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女の執念は恐ろしい
2017.10.28 (Sat) | Category : 人を信じすぎる人へ
613:⑦⑦⑦:2017/10/25(Wed)09:58:17
前の会社にいた時のこと。
後輩のA君が、同僚のBを好きだとわかった。
調査してみたらBもA君が好きらしい。
これは話が早いと思ったのだが、本気で好きになってしまうとあんなものなのだろうか。
ふたりともモジモジして一向に話が進展しない。
仕方がないので、Bの同僚のC子と俺で世話を焼き、飲みに誘ったりして無事にくっつけた。
それから1年後のこと。
その会社では半年に1度ぐらいのペースでパソコンを新しくする。
貧乏会社なので4〜5台程度購入し、現場レベルのトップに支給される。
で、そいつらが今まで使っていたパソコンは下のスタッフへ、下が使っていたパソコンは廃棄、という具合になるわけだ。ま、パソコンのお下がりだね。
貧乏会社でシステム部なんてご大層なものはないので、自分でデータをバックアップし、メーラーなどの設定を保存してから、データと設定を削除し、パソコンを次の人に引き渡す。
受け取った方は自分の設定をしてデータを入れる。
アプリを入れるのが面倒なので、フォーマットはしないで済ませるのだ。
俺の直属の部下であり、お古のパソコンを受け取った新入りのD君が神妙な顔で相談に来た。
「あの、すみません〇〇さん(←俺の名前)、ちょっと、これを見ていただきたいんですが…」
と言ってお古のノートパソコンを差し出す。
画面を見てみるとフォルダが開いていて、その真ん中に「日記」と書かれたテキストファイルがポツンと。
「何これ?君の日記を俺に見て欲しいの?」
「いや、パソコンに入っていたんですけど…」
そのファイルはシステムフォルダの奥の奥、普通なら絶対開けないな所に入っていた。
D君がどうやってそれを見つけたのかは面倒なのではぶく(ファイル検索でたまたま見つけたらしい)。
「中身見たの?」
「さわりだけ…」
「わかった。じゃあこれはオレが何とかする。君は忘れるように」
614:⑦⑦⑦:2017/10/25(Wed)10:00:30
彼の前にこのパソコンを使っていたのはC子だ。
つまり日記は彼女のもの。
どうやら彼女は削除をし忘れてしまったらしい。
どんな日記なのか興味があるではないか。
最初は実に他愛のない内容だった。
仕事がうまくいっただの、取引先の誰々がむかつくといったもの、ランチがおいしい店を発見したとかね。
だが、ある頃から内容が一変する。
『私の方がBよりもずっとずっとA君を好きなのに…』
はぁ?A君が好きぃ?ってお前、俺と一緒になってA君とBをくっ付けたじゃねえか。
『A君がBを好きだと知って、言うに言えなくなってしまった…』
切ない乙女心もつづってあった。ちょっと同情した。
が、そのうち内容がかなりヤバイ方向に。
『BからA君と結ばれたことを聞かされた。あんなくそ女のくされ***に入った*****なんて、腐って落ちてしまえ。阿部定の呪いをこめて』(ほぼ原文ママ。伏字はしてありませんでした)
こぇぇぇぇぇ。しかし、C子もよく阿部定なんて知ってるな。
そして最後の日記。
『A君もBも死んでしまえ。ふたりをくっ付けた〇〇(俺の名前)も、ふたりを祝福している会社の連中も死んでしまえ。みんなに呪いがかかるよう、会社のコーヒーメーカーにねずみの生き血を入れた。これからずっと続ける』
そういえば、この日記のころから、コーヒーにうるさい社長が
「コーヒー豆を変えたか?」
「入れ方を変えたか?」
「水を…」
と言い出したのを思い出した。ちなみに俺はコーヒーを飲まない(飲めない)。
どうやってねずみの生き血を手に入れたのかは知らないが、彼女はやる。きっとやる。
上司に相談するとか、匿名でC子に警告するとか、いろいろ考えたが、どれもすぐに俺だと分かるだろう。どうしようもないまま数日が過ぎた。
615:⑦⑦⑦:2017/10/25(Wed)10:02:42
社長との会議中、また
「コーヒーの味が…」
と言い出したのでコーヒーメーカーを変え、置き場所を湿っぽい給湯室から総務の机の隣に変えることを提案。
あっさり了承したので、この問題は解決した。
まさかみんながいる所で生き血を入れることはできないだろう。
一月もしないうち、俺はより条件のいい別の会社からオファーがあり、そこに移った。
A君やBもほどなくしてやめたそうだ。
それからさらに1年後、会社をやめた連中で飲むことになった。
A君も来た。今ならC子がA君を好きだったこと、それを日記に残していたこと(もちろんコーヒーメーカーや阿部定のことは伏せて)を話してもまあいいだろう。
「よっA、久しぶり」
「〇〇さん久しぶりです」
「元気にしてる?」
「何とか。仕事が忙しいですけど」
「それはいいことじゃん。そうそう、あのさ、Aに言おうと思ってたことがあるんだけど…」
「何ですか?実は僕も報告することがあるんですよ」
「何?」
「実は俺、C子と結婚したんです」
「えっ、ま、マジで。それはおめでとう…」
もちろん日記のことなど言い出せず、なぜBと別れてC子と結婚することになったのも聞きだせず、ただ女の執念は恐ろしいと思いました。
