忍者ブログ

都市伝説・・・奇憚・・・blog

都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。 メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ ☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中! ☆☆ありがとう5000万ヒット!☆☆

[PR]

2024.11.29 (Fri) Category : 

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ー毒男の怖い話とか音楽とか雑談とかー <毒男シリーズ>

2016.08.26 (Fri) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象



1:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/14(日)22:39:29.663ID:aIPF1WFP0.net
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
   怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー
   レスがなくなったらさるさんくらったか寝たか人いなくなったと思ってね



10:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/14(日)23:04:20.833ID:aIPF1WFP0.netBE:708155702-PLT(12004)
迷ったけど書いてみます。

平成7年の冬、息子が産まれた。
私には夫がいない。いわゆる、私生児という息子だ。
出産後、いい顔しない両親に頼み込んで、実家に帰った。

母は何も手伝ってくれもせず、何から何まで自分一人で育児を行い、自分でもかなり、疲労が溜まってきたな、と自覚し始めたころ、それは起こった。
今でも、幻覚を見たんじゃないかとさえ思う。

2時ごろ、子供の泣き声で目を覚まし、授乳した。
子供はミルクを飲みながら寝てしまったが、30分くらいでまた泣いて起こされた。
ただでさえ、肩身の狭い身なのに、
「泣き声で眠れなかった」
とか言われたらこちらも困る。

私はあお向けに寝て、うつ伏せ寝させた子供を胸の上に乗せて背中をトントンと叩いてあやしていた。
そうしながら、私もそのままうとうとしてしまったらしい。

ふ、と目を覚ますと依然、胸の上に重みと温かみがあった。
『落としたら困るし、布団に戻そう』
と思い、体を少し傾けたら、自分の右側に子供がスヤスヤ小さな握りこぶしを握って右向いて寝ていた。
『なんで、ここで子供が寝てるわけ?じゃあ私が今胸に乗せているのは一体…』
そう思った瞬間、体が動かなくなった。
私は金縛りの経験、なかったのだ。

感覚的には足の裏と頭の天辺にピアノ線みたいな、紐を付けられ、思いっきり反対方向に引っ張られたような気がした。
そのときもずっと右側に寝ている子供は視界に入っていた。
その子供の首がキリキリキリキリとこちらに向いて回り始めた。
まるでゼンマイで動いているかのように見えた。

『怖い!これ以上見たくない』
と思ったのだが、どうにもできず凝視していると、完全にこちらを向いた子供の顔は白目を剥いており、土気色をしていた。
そして、髪の毛に月代があった。
お侍さんが髷を落としたような髪だった。

とっさに、何かお経を、と思ったが、口から出たのは『何妙法蓮華経』で、しかも聞き取れるものじゃなかった。
ただ、「うわうわうわわわ」と言ったのと変わらなかった。

完全にこっちを向いた子供は(どう見ても、輪郭や顔の造作はうちの子供なのである)するすると首が延び始め淡い燐光のような光を放ち、すっぽりと身体から抜け、部屋中をグルグル八の字を書くようにすごいスピードで飛び回り始めた。

同時に野太い男の笑い声が響きわたり、なんでこんな大きな笑い声が両親の部屋に聞こえないのだろう、とか、誰か助けて~!と思いながら、ここから記憶がない。
たぶん気絶してしまったんだろうと思う。

次の日、私は、荷物をまとめて、慌てて自分のアパートに逃げ帰った。
両親に話しても、まず、信じてはくれないだろうと、このことは黙って帰った。
それからは、悪夢のようなことは起こらず、日々の生活の中で、そんなことは殆ど忘れていた。
そうして4年が過ぎた。

5つ上の従兄弟が結婚した。
奥さんのSさんとは私と歳が近いせいもあり、わりとすぐ仲良くなった。
そしてすぐSさんは妊娠し、出産した。彼女の子供も男の子だった。

出産後、1ヶ月くらいして、Sさんの家まで、お祝いの品を持って、遊びに言ったとき、彼女が神妙な顔をしていった。
「ねぇ・・・。Rさん(私のことね)。笑わないで聞いてくれる?」
私は、
「もちろん、笑わないよ、どうしたの?」
と答える。
言いにくそうに彼女は言った。
「夢だったと思いたいんだけど、夜中に、K(Sさんの息子)の首が飛び回ったの・・・」

