忍者ブログ

都市伝説・・・奇憚・・・blog

都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。 メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ ☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中! ☆☆ありがとう5000万ヒット!☆☆

[PR]

2024.11.23 (Sat) Category : 

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ー毒男の怖い話とか音楽とか雑談とかー <毒男シリーズ>

2016.11.30 (Wed) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

1:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:28:11.579ID:cq8gMwIo0.net
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
   怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー
   レスがなくなったらさるさんくらったか寝たか人いなくなったと思ってね



3:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:28:24.667ID:cq8gMwIo0.net
長くなるがどうか聞いて欲しい。

俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。
家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。

もともとは道祖神だったらしいが、隣町への道路が整備されてからその山道自体が使われなくなり、通る人も絶えて寂れてしまった。

かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。

そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく「かなめさま」はタブーで、昼間でもそのあたりは近寄りがたかった。
見ても見られてもいけない。
牛の刻参りのようなものだ。

俺が5,6歳のころに化膿で膝が腫れて、かなり危なかった時祖母が「かなめさま」に行って
「かわりに病気を被ってくだされ」
と願をかけたらしい。
おかげかすっかり膝は治ったが、あとでそのことを聞いてからますます俺の中でかなめさまは恐ろしい存在になった。

それが中学に上がったばかりの時、夏祭りの盆踊りが終わったあと、悪友たちと肝試しをしようということになった。
祭りという晴れを経たせいかみんな妙に躁状態で、普段なら絶対ありえないことを言い出した。
「二郎さんて青年団の人おるやろ」
一番年かさのAが言った。
「あの人が昔、かなめさまのお堂に入ったんやと。中にな、石ころがあったらしい」
俺は猛烈に嫌な予感がしたが、あっという間にかなめさまの中身拝見ツアーに決まってしまった。

山道の入り口に陣取って一人ずつお堂に行き、中を見てから戻ってくる。
それで最後に、見たものを一斉に言って確かめ合うということになった。
入り口は広いがすぐに道は曲がり狭くなる。
両側からは木の黒い影が迫って、じっとりとした湿気を感じた。
俺は負けると思ったジャンケンで勝って一番最後になった。
しかし肝試しのセオリーではこれは失敗だった。

一人目の言い出しっぺでもあるAが帰って来るまで思ったより時間がかかった。
何度か昼間に行ったことがあったが、こんなに遠かっただろうか。
「おい、どうだった」
と聞いたがAは
「へへへ」
と変な笑いをして答えなかった。
二人目、三人目と終了して四人目のKが青い顔をして戻ってきた。
「覚悟したほうがええぞ」
なあ、とうわずった声でKが言うと先の三人も意味ありげに頷いた。
残るは俺だけだったのでやつらは怖がらせる立場になったわけだ。
怖気づいているとツボにはまりそうだったので、俺は思いきって山道に飛び込んだ。



6:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:29:38.712ID:cq8gMwIo0.net
夏のせいか下生えが生い茂り、所々足元がよく見えないという恐怖があった。
山に入ると今更のように蝉の鳴き声に気が付いた。
何時くらいだったのだろうか。蝉がこんなに遅い時間まで鳴いているのは妙な気がした。
心臓がドキドキしてきた。小さなペンライトが一つあるきりで、あたりは完全な暗闇なのだ。

ひときわ蝉の声が大きくなり、少し広い所に出た。
そっと右手の方を照らすとそこに「かなめさま」がいた。
「あった」と思わなかった自分が一瞬怖くなったが、もう中を見るだけなので勇気を奮い起こしてお堂に近づいた。
人ひとりが入れるくらいの小さなお堂だった。

木製の観音開きの扉はスクリュウ螺子で床にとめられていた。
「わざわざ締めやがって」
と最後のKに悪態をつくと何となく気が軽くなってすんなり開け放つことができた。
中には噂通りひと抱えほどの石が一つあるだけだった。
鉢巻のようにしめ縄が巻かれている様子はどことなくコミカルなものだったが、それを見た瞬間に息が止った。

その石に異様な圧迫感を感じて思わずむせてしまった。
背筋を嫌なものが這いあがる感じ。
ゴホゴホと咳きをして俯く。
その時信じられないものが見えた。
視界の左端に白い服がすぅっ、と入ったのだ。
奥にのびる道のむこうから誰かがやってこようとしていた。

頭がパニックになり、とにかく「あれ」に会ってはいけないと思って、目の前に口をあけるお堂の中に飛び込むように隠れた。
扉を内側からしめると中は真っ暗だった。
心臓がバクバクしている。
人影を見た瞬間に無意識にペンライトを消していたのだ。

暗闇の恐怖よりも光が外に漏れることの方が怖かった。
あれは誰だろう。
かなめさまに何の用だろう。
決まっている。
<病気を不幸を、恐怖を被ってくれ>
やめてくれ、と心の中で叫んだ。
中にいるのは俺なんだ。俺なんだ。
蝉の鳴き声が鼓膜を破りそうだ。
足音も何も聞こえない。
ただ気配だけが扉の前にやってきた。



8:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:30:47.230ID:cq8gMwIo0.net
胸がむかついて吐きそうだった。
古びた木のお堂に異様な匂いが充満しているようだった。
饐えた匂いなんてもんじゃない。
まがまがしい空気。
瘴気とはこういうものを言うのだとぼんやり思った。
俺はひたすら脱力して腰が抜けた。

「あれ」は行ってしまっただろうか。何も感じなくなった。
頭の芯のあたりが痺れていた。
石は?
石はどこだろう。
手で探ればぶつかるだろうが、ふと奇妙な予感があった。
かなめさまはこの「家」の中では石という形ではないのではないかと。
俺は咳きが喉の奥からせり上がって来るのをただただ止めようとしていた。

どれくらいたっただろうか。
陶酔にも似た疲労が体を覆い始めた時、急にとんでもないことが起きた。
お堂の前に気配が近づき、扉を開けようとしていた。

俺は心臓が止りそうになりながら必死で内側から扉を引っ張った。
しかし狭いために中腰が精一杯で力が入らない。
気が狂いそうになった時、外から聞きなれた声がした。
「おい、Yか?Yやろ」
Aの声だった。
扉が開かれてペンライトの明かりが闇を切り裂いた。
友人たち四人が覗き込んでいた。
俺は嵐のようにやってきた安堵感で口がきけなかった。
「おい、出ろや。いくぞ」

