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ー坊主ー <沙耶ちゃんシリーズ>
2017.10.30 (Mon) | Category : 創作作品
616:⑦⑦⑦:2017/10/26(Thu)22:02:39
いまはもう30代も後半に突入している俺ですが、20代の終わり頃に正規の仕事を辞めてフリーターしてた頃があったんだ。
夜の方がいい金になるんで、コンビニの深夜アルバイトをしてたりしてね。
ある大手に勤めていた時のこと。
俺の入る23時からのシフトには、主に梶っていう体育大生と沙耶っていう女子大生がいたんだ。
梶はまあ、鍛えてるだけあって見た目からごついヤツで、性格も陽気だった。
一方で沙耶ちゃんは、陰気ってわけじゃないが、無口で会話は弾まなかった。
顔はめちゃめちゃ可愛かったんだけどね。
朝までの俺達と違って沙耶ちゃんは0時上がりだった。
近くに住んでるらしかったけど、なんとなく心配ではあった。
若い女の子だし。
梶もいつも
「気をつけて帰れよ」
って声かけてたな。
確かバイトを始めて半年ぐらいの頃だったと思う。
夕方のシフトのヤツが欠勤したとかで俺にヘルプの要請が来たのよ。
17時から0時まで。
梶と沙耶ちゃんはいつも通りだったから、その日は沙耶ちゃんと同時に退勤することになったわけね。
一緒に店は出たんだけど、改めて
「送ってくわ」
ってのもなんか言いづらかったんで、彼女のあとについて歩いたんだわ。
逆方向だったんだけど。
ちょっと歩くと左手に公園、つか、グラウンドがある。
なんでか彼女、その敷地に入ってく。
入り口は1つしかないから、中を突っ切って近道するとも考えられないんだが。
グラウンドの一角に、トイレと、雑草にまみれたブランコがあった。
『ああ、トイレか』
と思って、グラウンドの入り口で立ち止まって待った。
だけど彼女、ブランコに行くんだ。
2つある右側に座って、なんつーか・・・アンニュイな雰囲気を漂わせてる。
思い切ってそばに行って訊いてみた。
617:⑦⑦⑦:2017/10/26(Thu)22:04:48
「何してんの?帰らんの?」
そしたらさあ、彼女、隣のブランコを見ながら言うんだよ。
「この子と話をしてあげないと、淋しがって他の子供を連れて行っちゃうから」
誰も乗ってないんだけどねえ、そのブランコ。
でもまあ、俺も
『沙耶ちゃんって見える人だったんだな』
ぐらいで納得した。
ほら、こんな板に来てるぐらいだから。
面倒なんで、後は会話形式にさせてもらうな。
「何歳ぐらいの子供よ?男?」
「小学5年生・・・って、何歳?男の子だよ」
「なんで死んだの?交通事故?」
「ううん・・・池に落ちたんだって・・・」
沙耶ちゃんの通訳によると、そのボウズは母子家庭で、母親は夜遅くまで仕事だったようだ。
ある晩、一人で留守番をしてたボウズは、近所の沼にザリガニを捕りに行こうと思いついた。
昼間にでかい蟇蛙をつかまえていたんで、エサにすればかなりの釣果が期待できるはずだった。
泥に足を取られて沈んだボウズの体は、数日浮き上がることもできなかったらしい・・・
俺は思わず、空いている方のブランコに向かって言った。
「ドジだなあ、ボウズ(笑)」
すると、右腕のあたりから、子ども特有の甲高い声が聞こえた。
「しね」
全身に鳥肌が立ったな。
沙耶ちゃんが慌てた様子で俺の右腕にしがみついてきた。
そのまま公園の外に引っ張っていかれて、真剣に叱られたよ。
意外にいい人だね、彼女。
職なしでごく潰しの俺なんか、憑り殺されようが誰も悲しまないんだが。
幸い、というか、ボウズは俺にも公園利用者にも何もしなかった。
沙耶ちゃんが言うには、それ以来、姿が消えたらしい。