Sさんは、
「怖い目にあうよ」
と親戚から言われていたそうな。
この家に嫁いできたら、後継ぎを産んだ後必ず、首が飛ぶらしい。

私の場合嫁いできたわけじゃない、びみょ~な立場だったのでだーれもおしえてくれませんでした(泣
ちなみに家の母は女の子しか産んでないので、怖い目には逢わなかった、よかったわー、と言っていました・・・

(続きは『続きを読む』をクリック)

 









拍手[1回]



18:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/14(日)23:20:22.145ID:aIPF1WFP0.netBE:708155702-PLT(12004)
私が今から話すことは、所謂「オカルト」といった性質のものではない。
しかし、私にとっては、本当に洒落にならない経験だった。
だから、かなりの長文ではあるが、ここに書き込むことにする。
霊の類の話を期待している向きには申し訳ないが、しばらくの間、我慢して欲しい。

私は昨年まで外資系の企業に勤めていた。
ある時、私に、C国へ出向しないか、という打診があった。

会社はC国に工場を所有しており、そこの技術者に日本国内の工場で採用されているシステムを修得させるのが目的の長期出向だった。
長期とは言っても、現地スタッフによる運用が可能となるまでの期間限定の出向だったし、現地での待遇も、帰ってきてからのポストも非常に良い条件だった。
私は、少し考えた上で承諾した。

C国の工場で引継を終えた夜、私は前任者と食事を共にした。
前任者(仮にT氏としておく)は赴任してから半年後に、健康上の理由から日本への帰国を希望していた。
目の前のT氏は、確かに頬がこけていて顔色が悪く、心身共に疲れ切っているような印象だった。

T氏は、現地での生活について様々なアドバイスをしてくれたのだが、中でも
「倉庫の裏にある丘には決して近づくな。」
というようなことを、ことさら強調した。
私がその理由を尋ねても、T氏は口を噤んだままだった。

やがてT氏は帰国し、私のC国での生活が始まった。
C国は、最近まで激しい内戦が続き、それが国民の生活に大きな影を落としていた。
工場の周辺は農村地帯だったので、破壊行為の跡などはあまり見られなかったが、ゲリラによる虐殺や略奪は、このあたりの集落にも及んでいるようだった。

働き手や財産を内戦で失った家庭などは、日々の生活すらも全く困窮している有様だった。
そんな家の子供は、工場へと続く道端で半ば物乞いのような事をさせられていた。
また、工場に雇われている労働者には、夫を亡くした女が優先的に採用されており、彼女らの子供は、母親が仕事を終えるまで、工場の近くで遊んでいる。

工場の周辺には、そんな訳ありの子供が大勢集まっていた。
私は、いつの頃からか、そんな子供達と仲良くなり、昼休みや仕事がヒマな時などは、彼らの遊び相手になることもしばしばだった。

ある昼休みのことだった。
いつも工場の周りで遊んでいるKという子供が、面白い所があるから一緒に行ってみよう、と私を誘った。
すぐ近くだから、というK君の言葉を信じて、私は、K君と彼の妹のSちゃんと一緒に、工場の脇の林に向かって歩きだした。
しばらく木立の中を歩いていくと、急に視界が開けて、広い空き地のような所に出た。
K君とSちゃんは、そこでサッカーのようなことをして遊び始めた。

私も混ざってみたけれど、K君のボール捌きはなかなかのもので、本気にならなければ、K君のボールを奪うことは出来なかった。
そうこうするうちに昼休みも終わり、私は職場へ戻った。



20:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/14(日)23:21:53.188ID:aIPF1WFP0.netBE:708155702-PLT(12004)
何日かして、K君とSちゃんと私は、やはりあの空き地へやって来た。
その日は、私は木陰で、ぼんやりとK君とSちゃんの遊ぶ姿を眺めていた。
ふと視線を工場の方に向けると、少し離れたところに倉庫が見えた。
そこで、以前T氏が言っていたことを思い出した。
「倉庫の裏にある丘には決して近づくな。」
そういえば、ここの地形は少し盛り上がっていて、丘のような感じがする…

私は近くにいたK君を呼びかけ、もう帰ろうと誘った。
Sちゃんを探すと、反対側の木立の辺りに立って、何かをジッと見つめているようだった。
見ると、黄色いオモチャのようなモノが落ちている。
それを拾おうとして、Sちゃんはしゃがみ込んだ。
私は、Sちゃんの方へ足を踏み出し、帰るよ、と呼びかけようとした。
すると、K君が袖を掴んで軽く引っ張った。
私は思わずK君の方を向いた。

ドンッ!