四人は青白い顔をして急かすように俺を引っぱり出した。
そしてお堂の扉をバアンと締めるとあとも見ずに早足でもと来た道を引き返しはじめた。
俺も置いて行かれまいと慌てて後を追った。
誰も無言だった。
俺が遅いので心配して迎えに来てくれたのだろうか。
しかし俺をバカにする軽口もなく、入り口にたどり着くとろくに会話も交わさずに解散になった。

皆一様に硬い表情で、それが一層俺の不安感を煽った。
俺はあの白い人影がどこへ行ったのか気になったが、それを聞くことを拒む雰囲気だった。
かなめさまの山道を振りかえると、蝉の声が止んでいた。



9:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:31:39.424ID:cq8gMwIo0.net
二十年も前の話だ。
俺は色々あってその町を飛び出してきて、もう帰るつもりもない。
しかしあの夜のことは忘れられない。
結局Aたちとの間であの出来事は語らないという不問律が出来ていた。
それきりかなめさまの話もしなくなった。
しかし今振り返ると、それなりに思うところがある。
お堂の扉を開けたあの時、ペンライトもかざさずに何故道の先の人影の白い服が見えたのだろうと。

道祖神は障(さえ)の神とも言い、道にあって道中の安全を司るとともに、人里への招かれざるものをさえぎる役目を負っていた。
しかしあの町で、本来疫病や鬼の侵入を防ぐ役割を持っていた「かなめさま」は人間の一方的な怨念で穢れていたわけだ。
道祖神は病んでいたが、道は残っていた。
そして山道の入り口で待っていたAたちも「あれ」を見たのではないだろうか。
盂蘭盆に廃れた道を帰ってきた招かれざる者。
あの町にはそれを止める神がいなかったのだ。



16:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:43:49.421ID:cq8gMwIo0.net
霊などの超常現象の話ではないのですが、ゾクッとした私の実体験です。

看護学生3年生の時に1週間実習で精神科病院に行きました。
初日に病院内を婦長さんに案内してもらいました。
拘束室(隔離部屋)も見せてもらいました。
暴れてどうしようもない患者、他の患者を傷つける恐れのある患者を入れておく部屋です。

古い旧館の奥に映画に出てくるような重い鉄の扉があり、そこを開けると短い廊下。
そして、廊下に沿って同じような鉄の扉が2つありました。
そのうちの1つの扉を開けて部屋の中に入るよう婦長さんが私達に言いました。
部屋の広さは普通の個室の病棟と同じくらいだったと思います。
入ったすぐ脇にベッドが1つあるだけ。

そして部屋の奥には鉄格子がかかった窓、その横に仕切りで区切ってトイレ(ドアはありませんでした。)と殺風景な部屋でした。

でも、壁には無数の落書きを消した後が残っていました。
赤い字で大きく壁一面に書かれた「天皇陛下万歳」「我が大日本帝国ハ…(以下略)」、
ベッドが置いてある側には黒い細かな文字でびっしりと「南妙法蓮華経南妙法蓮華経南妙法蓮華経…」。
奥のトイレを覗くとそこも大量の落書きを消した後。
筆圧が高かったためにくっきり残っている小さい文字で「○○○○(フルネーム)死ね…」と100回くらい書いた後に「殺したけど、もう1回死ね」。

私達は
「マジヤバイ!洒落にならない」
と言いながらトイレを出ようとした時に、トイレの仕切りの所に薄っすらと残っている落書きを見つけました。
そこにはこう書いてありました。

「おいしい肉それは人間」

泣きそうになりました…

(続きは『続きを読む』をクリック)


 









拍手[3回]



17:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:45:36.839ID:cq8gMwIo0.net
今から5年前、学生時代俺が体験した話。
サークルの部室で先輩に怪談を話してもらってて
「本当に恐い体験がしたいのなら、今からI市にある○○寺に行って来い」
と言われ、早速友達と二人で行ってみた。

その寺には本堂とそれを囲むように3つのお堂があった。
明かりが全くついてなく誰もいなかった。

悪ノリしてお堂の1つ目に勝手に入った。
真っ暗なのでライターでお堂の中を照らしてみたが何も無い。
続いて2つ目のお堂、これも特に変わった様子は無かった。
「何だ、大したこと無いな」
とか言いながら3つのお堂に入った。

自分は霊感とか全く無いのだが、入ってすぐこのお堂は他の2つと違う妙な雰囲気を感じた。
何だかたくさんの人に見られているような気がした。
友達がライターを点けてみるとそこには・・・

壁一面の棚に何百体もの人形が並べられていた。

この寺は人形の供養をする寺だった。
全部の人形がこちらに顔を向けて飾ってあった。
だいたいが雛人形だったが、ところどころに外国産の大きい人形もいた。
とたんに眩暈がしてそのまま気を失った。
自分が倒れる直前にどさっと音がして友達が隣に倒れるのが見え、まずいなと思った。

数時間後、先輩に起こされ目を覚ました。
僕らの帰りがあまりに遅いので先輩が様子を見に来てくれたのだった。
「ごめんなさい、何だか急にくらっとして・・・」
と先輩に言うと
「当たり前だ!お前らこんないたずらなんかするな!!」
と激しく怒られた。
初めは先輩が何を言っているのか分からなかったが、辺りを見回すと・・・

棚の上に並べられていた人形が全て降ろされ、僕らと先輩の周りを囲んでいた。

その後、泣く泣く三人で人形を元の棚に戻したが、なぜか何体かの人形がお堂の外に逃げ出していたので大変困った。



24:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/27(日)23:58:49.233ID:cq8gMwIo0.net
あれは小学校六年のころ、夏のさかりだった。

僕は母方の田舎に一人で泊まりに来ていた。
田舎のせいか夜することがなくて、晩飯を食ったあとはとっとと寝るのがパターンになっていた。
特に寝苦しかったある熱帯夜に蚊帳の中でゴロゴロしているとふいに

ウウウウウウウウウ

と犬が唸るような声がどこからともなく聞こえてきた。
聞き耳を立てていると

シッシッシッシ

という水を切るような足音が家の前を通り過ぎて行ったみたいだった。
僕は起きだして縁側に出てみると暫くしたら家のブロック壁の向こうを犬の気配が戻ってきて、そしてまた通り過ぎて行った。

野犬かなあと思いながら佇んでいると祖母もやってきて
「犬じゃろうか。ちょいと見てくる」
と言って、玄関のほうへ行ってしまった。
僕は壁のすぐ向こうが幅広のドブだったことを思い出して、
「ドブんなかを走ってんのか~」
と納得したが、祖母は大丈夫だろうかと心配になった。

