都市伝説・・・奇憚・・・blog
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時報ーバーボンハウスー
2017.09.30 (Sat) | Category : 創作作品
935:時報(1):2006/08/29(火)17:23:42ID:ouZ+ctOU0
やあ(´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。
今日はテキーラはないから、サービスに一つ怖い話でもしようか。
これは、つい先月起こった話なんだけどね…
二人の高校生が居たんだ。
名前は仮に…AくんとBくんとしようか。
二人は、クラスも部活も同じの親友同士だ。
入っていた部活は"心霊について研究する会"。俗に言う、"オカルト研究会"ってやつだね。
そんな部活に入っていただけあって、二人は幽霊とか予言とか…そういう超心理的なものを信じる性分だったんだ。
ある日のこと。二人はちょっと急ぎ気味で帰宅中だった。
文化祭の準備が長引いたせいで、帰りが遅くなってしまったんだね。
一応大通りを歩いていたから周囲は明るかった。
だから…Aくんは"それ"を見つけてしまったのさ。
A「おい、B!あれ見ろよ!」
B「え、なになに?」
急いでいるとはいえ、突然見てみろといわれたら見てしまうのが人の性分だ。
Bくんはぱっと指されたほうを見た。
そこには、『占』とだけ書かれた看板をかかげた小さな出店があった。
そして、黒いフードを被った変な占い師が奥に座っていたんだ。
A「占いだってさ!行ってみようぜ!」
急いでいるというのに、Aくんはさっさと出店の方へ走っていってしまった。
B「おい!ま、待てよ!」
仕方がないからBくんも後を追ったんだ。
今思えば、意地でも止めておけばよかったのにね。
936:時報(2):2006/08/29(火)17:24:33ID:ouZ+ctOU0
占「…いらっしゃい。」
占い師は、見かけを裏切らない奴だった。
お客が来たというのに顔も上げず、声もなんだか電子的な声だったんだ。
ただ、妙なことに…その声、どこかで聞いたことがある声だったそうだ。
まあ、どこで聞いたかは思い出せなかったらしいけど。
A「占い、してくれるんですよね?」
Aくんは弾んだ声で聞いた。
こういうのが好きだから"オカルト研究会"なんかに入ったんだ。
ある意味当然なんだろうね。
だけど、話しかけられた占い師の方は、どこか遠くを見つめているようで、Aくんの声なんか耳に入ってない様子だった。
A「あの!占いやってるんじゃないんですか?」
Aくんがすこし声を荒げた。すると占い師は、唐突に口を開いたんだ。
占「7時30分・・・ちょうど…」
AくんもBくんもぽかんとしてしまった。
目の前の人間が、唐突になんの脈絡もないことを言い出したんだからね。
ふとBくんは、何の気なしに腕時計を見た。
時刻は7時29分。30分じゃない。まあ、そんなことはどうでもよかった。
B「おいA、帰ろうぜ。気味わりぃよ。」
A「あ、ああ…そうだな。」
どうやら占ってくれる気もなさそうだし、二人は少々拍子抜けした感じで帰ろうとしたんだ。
そしたら、その瞬間…
ドン!と大きな音が響いた。
二人がはっと音のしたほうを振り向くと、そこにはトラックが停車していた。
だけど、それは別に重要なことじゃない。
二人はトラックの下に目を向け…息を飲んだ。
トロトロと…ゆっくり地面から染み出すように、赤い液体が流れ出ていたんだ。
間違いない。血だ。
Bくんは、今度は意識的に、急いで腕時計を見た。
時刻は7時30分。
ちょうど10秒を回ったところだった。
B「お、おいA!」
A「!…あ、ああ!行こう!」
呼びかけられただけで何かを感じ取ったのか、Aくんもすぐに立ち去る構えを見せた。
そしたら占い師が…また口を開いたんだ。
今度は、長く骨ばった人差し指を…Aくんに向けて。
占「12時…ちょうど…」
937:時報(3):2006/08/29(火)17:25:09ID:ouZ+ctOU0
二人は急いでその場を離れた。
二人とも真っ青だった。
得体の知れない恐怖って奴を目の当たりにしたんだ、当然だよね。
自宅の近くに来るまで、二人とも黙ったままだった。