突然、腹に響くような大きな音がして、私はSちゃんの方を振り向いた。
Sちゃんは地面に倒れていた。
私は急いで駆け寄ったが、ダメだった。
足や手があり得ない方向に曲がっていて、体の下から血が溢れている。
しばらく呆然と立ち竦んでいた。
が、不意に、Sちゃんの拾おうとしていた黄色いモノが地雷であったことに気付いた。

もちろん、対人地雷のことはC国に来る前から聞いていた。
子供が興味を持つような色や形の地雷があることも、世界各国で、それらの犠牲となり、手足を失った子供の写真も見たことがある。

しかし、私には実感がなかった。
情けない話だが、Sちゃんの、無惨な遺体を見るまでは、私の目の前で、幼い子供が犠牲になるなど、考えてもみなかった。

振り返ると、K君が顔をクシャクシャにして泣いていた。

Sちゃんが死んだ丘は、法的には工場の敷地だった。
実際には、地雷の危険性があったということで、立ち入り禁止となってた。
しかし、そこを囲っていた有刺鉄線はとっくに盗まれていた、ということだった。

私はSちゃんの家族に会って謝ろうと思ったが、工場長をはじめ、現地のスタッフは皆、反対した。
「あれは事故だ。断じてあなたのせいではない。」
皆が、そう言って私を慰めてくれた。
後に工場長から、Sちゃんの家族には会社から見舞金が渡された、と聞かされた。

私はしばらくの間、自宅で休養した。
工場に戻っても、以前のように子供と遊ぶ気にはならなかった。
K君と会うことも、二度となかった。



21:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/14(日)23:23:12.110ID:aIPF1WFP0.netBE:708155702-PLT(12004)
やがて月日がたち、当初の目的を果たした私は日本へ帰ることになった。
帰国した私は、真っ先にT氏に連絡を取り、会う約束を取り付けた。

T氏は私を見るなり、何かに気付いたようで、深いため息をついて言った。
「ご愁傷様だな。」
私は少し間をおいてT氏に尋ねた。
「あなたも、あそこで同じような体験をしたんですね。」
「ああ、私の時は男の子だったよ。赤い地雷だった。」
「…その後は?」
「たぶん君と同じだ。一月もすると別の子供が誘いに来た。行ってみると、有刺鉄線など、どこにもなかった。」

T氏はひどく悲しそうな目をしていた。
「それからは、ひっきりなしだ。兄弟連れで、何人も何人も…」

Sちゃんの家族の手に渡った見舞金。
我々にとっては、はした金程度のものでも、C国では家族を数年養えるだけの価値がある。
おまけに養う口は一つ減るのだ。

しばらくの間、T氏と私は子供達の運命を呪うように、黙って俯いていた。



37:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:06:37.938ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
去年の秋口、ふとしたことから大学時代の友人Hがサイトを立ち上げていることを知った。
Hとは親友と呼べるほどの仲ではなかったが、バイクという共通の趣味があったので、時々ツーリングに行ったりはしていた。
そのサイトは自分の趣味の話や日記らしきものがコンテンツのよくあるサイトだったが、未だに楽しそうにバイクに乗っているHの笑顔を見ていうるうちに昔話がしたくなり、挨拶代わりにメールを送ってみた。

Hからの返信はすぐに届いた。
大学に残ったHは研究を続け、現在は実家のあるN県の別の大学で助手をやっているとのこと。
研究職をしている私とは、かなり近い分野の仕事をしていたこともあり、10年近く音信不通だったにもかかわらず、すぐにうち解けることができた。
週末や休日にメールをやり取りをして3ヶ月ほどした頃、Hからこんなメールが届いた。