それから少しして祖母が帰ってきた。
「どうやった?」
と聞いたが何故か答えてくれなかった。
祖母は僕を座らせて改まってこう言った。

「あれはもののけじゃ。犬の幽霊じゃ。見てはならんぞ」

祖母はよく恐い話をしてくれたので、これも僕を怖がらせようとしているのだなと思い、
「どんな幽霊?」
と聞くと

「四肢しかない。首も頭もない。それがドブを走っとる」

僕は想像してゾッとした。

「ええか。あれは昔から夏になると出るこどもをさらう山犬の霊じゃ。こどもを探して一晩中走りまわる。絶対に見てはならんぞ」

都会っこを自称する僕も、そうしたものがあってもおかしくない田舎独特の空気に気圧されてビビリあがってしまった。
僕は祖母の言うとおり大人しく布団に入った。
しかし布団を頭から被っても犬の唸り声がかすかに聞こえる。
何度目かに家の前を足音が通り過ぎた時、ふと思った。
頭もないのにどうやって犬がこどもをさらうのか?



25:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)00:00:35.043ID:3SlKT+ak0.net
一度気になると止らない。
僕はどうしても犬の幽霊を見たくなった。
そもそもリアルな足音を聞いているのに、それが幽霊だと言われてもだんだんうそ臭くなってくる。

祖母の怪談の神通力も子供の好奇心には勝てなかったらしい。
僕はこっそりと部屋を抜け出して玄関へむかった。
外に出て見ると、街灯の明かりがかすかに側溝を照らしていたが肝心の犬の幽霊は見あたらなかった。

僕はやぶ蚊と戦いながら家の前でじっと待っていた。
なにか餌でも投げたら飛んでやってこないかなあ、と考えていた時「それ」がやってきた。
フッフッフッフと荒い息遣いが左手のほうから聞こえてきて黒い影が見えた。
側溝は大人の背丈ほどもあったので、上にいるかぎり犬に飛び付かれることもないと高を括っていた僕は暗い中でよく見ようと見を乗り出した。

黄色い街灯に照らされて犬の頭が見えたとき、僕は
「やっぱりばあちゃんのホラじゃあ。ただの犬や」
と妙に勝ち誇った気分になった。
が、「それ」が目の前を通り過ぎた時心臓に冷たい物が走った。

犬はなにかを咥えていた。
僕には全く気付いていないのか、犬は血走った目で泥水を刎ねながら走り去って行った。
僕はその一瞬にわかった。
人間の赤ん坊がその顎に咥えられていた。
首がぶらぶらしていて、今にも千切れそうだった。

僕は腰を抜かしてその場にへたり込んだ。
1歩も動けなくなったが、
「ばあちゃんはこれ見てほっといたんか」
という考えがぐるぐる頭を回った。

大人に教えなあかん大人に教えなあかん、と呟いてるつもりがカチカチ歯の根が合わなかった。
そうしているとまた犬の足音が近づいてきて、目を反らせないでいると今度は赤ん坊の首が根元からなくなっていた。
そして犬が走り去って行く時、ちょうど僕の目の前を赤ん坊の首が笑いながらすーっと追いかけて行った。

僕は這うようにして家に戻ると、祖母の布団に潜りこんで泣いた。
祖母は
「あれはもののけじゃ。あれはもののけじゃ」
と言いながら俺を叱るように抱きしめてくれた。

年寄りの怪談は素直に怖がるべきだということを思い知らされた。



31:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)00:16:52.450ID:3SlKT+ak0.net
どちらかというと、ほんのり怖い話かも。
自分、数年前までK察の人間でした、大学を出てすぐ東京都T島区の警察署に配属。
自分はT大出のいわゆるキャリア組で(自慢に聞こえたらスマソ)、いわゆる期待の星。
そういう背景もあって、お偉いさんたちには自然可愛がられる傾向に。

で、ある日署長サンに飲みに誘われた。
自分はもう、着替えおわって帰り支度が済んでいたけど、署長はまだ制服姿でしかももうひとメール打つから待てと言う。

暇を持て余してまた自席につき、ぼんやりと閑散とした室内を眺めていると、目の前にぽん、とバインダーが投げ出された。
「キミも、いずれ知ることになるだろうから。暇潰しに呼んでて。」
そういうと署長はまた席に戻り、カタカタとキーボードを叩く。
厚さ2cmほどのプラスチックバインダの背表紙には

「雨宮さん」

と書いてある。
なんだろう。パラパラとページをめくる。
調書や、現場写真。
いわゆる、捜査資料の類がファイリングされている。
そして、その内容を読んで愕然とした。
本当に、なんというか、ここにあるようなオカルトチックな事件の集大成。
そして、そのほぼ全てが未解決。
1ページめくる毎に、ぞくぞくと背中に悪寒が走る。
キツネ憑き(?)の窃盗事件容疑者の写真とか、顔つきが半端じゃない。
人間の顔じゃない。洒落になってない。怖い。
事情聴取の調書にも、素で「ケーン」とか「キキキ」とか書いてある。
いろいろ他にもあったけど、マジでこれ以上は勘弁。割愛します。

1/3ほど読んだところで、署長にファイルを取り上げられる。
「はい、そこでストップ。続きは、キミが署長になったらね。」
そういうと、署長はそのファイルを自席の鍵付きの引き出しにしまった。
頭がボーっとして、脇にイヤな汗を書いていたのを覚えている。

池袋の小料理居酒屋で署長に話を聞く。
簡単に言うと、以下のような感じ。
K察にも所轄毎に、いわゆる「成績表」がある。
検挙率、とかそういうふうに考えてもらえばいい。
で、K察とはご存知地域密着型のサービスゆえ、様々な側面で「地域格差」が出るのは否めない。

例えば、所轄により、どう頑張っても「科学捜査では解明できない」事件が多発するエリアがあるらしい。
そういったエリアでは、当然事件解明に至る確率は低下する。
そのような地域による評価の較差をうめるべく、70年代あたりから特定の条件を満たす特殊な事件に関して、その評価の対象から暗黙のうちに除外される、というルールができていたらしい。
それが、雨宮さんファイルに綴じられているような事件である、と。