ふたりは今も幸せに暮らしているそうです。あまり怖くなかったでしょうか。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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前の会社にいた時のこと。
後輩のA君が、同僚のBを好きだとわかった。
調査してみたらBもA君が好きらしい。
これは話が早いと思ったのだが、本気で好きになってしまうとあんなものなのだろうか。
ふたりともモジモジして一向に話が進展しない。
仕方がないので、Bの同僚のC子と俺で世話を焼き、飲みに誘ったりして無事にくっつけた。
それから1年後のこと。
その会社では半年に1度ぐらいのペースでパソコンを新しくする。
貧乏会社なので4〜5台程度購入し、現場レベルのトップに支給される。
で、そいつらが今まで使っていたパソコンは下のスタッフへ、下が使っていたパソコンは廃棄、という具合になるわけだ。ま、パソコンのお下がりだね。
貧乏会社でシステム部なんてご大層なものはないので、自分でデータをバックアップし、メーラーなどの設定を保存してから、データと設定を削除し、パソコンを次の人に引き渡す。
受け取った方は自分の設定をしてデータを入れる。
アプリを入れるのが面倒なので、フォーマットはしないで済ませるのだ。
俺の直属の部下であり、お古のパソコンを受け取った新入りのD君が神妙な顔で相談に来た。
「あの、すみません〇〇さん(←俺の名前)、ちょっと、これを見ていただきたいんですが…」
と言ってお古のノートパソコンを差し出す。
画面を見てみるとフォルダが開いていて、その真ん中に「日記」と書かれたテキストファイルがポツンと。
「何これ?君の日記を俺に見て欲しいの?」
「いや、パソコンに入っていたんですけど…」
そのファイルはシステムフォルダの奥の奥、普通なら絶対開けないな所に入っていた。
D君がどうやってそれを見つけたのかは面倒なのではぶく(ファイル検索でたまたま見つけたらしい)。
「中身見たの?」
「さわりだけ…」
「わかった。じゃあこれはオレが何とかする。君は忘れるように」
614:⑦⑦⑦:2017/10/25(Wed)10:00:30
彼の前にこのパソコンを使っていたのはC子だ。
つまり日記は彼女のもの。
どうやら彼女は削除をし忘れてしまったらしい。
どんな日記なのか興味があるではないか。
最初は実に他愛のない内容だった。
仕事がうまくいっただの、取引先の誰々がむかつくといったもの、ランチがおいしい店を発見したとかね。
だが、ある頃から内容が一変する。
『私の方がBよりもずっとずっとA君を好きなのに…』
はぁ?A君が好きぃ?ってお前、俺と一緒になってA君とBをくっ付けたじゃねえか。
『A君がBを好きだと知って、言うに言えなくなってしまった…』
切ない乙女心もつづってあった。ちょっと同情した。
が、そのうち内容がかなりヤバイ方向に。
『BからA君と結ばれたことを聞かされた。あんなくそ女のくされ***に入った*****なんて、腐って落ちてしまえ。阿部定の呪いをこめて』(ほぼ原文ママ。伏字はしてありませんでした)
こぇぇぇぇぇ。しかし、C子もよく阿部定なんて知ってるな。
そして最後の日記。
『A君もBも死んでしまえ。ふたりをくっ付けた〇〇(俺の名前)も、ふたりを祝福している会社の連中も死んでしまえ。みんなに呪いがかかるよう、会社のコーヒーメーカーにねずみの生き血を入れた。これからずっと続ける』
そういえば、この日記のころから、コーヒーにうるさい社長が
「コーヒー豆を変えたか?」
「入れ方を変えたか?」
「水を…」
と言い出したのを思い出した。ちなみに俺はコーヒーを飲まない(飲めない)。
どうやってねずみの生き血を手に入れたのかは知らないが、彼女はやる。きっとやる。
上司に相談するとか、匿名でC子に警告するとか、いろいろ考えたが、どれもすぐに俺だと分かるだろう。どうしようもないまま数日が過ぎた。
615:⑦⑦⑦:2017/10/25(Wed)10:02:42
社長との会議中、また
「コーヒーの味が…」
と言い出したのでコーヒーメーカーを変え、置き場所を湿っぽい給湯室から総務の机の隣に変えることを提案。
あっさり了承したので、この問題は解決した。
まさかみんながいる所で生き血を入れることはできないだろう。
一月もしないうち、俺はより条件のいい別の会社からオファーがあり、そこに移った。
A君やBもほどなくしてやめたそうだ。
それからさらに1年後、会社をやめた連中で飲むことになった。
A君も来た。今ならC子がA君を好きだったこと、それを日記に残していたこと(もちろんコーヒーメーカーや阿部定のことは伏せて)を話してもまあいいだろう。
「よっA、久しぶり」
「〇〇さん久しぶりです」
「元気にしてる?」
「何とか。仕事が忙しいですけど」
「それはいいことじゃん。そうそう、あのさ、Aに言おうと思ってたことがあるんだけど…」
「何ですか?実は僕も報告することがあるんですよ」
「何?」
「実は俺、C子と結婚したんです」
「えっ、ま、マジで。それはおめでとう…」
もちろん日記のことなど言い出せず、なぜBと別れてC子と結婚することになったのも聞きだせず、ただ女の執念は恐ろしいと思いました。
ふたりは今も幸せに暮らしているそうです。あまり怖くなかったでしょうか。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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