今でもたまに花を供えてるのは、恥ずかしいから内緒な。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
いまはもう30代も後半に突入している俺ですが、20代の終わり頃に正規の仕事を辞めてフリーターしてた頃があったんだ。
夜の方がいい金になるんで、コンビニの深夜アルバイトをしてたりしてね。
ある大手に勤めていた時のこと。
俺の入る23時からのシフトには、主に梶っていう体育大生と沙耶っていう女子大生がいたんだ。
梶はまあ、鍛えてるだけあって見た目からごついヤツで、性格も陽気だった。
一方で沙耶ちゃんは、陰気ってわけじゃないが、無口で会話は弾まなかった。
顔はめちゃめちゃ可愛かったんだけどね。
朝までの俺達と違って沙耶ちゃんは0時上がりだった。
近くに住んでるらしかったけど、なんとなく心配ではあった。
若い女の子だし。
梶もいつも
「気をつけて帰れよ」
って声かけてたな。
確かバイトを始めて半年ぐらいの頃だったと思う。
夕方のシフトのヤツが欠勤したとかで俺にヘルプの要請が来たのよ。
17時から0時まで。
梶と沙耶ちゃんはいつも通りだったから、その日は沙耶ちゃんと同時に退勤することになったわけね。
一緒に店は出たんだけど、改めて
「送ってくわ」
ってのもなんか言いづらかったんで、彼女のあとについて歩いたんだわ。
逆方向だったんだけど。
ちょっと歩くと左手に公園、つか、グラウンドがある。
なんでか彼女、その敷地に入ってく。
入り口は1つしかないから、中を突っ切って近道するとも考えられないんだが。
グラウンドの一角に、トイレと、雑草にまみれたブランコがあった。
『ああ、トイレか』
と思って、グラウンドの入り口で立ち止まって待った。
だけど彼女、ブランコに行くんだ。
2つある右側に座って、なんつーか・・・アンニュイな雰囲気を漂わせてる。
思い切ってそばに行って訊いてみた。
617:⑦⑦⑦:2017/10/26(Thu)22:04:48
「何してんの?帰らんの?」
そしたらさあ、彼女、隣のブランコを見ながら言うんだよ。
「この子と話をしてあげないと、淋しがって他の子供を連れて行っちゃうから」
誰も乗ってないんだけどねえ、そのブランコ。
でもまあ、俺も
『沙耶ちゃんって見える人だったんだな』
ぐらいで納得した。
ほら、こんな板に来てるぐらいだから。
面倒なんで、後は会話形式にさせてもらうな。
「何歳ぐらいの子供よ?男?」
「小学5年生・・・って、何歳?男の子だよ」
「なんで死んだの?交通事故?」
「ううん・・・池に落ちたんだって・・・」
沙耶ちゃんの通訳によると、そのボウズは母子家庭で、母親は夜遅くまで仕事だったようだ。
ある晩、一人で留守番をしてたボウズは、近所の沼にザリガニを捕りに行こうと思いついた。
昼間にでかい蟇蛙をつかまえていたんで、エサにすればかなりの釣果が期待できるはずだった。
泥に足を取られて沈んだボウズの体は、数日浮き上がることもできなかったらしい・・・
俺は思わず、空いている方のブランコに向かって言った。
「ドジだなあ、ボウズ(笑)」
すると、右腕のあたりから、子ども特有の甲高い声が聞こえた。
「しね」
全身に鳥肌が立ったな。
沙耶ちゃんが慌てた様子で俺の右腕にしがみついてきた。
そのまま公園の外に引っ張っていかれて、真剣に叱られたよ。
意外にいい人だね、彼女。
職なしでごく潰しの俺なんか、憑り殺されようが誰も悲しまないんだが。
幸い、というか、ボウズは俺にも公園利用者にも何もしなかった。
沙耶ちゃんが言うには、それ以来、姿が消えたらしい。
今でもたまに花を供えてるのは、恥ずかしいから内緒な。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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