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「コンデンサがしかけてあるから」
2017.03.03 (Fri) | Category : とりあえず和みたい人へ
551:本当にあった怖い名無し:04/11/1804:23:21ID:qxui2YKc
「中にコンデンサが仕掛けてあるから」
友達は自慢げにそう言った。
中学二年の夏休み、僕らがまだパソコンや携帯電話を持ってなかったころ、触れるおもちゃはオーディオやファミコン、ビデオデッキだった。
ある日、友達がラジカセのマイクで遊んでいた。
マイクの先を耳に当てコードを持って電波を拾うかのように、天井向けてかざしていた。
「ほれ、聴いてみ」
友人はマイクの先を僕に向けた。
耳を当てると、どこかのラジオ放送局の声が聴こえてきた。
当時の僕は大いに不思議がって、何でどこにもつなげていないマイクから、ラジオの声が聞こえてくるのか興味を持った。
僕は面白がって、マイクを持ってベランダに出たり玄関へ移動したりした。
つい最近になって、押入れから当時のマイクが出てきた。
懐かしくて耳にあてる。
何にも聴こえない。
2~3分やっていると、なぜかボソボソ・・・っと話し声が聴こえる。
さらに注意深く耳をすますと
「コンデンサがしかけてあるから」
と、はっきり聴こえた。
それは十年以上前の、中二の夏、この部屋で聴いた友人の声だった。
気味悪くなって、また押入れになおした。
それからしばらく後、その友人と再会する機会があった。
あいかわらず、自慢げに語る口調はそのままに、懐かしい昔のしかし今はすっかり大人になった友人がいた。
よくこういうことして遊んだ・・・って話を繰り返し、僕らはわかれた。
マイクの声のことには触れなかったが、一瞬よみがえったあの声で僕は中学当時の情熱や、みなぎっていた力を思い出した。
最近、仕事のことや私生活のことでマイっていたから余計に昔の自分に心の中で会いたがっていたのかもしれない。
こういう話を会社の同僚にしたら、「おかしい」って眉をひそめる。
同僚の話では、どこにもつないでいないマイクからラジオの声が聴こえるということ自体、めずらしいんじゃないかと言う。
他の人に聞くと、ごくまれにラジオの電波を構造的に拾いやすくなっているものはけっこうあるそうだ。
なんにせよ、あの不思議な声はマイクを通じ僕の耳に飛び込んだのだ。
引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part23
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/7672/enigma/part23.html/551
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「中にコンデンサが仕掛けてあるから」
友達は自慢げにそう言った。
中学二年の夏休み、僕らがまだパソコンや携帯電話を持ってなかったころ、触れるおもちゃはオーディオやファミコン、ビデオデッキだった。
ある日、友達がラジカセのマイクで遊んでいた。
マイクの先を耳に当てコードを持って電波を拾うかのように、天井向けてかざしていた。
「ほれ、聴いてみ」
友人はマイクの先を僕に向けた。
耳を当てると、どこかのラジオ放送局の声が聴こえてきた。
当時の僕は大いに不思議がって、何でどこにもつなげていないマイクから、ラジオの声が聞こえてくるのか興味を持った。
僕は面白がって、マイクを持ってベランダに出たり玄関へ移動したりした。
つい最近になって、押入れから当時のマイクが出てきた。
懐かしくて耳にあてる。
何にも聴こえない。
2~3分やっていると、なぜかボソボソ・・・っと話し声が聴こえる。
さらに注意深く耳をすますと
「コンデンサがしかけてあるから」
と、はっきり聴こえた。
それは十年以上前の、中二の夏、この部屋で聴いた友人の声だった。
気味悪くなって、また押入れになおした。
それからしばらく後、その友人と再会する機会があった。
あいかわらず、自慢げに語る口調はそのままに、懐かしい昔のしかし今はすっかり大人になった友人がいた。
よくこういうことして遊んだ・・・って話を繰り返し、僕らはわかれた。
マイクの声のことには触れなかったが、一瞬よみがえったあの声で僕は中学当時の情熱や、みなぎっていた力を思い出した。
最近、仕事のことや私生活のことでマイっていたから余計に昔の自分に心の中で会いたがっていたのかもしれない。
こういう話を会社の同僚にしたら、「おかしい」って眉をひそめる。
同僚の話では、どこにもつないでいないマイクからラジオの声が聴こえるということ自体、めずらしいんじゃないかと言う。
他の人に聞くと、ごくまれにラジオの電波を構造的に拾いやすくなっているものはけっこうあるそうだ。
なんにせよ、あの不思議な声はマイクを通じ僕の耳に飛び込んだのだ。
引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part23
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/7672/enigma/part23.html/551
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