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ドッペルゲンガー?(20)
2017.12.26 (Tue) | Category : ミステリー・不思議な話
756名前:⑦⑦⑦ 2017/12/10(Sun)19:25:16
宋の時、某(なにがし)という男がその妻と共に眠った。
夜があけて、妻が起きて出た後に、夫もまた起きて出た。
やがて妻が戻って来ると、夫は衾(よぎ)のうちに眠っているのであった。
自分の出たあとに夫の出たことを知らないので、妻は別に怪しみもせずにいると、やがて奴僕が来て、旦那様が鏡をくれと仰しゃりますと言った。
「ふざけてはいけない。旦那はここに寝ているではないか」
と、妻は笑った。
「いえ、旦那様はあちらにおいでになります」
奴僕も不思議そうに覗いてみると、主人はたしかに衾を被て寝ているので、彼は顔色をかえて駆け出した。
その報告に、夫も怪しんで来てみると、果たして寝床の上には自分と寸分違わない男が安らかに眠っているのであった。
「騒いではならない。静かにしろ」
夫は近寄って手をさしのべ、衾の上から静かにかの男を撫でていると、その形は次第に薄く且つ消えてしまった。
夫婦も奴僕も言い知れない恐怖に囚われていた。
それから間もなく、その夫は一種の病にかかって、物の理屈も判らないようなぼんやりした人間になってしまった。
中国東晋『捜神後記』より『離魂病』訳・岡本綺堂
757名前:⑦⑦⑦ 2017/12/10(Sun)19:31:37
仙台藩の只野あや女、後に真葛尼といった人の著述で奥州咄という随筆風の物がある。
その中にこういう話が書いてあったように記憶している。
仙台藩中のなにがしという侍が或る日外出して帰ってくると、自分の部屋の机の前に自分と同じ人が坐っている。
勿論、うしろ姿ではあるが、どうも自分によく似ている。
はて、不思議だと思う間もなく、その姿は煙りのように消えてしまった。
あまり不思議でならないので、それを母に話して聞かせると、母は忌な顔をして黙っていた。
すると、それから三日を過ぎないうちに、その侍は不意に死んでしまった。
あとで聞くと、その家は不思議な家筋で、自分で自分のすがたを見るときは死ぬと言い伝えられている。
現になにがしの父という人も、自分のすがたを見てから二、三日の後に死んだそうだと書いてある。
岡本綺堂・近代異妖編『離魂病』大正14年7月より
※因みにこの話は、芥川龍之介も仙台あたりの人が書いた『藻汐草』にあるドッペルゲンゲルの話として昭和2年、文藝春秋の企画で柳田国男、菊地寛らと対談した際に紹介している。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
宋の時、某(なにがし)という男がその妻と共に眠った。
夜があけて、妻が起きて出た後に、夫もまた起きて出た。
やがて妻が戻って来ると、夫は衾(よぎ)のうちに眠っているのであった。
自分の出たあとに夫の出たことを知らないので、妻は別に怪しみもせずにいると、やがて奴僕が来て、旦那様が鏡をくれと仰しゃりますと言った。
「ふざけてはいけない。旦那はここに寝ているではないか」
と、妻は笑った。
「いえ、旦那様はあちらにおいでになります」
奴僕も不思議そうに覗いてみると、主人はたしかに衾を被て寝ているので、彼は顔色をかえて駆け出した。
その報告に、夫も怪しんで来てみると、果たして寝床の上には自分と寸分違わない男が安らかに眠っているのであった。
「騒いではならない。静かにしろ」
夫は近寄って手をさしのべ、衾の上から静かにかの男を撫でていると、その形は次第に薄く且つ消えてしまった。
夫婦も奴僕も言い知れない恐怖に囚われていた。
それから間もなく、その夫は一種の病にかかって、物の理屈も判らないようなぼんやりした人間になってしまった。
中国東晋『捜神後記』より『離魂病』訳・岡本綺堂
757名前:⑦⑦⑦ 2017/12/10(Sun)19:31:37
仙台藩の只野あや女、後に真葛尼といった人の著述で奥州咄という随筆風の物がある。
その中にこういう話が書いてあったように記憶している。
仙台藩中のなにがしという侍が或る日外出して帰ってくると、自分の部屋の机の前に自分と同じ人が坐っている。
勿論、うしろ姿ではあるが、どうも自分によく似ている。
はて、不思議だと思う間もなく、その姿は煙りのように消えてしまった。
あまり不思議でならないので、それを母に話して聞かせると、母は忌な顔をして黙っていた。
すると、それから三日を過ぎないうちに、その侍は不意に死んでしまった。
あとで聞くと、その家は不思議な家筋で、自分で自分のすがたを見るときは死ぬと言い伝えられている。
現になにがしの父という人も、自分のすがたを見てから二、三日の後に死んだそうだと書いてある。
岡本綺堂・近代異妖編『離魂病』大正14年7月より
※因みにこの話は、芥川龍之介も仙台あたりの人が書いた『藻汐草』にあるドッペルゲンゲルの話として昭和2年、文藝春秋の企画で柳田国男、菊地寛らと対談した際に紹介している。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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