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覚えていてくれてありがとう
2016.12.22 (Thu) | Category : 誰も信じない人へ
238:⑦⑦⑦ : 2016/12/10 (Sat) 02:07:56
ある日の夜、いきなり見知らぬアドレスから携帯にメールが届いた。
「青木くん、ひさしぶり。元気にやってますか?」
差出人は携帯ではなく普通の有名なプロバイダのアドレスだった。
とりあえず返事を出してみた。
「誰?知ってる人?」
「知っててくれてるといいな」
「だから、誰?」
「そのうち思い出してくれるかな?ちょっと疲れちゃったから、また今度」
そんな一方的なメールのあとは、こちらから送っても返ってくることはなかった。
二日後の夜に、またメールが来た。
「この間は急にごめんね。今は何してるの?」
名を聞いても答えないので、適当な話題を返す。
得体の知れない相手なんて無視すれば良いのだが、特に悪さもしないのでなんとなくメール交換してしまっていた。
何度かやりとりしていくうちに、相手のパターンが分かってきた。
メールが来るのは夜の6時から8時くらいの間。
2~3日おきにやってくる。
ちゃんと聞いたことはないが、女の子のようだった。
割と若い人らしく、アイドルや俳優に詳しかった。
そして、僕のこともよく知っていた。
小学校や中学校のこと、高校までずっとやっているサッカーのこと。
テストの成績がどうだったとか、大会の成績がどうだったとか。
友達に話すと、たいていは不思議がっていた。
俺だったら、そんなやつとメール交換なんてしないよ。気持ち悪い。
確かに、自分も最初は気持ち悪かった。
だけど、次第に慣れてきて、逆になんでも話せるような気がしていた。
悪い人じゃないようだったし。
身近にいる誰かだろうから、話題には気を付けるようにしていたけど。
239:⑦⑦⑦ : 2016/12/10 (Sat) 02:10:25
そんなやりとりが一ヶ月くらい続いた頃、試しに聞いてみた。
「たまには電話で話さない?」
でも、あっさり断られた。
「今は無理なの。ごめんね」
そんな彼女から、いつもと違う夜中にメールが来た。
土曜の夜11時過ぎだった。
「話したい。電話して下さい。」
そして、携帯の電話番号。
不意のメールに喜んで僕は電話をかけた。
呼び出し音が鳴って、すぐに出た。
「もしもし?青木です」
しかし、向こうは無言だった。
「もしもし?もしもーし」
無言。
しばらくして、電話の向こうがざわめくのが聞こえた。
そして、誰かが泣いてるのが聞こえてきた。
泣き叫ぶ女性の声が遠くに聞こえる。
ある光景が頭に浮かんだ。
テレビドラマで見かける光景だった。
僕は電話を切ることも出来ず、ただただ聞き耳を立てていた。
少したって、声が聞こえてきた。
大人の男の人だった。
「青木くん。突然すみませんでした。前島カナの父です」
前島カナは中学の同級生だった子だ。
身体が弱くて学校を休みがちで、出席日数ギリギリで中学を卒業していた。
それだけしか覚えていない。
高校は別々になったが、その後さらに体調を悪くして高校にはほとんど行ってないと聞いていた。
240:⑦⑦⑦ : 2016/12/10 (Sat) 02:14:18
その前島カナのお父さんに呼ばれて、翌日彼女の家に行った。
そして、ご両親からこれまでのことを全部聞いた。
前島カナはこの2年ずっと入院生活だったこと。
病室では許可された時間だけインターネットしていたこと。
それ以外はたまの散歩の他はテレビばかり見ていたこと。
中学の頃に片思いだった男子に、名前を隠してメールを送っていたこと。
それが、僕だった。
とっくに自分は忘れられている。
そう思って、名前を言い出せなかったらしい。
そして昨日の夜、様態が急変して切迫した最中に、無理を言ってメールを送ってきたらしい。
父親の携帯を耳に当てた前島カナは、僕の声を聞いて、そして亡くなった。
高校に入ってすぐに入院したせいで、友達もできずにカナは寂しい思いをしていた。
青木君がメールの相手をしてくれたおかげで、ここ最近はとても楽しそうだった。
お父さんはそんな風に僕に感謝していた。
だけど、ずっと入院していた前島カナはどうやって僕のメールアドレスを知ったんだろう。
それ以外にも、僕の日頃のことをよく知っていた。
うちの高校に前島カナの友達がいるのかも知れない。
その疑問は、自宅に戻ってしばらくしてから解決した。
いや、解決と言えるかどうか。
メールを着信したのだ。
「最期に声を聞けて良かった。覚えていてくれてありがとう。」
前島カナだった。
不思議な子だったんだ。
僕はそれ以上考えるのをやめた。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
.
