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ー女地蔵ー <オオ○キ教授シリーズ>
2018.01.01 (Mon) | Category : 創作作品
282:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:09:30ID:x9pNnhBn0
女地蔵 1/7
前回の目明き地蔵で、いわくつきの地蔵さまもあるのだと知ってから、しばらく。
教授が、また
「地蔵を見に行くぞ」
と言ってきた。
今回はほのぼのした話。
N県の中規模のお寺に安置されている【女地蔵】の拝観だった。
このお地蔵さまは鎌倉期に造られた古いもので、人とほぼ同じ背丈を持ち、珍しいことに、体の造りが完全に女体化しているらしい。
「観音さまなら女性に見えないこともないんですが」
と教授相手に恥知らずな感想を述べると、
「インド神話のラクシュミという女神が起源だから当たり前だ」
と、呆れられた。
そんなこと、一般的な知識じゃないじゃんよ(涙)。
283:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:10:26ID:x9pNnhBn0
女地蔵 2/7
なぜ、女神起源説もない地蔵尊に女性の性別を与えたのか?
尋ねると、教授は、例の鼻にかかった気に触る言い方で答えた。
「女地蔵はもともとG村の守り本尊でね」
「昔、その村には、手のつけられない暴れ者の若い男がいた。男は出生時に母を亡くしていたので、村人は、男の暴力を収めるために、母親の代わりになる女地蔵を造ったんだ」
…なるほど。
「で、男はおとなしくなったんですか?」
と重ねて聞くと、
「なった。でも、すぐに病気で死んだ」
と、愉快そうに答えた。
まったく…。なんだかなあ、この人の思考回路って…。
山道も悪路もない順調な行程で、昼には寺についた。
観光客に混じって駐車場に車を停めた私は、少し浮かれ気分だった。
「お腹空きましたねえ。あとで駅前のメイン通りに行きましょうよ。食べるとこ、調べてきましたから」
と、教授に向かってガイドブックをちらつかせる。
意外にグルメの教授は、笑って承諾してくれた。
284:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:11:06ID:x9pNnhBn0
女地蔵 3/7
拝観料を払い、地蔵尊のお堂に向かう途中、教授が不穏なことを言い始めた。
「暴れ者の若い男が、地蔵ごときでおとなしくなったのはなぜだろう」
【ごとき】って…(汗)。祟られても知りませんよ、私は。
あ、お地蔵さまは祟らないか。
「村の人が、自分のことを心配してくれているのを知ったからじゃないんですか?」
隙がないぐらいまともなことを言った私。
でも、教授はニヤニヤと笑う。
「君には若人の生理現象はわからないか」
…生理現象と地蔵のどこに関連がある?
靴を脱ぎ、堂に上がり込む。
御簾の向こうに、木像のおなかの部分が見えていた。
「あれが女地蔵ですか」
確かに、ウェストは艶かしくくびれていた。
無遠慮な教授の後について、もっと近寄ると、豊満な胸と腰布に覆われた下半身が目に入ってくる。
…私よりスタイルがいいかもしれない。
「母親と言うより、若い女だな」
教授は、無人をいいことに、賽銭箱も乗り越えて、御簾の中に入ってしまった。
や、やばくない(汗)?
285:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:11:54ID:x9pNnhBn0
女地蔵 4/7
「どこまで行くんですか?!怒られちゃいますよ」
ハラハラしながら教授を止めるけど、この人はまったく気に止めない。
地蔵尊の前に仁王立ちした後、側面を覗いたり、後ろに回ったりしている。
見ていられなくて、私は本殿に背を向けた。
「教授~。それって、国宝級の文化財なのでは…」
と、半泣きになりながら、目は入り口を監視していたりする。
誰も入ってこないでよお。
「そんな認定は後世の人間が勝手に決めたものだ。そういう差別は、僕は好かん」
いや…教授がどう思うかじゃなくて…。
「何してるんですか?そこまで近づかないと調べることができないんですか?」
畳み掛けると。
こんなことを言われた。
「精液の痕を探してる。若人の暴走を止める目的なら、射精で落ち着かせるのが一番だからね」
このときは、もう二度と教授に付き合うものかと思った。
286:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:12:25ID:x9pNnhBn0
女地蔵 5/7
結局、何も収穫がないまま、地蔵堂を後にした。
「僕は美談は信じないから、人間らしい痕跡を探したかったんだけど」
と言い訳する教授。
…もうどうでもいいよ。疲れた。
「教授は、若い男が暴れたのは、…その…性欲のせいだと思ってるんだ」
我ながら露骨だと赤面しながら、教授に確かめる。
「そう。フロイトも言ってるでしょう。思春期の青年を狂わせるのはリビドーだと」
リビドーっていうのは性衝動という意味らしい。
「でも、まさか木像相手に、そ…そんなこと、しないでしょ?」
と否定したけど、男性の性欲については、よくわからない。
「僕の若い頃には、普通に木や石なんか使ったけどね」
「………」