「(前略)…ところで、M藤食堂を覚えてるか?実は先週末にS市まで日帰りで遊びに行ってきたんだが、おばさんまだ頑張ってたぞ。
懐かしのカツ丼大盛を食ってきた。
おばさんも味も昔のままで、食ってるうちに涙が出てきた。
おばさんもぽろぽろ涙をこぼして喜んでくれていた。
お前の話もしたんだが、おばさんはお前のことも良く覚えていた。
『今度はKさん(私のこと)も一緒に来てくださいね』とぎゅっと手を握られた。
暖かくなったら一緒にカツ丼を食いに行こう!…(後略)」

M藤食堂は私たちが通っていた大学の近くにあった学生御用達の店で、Hと私はそこの常連だった。
私が卒業する少し前に、M藤のおじさんが事故で亡くなったのだが、おばさん一人で店を続けていたらしいことは、別の知り合いからも聞いていた。

そんなこと出来事やHの影響もあって、もう一度バイクに乗りたくなっていた私は、週末に手頃な中古を探しに出かけたりするようになっていた。
しかし、そのメールを最後にHからの連絡はぷっつり途絶えた。
私も仕事が忙しかったこともあり、Hもそうなのだろうと思った私はバイクのこともおばさんのこともしばらく忘れていた。

ところが一ヶ月経ち、二ヶ月経ってもHからの連絡は途絶えたままだった。
3日に1度は更新されていた彼のサイトも更新されていないようだった。
気になった私は、休みの日に彼の家へ電話をかけてみた。
電話に出たのはHではなく初老の女性だった。
私は大学時代の友人であることを告げ、名前を名乗った。

その女性はHの母親だった。
「Hは先月亡くなりました。」
低い声でそう告げられた私は、びっくりしながらもお悔やみの言葉を述べ、お線香を上げに行かせてもらえるように申し出た。

次の休みに私はN県にあるHの実家を訪ねた。
Hの両親は息子を失ったショックからまだ立ち直れない様子だった。
仏壇に手を合わせた後、私は言葉を選び選びHの両親に彼がなぜ亡くなったのかを尋ねてみた。
母親は黙ってじっと下を向いていたが、しばらくすると隣に座っていた父親が初めて口を開いた。
「Hは自殺しました。」



38:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:07:33.549ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
母親はハンカチで顔を覆いながら
「あの子が自殺なんかするはずはないのよ、するはずはない…」
と何度も繰り返していた。
父親は何か思い当たるようなことはないか、と私に尋ねた。
何も思いつかず黙っていた私に、父親はこう続けた。
「なんでS市なんかに行ったのか…最後に昔のことを思い出していたのかなぁ…」

頭がぼーっとしてきた私は、両親にいとまを告げるとHの家を出た。
何かザワザワと引っかかるものを感じていた私は、そのまま車でS市に向かった。

S市に付いた頃にはもう辺りは暗くなりかけていた。
私は町並みを懐かしむ暇もなく、当時住んでいたアパートに向かった。
アパートも周りの建物も何一つ変わっていなかった。
同じブロックの裏手にあったHのアパートもそのままだった。
しばらく辺りを歩いた私は、一軒の家の前に立った。
その家は普通の民家の一階部分を改築してお店にしていた。
M藤食堂もまったく昔のままだった。

だが、今は人の住んでいるような様子がない。
私がしばらく食堂の前に立っていると、はす向かいの家から中年の女性が出てきたので、近づいて挨拶をした。
女性は怪訝そうな顔をしていたが、大学時代にこの辺りに住んでいたものだというと、少し安心したようだった。

「こんな時間にあんなところに突っ立っているから、また野次馬だと思ったわよ。」
「…?」
「あんた知らないんだね?先月その家で男の人が首を吊ってたんだよ。」
「なんでまた空き家に入り込んで首を吊ったんだかしらないけど、一年前のちょうど同じ日にあそこのおばさんも首を吊って亡くなってるからね、『きっと引っ張られたんだよー』って近所で噂してるのよ…」

おばさんはその後もまだ何か話していたようだった。
しかし、私はなんと言ってその場を離れたのかよく覚えていない。
その後、私は熱を出して2日ほど会社を休んだ。



43:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:20:31.672ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
20歳の時、私は夜の仕事をしていて同じ店の一つ年上の女の子と一緒に、あるアパートの一室を借りて一緒に暮らすことになりました。