ある日の夜、いきなり見知らぬアドレスから携帯にメールが届いた。
「青木くん、ひさしぶり。元気にやってますか?」
差出人は携帯ではなく普通の有名なプロバイダのアドレスだった。
とりあえず返事を出してみた。
「誰?知ってる人?」
「知っててくれてるといいな」
「だから、誰?」
「そのうち思い出してくれるかな?ちょっと疲れちゃったから、また今度」
そんな一方的なメールのあとは、こちらから送っても返ってくることはなかった。
二日後の夜に、またメールが来た。
「この間は急にごめんね。今は何してるの?」
名を聞いても答えないので、適当な話題を返す。
得体の知れない相手なんて無視すれば良いのだが、特に悪さもしないのでなんとなくメール交換してしまっていた。
何度かやりとりしていくうちに、相手のパターンが分かってきた。
メールが来るのは夜の6時から8時くらいの間。
2~3日おきにやってくる。
ちゃんと聞いたことはないが、女の子のようだった。
割と若い人らしく、アイドルや俳優に詳しかった。
そして、僕のこともよく知っていた。
小学校や中学校のこと、高校までずっとやっているサッカーのこと。
テストの成績がどうだったとか、大会の成績がどうだったとか。
友達に話すと、たいていは不思議がっていた。
俺だったら、そんなやつとメール交換なんてしないよ。気持ち悪い。
確かに、自分も最初は気持ち悪かった。
だけど、次第に慣れてきて、逆になんでも話せるような気がしていた。
悪い人じゃないようだったし。
身近にいる誰かだろうから、話題には気を付けるようにしていたけど。
239:⑦⑦⑦ : 2016/12/10 (Sat) 02:10:25
そんなやりとりが一ヶ月くらい続いた頃、試しに聞いてみた。
「たまには電話で話さない?」
でも、あっさり断られた。
「今は無理なの。ごめんね」
そんな彼女から、いつもと違う夜中にメールが来た。
土曜の夜11時過ぎだった。
「話したい。電話して下さい。」
そして、携帯の電話番号。
不意のメールに喜んで僕は電話をかけた。
呼び出し音が鳴って、すぐに出た。
「もしもし?青木です」
しかし、向こうは無言だった。
「もしもし?もしもーし」
無言。
しばらくして、電話の向こうがざわめくのが聞こえた。
そして、誰かが泣いてるのが聞こえてきた。
泣き叫ぶ女性の声が遠くに聞こえる。
ある光景が頭に浮かんだ。
テレビドラマで見かける光景だった。
僕は電話を切ることも出来ず、ただただ聞き耳を立てていた。
少したって、声が聞こえてきた。
大人の男の人だった。
「青木くん。突然すみませんでした。前島カナの父です」
前島カナは中学の同級生だった子だ。
身体が弱くて学校を休みがちで、出席日数ギリギリで中学を卒業していた。
それだけしか覚えていない。
高校は別々になったが、その後さらに体調を悪くして高校にはほとんど行ってないと聞いていた。
240:⑦⑦⑦ : 2016/12/10 (Sat) 02:14:18
その前島カナのお父さんに呼ばれて、翌日彼女の家に行った。
そして、ご両親からこれまでのことを全部聞いた。
前島カナはこの2年ずっと入院生活だったこと。
病室では許可された時間だけインターネットしていたこと。
それ以外はたまの散歩の他はテレビばかり見ていたこと。
中学の頃に片思いだった男子に、名前を隠してメールを送っていたこと。
それが、僕だった。
とっくに自分は忘れられている。
そう思って、名前を言い出せなかったらしい。
そして昨日の夜、様態が急変して切迫した最中に、無理を言ってメールを送ってきたらしい。
父親の携帯を耳に当てた前島カナは、僕の声を聞いて、そして亡くなった。
高校に入ってすぐに入院したせいで、友達もできずにカナは寂しい思いをしていた。
青木君がメールの相手をしてくれたおかげで、ここ最近はとても楽しそうだった。
お父さんはそんな風に僕に感謝していた。
だけど、ずっと入院していた前島カナはどうやって僕のメールアドレスを知ったんだろう。
それ以外にも、僕の日頃のことをよく知っていた。
うちの高校に前島カナの友達がいるのかも知れない。
その疑問は、自宅に戻ってしばらくしてから解決した。
いや、解決と言えるかどうか。
メールを着信したのだ。
「最期に声を聞けて良かった。覚えていてくれてありがとう。」
前島カナだった。
不思議な子だったんだ。
僕はそれ以上考えるのをやめた。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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