でも、あまりにも重い空気に耐えられず、BくんはAくんに話しかけたんだ。
B「…あんまり、気にするなよ?」
さっきの占い師の話だった。
「12時ちょうど。」
占い師は確かにそう言った。Aくんを指差してね。
A「…ああ。」
暗い声だったけれど、Aくんは返事を返した。
Bくんの家が見えてきたので、二人はそこで別れたんだ。
Aくんが家に帰ると、リビングに夕飯の用意とメモが残されていた。
「今日は帰れません。夕飯はこれで済ませてください。母より」
Aくんは、予言されたときを一人で待つことになったわけだ。
夕飯と風呂を済ませてベッドに入ったけど、Aくんは眠れなかった。
何故か目がさえてしまっていたんだ。
ふとAくんは、ベッド脇の目覚まし時計を見た。
時計は9時ちょうどを指していた…あと3時間ってこと。
A(…あんなの…あんな交通事故…きっと、偶然さ。)
Aくんは自分を励まして、眠ろうと努力した。冷や汗を大量にかいていたけど、それも気にせずにね。
夜中。Aくんは異様な雰囲気を感じて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
Aくんは慌てて時計を見た。時計は…9時ちょうどを指していた。
A「…え?」
Aくんは目を疑った。なんと時計が止まっていたのである。
異常な不安に駆られたAくんは、急いで部屋を出て、廊下にある電話を取った。
本当はリビングにある時計を見たほうが早いんだけど、気が動転していたんだろうね。
彼は時報を聞こうとしたんだ。
「プ…プ…プ…ピーン…午後…11時57分…20秒をお伝えします…」
938:時報(4):2006/08/29(火)17:26:43ID:ouZ+ctOU0
A(あと3分!)
Aくんは思わず身を強張らせた。
12時ちょうどに何が起きるのか…時報を聞きながら、Aくんは座り込んだ。
「午後…11時58分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時58分…30秒をお伝えします…」
12時が刻一刻と迫る中、Aくんは妙なことに気がついた。
A(この声…どこかで…)
「午後…11時59分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時59分…30秒をお伝えします…」
A(…そうだ…あいつの声…)
そう、あいつ。誰だなんて言わなくてもわかるはずだ。
「午後…11時59分…50秒をお伝えします…」
A(あと10秒…9…8…7…6…?今、なんか音が…)
「プ…プ…プ…ピーン…」
時報が、12時ちょうどを告げた瞬間、Aくんの後頭部に衝撃が走った。
Aくんは、悲鳴をあげる暇もなくその場に倒れ伏した。
薄れ行く意識の中、Aくんの耳に時報が流れ込んでくる。
「……後……時………分…1…秒を…・…え…ます…」
明朝。
Aくんの両親が帰ってきた。
廊下に倒れているAくんを見て、二人は急いで駆け寄ったんだそうだ。
Aくんの亡骸は、頭に包丁を突き刺された凄惨なものだった。
母親は気を失い、父親も呆然と立ち尽くした。
ちょうどそのとき、外れていた受話器から…唐突に、声が流れ出したらしい。
「…死後…6時間…13分…40秒を…お伝えします…」
ピッ。ツーツーツー…
939:バーボンハウス:2006/08/29(火)17:27:45ID:ouZ+ctOU0
(´・ω・`) …どうだった?少しは楽しんでもらえたかな。この話には続きがあってね。
学校でAくんの死を伝えられたBくんは、その日の放課後あの占い師が居た場所を探した。
でも、見つからなかったらしいんだ。
出店も占い師も、跡形もなく消えてしまっていたんだって。
お客さんも不気味な占い師には近寄らないほうがいい。
目印じゃないけど、"声"に注意することだね。
さて、最後まで聞いてくれたお礼にこのバーボンをおごるよ。
え、もう帰る?バーボンもいらない?…それは残念。
947:本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火)18:09:06ID:FafA0vNO0
>935
なんかツボにきた・・・。
