた教授を振り返った。
「タケミナカタは、アマテラスたちに追われて、ここまで来たんだよね?」
いまさら確認をする私に、教授は好奇の目を向けながら、頷く。
「そうだよ。正確に言えば、追ってきたのはアマテラスの配下の軍神で、タケミカヅチという神だけどね」
「じゃあ、そのタケミカヅチは、最後はタケミナカタを…どうしたの?」
そうだよ。
諏訪まで来たら終わり、じゃなかったんだ、タケミナカタの逃避行は。
追っ手は、彼を幽閉ないし殺害して、完全に抵抗を封じるはず。
370:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:44:11ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 4/12
教授は、私の隣まで来て、窓の外の諏訪湖を眺めながら、言った。
「タケミカヅチは当然ながらタケミナカタを葬っただろう。日本神話では【相撲】で負かした、となっているが」
「…」
笑うところなんだろうか(汗)?
でも、笑えない。
あえて和やかな話で決着をつけるのは、陰惨な裏事情を隠すためだと、私は、ずっと教授に教わってきたのだから。
「じゃあ、諏訪大社は、殺してしまったタケミナカタの魂を鎮めるために建てられたの?」
祖国の出雲が侵略に屈した後さえ、1人で抵抗を続けていた強靭な精神力を持つタケミナカタ。
鎮めるのも大変だっただろうな、と私でも推測できた。
「いや」
教授は首を振った。
「鎮めるためではなく、封じるために造られたんだ。社殿の四隅に【御柱】を立てたのは、タケミナカタの怨霊を中に閉じ込める結界の意味があるんだよ」
371:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:45:28ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 5/12
「御柱(おんばしら)…」
その名前で記憶を辿ってみる。
諏訪大社は、7年に1度、御柱祭りという盛大なお祭りを行う。
山から切り出した樅の大木を、人力で諏訪大社の本宮まで運び入れ、先端を三角錐に削って四方に建てるという神事だ。
勇壮さが売りのこのお祭りの起源は、でも、どこのガイドブックでも見ることができなかった。
「あのお祭りが、タケミナカタから、未だに自由を奪ってるんだ…」
私の言い方に落胆の色が濃かったからか、教授は慌てた様子で訂正した。
「これは僕の推論だよ。事実とは断言できない。信じてもらうのは勝手だけどね」
「…」
私は教授の知識だけでなく、妄想力も信用している。
あとから考えれば、なぜ自分がここまで気鬱になったのか、不思議な限りだ。
このときの私は、タケミナカタ…と、彼につき従って夫婦になった女神が可哀相に思えて仕方がなかったんだ。
372:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:46:47ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 6/12
「下社に祀られた女神、タケミナカタの伴侶は、ヤサカトメと言う」
私が何も聞かないうちに、教授は女神のことを語りだした。
「ヤサカトメは出雲の神じゃない。この諏訪の土地神だ。タケミナカタとは、この地に逃れてから出会ったんだろうね」
神様とはいえ、馴れ初めの話はほほえましい。私は少し笑う。
「タケミナカタが倒されたあと、タケミカヅチは、当然ながらヤサカトメも放ってはおかなかっただろう」
「うん…」
寒気がする。
夫婦を別々に安置したのは、やっぱりタケミカヅチという神なんだろうな。
「ヤサカトメについては、僕もまったくの無知に近い。どのように粛清され、どういう意味で下社に祀られたのか」
教授は淡々と話す。
「まあ、妥当に考えれば、朝廷側にとって、タケミナカタとヤサカトメは、死んでからでも引き離したいほど憎い相手だったんだろう」
突然、館内にアナウンスが流れた。
「ただいまから間欠泉が噴き出します。お近くの方は離れてください」
373:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:47:48ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 7/12
窓越しに地上を見下ろすと、小さな噴出孔から白い煙が上がり始めていた。
「間欠泉って、温泉が地面から噴き上がる現象ですよね」
隣りの教授に尋ねると、教授は楽しそうな顔をして、答える。
「そう。ここの水柱は日本一だね」
アナウンスが何度か繰り返され、屋外の客が避難している様子が見えた。
やがて噴出孔から熱湯が溢れる。
と思ったら、すぐに3Fの窓を飛び越えた。
同時に窓の外が湯気で真っ白に覆われ、展望室は、前後不覚の空間になった。
「…何も見えない」
私は、さっきまでの外の光景の片鱗を見ようと、白い闇に目を凝らした。
「そうでしょう。僕はこの圧迫感が好きなんだ。きっと、結界の中はこんな感じなんだろうね」
教授は悪趣味なことを言う(笑)。
「私には、少し怖い気がします」
この闇が何かを連れてきそうだ。
374:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:49:23ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 8/12
数分で晴れるというので、そのまま窓際で待っていると、かすかに水の音が聞こえた。
湖に何かが落ちたような。
窓ガラスは厚い。それに、湖までは100m以上の距離がある。
聞こえるわけがない。
でも、私の耳に届くそれは、だんだん、はっきりと、人の声すら混じった現実の音になりつつあった。
『しぶといな』
男の野太い声。
『こうやって溺れてると、普通の女のようだ』
嘲笑の混じった別の声。
湯気の幕が薄まって、湖の真ん中が視界に現れる。
一艘の小船が湖面に留まっていて、3人の人影が乗り込んでいるのが見えた。
その脇で、激しく水しぶきが上がっている。
もっと目を凝らした。
白装束を着た、黒髪の女性がもがいているのだと、わかった。
375:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:50:38ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 9/12
見えるはずのない光景だと、頭では理解している。
だから教授を呼ばなかった。声も出さなかった。
溺れているのは若い女性のように見えた。
ヤサカトメだ。確信がある。
彼女は、なんとか顔だけを水面から出して、溺死を防いでいる。
すぐ真横には船の縁があって容易に手が届くのに、助かろうとしない。
船の男たちも彼女に手を貸そうとしない。むしろ、溺れ死ぬのを待っている。
『叩き殺したほうが早いのに』
『体に傷をつけちゃいけねえんだから、しょうがない』
物騒な会話が船上で交わされる。
ヤサカトメはなかなか沈まなかった。
諏訪生まれの女神は、水に強い性質を持っているのかもしれなかった。
男の1人が業を煮やし、彼女の体を引き上げた。
女神の細い腕は後ろ手に拘束されていた。
自分の力で船に這い上がることはできなかったんだ…。
女神の足は、長く長く伸びる白蛇の尾に変化していた。
376:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:51:50ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 10/12
船に上げられた女神は、蛇の尾をくねらせて暴れた。
船は大きく揺れ、男たちが動揺する。
1人が櫓を女神の鳩尾に突き込んだ。女神はグッタリと動かなくなった。
そのとき、ずっと舳先に座って様子を見ていた3人目が、ゆっくりと船内を動き始めた。
体から稲妻が走り、右手は巨きな剣に化けている。
タケミカヅチだ、とわかった。
邪神は、ヤサカトメの尾に向かって剣を振り下した。
絶叫が聞こえ、女神から半身が切り取られた。
蛇の尾は、それ自体が生き物であるかのように、諏訪湖の底に揺らめきながら消えていく。
タケミカヅチはヤサカトメを湖に放り投げた。
瀕死の女神は、それでも生き延びようと浮き上がったが、頭を押さえつけられて沈められ、断末魔を迎えた。
377:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:55:16ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 11/12
女神の遺体は下社の近くの湖岸に運ばれた。
簡素な祭壇には、供物ではなく、女神自身が乗せられた。
神官のような装束を着た老人が、長く細い、先端の尖った木槍を持って、やって来た。
サイズは小さいけど、写真で見た【御柱】の形にそっくりだ。
神官は女神から服を剥ぎ、切り取られた腿から下の傷口に躊躇することなく股を開き、性器を露出させた。
木槍をあてがい、力を込めて体内に押し入れる。
槍が体内を進むたびに、女神の体が苦しげに蠢いた。
もう死んでいるはずなのに…。
神官は、細い喉元を通すときに、ことさらに慎重になった。
槍の切っ先が女神の脳に達すると、辺りから賞賛の声が上がった。
周囲の男たちは、勝ち誇ったように、槍を地面に突き立てた。
地上高く掲げられた女神の哀れな姿は、対岸のタケミナカタからもよく見えただろうね…。
378:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/07(日)22:55:50ID:XW2LtUv/0
お諏訪さま 中編 12/12
気がつくと、私は教授の隣りで、ベンチに横になっていた。
教授の話に因ると、外を見ているときに、突然ふらふらとやってきて寝転んだのだという。
「イヤな夢を見ました」
と告げた。
「君にはそういうことがよくあるね。神降ろしの能力を持っているのかもしれない」
と、教授は答えた。
410:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:14:34ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 1/10
おなか空いた。
あんな光景を見たあとなのに、健康な胃袋だ(汗)。
「蕎麦屋さんに直行していいですか?」
車を発進させながら教授に聞くと、
「もちろんいいよ。それが目的で来たんだから」
と答える。
うーん…。メインの目的は蕎麦じゃなかった、よね?