「で、雨宮さんて、誰なんですか?あのファイルの名前…」
自分がそう聞くと、署長は胸のボールペンを取り出し、和紙の敷物に一文字、「霊」。
「な、上のとこ。雨、だろう。」
ニヤニヤする署長さん。

また後日、俺はそのファイルの事が気になり、署長に再度見せてくれと頼んだところ、
「気にするんじゃない。忘れておきなさい。」
と、ピシャリと一喝されてそれ以来。
その後、その署長といろいろゴタゴタがあって、K察もやめてしまい、今はお気楽サラリーマンやってます。



35:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)00:24:32.232ID:3SlKT+ak0.net
いまだにキショ恐い、謎な話。
小学校低学年の頃、両親の用事で俺は知り合いのおばちゃんちに一晩預けられた。

そこの家は柴犬飼ってて、俺は一日目の暇つぶしにそいつを連れて散歩に出かけたんだけど、
土地感のないところを、やたらめったら歩き回ったんで迷子になってしまった。
シャイボーイだった俺は他人に話し掛けることもできないし、

連れてる犬は役に立たないしでウロウロしてるうちに夕暮れ近くになってしまった。
しかもある場所を通りかかったとき急に犬が足を踏ん張って動かなくなってしまい、俺はそいつ抱えて歩き出したんだけど、異様にクソ重たい犬だったような気がする。
そうやって立ち往生してた場所の右手に2軒つながりのような形の空家があった。

当時昆虫集めに凝ってた俺は、いい虫(カマキリとか)でもいないかと犬をひきずってそこんちの草ぼーぼーの庭に入り込んだ。
んで、しばらく草をかき分けてるうちにいいかげん暗くなってきてこりゃやばいと顔をあげたとき、空家のほとんどの窓は雨戸しまってたんだけど、俺とこから玄関はさんで向こう側の窓だけ
雨戸が少しだけ開いてて、そこから女の人が顔突き出してるのが見えた。

顔つきとか覚えてないけど確か女で、両目閉じたまま顔を左右に振ってたと思う。
とにかくキショイ動きだった。
俺は
「ギョエェェェーー!!」
と思ったわりに声も出ないまま腰ぬかしたけどすぐに一目散に空家から飛び出した。

それからどうやっておばちゃんちまでたどり着いたのか忘れたけど、おばちゃんに半泣きで空家の女のこと言ったら、おばちゃん怒り出して、なんでか分からんけどすぐさま頭をバリカンで丸坊主にされて、その後知らないおっちゃん連れてきて呪文みたいなの聴かされた。

それに出かけてたはずの両親も急遽呼び出されたり結構大事になった。
以来おばちゃんちには一度も行ってないけど犬は結局帰ってこなかったと思う。
すんませんおばちゃん。
つか、これ最近思い出したことなんだけどあれは一体なんだったんだろう。



44:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)00:53:40.321ID:3SlKT+ak0.net
これは1996年6月に小学生を惨たらしく殺害した中学3年の男の子が容疑者として捕まり世間を大いに驚かせた事件があった時の出来事です。

6月下旬の蒸し暑い日でした、その日私は田中さんというメゾネットタイプの集合住宅を賃貸経営している大家さんの所へ、先月退居された住人の預かり費用についての営業でお伺いしました。

先月退居された方、正確にはその住居で飲薬自殺された二十代の女性なのですが、同棲していた男性に騙されて借金を背負わされ浮気相手と一緒に男性が出ていった後に自殺したそうです。

こう詳しく私が知っているのも、女性の部屋を訪問した田中さんが死体の第一発見者となってしまい、こういったケースが初めてだった田中さんが私を呼びつけてサービス営業で諸手続きを手伝わせた事をきっかけに、お互い愚痴を言い合えるような仲になったからです。

男性が出ていった後は女性の部屋から泣き声やモノを壊す音が夜通し聞こえていたそうで、他の住人からの苦情で田中さんがこの女性に注意しに行った時に親身になって相談を受けたそうで、それから毎日の様に話相手になってあげたそうです。

そしていつものように田中さんが女性へ挨拶に行くと、ドアの前がガス臭く急いで元栓を締め119番したのですが、女性はガスだけでなく睡眠薬を大量に飲んでおり生き絶えていました。

その日は田中さんが晩飯を奢ってくれるという事で18:00過ぎに田中さんの家へ着いたのですが、先月の事など忘れたように明るく出迎えてくれました。

仕事の話を終えその後、田中さんがとった出前寿しを二人でのんびりTVでナイターを観戦しながら食べたのですが、田中さんは三人前で注文したようで食べる順番に困った私は一人前分だけ食べました、すると田中さんも私と同じように一人前だけ平らげきれいに一人前分の寿司が残りました。

私は大して空腹でもなかったしその日のナイターが好試合だったせいもあって大して気にも止めず酒を飲みながら雑談を続けたのですが、なぜか先月の事件の話題になると田中さんはあたかもどこか他所の他人の話のような受け答えしかしないのです。

女性が死んだ後あれだけ深く悲しみ同情した田中さんがこのようなそっけない態度をとる事に私は奇妙な感覚を覚えました。

それは田中さんの態度だけでなくお吸い物をテーブルの上に三つ出したり座布団を三つ出したり、まるで私の他にもう一人来客があるような用意をしているのです。
その事に気付いた私はなんとなく不快な感じになりトイレに立ちました。

用を足し居間に戻る時私の記憶が呼び覚まされました、この玄関の香料は前に何度も嗅いでいる、たしか亡くなった女性の住居をリフォームする際にあの部屋で嗅いだにおいだ。

そして何気なく目をやった玄関にはなぜかハイヒールが置いてあるのです。
私が知らないうちに田中さんは女性と同棲を始めていたのか、ああ、なるほど。
そう結論を出し二人の邪魔をしないように退散しようと思い田中さんへご馳走になったお礼と帰る事を告げたところ意外な返事がきました
「もう遅いから泊まっていけよ」

時計を見るともう23:00を過ぎていました。
私なりに田中さんに気をつかって、帰ってからも仕事が残っていると嘘をついて同僚に迎えに来てくれるように電話を入れ、やがて迎えが来ました。



45:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)00:56:31.774ID:3SlKT+ak0.net
帰り間際どさくさにまぎれて同棲している女性について探りをいれてやろうと思い田中さんに、その人はいくつなんだいと聞いてみると
「恥ずかながら一回り下の二十二歳、おまえも知っているだろ○○さんだよ」
そうはずんだ声で返した田中さんとは裏腹に私は背中に冷たいものを感じました。
そう、○○さんという名前は先月亡くなった女性と同名なのです。