う、うーん…。なんと言っていいのやら。
287:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:13:16ID:x9pNnhBn0
女地蔵 6/7
「もしも、若人が暴れた原因がリビドーに因るものなら、若人は、いずれ、仮の道具なんかじゃ満足しなくなっただろうね」
駐車場に続く砂利道を下りながら、教授は続けた。
「村には女性もいたはずだ。手当たり次第に襲いかかる若人を、村人はどうしたのかな。病気で死ぬまで待っただろうか」
キーを開けながら、私は黙って聞いていた。
「単なる昔話なら、改心した若人は、村人のために尽くして大往生を遂げるはずだ。なのに、なぜすぐに彼は死んだんだろう」
教授に助手席に乗るように促し、自分も運転席に身を置きながら、思った。
それは反則だよ、教授。
そんなふうに言われたら、教授の仮説を信じるしかなくなる…。
【若者は、村人に粛清されたんだ】
エンジンをかけ、いつもの癖でサイドミラーとルームミラーの角度を確認した。
両方ともに、私の背にへばりついて、私の顔を覗き込んでいる、獣のような大口を開けた若い男の姿が映った。
288:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:14:34ID:x9pNnhBn0
女地蔵 7/7
絶叫は境内まで響いたらしい。
私と教授は寺に保護された。
止まらない震えと涙を、それでもなんとか抑えた。
出してもらった熱いお茶をすすったあと、隣室に用意された布団にもぐらせてもらう。
教授と住職の話が聞こえてきた。
「若い女性にはときどきあるんですわ。まあ、すぐに落ち着きますが」
「それはありがたい。あれが運転してくれないと、昼飯を食いはぐれますから」
…教授の馬鹿。小声で悪態をついた。
「獣のような若い男を見たということですが、何かお心当たりが?」
住職が教授に聞いている。
「いえいえ。まったく」
教授は笑いながらとぼけた。
ずるい!
「そちらには心当たりがありますかな?」
今度は教授が住職に聞いた。
私も耳をそばだてた。
住職いわく。
「女地蔵の由来に関係しているのかもしれません。あれは、表向きは和やかな話になっていますが、実は食人を重ねた異常者の魂を慰めるために造られたものです」
教授が補足した。
「それが【若い男】の正体ですな。業の深さゆえに、いまでも女性を食べる欲求を捨て切れていないと」
私は、頭から布団をかぶった。
いまにも食いつきそうだったあの顔が、脳裏から消えない。
引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ5【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1219147569/282-288
女地蔵 1/7
前回の目明き地蔵で、いわくつきの地蔵さまもあるのだと知ってから、しばらく。
教授が、また
「地蔵を見に行くぞ」
と言ってきた。
今回はほのぼのした話。
N県の中規模のお寺に安置されている【女地蔵】の拝観だった。
このお地蔵さまは鎌倉期に造られた古いもので、人とほぼ同じ背丈を持ち、珍しいことに、体の造りが完全に女体化しているらしい。
「観音さまなら女性に見えないこともないんですが」
と教授相手に恥知らずな感想を述べると、
「インド神話のラクシュミという女神が起源だから当たり前だ」
と、呆れられた。
そんなこと、一般的な知識じゃないじゃんよ(涙)。
283:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:10:26ID:x9pNnhBn0
女地蔵 2/7
なぜ、女神起源説もない地蔵尊に女性の性別を与えたのか?
尋ねると、教授は、例の鼻にかかった気に触る言い方で答えた。
「女地蔵はもともとG村の守り本尊でね」
「昔、その村には、手のつけられない暴れ者の若い男がいた。男は出生時に母を亡くしていたので、村人は、男の暴力を収めるために、母親の代わりになる女地蔵を造ったんだ」
…なるほど。
「で、男はおとなしくなったんですか?」
と重ねて聞くと、
「なった。でも、すぐに病気で死んだ」
と、愉快そうに答えた。
まったく…。なんだかなあ、この人の思考回路って…。
山道も悪路もない順調な行程で、昼には寺についた。
観光客に混じって駐車場に車を停めた私は、少し浮かれ気分だった。
「お腹空きましたねえ。あとで駅前のメイン通りに行きましょうよ。食べるとこ、調べてきましたから」
と、教授に向かってガイドブックをちらつかせる。
意外にグルメの教授は、笑って承諾してくれた。
284:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:11:06ID:x9pNnhBn0
女地蔵 3/7
拝観料を払い、地蔵尊のお堂に向かう途中、教授が不穏なことを言い始めた。
「暴れ者の若い男が、地蔵ごときでおとなしくなったのはなぜだろう」
【ごとき】って…(汗)。祟られても知りませんよ、私は。
あ、お地蔵さまは祟らないか。
「村の人が、自分のことを心配してくれているのを知ったからじゃないんですか?」
隙がないぐらいまともなことを言った私。
でも、教授はニヤニヤと笑う。
「君には若人の生理現象はわからないか」
…生理現象と地蔵のどこに関連がある?