どうも居心地が悪い。
神社巡りも史跡巡りもなしで、諏訪湖だけ見て、この旅は終わり?
私には衝撃的だったけど、教授には何のメリットもなかったはず。
「教授は、今回、本当は何がしたかったの?」
聞いたほうが早いから、聞いた。
教授は悪びれる様子もなく、
「君を連れてくれば、資料や妄想で埋められなかった真実を、もしかしたら知ることができるかもしれないと思ってね」
と言った。
神降ろし、ねえ…。
私の【見る】ものも、多分に妄想だと思うけど…。
411:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:15:30ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 2/10
「神降ろしや霊媒という現象は、本当に神霊が下りてくるのではなく、強いヒステリー状態で心の制御が外れることなんだよ」
教授には意外に現実主義な一面がある。
その視点から解説すると、私の精神状態はこういうことになっていたらしい。
「ふだんの生活の中で、僕らはやりたいことをやってはいないだろう?法や良心といった無形の制約が行動を規制しているはずだ」
「行動に出せない本能的な欲求は、けれど、なくなるわけじゃなく、奥底に溜まり込んで、ストレスという抑圧感を生み出している」
「何かのきっかけで、その本能は表に現れる。傍目から見ると、理性のタガが外れた異常な状態に映るはずだ。それはトランスと呼ばれる」
トランス状態…。
よくは知らないけど、奇声を発したり、踊り狂ったりするイメージがある。
あれも、今回の私のような幻覚を見たために起こす行動なのだろうか。
「私って、ヒステリーな体質なんですかあ…。気をつけないと…」
自嘲すると、教授は、少し考え込んで、言った。
「そこはよくわからない。君は、僕が情報を与える前から、【正しいモノ】を見ることが多々あったね。だから、本当に神が降りて教えたのかもしれない」
そのほうが僕としては面白いからね、と、無責任なことを付け加えて、教授は話をくくる。
412:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:17:09ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 3/10
「私の今回の妄想は、何か【正しいモノ】の痕跡があったんでしょうか?」
現実であってほしくはないけれど、もしヤサカトメが本当にあんな目に遭ったのなら、せめてお参りぐらいはしてあげたいと思う。
「こじつけだが、こんな一致はある」
教授は数点の情報を教えてくれた。
一つ目。
タケミナカタが逃げ込む前から、諏訪には固有の土地神がいた。その代表的なものはソソウ神(類似のミシャグチ神と同一視されている場合もある)。白蛇の姿をした神様なのだそうだ。
同じく土地神であるヤサカトメが、蛇の化身だという説はありうる、らしい。
二つ目。
タケミナカタにはコトシロヌシという兄がいて、国譲り後の出雲の平定に一役買った。
出雲に残ったはずのこの兄神は、なぜか諏訪大社にも祀られている。
コトシロヌシは七福神の恵比寿と同一視されることの非常に多い神様だ。恵比寿は、水死体を愛でる神である。
三つ目。
諏訪大社には御頭祭という神事がある。
現在は剥製の頭を使うが、昔は鹿の五臓を贄に捧げる儀式だった。史書に因れば、【脳和え】という代物もあったらしい。
四つ目。
タケミカヅチは手を剣に変化させることができる。
413:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:18:13ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 4/10
「お蕎麦食べたら、やっぱりタケミナカタとヤサカトメのお参りに行ってもいいですか?」
私は、自分の幻覚を信じることにした(笑)。
でも、教授は渋い顔をした。
「僕は、以前、諏訪の地に張られた結界を体験したことがあった。帰り道が見当たらずに、20号線を行ったり来たりさせられたよ。感受性の強い君を連れて行ったりしたら、帰れなくなるかも知れない」
真面目な口調だったので、思わず吹き出した。
その問題の20号線を少し南下し、M町という交差点を左に折れるように指示されたので、素直に従う。
少し進むと道が細くなって、学校の脇を通った。
教授は、
「あと10分ぐらい進んでくれ」
と、目的地が近いことを告げる。
さらに走ると。
なぜか、上社の鳥居が見えてきた。
414:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:18:54ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 5/10
「諏訪大社に着いちゃいました…けど…」
私には、まだ事態がよくわかってなかった。
「M町で曲がったはずだな?」
教授が念を押すので、頷く。
「やっぱりやられたか」
教授は、苦笑を浮かべながら、Uターンをするように言った。
駐車場の手前の交差点でハンドルを切り、元の道を引き返す。
「え?え?上社の方向に向かってたわけじゃ…なかったんですよね…?」
手が震えてきた。
「むしろ離れるように進路を取ったんだけどね」
教授は、諦めたように笑う。そして、
「無事に着けたら起こしてくれ」
と目を瞑った。
ええええっ。そんな~!
415:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:19:54ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 6/10
アクセルを踏む足に力が入らなくなってきた。
教授は本当に寝てる。
前方には、また上社の手前の駐車場が待ち構えてる。
なんで?絶対に反対に走ったはずだよ。なんで?!
タケミナカタを封じた結界は、社だけじゃなくて、諏訪全体にも張り巡らされていたんだろうか?
もしかして、町中に御柱が建ってたりするんだろうか?
馬鹿な想像をしながら、もう一度Uターンする。
あの鳥居をくぐったら絶対にダメだ。取り込まれる。
416:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:20:45ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 7/10
何度もの交差点を、ひたすら直進した。
こうすれば、もう上社に近づくことはないはず。
前方の信号が赤に変わった。車を停止線で停め、辺りを確認する。
大丈夫。遠ざかってる。
細い支柱に支えられたLEDが青に変わるのを、焦りながらひたすら待った。長い。早く。
……………。
長いってば、この信号。
それに、支柱が木製って、絶対に変…。
交差点を囲む信号は、すべて御柱でできていた。
細く尖った先端が、空に向かって、悪意のある黒い空気を吐いている。
信号が青に変わった。
どうすればいいかわからなかった。
私は、ゆっくりとブレーキから足を離し、アクセルに置いた。
車は交差点に進入した。
417:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:21:32ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 8/10
御柱が、4つとも、スローモーションで倒れてくる。
鋭い切っ先は、すべて私に向いていた。
ねえ、ちょっと待って。停まったほうがいいの?
「教授…」
頼みの綱を呼んでみるけど、声が上ずっているせいか、教授は気づかない。
このまま進んだら刺さる。しかも、狙われてるのは、頭、だよね。
ハンドルを大きく切りたい衝動に駆られた。汗ばんだ手に力が入る。
だけど、ハンドルは動かなかった。何かが軸を抑えているかのように、まったく回らなかった。
長い長い数mが、終わる。
交差点を無事に抜けた私の目に、諏訪インターの入り口が飛び込んできた。
迷わず車を入れ、高速に向かった。
418:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:22:19ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 9/10
「でね、教授ってば、高速を下りるまで起きなかったんだよ」
帰ってきてすぐに、私は兄貴に電話で行程を説明した。
「蕎麦、食べそびれたし…。もう教授には絶対に付き合わない!」
と断言するも、兄貴は笑ってるだけだ。
兄貴に連絡したのは、あの交差点を無事に渡れたのが、もしかしたら兄貴のお守りのおかげかな、と思ったから。
でも兄貴には何も兆候はなかったらしい。
「今回の守護神は【大黒天】じゃなくて、【だいこくさま】だったのかもよ」
兄貴の発言は冗談めかしていたけど、私は、なんとなく、ほんとにそうだったんじゃないかと思ってる。
息子が封印されてる諏訪を、父親である大国主は、ずっと見守ってたような気がするんだ…。
419:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:26:12ID:r4RP7Qy80
お諏訪さま 後編 10/10
兄貴と話をして数時間後、今度は兄貴から電話が来た。
「諏訪大社の上社ね、1回丸焼けしてるわ」
「は?」
わけがわからない。
兄貴の話は、つまり、こういうこと。
諏訪大社の上社は、1582年に戦火で全焼してしまったらしい。
当然、封印の社も御柱もなくなったから、タケミナカタの御霊は天に上ることができただろう、と。
「ヤサカトメは?」
と聞くと、下社には焼失の事実はないとのこと。
「でもさ」
と兄貴は続ける。
「お姫さんの御霊は、いま、上社本宮のすぐ近くにある前宮ってとこに祀られてるんだ。諏訪湖を隔てて夫婦を祀るのは可哀相だってことでね。諏訪の人、粋な計らいをすると思わねえ?」
「………」
電話口で、私は、嗚咽を聞かれまいと必死だった。
怨霊とか悲劇なんて結末より、ずっとずっと。
2人がそばにいられる結末のほうが、心に響くと思わない?