でも創作なんだよね?創作だって言ってよう・・・。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/935-947
やあ(´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。
今日はテキーラはないから、サービスに一つ怖い話でもしようか。
これは、つい先月起こった話なんだけどね…
二人の高校生が居たんだ。
名前は仮に…AくんとBくんとしようか。
二人は、クラスも部活も同じの親友同士だ。
入っていた部活は"心霊について研究する会"。俗に言う、"オカルト研究会"ってやつだね。
そんな部活に入っていただけあって、二人は幽霊とか予言とか…そういう超心理的なものを信じる性分だったんだ。
ある日のこと。二人はちょっと急ぎ気味で帰宅中だった。
文化祭の準備が長引いたせいで、帰りが遅くなってしまったんだね。
一応大通りを歩いていたから周囲は明るかった。
だから…Aくんは"それ"を見つけてしまったのさ。
A「おい、B!あれ見ろよ!」
B「え、なになに?」
急いでいるとはいえ、突然見てみろといわれたら見てしまうのが人の性分だ。
Bくんはぱっと指されたほうを見た。
そこには、『占』とだけ書かれた看板をかかげた小さな出店があった。
そして、黒いフードを被った変な占い師が奥に座っていたんだ。
A「占いだってさ!行ってみようぜ!」
急いでいるというのに、Aくんはさっさと出店の方へ走っていってしまった。
B「おい!ま、待てよ!」
仕方がないからBくんも後を追ったんだ。
今思えば、意地でも止めておけばよかったのにね。
936:時報(2):2006/08/29(火)17:24:33ID:ouZ+ctOU0
占「…いらっしゃい。」
占い師は、見かけを裏切らない奴だった。
お客が来たというのに顔も上げず、声もなんだか電子的な声だったんだ。
ただ、妙なことに…その声、どこかで聞いたことがある声だったそうだ。
まあ、どこで聞いたかは思い出せなかったらしいけど。
A「占い、してくれるんですよね?」
Aくんは弾んだ声で聞いた。
こういうのが好きだから"オカルト研究会"なんかに入ったんだ。
ある意味当然なんだろうね。
だけど、話しかけられた占い師の方は、どこか遠くを見つめているようで、Aくんの声なんか耳に入ってない様子だった。
A「あの!占いやってるんじゃないんですか?」
Aくんがすこし声を荒げた。すると占い師は、唐突に口を開いたんだ。
占「7時30分・・・ちょうど…」
AくんもBくんもぽかんとしてしまった。
目の前の人間が、唐突になんの脈絡もないことを言い出したんだからね。
ふとBくんは、何の気なしに腕時計を見た。
時刻は7時29分。30分じゃない。まあ、そんなことはどうでもよかった。
B「おいA、帰ろうぜ。気味わりぃよ。」
A「あ、ああ…そうだな。」
どうやら占ってくれる気もなさそうだし、二人は少々拍子抜けした感じで帰ろうとしたんだ。
そしたら、その瞬間…
ドン!と大きな音が響いた。
二人がはっと音のしたほうを振り向くと、そこにはトラックが停車していた。
だけど、それは別に重要なことじゃない。
二人はトラックの下に目を向け…息を飲んだ。
トロトロと…ゆっくり地面から染み出すように、赤い液体が流れ出ていたんだ。
間違いない。血だ。
Bくんは、今度は意識的に、急いで腕時計を見た。
時刻は7時30分。
ちょうど10秒を回ったところだった。
B「お、おいA!」
A「!…あ、ああ!行こう!」
呼びかけられただけで何かを感じ取ったのか、Aくんもすぐに立ち去る構えを見せた。
そしたら占い師が…また口を開いたんだ。
今度は、長く骨ばった人差し指を…Aくんに向けて。
占「12時…ちょうど…」
937:時報(3):2006/08/29(火)17:25:09ID:ouZ+ctOU0
二人は急いでその場を離れた。
二人とも真っ青だった。
得体の知れない恐怖って奴を目の当たりにしたんだ、当然だよね。
自宅の近くに来るまで、二人とも黙ったままだった。
でも、あまりにも重い空気に耐えられず、BくんはAくんに話しかけたんだ。
B「…あんまり、気にするなよ?」
さっきの占い師の話だった。
「12時ちょうど。」
占い師は確かにそう言った。Aくんを指差してね。