そこは繁華街からも近くて家賃も月5万とお手ごろ価格。
鉄筋3階建ての二階の部屋で間取りは洋室6畳と和室6畳で、間に4.5畳のキッチンとユニットバス。

引越した初日、夜中1時半ごろ仕事が終わったのですが、私は実家の母が風邪で寝込んでいたもので、その日は実家へ帰る事に。
で、同居人だけをアパートに帰らせました(実家はわりと近かった)

次の日昼過ぎにアパートへ戻ったのですが、何だか同居人の様子が変です。
彼女は自室(洋室の方)のベッドから出ようとしないのです。
理由を聞いたところ、昨夜アパートへ帰ってから朝までずっと私の部屋(和室の方)から『カリカリコリコリ』と妙な音がしていたとかなんとか…

あまりにも彼女が怯えていたので、私は和室をすみずみまで調べました。
で、
「ねずみだよ」
って適当に答えを出して彼女を安心させました。
でも彼女はその日から熱を出して寝たきり状態に…
まあ私一人の給料でも生活できるから、ゆっくり休めって事で私は彼女をアパートに置いて夜の仕事に出かけました。

その日は2時ごろアパートへ帰ったのですが、またまた彼女の様子が変です。
昨夜と同様、私の部屋から音がするって怯えまくっていました。
確かにカリコリ音がしてましたが、酔っ払ってましたし、平気で寝ました。

そんな感じで8日目の朝、なんだか外が騒がしいなぁ、と、寝ぼけていると激しく家の呼び鈴が鳴りました。
「朝っぱらから!」
と内心怒りつつのぞき穴を覗いてみると、そこには警察手帳が…
なんでも我々の部屋の真上の住人が死んでいたとか。
死後どれぐらい経っているかは検死の結果が出ないとわかんないんだけど、見た感じ10日やそこらじゃないって。
大家さんも2ヶ月分家賃溜まってるって言ってたし。
嫌な感じです。

それを知った同居人は有無を言わさず出て行ってしまいました。
体調を崩してたしお店にもそれっきり来なくなりました。
私も母が心配してるし実家に帰ろうかなと思いましたが、一人暮らしもいいかもと思い、引越しは取りやめました。



45:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:22:58.894ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
それから数ヶ月何事もなく過ごしているうちに、彼氏ができたので早速我が家へ招待してあげました。
半同棲みたいな感じで、彼は結構泊まりにきていたのですが、ある日、私が帰宅すると真面目な顔して
「引っ越したら?」
って言うんですよ。
「和室(寝室にしてた)の方から変な音がするんだよね」
またか!と思って
「ああ、ねずみいるみたい」
って言ったら

「ちがう!歯ぎしりっぽい音だって!」

内心その音より彼の言ってる事の方が怖かったです。
それから彼はあまりうちに来なくなり、私はまた一人の生活に戻りました。
その「歯ぎしりっぽい音」とやらも毎日聞こえてくる訳じゃなかったし。
前フリ長くなりましたが、ここからが本番です。
(ほんとに長くてすみません)

ある日いつもの様に夜中帰宅した私は洋室の方でゴロゴロ漫画を読んでいました。
するとお隣さんがやかましい。
でも確か隣は空室のはず!
外のベランダから身を乗り出してお隣を覗いてみたのですが、窓にはカーテンも掛かってなかったし、やはり誰かが引っ越してきたわけではない様です。
ですがたしかに声がするのです。
しかも女性のあえぎ声の様な。

『はは~ん。どこかの悪がき共が忍び込んでHしてるんだな?』
と予想をつけて、少し脅かしてやろうと思いました。(酔った勢いです)

ベランダに落ちていたプラスチックの破片の様な物を隣の部屋の窓に投げつけて(軽くですよ?)私は身を隠しました。
コツンって音がして女性の声がピタッと止まったかと思うと、隣の窓付近から
「ググゥ~…ググググ…」
ってなんか変な聞いた事もない様な音がするんですよ。
音っていうより声?