「○○さんって、田中さん…」
その続きが口から出る前に何か冷たい視線を感じそのまま口をつむんでしまいました。
何だい?と上機嫌で返す田中さんにいや、何でも無いとだけ言い靴をはき玄関を出ました。
ドアの前でご馳走になったお礼を改めて伝え楽しかったまた来るよと言った後、田中さんが
「おうっ、また来いよ」
と返事した声に重なるように女性の声が田中さんの後ろから聞こえました。

「マタイラシテネ…」

明らかに田中さんとは違う透き通った小さな声が聞こえたのです、そしてその声が聞こえたと同時に田中さんがドアの前に出たのですが、その後には誰もおらず居間とテーブルが見えるだけでした。

その何も無い部屋を見たとたん、どっと冷や汗が出てきてぎこちない挨拶を交わしながら田中さんと別れ待っていた同僚の営業車に乗り込みました。
車はそのまま私の家に向かおうとしましたが、どうしても気になり確かめたいことがありました。
そしてそれを確かめる為同僚と一緒に自殺した女性の元住居へ向かいました。

00:00時を過ぎた夜中に同僚と二人で玄関先まで来ました、やはり表札は取り外されていましたがポストにダイレクトメールがいくつか差し込まれているのに気付きました。
そこから1つ抜き取りライターの火で明かりを灯し宛名を確認しました。
やはり
「木原○○さんだ…」
それを確認したとたん急に田中さんの事が気になりだし、その場から携帯で連絡をいれました。
田中さんはすぐ電話に出て
「やあ、どうしたんだい」
と笑いながら答えました。

私は田中さんに同棲しているのは死んだ人間ではないのか?自殺した女性じゃないのかと核心を聞き出そうと話し出したそのとき

「カレハハナサナイ…」

そう電話の先から韻を込めた低い女性の声がはっきりと聞こえそこで電話が切れました

先ほどの透き通った小さな声とはまったく違う低く重い声で彼は離さないと…
電話が切れた後、私は同僚と一緒にその場を逃げ出し車に乗り込み、そして事態飲み込めない同僚に一部始終話しました。
そして私が話し終えた後、同僚は私に意外な一言を伝えました。

部屋の前で○○さんが携帯かけている時、○○さんのすぐ横から低い男の人の声が聞こえたような気がするんですけど気のせいですかね?

それから4日後、田中さんは亡くなりました死因は衰弱死です。
警察からは熱中症と聞きましたが田中さんの部屋にはエアコンが設置してありました。
このメゾネットマンションは経営者が変わりましたが今も存在しています。



73:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:30:51.467ID:3SlKT+ak0.net
学生時代に大学のすぐ裏のアパートに住んでいたんだが、夏のある夜のこと、暑苦しくて窓を全開にして漫画を読んでたらいきなりその窓から顔面ぐちゃぐちゃの人間が入ってきた。

スカートにノースリーブの服の普通の格好だったから一瞬人が入ってきたのかと思ったけどここは三階だし、なにより輪郭がぼやけてるというか大きくなったり小さくなったりしていた。ぐわんぐわんと。

身長1メートルくらいから部屋の天井に頭がつくくらいまで。
なんか自分がどういう大きさかわかってないみたいな。
顔もぐちゃぐちゃ動いていたけど、これは傷口が動いてるみたいだった。

こっちにじわじわ向ってきてたけど俺は完全に金縛りみたいになって机の椅子から動けなかった。
そしたらいきなり部屋で飼ってた猫が
「フギャアアアア」
って叫んで毛を逆立てて威嚇しはじめた。
それで我に返って椅子からずり落ちるみたいに降りてから壁際に寄った。

そいつはふらふらと台所のほうへ消えて行って玄関のドアからすぅっと出て行ったみたいだった。

マジで恐かった。
よくお化けは犬に弱いとか言うけど、猫でも役に立つんだ。
ていうか猫よりヘタレの俺って…

その日の夜、大学構内で自動車部のアホが酔っ払って暴走中に学部生をはねたらしい。その女の子は即死。
それ聞いて「やっぱり」って思ったよ。
自動車部は当然ソッコー廃部。

その猫、妙に鋭いところがあって別の日の夜に宗教の勧誘っぽい女がチャイム鳴らして来た時にスゲー吼えだした。
玄関に来客があってものぞきに来ることなんてないのにその時は飛んでやって来た。
女は楽しいサークルがどうとか訳の分らんことを言ってたのでとにかく追い出した。
猫はそいつの後ろになにか見たんだろうか…

ちなみにその猫は今このPCの上で寝てる。



75:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:36:41.898ID:3SlKT+ak0.net
【THE事故物件】より

1973年に杉並区のゴミ引き受けを拒否しマスコミで大きく取り上げられた江東区夢の島騒動をご存知でしょうか?

夢の島というゴミ埋立地は整地されるまで多くの不法投棄が有りイエバエなどが発生して社会問題化しました。

この夢の島の上に高速湾岸線が通っているのですが、何年か前に見た深夜番組(トゥナイトだったかもしれません)で肝試し心霊番組を放送していたのですがその番組を見て冷や汗をかいた話を書きます。

その番組で出た場所は夢の島公園付近の空き地で、高速道建設に多くの作業員が空中に浮かんでいる大きな髪の長い女の生首を目撃したというものでした。

夢の島がまだゴミ処分場だった頃ですが、女性の一人暮し向けのマンションが多く建設され人気を呼んでいました。

バブルのはしりだった時代でしたので家賃10万前後の物件もすぐ埋る人気振りで空き物件を探すのに苦労したことを覚えています。
そんな中、上京して一人暮しを始めた女子大生の父親から厳しいクレームを受けました。
化け物がでる部屋を高い金で借りさせられた上娘がノイローゼになって入院したと言って怒鳴り込んできたのです。

その物件は人気物件にもかかわらず同業他社から回ってきたもので、当店が受けた時には事故物件という話を聞いておらずこちらとしても当惑するばかりでしたが、相手方の怒り様は凄まじく裁判も辞さないという事でした。

お互いまず話し合い状況を聞きましたところ、事の始まりは娘さんが髪を洗っていた際にシャワーの音に紛れて

「ウー…」

っといった唸りのようなものが聞こえていたのだが、娘が不気味がって部屋に母親を呼んだ時に
母親が浴室を利用して湯に浸かっている時にその唸り声とともに大きな髪の長い女の顔が浴室の窓に張り付くように現れ、そのショックで二人とも入院してしまったというのです。