心なしか、兄貴も嬉しそうにはしゃいでいる。
よかったね、ヤサカトメ。
優しい土地に祀られて、本当によかったね。
390:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)05:25:32ID:KQ0d0eStO
皇室の印象操作と日本人のルーツ朝鮮説興味深いね。
権力者同士の争い事なんて庶民イジメに比べたら同情の余地すらないのに。
393:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)10:29:45ID:cn8/3I8rO
話自体は好きだったけど…朝鮮て…
394:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)11:04:06ID:MqYsyXG3O
日本人と朝鮮人は別民族って、DNA解析で明らかになってたじゃん。
百済人は日本人と同民族だった(要確認)という話は聞いたような気がするけど、
朝鮮人≠百済人だし、朝鮮人≠高句麗人だし、日本人と繋がりないでしょ。
朝鮮人=新羅人が、百済人たちを攻め滅ぼした、と記憶してるんだけど。
アパートの101号室に現在住んでいる朝鮮人のキムさんが、
以前101号室に住んでいた住人たちが残したアルバムを見つけて、
「これはわたしのアルバムで、これを見るとわたしは昔、結婚もして子供もいたようです」
みたいな、おかしなことを言っているのと同じですね。
しかも前の住人(百済人など)は、実はキムさんが殺してた、というオチ。
そもそも、韓国や北朝鮮の人を“コリアン”て呼んでいるけど、コリアンて、高句麗(コグリョ)の人のことだから、韓国や北朝鮮の人は「コリアン(高句麗人=Korean)」じゃなくて、本当は「チョソニーズ(朝鮮人=Chosonease)」とでも呼ぶべき。
記憶ちがいだったらゴメンね。
395:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)11:13:31ID:5dqbjtcJO
無事東亜+に晒されたね。おめでとう。
創作の腕試しのつもりかもしれないけど、間違った知識で日本人を中傷する結果になってるの気づいてる?
ここの住民はそんな前提的な知識はおろか、ラノベ紛いの作文wも疑問なく受け入れてるんだね。
397:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)12:15:08ID:BScr0Keg0
別にいいんでね。
私のように皇室大嫌い人間にとっては面白い話だったし。
デタラメでも基礎があってもなんでもいいの。
楽しく読めればいいの。
オカルトだから。
399:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/09(火)12:23:58ID:NH89CpIj0
>>394
古事記の編纂は8世紀で、日本神話はもっと古い時代のものです。
朝鮮半島は三国時代ではないかと…。
国名を明記しなかったのは悪かったです。でも、たとえいまはない国家でも、はっきり書くのは抵抗あるんですよねー。
高松塚って書けば、歴史的にはわかると思って。
401:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)13:49:40ID:M3+CcehK0
そもそも>>394の知識もどこかで捻じ曲がった情報かも知れない訳で
真実かどうかよりオカルト読み物として楽しめれば俺はそれで良いよ
教授の人、続き楽しみにしてます
402:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)14:15:27ID:gBxvg8mxO
基本的には>>401に同意なんだけど、天津神を邪神と書くのだけはやめて欲しい
403:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)14:17:36ID:C9wlkbIr0
創作でも何でもオオ○キ教授の話面白いよ
>>397みたいに「皇室大嫌いだから皇室貶める話は面白い!」
なんて言っちゃう人は頭どうかしてると思うけどなw
404:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)14:46:15ID:f1b7pXZRO
>>394
>日本人と朝鮮人は別民族って、DNA解析で明らかになってたじゃん。
いやいや、「日本人」全般の話じゃなくて「神様」の話だから。
405:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)15:34:31ID:BScr0Keg0
>>402
邪神だよw
そんなのは宗派の違いと一緒。
国津神系の家では奴らは(ryという家もある。
406:本当にあった怖い名無し:2008/09/09(火)15:41:35ID:BScr0Keg0
ついでに追加
>>403
ああスマンね。理由は405。
教授の話とは違うが実家(神社)に伝わる話も似たようなもん。
409:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/10(水)00:13:06ID:r4RP7Qy80
>>405 >>406
国津神系の神社って、ものすごく限られません?(笑)
でも、非常に興味深い話です。神話の立場が、未だに形骸化されずに、信仰に生きてるんですね。
420:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)00:31:26ID:NYLYGdPP0
お疲れちゃん。