靴を脱ぎ、堂に上がり込む。
御簾の向こうに、木像のおなかの部分が見えていた。
「あれが女地蔵ですか」
確かに、ウェストは艶かしくくびれていた。
無遠慮な教授の後について、もっと近寄ると、豊満な胸と腰布に覆われた下半身が目に入ってくる。
…私よりスタイルがいいかもしれない。
「母親と言うより、若い女だな」
教授は、無人をいいことに、賽銭箱も乗り越えて、御簾の中に入ってしまった。
や、やばくない(汗)?
285:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:11:54ID:x9pNnhBn0
女地蔵 4/7
「どこまで行くんですか?!怒られちゃいますよ」
ハラハラしながら教授を止めるけど、この人はまったく気に止めない。
地蔵尊の前に仁王立ちした後、側面を覗いたり、後ろに回ったりしている。
見ていられなくて、私は本殿に背を向けた。
「教授~。それって、国宝級の文化財なのでは…」
と、半泣きになりながら、目は入り口を監視していたりする。
誰も入ってこないでよお。
「そんな認定は後世の人間が勝手に決めたものだ。そういう差別は、僕は好かん」
いや…教授がどう思うかじゃなくて…。
「何してるんですか?そこまで近づかないと調べることができないんですか?」
畳み掛けると。
こんなことを言われた。
「精液の痕を探してる。若人の暴走を止める目的なら、射精で落ち着かせるのが一番だからね」
このときは、もう二度と教授に付き合うものかと思った。
286:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:12:25ID:x9pNnhBn0
女地蔵 5/7
結局、何も収穫がないまま、地蔵堂を後にした。
「僕は美談は信じないから、人間らしい痕跡を探したかったんだけど」
と言い訳する教授。
…もうどうでもいいよ。疲れた。
「教授は、若い男が暴れたのは、…その…性欲のせいだと思ってるんだ」
我ながら露骨だと赤面しながら、教授に確かめる。
「そう。フロイトも言ってるでしょう。思春期の青年を狂わせるのはリビドーだと」
リビドーっていうのは性衝動という意味らしい。
「でも、まさか木像相手に、そ…そんなこと、しないでしょ?」
と否定したけど、男性の性欲については、よくわからない。
「僕の若い頃には、普通に木や石なんか使ったけどね」
「………」
う、うーん…。なんと言っていいのやら。
287:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:13:16ID:x9pNnhBn0
女地蔵 6/7
「もしも、若人が暴れた原因がリビドーに因るものなら、若人は、いずれ、仮の道具なんかじゃ満足しなくなっただろうね」
駐車場に続く砂利道を下りながら、教授は続けた。
「村には女性もいたはずだ。手当たり次第に襲いかかる若人を、村人はどうしたのかな。病気で死ぬまで待っただろうか」
キーを開けながら、私は黙って聞いていた。
「単なる昔話なら、改心した若人は、村人のために尽くして大往生を遂げるはずだ。なのに、なぜすぐに彼は死んだんだろう」
教授に助手席に乗るように促し、自分も運転席に身を置きながら、思った。
それは反則だよ、教授。
そんなふうに言われたら、教授の仮説を信じるしかなくなる…。
【若者は、村人に粛清されたんだ】
エンジンをかけ、いつもの癖でサイドミラーとルームミラーの角度を確認した。
両方ともに、私の背にへばりついて、私の顔を覗き込んでいる、獣のような大口を開けた若い男の姿が映った。
288:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2008/09/03(水)00:14:34ID:x9pNnhBn0
女地蔵 7/7
絶叫は境内まで響いたらしい。
私と教授は寺に保護された。
止まらない震えと涙を、それでもなんとか抑えた。
出してもらった熱いお茶をすすったあと、隣室に用意された布団にもぐらせてもらう。
教授と住職の話が聞こえてきた。
「若い女性にはときどきあるんですわ。まあ、すぐに落ち着きますが」
「それはありがたい。あれが運転してくれないと、昼飯を食いはぐれますから」
…教授の馬鹿。小声で悪態をついた。
「獣のような若い男を見たということですが、何かお心当たりが?」
住職が教授に聞いている。
「いえいえ。まったく」
教授は笑いながらとぼけた。
ずるい!
「そちらには心当たりがありますかな?」
今度は教授が住職に聞いた。
私も耳をそばだてた。
住職いわく。
「女地蔵の由来に関係しているのかもしれません。あれは、表向きは和やかな話になっていますが、実は食人を重ねた異常者の魂を慰めるために造られたものです」
教授が補足した。
「それが【若い男】の正体ですな。業の深さゆえに、いまでも女性を食べる欲求を捨て切れていないと」
私は、頭から布団をかぶった。
いまにも食いつきそうだったあの顔が、脳裏から消えない。
引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ5【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1219147569/282-288
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