その日の午後に先輩と一緒にそのマンションの部屋の様子を見てきたのですが、特におかしなところもなくまた築2年の物件で経営者も
バカな事言わないでくれ幽霊なんででやしないよ
と怒る有様でした。

その後問題となった物件は4人入居されたのですがいずれもすぐ退去されてしまいました。
幽霊が出ると言って。

店内ではこれは絶対に何か有るという話になり同業他社の営業に一杯奢って話を聞き出したところ、耳を塞ぎたくなるような事件の話が出てきました。


問題の物件は地方から出てきた学生向けのマンションで、新築時の応募で入居された女子大生が
その部屋の最初の入居者だったのですが、ダイエットブームにのって無理な減量をした為激しいリバウンドで肥満体形となってしまい、自身の容姿でノイローゼとなり浴室の窓枠にワイヤーを巻いて首を吊り自殺しました。

突発的な自殺行動だったのか浴槽には湯が張っており入浴後に首を吊った様で、その際に足を滑らしたのか首の肉がワイヤーで裂け血を噴出し、自重の為胴体が離れ落ちたのだが、髪が何重かに巻いたワイヤーに絡まりその大きな顔が中にぶら下がり胴体は浴室に横たわっているという
凄惨な状況だったということをマル変を担当した警察から聞いたそうです。

この話を課長へ伝えたところ、経営者へお断りを出すか拝み屋を頼んでユニットバス交換ぐらいやってもらわないと話にならないという事になりました。
経営者側はあっさりと後者を選択しその手配もこちらに任せるという話になり、翌日の日中に拝み屋と業者を呼んで立ち会いました。

お祓いが終わり業者がユニットバスの解体を始めたのですがそこには吐き気を催すような光景が有りました。
ユニットバスの浴槽部分を外したところ、窓側の壁の浴槽があった部分に赤茶げたカビがビッシリ生えており、
またそのカビにはまるで髪が生えたように無数の髪の毛が下がっていました。
なんというか、血糊のついた頭皮としか言い様がないです。
それが壁の一面を成してました。
しかし、事情を知らない業者はただ淡々と仕事を行い新品のバスユニットと入れ替えました。




87:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:54:20.856ID:3SlKT+ak0.net
大学時代に、友人から聞いた体験談です。

私の大学は結構な田舎でして、羽を伸ばす所がこれといってありません。
そういう事情に加え、学生の多くが車を所有していることもあり、必然と連れ立ってドライブに行くことが遊びの一つになっていました。

その夜も、私の仲間たちは、隣町の峠道まで出かけたそうです。
私自身はバイトがあったので参加しませんでした。
別に峠を攻めるわけでもなく、頂上で夜景を楽しみながら一杯飲もうというのが目的だったとか。

峠道や頂上では何もなかったのですが、問題は帰り道のことでした。
自動販売機を見つけた彼らは、飲み物が底をついていたこともあり、缶コーヒーを買うために車を路肩に停めたのです。
その時、少し先の道端に何か置いてあるのに気づきました。
外灯もろくに無く、暗くてよく見えません。
近づいてみると、それは花束とジュースの缶でした。
「ありゃ」
「来る時は目に入らなかったのにね」
とりあえず皆で手を合わせておいたそうです。

一人を除いて。

車が発進した後、中で交わされた会話は――。
「君ら、よくあんな不気味な物の近くに立ってられるな。呆れるわ」
「不気味ってのは非道くないかい?」
「そうそう、花が捧げてあるくらいいいじゃないか」
「花はいいんだよ、花は。俺が言ってるのはランドセルのことだ」

ランドセルだって?
「ほら、花のそばに置いてあっただろう?一つだけポツンと」
「女の子用の赤いのが」

彼以外の者は、誰もそれを見ていなかったのだそうです。
「おい、冗談言うなよ。しっかりと置いてあったじゃないか」
「そっちこそ変なこと言うなよな。他には何もなかったって」
「お前ってそういうのが見える人だったっけか?」
「もし俺が見える人だとしたら、幽霊なんてこの世にいないってことだ」
その場の全員が皆、霊など見たことがない人ばかりでした。
「その俺に見えたんだから、霊関係じゃないって」
「でも」
「そう、でもお前以外のヤツには何も見えなかったじゃないか」
雰囲気が気まずくなり、皆が黙り込んでしまったそうです。

とにかく帰ろうということに意見が一致したので、即行で帰っていつも溜まり場にしている部屋で飲み直そう、とあいなりました。

この時点では、皆がこのランドセルの話題はこれで終わりだ、そう思っていたのです。ですが。



88:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:55:53.507ID:3SlKT+ak0.net
車が、溜まり場にしているアパートに近づくにつれ、皆元気を取り戻し、年頃の大学生らしくHな話題などで盛り上がっていました。
しかしなぜかドライバーはアパートの駐車場に入らずに、そのまま通り過ぎてしまったのです。

「おいおい、何やってんだよ、お前の家を通り過ぎちゃったぜ」
「…ダメだ、ダメだよ、俺ン家じゃダメだ…」
「ああ?何言ってんだよ、いったい」
「ランドセルだよ」
「…何だって?」
「ランドセル背負った女の子が駐車場にいたんだ」

さすがに皆、冷水を浴びせられたような気がしました。
運転手君の話によると、駐車場の一番奥の外灯下に、赤いランドセルを背負ったおかっぱ頭の後姿が、じっと佇んでいたのだそうです。

奇妙なことに、運転手と、先ほどランドセルだけ見た友人は別人でした。
今回ランドセルの女の子が見えたのは、運転手だけなのです。

「気のせいじゃないのか。今度は俺には何も見えなかったで」
「お前はまだいい。ランドセルだけだったろ。俺は女の子付きなんだ!」
「もう一回、確認してみない?当ても無くウロウロ出来ないし」

そこで引き返して駐車場を覗いてみることにしたのですが…。
「…ダメ。まだいる。同じ所であっち向いて俯いてる」
やはり、他の友人には見えないのですが、そう言われたら気持ちが悪くて車から降りる気にはなれませんでした。

「仕方ない、狭いけど俺の家に行こうや」
「あ…なんか振り向きそう…」
「早く車出せ!」



90:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:57:20.225ID:3SlKT+ak0.net
ここから彼らの眠れぬ夜が始まりました。
そう。行く先々でランドセルの女の子が待っていたのです。
それも、彼らの内の誰か一人にだけ見えるという奇妙な形で。