色んな事知ってるとそれはそれで楽しめんw
それもひとつの楽しみ方なのだろうが。
神々の系譜とかつっこみたい所色々あると思うが、「解釈の多様性」ということでシビアなことは言いっこなしで。
地元住民で郷土研究した俺が自重するんだから頼むよ。
424:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)12:09:31ID:CXixN4QX0
>>420
話の粗を指摘するのは無粋だけどここにいる人が間違って覚えちゃうのはどうなんだろうね
ここは話を楽しむ板で学術的な者に関してはスルーした方がいいのかね
425:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)14:28:08ID:maU0Qocd0
いくら「解釈の多様性」とはいえ、あまりに天津神の扱いが酷いのと、諏訪湖の神事である「御神渡り」が無視されているのがちょっと悲しいので、取りあえず、正史って訳でもないが、書いておく。
まずタケミナカタはタケミカズチに追われて諏訪に逃げた。これは良い。
そしてそこでヤサカトメと出会い、結婚するわけだ。
だから、タケミカズチが逃げたタケミナカタを追い詰めた後、殺したなんて話は矛盾する。
追い詰めて降伏させて、タケミカズチが出雲に帰って、国譲りは終わりだからな。
タケミナカタがヤサカトメと結婚したのは国譲りの後だ。
で、二人は夫婦仲良く暮らすが、そのうち些細なことで喧嘩して、怒ったヤサカトメが下諏訪に行ってしまう。
惨殺されて遺体になって運ばれたなんて話は無い。
下社にいるヤサカトメと上社のタケミナカタは仲直りし、タケミナカタは夜な夜な下諏訪の妻に会いに行く。
ここら辺の話が「御神渡り」の話。
内容は割愛するが、タケミナカタが諏訪湖の氷の上を走ったことから、「御神渡り」と呼ばれる。
今も諏訪湖で行われている有名な神事だ。
もちろん本当のことなんて誰にも分からないし、俺の知識も間違ったところはあるだろうが、天津神があまりに酷い書かれようだったので、こういう話もあるんだ、程度に知っておいてくれ。
429:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)17:51:36ID:X40ZcBwo0
>>425
国譲りでタケミナカタが諏訪に逃れるということとタケミナカタとヤサカトメの結婚は出典が違うから国譲りの時点で結婚してても矛盾はしないはず。
431:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)19:22:42ID:maU0Qocd0
出典の違いで言うと・・・
「国譲り」だと、ヤサカトメは出てこない。
タケミナカタがタケミカズチに追いやられて諏訪まで逃げ、そこで降伏、ってとこまでだ。
その後、タケミナカタがその地を平定して王国を築き、地元のヤサカトメを娶る。
そしてこの夫婦が諏訪大明神となり、上社と下社に祀られる。
ってのがタケミナカタとヤサカトメの話で、これはあくまでも「国譲り」の後になるのだが・・・。
別に矛盾しているからどうしろってこともない。
ただ、その解釈で天津神はこんな残虐を行った、と一方的に邪神扱いしているのが嫌だったんだ。
実在するものを題材にして、それを非難するような内容になっているのだから、そのフォローはしておきたい訳よ。
433:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)19:46:27ID:exeE5vdq0
>>431
いえいえ。お気になさらず。
議論はそれなりに大切とも思うのだ。読む方もなかなか面白いです。
ただ、「宗教観」(というのかな?)の違いとか考え方の違い、或いは出典の表現の受け取り方次第で変わってしまうので、ここで検証してると教授その他書き手さんが書き込みにくくなるかもしれんとちょっと思ったので。
オカ板だと書き手本人が書き込むときIDなどで解ってしまうとまた荒らしを呼び込みそうなのでよければ難民とかにでも検証スレ立てるけど、実際検証とか議論したい人いる?
需要があればやっておきます。
そこまで必要ねえ、が大半な感じもするけどどうでしょう。
434:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)20:30:27ID:4iTG97u9O
検証するまでもない、ってのが正直なところか。
有名な場所だし自分で調べればすぐわかる。
鵜呑みにするのもまた一興。
まあ乙だったぜ教授。
427:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)16:52:43ID:XykzQqbO0
面白かったけどそれ以上に?マークが。
実在するものを出す。これがリアリティを高める。
しかし考証がなっちゃいないとむしろリアリティを失う危険を伴う、諸刃の剣。
素人にはry
>>420
地元住民の視点から検証とかきいちゃダメかな?
作品の否定じゃなくて雑学程度に。
430:本当にあった怖い名無し:2008/09/10(水)18:36:12ID:exeE5vdq0
検証は検証スレでも立ててやれば?
話を楽しめればいいと思うし、考えは人それぞれと思う。
どっちをどう書こうが宗教観によって全然違うだろうしね。
引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ5【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1219147569/351-434
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