さすがの鈍い私もベランダでしゃがんだまま動けなくなりました。
冷や汗ダラダラ心臓バクバクです。

隣の室内から聞こえていた音(声)が窓を開けた様子もないのになんだか隣のベランダに出てきた気配がしました。
私は息をころしてじっとしてました。
ベランダへの出入り口の窓(?)は下半分はクモリ硝子(?)で上半分は普通の透明硝子なんですよ。(すいません、名称わからなくて)

ふと私は自室の透明硝子を見ました。
すると、結構高い位置に何か黒いバサッとした物が写っています。
『髪?』『女の後ろ頭?』『でも身体が無いよ!』
恐怖のあまり想像力が豊かになっていたのか、不気味な事ばかり頭の中をかけめぐりました。(0.何秒)

窓硝子に写ったそれは、じっと動かなかったのですが、いきなりガクッと斜めに傾いたのです。
(まるで首をかしげたかの様に。)
その瞬間私は大声を出して(近所迷惑)自室に転がり込み厳重に鍵を閉めカーテンを閉め、寝室のベッドに潜り込んで寝たふりをしました。

その日は眠れるわけがありません。
頭まですっぽり布団をかぶり、耳をふさいで朝まで過ごしました。



46:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:25:04.760ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
翌日、日も高くなってくると昨夜の恐怖も『勘違いだったのでは?』と思えてきて、大家さんにTELしました。
「隣の空室に誰か忍び込んで悪戯してたかもしれません。」
と。

早々に大家さんが来て、お隣を調べていました。
ですが鍵もしっかり掛かっていて、窓を割られた様子もないし
「気のせいですよ!」
の一言で終わらされそうになったので、無理矢理お隣の室内を見せてもらう事にしました。
(大家かなり嫌がってたよ)
入った瞬間ゾッとしました。

うちの洋室と隣接する部屋の壁に無数の虫の死骸がくもの糸のような物にからまって垂れ下がっているのです。
なんですか?あれは、ゴキブリの小さいのみたいな…
大家さんは
「ちゃんと掃除したのになぁ」
としょんぼり言ってました。

昨夜の出来事を言おうかと思いましたが、信じてもらえないだろうし、
(死体が出たアパートで)幽霊らしきものを見たなんて言ったら、大家さん気を悪くするのでは?と、昨夜の事は封印しました。

それからまた2~3ヶ月、何事もなく過ごしていたのですが、ある日仕事から帰ってくると、玄関先が大洪水!
玄関の天井の照明あたりからキッチンの天井真ん中までどす黒い亀裂がはしってるんですよ!
そこから水がザーザー降ってきてるのです。
配管に穴でもあいて水漏れしてるのか?
『はは~ん、欠陥住宅でしたか!』

酔っ払ってる私は上から降ってくる水をよけてびしょびしょの床を豪快に歩きトイレに入りました。
そこで自分の目を疑いました。
トイレの便器のフタが割れてるんですよ!
真ん中から亀裂が入り、真っ二つでした。
さすがの楽天家の私も
「侵入者!?」
とビビって、寝室においてある鉄パイプを持って、押入れの中まで調べました。
ですがもちろん誰もいません。

翌日大家さんにTELして事情を説明したら、早速配管工事の方をよこしてくれました。
調べた結果、どこも破損はしてないとの事。
もし破損していたとしても、このアパートの構造上、真上の住人が水を使わない限りうちの部屋で水漏れするはずがないとか…
真上っていったら前の住人が死体で見つかってからずっと入居者がいなかったんですけどね。

工事の人も口数少なく、さっさと退散していきました。
天井の亀裂と便器のフタは、大家さんのご好意で無料で修理してもらいました。
何故か濡れてしまった靴や服の弁償代として、大家さんは一ヶ月分の家賃をまけてくださいました。

皆さん、私は馬鹿ですので、その後もそのアパートを離れず生活していました。
根が馬鹿で楽天的なんですよ。



47:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:26:52.685ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
そこに住みだして4年、細かい怪異は色々ありましたが、私が引越しを決断した理由をお話いたします。

その日は高校の同級が3人遊びにきていました。
内2人は高校卒業後東京に行ってしまっていたので(地元は四国です)なかなか会う機会も少なく、久しぶり~って感じでみんなで私の部屋に泊まる事になりました。
ですが私は夜仕事です。

3人の友人達を私の部屋に置いて仕事に行ったのですが、午後10時過ぎごろ店にその友人達からTELがありまして
「今夜はもう帰る!」
って。
なんでも3人は洋室の方のコタツで温もりながら談話していたらしいのですが、和室(寝室)から嫌な音がすると。