彼らの家には一歩も入ることができませんでした。
まだ深夜営業のファミレスが地元にできる前の話です。
こんな夜遅くに学生がたむろできる場所などありませんでした。

大学の研究室に行って過ごすか、という案も出たのですが、
「もしエレベーターの扉が開いた中に、ランドセルが見えたらどうする?」
という一言で行けなくなったそうです。
皆が皆、パニックの一歩手前みたいな状態だったと後で言っていました。

そんな彼らが最終的に選んだ避難場所は、なんと私の家でした。
バイトが終わる時間を見計らって、私を拾いに来たのです。
事情もわからずに
「徹夜で麻雀しよう」
と強引に家に連れて帰られました。

駐車場の入り口で、しつこく確認されます。
「なあ、お前の家の駐車場、何か変わったモノは見えないか?」
「例えば、赤いランドセルとか…」
「???車以外に何もないけど???」

よかったあ、と口々に言いながら皆、私の部屋へ転がり込みました。
トイレがすぐ隣なので、それも彼らにはありがたかったようです。
一人になるのを嫌がっているのが明白なので、さすがに私も不思議に思い、何があったのかを聞きました。

麻雀牌をかき混ぜながら、彼らは私に事情を説明してくれました。
(かなり本気で叩き出してやろうかと思いましたよ、ええ)
麻雀しながらも皆が怖がっているのはわかりました。
私も説明を受けてからは、結構ビビっていました。

「お前さんは拝んでいないから、多分大丈夫だと思うんだけど…」
多分という言葉が余計です。本当に迷惑です。



91:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)01:58:22.035ID:3SlKT+ak0.net
しかし、赤いランドセルは私の家には姿を現しませんでした。

夜が明け朝が来ると、皆くたびれ果てて眠ってしまいました。
おそらく、精神的に疲れていたのでしょうね。
真面目に学校に行ったのは私だけです。
彼らは、午後からバラバラと授業に出てきました。
日が昇ってようやく家に帰れたのだそうです。

しかし、一人だけ来ない者がいました。
それは最初にランドセルを見た彼でした。
心配しましたが、携帯電話が普及する前なので、連絡がつきません。
その日最後のコマが終わると、そいつの部屋に皆で行くことにしました。

部屋に着き呼び鈴を鳴らすと、憔悴した彼の顔が出てきました。
学校に行く準備をしている時に、駐車場から見上げるランドセル姿に気付き、外に出られなくなったのだそうです。
今は見えなくなっているが、一人で外に出る気になれないと彼は言いました。

いきなり私たちの内の一人が、奇妙な声を上げました。
その様子から私たちはランドセルの少女がまだここにいることを知ったのです。
皆そのままゆっくりと中を見ずに外に出て、鍵をかけました。
車に乗り込んだ後で尋ねると、部屋の隅にランドセルがあるのに突然気付いたとのことでした。
私を含め、皆泣きそうになりました。

しばらくして皆でお払いに行ったらしいのですが、何も憑いていない様子だと言われたのだとか。
彼らはその後もランドセルを度々見ていたのですが、別に害は無かったようで、二ヶ月もすると何も見えなくなったそうです。

果たして、事故に会ったのは本当に小学生女子だったのかも不明です。
もしそうだったなら、なにかを伝えたかったのか、単に寂しかっただけなのか。

可哀相だったのは例の最初に目撃した彼で、かなりの間おどおどしていました。
しばらくの間は、通学中の小学生の姿が本気で怖かったそうです。

私は結局、何も見えなかったし、わからなかったのですが。
途中から皆のヒステリーじゃないのかとも思いました。
口にこそ出しませんでしたけどね。

私の周りで起こった?奇妙で少し怖いお話でした。
長文でどうもすいませんでした。




105:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)02:17:09.229ID:3SlKT+ak0.net
あれはまだ中学生の時です。
風水の番組かなんかやってて北向きの玄関が良くないとかどうとか言ってたんです。
その時、ふと友人Hの家が北向き玄関だった事を思い出しました。

彼は幽霊話とか嫌いなのでちょっと脅かしてやろうと思い、何日か後に遊ぶ約束をしてその話に尾ひれをつけて脅かしてやろうと考えました。

当日、Hにその話をするといつもは変に怖がるのに何か考え込んでいました。
何かと思い聞いてみると、
「つい最近なんだけどな…」
と話始めました。

彼の部屋は玄関を入ってすぐ脇の部屋でした。
彼がいつものように寝ていると突然、耳元で何か唸るような声が聞こえたそうです。
最初は驚いたものの、すぐ冷静になってなんだろうな?と思ったと同時に、
ばたばたばたばたばたばたばたばた
と、凄い人数の足音が戸の外から聞こえてきた。

なんだ!?と驚いて戸の外を見ようとしたのですが、耳元の声はまだ聞こえていたので先にそちらを聞こうとしたらしいです。

「……ダメだ、……しちゃダメだ」

と微かに聞こえる声がそう繰り返すのです。
Hはもっとよく聞こうと外の音も忘れて集中するとその声は確かに

「みちゃダメだ、戸の外を見ちゃダメだ」

と、繰り返しているそうです。
みちゃダメだ、と言われると気になるらしく、ちょっとだけ覗いてみようかな?とか思った時、その声は急に強い口調で

「見たら死ぬよ」

と一言告げたそうです。
その時、初めてその声が彼の祖母の声だということに気が付いて、中々鳴り止まない外の音を気にしながらも気が付けば寝てしまったそうです。

よく百鬼夜行という言葉を聞きますが彼が遭遇したその足音はまさにその百鬼夜行だったのでしょうか。
後にも先にも一回きりだったみたいです。

そのときにはHのおばあちゃんはとうの昔になくなっています。
彼はそういった霊現象に会うと何かしらの形でおばあちゃんが守ってくれるそうです。

余談ですがHともう一人と俺で怪談話をしていた時にHが急に
『なんかいる気がするから辞めよう』
とか言い出したので、さすがにネタも尽きた事から電気をつけようとしたら反応が無い。

友達がふざけているのかと思い、代わってスイッチを入れても反応なし。連打しても同じ。
ちょっとした恐怖心にかられて、5分くらいパニックになりながらも連打していたら突然電気がつきました。
電球は替えたばかりでその後から今にいたる10年間、スイッチの接触等には問題ありません。
やっぱり来てたのかな…。



108:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)02:21:03.722ID:3SlKT+ak0.net
思い出したくない映像があります。

数年前、友人と二人で泊まった旅行先のホテルでの話。
お風呂で髪を洗ってると、後方の入り口ドアが開いたらしく、スーッと冷たい風が入ってきました。
私は、友人が開けたのだと思って
「何?」
っと振り向きました

ドアは20cmぐらい開いていて、そこからにゅーっと人の姿が現れました。
うつむいてる様で、髪がバサーッと前に垂れていて顔は全然見えません。
普通の人ではないというのが一瞬でわかりました。
何故なら頭の位置がおかしいからです。

普通うつむいてもアゴが鎖骨に当たる程度しか首は曲がりませんよね?
でも、その人物は頭が肩より下、胸のあたりまで垂れ下がった状態だったのです。
うなじが丸見えです。

私は頭の中が真っ白になって、気が動転したのでしょうね、それに向かってシャワーをかけました。
すると突然それは、ガタガタと肩でドアをこじ開ける様にして、バスルームに入ってこようとしたのです。
「ぎゃあーっ!!」
って叫びましたよ。思いっきり。

声にびっくりした友人が、
「どしたの?」
とバスルームのドアを開けて入ってきました。
その頭の垂れた人をすりぬけて…私は生まれて初めて失神しました。

関係ないかもしれませんが、その霊(?)をすりぬけてしまった友人は、ノイローゼからリストカットを繰り返し、とうとう一昨年他界しました。

お葬式で彼女の死顔を見た時、鮮明にあの時の事を思い出し、悲しみより恐怖に駆られた事を覚えています。
考えすぎかもしれませんが、あの時私が叫ばなかったら友人は何事もなく生きていられたのかも…



113:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)02:29:21.743ID:3SlKT+ak0.net
車の免許を取れたのは良いけれど、車を買うお金が無い。
休みの度に、安い車を探して彷徨っていたら、10回目ほど訪問していた中古屋さんに良い車があると言われました。

D社のM○Xという軽自動車で、オーナーが10人くらい代わっているけれど、凄く綺麗な状態。
走行距離も1万㌔以下で、求めていたMT車。
無事故との説明ではあったけれど、お値段車検1年+保険で7万円とのこと。

なんでこんなに安いのか聞くと、社長さん曰く
「オークションで数台車を買って、展示スペースが無いから処分したい」
そんな事もあるのかと思い、自分の幸運を喜びながら即契約。
1週間後に取りに来るように、何度も何度も念を押されて、2つ返事で了承しながら帰宅しました。

ところが、車を取りに行く直前、先輩達の唐突な誘いで2泊3日の合宿が決定してしまい、取りに行けないので納車して欲しいと伝えると、即答で拒否。
少しムッとしたけれど、忙しいのだろうと納得して、3万円出すので納車して頂けないかと頼み込み、何とか了承してもらった。
なぜかイヤイヤなのが、受話器越しにも良くわかりました。

合宿も終わり、
「帰ったら、ドライブしよう」
と約束して友人と駅で別れ、弾む足取りで我が家へ、愛車の元へ。
家の前の駐車スペースに車が無い。
何処にも赤いM○Xが見当たらない。
(さては、弟が勝手に乗り回しているのでは?)
と無性に腹が立ってきて、家に入るなり母親に車の所在を聞くと、凄く複雑な顔。

「警察も来たけれど、社長さん、あんたの買った車の中で死んでいたそうだよ」
「帰ったら、警察に連絡するように言われてるから、連絡しな」
警察に連絡すると、出頭要請。で、出頭。

購入の詳しい経緯と、社長さん死亡時のアリバイ等を何度も何度もしつこく聞いてくる。
さすがに不安になって来て『殺人』なのかと聞くと、少し言いよどんでから『変死』との答。
結局、それ以上は聞きだせずに追い返されました。



116:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)02:30:58.746ID:3SlKT+ak0.net
人が死んだ車に乗る気は、さすがにしなかったので、中古屋さんに連絡。解約手続きにいく。
事務所に着くと、喪服姿の女性が先にいて、私の名前を聞くと、
「あんたが・・・」
と呟き、凄い目で私をジッとにらんでから、出て行った。社長の奥さんだそうで・・・

解約手続き中も、事務の人達がチラチラと私を見ている。すごく嫌な感じ。
「では、外で新しい車を選びましょう。いえ、同程度の車を、同じ値段で良いですよ」
と、事務の男性が唐突に言い、展示場に連れ出されました。
80万円以上の新古車が並ぶスペースまで来ると、好きなのを選んで欲しいと言う。
戸惑っていると、男性は悲痛な顔で、
「ごめんなさい・・・本当にごめんなさい。止めようとしたのですが出来なかった」

先ほどから訳が解らずイライラしていたので、車の陰に引き込んで、問い詰めるとトンデモない事を言い出した。

「あの車の所有者は、全員不幸になっているんです。死んだのは今回で3人目と聞いています。
社長がどこから買ってきたのか解りませんが、あの車がこの店に来て貴方を含め4人に売りました。以前の3人は、病気と入院と自殺で、車だけがココ戻ってきているんです」

「あの車、整備の為移動させようと乗り込むと、私も凄く不安で気分が悪くなりました。最初は、排気やクーラーガス、車内にやエンジン内に薬物でも付いているのかと疑いましたが、全て正常でした。社員達が何度も社長に『潰す』様に言ったのですが、社長は聞き入れませんでした。この不景気に首にされるわけにもいかず、我々も強い事が言えなかったのです」

「あの車は、廃車手続きが終わりました。警察の許可が出次第、我々の立会いの下、スクラップにします。社長がいなくなって、やっと潰す事が出来るようになりました」

「さあ、社員一同からのお詫びの意味もありますので、遠慮無しに好きな車を選んでください。これなんかどうです?フル装備、新車同然。ナビとカーステもサービスしますよ」

あまりに勝手な言い草に腹が立ちましたが、展示車のM○Xにオプション装備でなんとか機嫌が直りました。



119:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/11/28(月)02:32:40.932ID:3SlKT+ak0.net
|A-) 怖い話と音楽終わりー



153:過去ログ★[]
■このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています



引用元:毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1480256891/




.
PR

この記事にコメントする

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
最新コメント
[10/25 ukvartiraFum]
[10/04 NONAME]
[09/30 NONAME]
アクセス解析
カウンター

Powered by [PR]

忍者ブログ