A「…ああ。」
暗い声だったけれど、Aくんは返事を返した。
Bくんの家が見えてきたので、二人はそこで別れたんだ。
Aくんが家に帰ると、リビングに夕飯の用意とメモが残されていた。
「今日は帰れません。夕飯はこれで済ませてください。母より」
Aくんは、予言されたときを一人で待つことになったわけだ。
夕飯と風呂を済ませてベッドに入ったけど、Aくんは眠れなかった。
何故か目がさえてしまっていたんだ。
ふとAくんは、ベッド脇の目覚まし時計を見た。
時計は9時ちょうどを指していた…あと3時間ってこと。
A(…あんなの…あんな交通事故…きっと、偶然さ。)
Aくんは自分を励まして、眠ろうと努力した。冷や汗を大量にかいていたけど、それも気にせずにね。
夜中。Aくんは異様な雰囲気を感じて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
Aくんは慌てて時計を見た。時計は…9時ちょうどを指していた。
A「…え?」
Aくんは目を疑った。なんと時計が止まっていたのである。
異常な不安に駆られたAくんは、急いで部屋を出て、廊下にある電話を取った。
本当はリビングにある時計を見たほうが早いんだけど、気が動転していたんだろうね。
彼は時報を聞こうとしたんだ。
「プ…プ…プ…ピーン…午後…11時57分…20秒をお伝えします…」
938:時報(4):2006/08/29(火)17:26:43ID:ouZ+ctOU0
A(あと3分!)
Aくんは思わず身を強張らせた。
12時ちょうどに何が起きるのか…時報を聞きながら、Aくんは座り込んだ。
「午後…11時58分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時58分…30秒をお伝えします…」
12時が刻一刻と迫る中、Aくんは妙なことに気がついた。
A(この声…どこかで…)
「午後…11時59分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時59分…30秒をお伝えします…」
A(…そうだ…あいつの声…)
そう、あいつ。誰だなんて言わなくてもわかるはずだ。
「午後…11時59分…50秒をお伝えします…」
A(あと10秒…9…8…7…6…?今、なんか音が…)
「プ…プ…プ…ピーン…」
時報が、12時ちょうどを告げた瞬間、Aくんの後頭部に衝撃が走った。
Aくんは、悲鳴をあげる暇もなくその場に倒れ伏した。
薄れ行く意識の中、Aくんの耳に時報が流れ込んでくる。
「……後……時………分…1…秒を…・…え…ます…」
明朝。
Aくんの両親が帰ってきた。
廊下に倒れているAくんを見て、二人は急いで駆け寄ったんだそうだ。
Aくんの亡骸は、頭に包丁を突き刺された凄惨なものだった。
母親は気を失い、父親も呆然と立ち尽くした。
ちょうどそのとき、外れていた受話器から…唐突に、声が流れ出したらしい。
「…死後…6時間…13分…40秒を…お伝えします…」
ピッ。ツーツーツー…
939:バーボンハウス:2006/08/29(火)17:27:45ID:ouZ+ctOU0
(´・ω・`) …どうだった?少しは楽しんでもらえたかな。この話には続きがあってね。
学校でAくんの死を伝えられたBくんは、その日の放課後あの占い師が居た場所を探した。
でも、見つからなかったらしいんだ。
出店も占い師も、跡形もなく消えてしまっていたんだって。
お客さんも不気味な占い師には近寄らないほうがいい。
目印じゃないけど、"声"に注意することだね。
さて、最後まで聞いてくれたお礼にこのバーボンをおごるよ。
え、もう帰る?バーボンもいらない?…それは残念。
947:本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火)18:09:06ID:FafA0vNO0
>935
なんかツボにきた・・・。
でも創作なんだよね?創作だって言ってよう・・・。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/935-947
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