またか!!と思って
「ねずみだよ」
って言ったんだけど
「そんなんじゃなくて、爪で引っかく音みたいな!」
とのこと。

しかも音の発現地を3人で調べようと寝室に向かったところ、今度は洋室の方で怪現象が起こったみたい。
いきなり壁を
「ドーンッ!!」
って叩く音がしたんだと。
もうそれだけで3人は耐えれなくなっちゃったみたいで、有無を言わさず帰ってしまいました。
スペアキーをポストにいれて。(無用心)

私もそんな話を聞いた後じゃ、さすがにアパートに帰る気になれなくて、その日は実家に帰りました。
次の日の昼間、アパートに戻り昨夜友人達が散らかした部屋を片付けて夜の準備をしようとしていたところ、体調の変化に気付きました。
熱が38度ほどあったのです。

でも土曜日だったので店を休むわけもいかず(当時チーママ)なんとか仕事をこなしました。
仕事が終わってアパートに帰ったのですが、熱が高く身体が痛くて仕方ないので母にTELして来てもらいました。(AM2:00)
(実家に帰りゃあいいのに)
不思議な事ですが傍に母がいると熱があり苦しくても安心しますよね。(私だけ?)

母が見守る中ウトウトしていた頃、突然外で
「きゃーーーーっ!!」
って女性の絶叫が!
そしてその後階段を
「ダダダダダーーッ!」
って駆け下りる音がしたんです。
何事かと思い、私は外の様子を見ようとベッドを飛び出して玄関に向かおうとしたのですが
母が
「行っちゃだめ!!」
「ここに居なさい!」
って腕をつかんで離さないんです。

痴漢とか下着ドロとか暴行魔とか、私は頭の中で考えていたのですが、母としては、尋常ではない事態に娘が巻き込まれてはいけないとでも思ったのでしょうか。
ずっと私が落ち着くまで、私の腕をはなしてくれませんでした。



48:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:28:22.047ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
その時私は母の事を薄情な人だって思ったのですが、それは間違いでした。
母の証言によると、私が叫び声を聞きベッドから飛び出したあの時、母には何も聞こえなかったそうです。
いきなり私が飛び起きて、ベッドの下に忍ばせてる護身用鉄パイプを鷲づかみにして部屋を出ようとしたそうです。
だから母は私を止めたのです。

次の日上の階にいってみました。
私の部屋の真上は相変わらず空き部屋です。
その周囲の部屋の方に
「昨夜は何かありましたか?夜中にすごい音がしたのですが」
と聞いてみたのですが、とても怪訝な顔を返されました。

何だったんだろう?と思いつつ私は引越しを決めました。
引越しの旨を大家さんに報告したところこんな言葉が…

「こんなに長く(4年間)住んだのは○○さん(私)だけですよ」
とっても出入りが激しいアパートだったみたいです。

あとこんな事も…
「真上の部屋は死人が出た後改装もしたんだけど、なんだか次に事情も知らずに借りる人に悪くて封鎖状態だったんだ。もう4年もたったんだからそろそろ借り手を探してもいいんだけどね…でも先日和室の畳の状態を調べるのに業者さんを呼んだんだけど畳の裏側に引っかき傷がめちゃくちゃについてて…誰も住んでないのにね。やっぱりあの部屋は誰にも貸さない方がいいよね?」

と、大家さん(30代♂)かなり気弱に語ってました。
ここまでしぶとく居住していた私に心を開いてくれたのでしょうか?
ついでに私の借りていた部屋のお隣さんの事も教えてくれました。
30代のヤクザの男と20代の女が住んでいて、男は逃げて女はしばらく一人で暮らしていたけどある日家財道具全部置いて失踪したとか…(その後何人かは借り手あったみたいだけど)

因みに私が借りてた部屋の前の住人は、同じく夜の仕事してる人でリストカットしまくってバスタブ汚して失踪したらしい。

ちゃんとした形で出て行く人があまりいないようで、私は大家さんに気に入られちゃったみたいで
「借りたければいつでも言ってね」
って言ってたので、そのご好意に甘えて敷金と保証人と駐車場代を免除状態で、今は私の姉(やはりお水)がそのアパートに住んでます。
しかも私が住んでた部屋のお隣さん。(ヤクザ&女失踪。虫の死骸の部屋)
今のところ何もないようですよ。

長々と怖くもない駄文をすみません。
これで私の話はお終いです。
読んでくれてありがとうございました。



56:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:43:09.751ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
とある高層ビルでバイトをしていた時の話です。
高層ビルには直通エレベーターがありますよね。
ここのビルは8で割れる階数ごとに直通エレベーターがありました。

例えば1~16階行きなら1階から8階までが直通で8階から16階まで各階に止まるという仕組みになっています。
7階まではテナントが入っていて夜8時になると営業終了になるのでセキュリティーのため1階からのエレベーターは全て8階までの各階止まりになり、8階で一度下りて守衛さんに社員証を見せて次のエレベーターに乗せてもらいます。

直通は8~24階になるので15階までの方はとても面倒です。
私の行っている会社は12階でした。
こんな面倒なシステムになってしまったのは理由があったんです。

その日、もう一人のバイトの男の子と一緒に印刷物を取りに行ったのですが、3時間待たされてビルに辿りついた時には8時を3分ほど過ぎていました。
二人でダッシュしたら何とか最終直通エレベーターに間に合ったのです。
ゼイゼイいいながらドア付近に荷物を下ろし、男の子が12階のボタンを押しました。

押しながら
「何階ですか?」
と聞いたんです。

私たちだけかと思ったら定年間近ぐらいの小柄で細身の黒ブチ目がねをかけた真面目そうでとても優しい顔をした男性が奥に立っていました。
「すいません、9階を押して頂けますか?」
軽く頭を下げてとても礼儀正しい方でした。

男性は
「遅くまで大変ですね。体を壊さないようにほどほどにしなさいね。」
男の子に微笑みかけながら言ったんです。
仏様みたいな人、居るだけで癒されるようなそんな感じの男性でした。

エレベーターが止まりました。
私たちはドア付近に立っていたのでお互い左右に分かれる感じで道を空けました。
その時、
「おまえら、何やってんだ?ドア閉まるぞ?」
エレベーターホールは喫煙所にもなっていて印刷物を頼んだ課長がタバコを吸いながら覗いたんです。

???????
そこには見なれた風景と共に壁には12階のロゴが。
急いでエレベーターから下り、振り返ってみると男性の姿はありません。
私は確かに男の子が男性に言われて9階のボタンを押したのを見ました。
二人とも、かなり息を切らせていました。

エレベーターのドアに手をついてゼイゼイいっていたので止まる階近くになるとボタンのランプが消えるから私はずっと9階のボタンを見ていたんです。
男の子も見ていたそうです。



57:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:44:23.360ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
課長にその話しをすると
「佐伯さんだよ。」
不思議がることもなく言いました。

課長がまだ若手社員だったバブルの頃、9階にあった証券会社に佐伯さんという定年間近の男性が居て、他の会社の方にも気配りするような本当に仏様みたいな人だったそうです。
その日、遅くに営業先から帰ったようで9階のエレベーターホールのところで亡くなっていたのを朝出社した社員が見つけたそうです。
過労死だったそうです。

お葬式にはビル内の他の会社の方たちも行ったほどだったそうです。
守衛さんたちも社員が残っているかちゃんと確認できればと悔やんだそうです。

それがきっかけでビル内に社員が残っているかどうか確認するために夜8時になるとエレベーターが変わるシステムになったそうです。
課長の話では佐伯さんは働き過ぎで倒れそうな人がエレベーターに乗ると出るそうです。

「佐伯さんが来たんだからな。お前らも働きすぎだから今日はもう帰って休め。明日も休んでいいぞ。」
課長はそう言いました。

偶然かもしれませんが、一緒に居たバイトの男の子は佐伯さんと会った日、少し熱があったそうで、休んだ日に高熱が出たそうです。
課長が休めと言わなければ無理してその日も来ただろうと言っていました。

今でもハッキリと顔を覚えています。
幽霊と言われたって信じられないほどハッキリとした姿で人がそこに立っている感じでしたから。
でも真冬だったのに半袖ワイシャツだったんですよね。

長文なのに怖い話じゃなくてごめんね。



62:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)00:55:16.565ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
大雨の日震度4の地震があり、土砂崩れの危険があるということで山の斜面の新興住宅地に住んでいた俺は、家族と一緒に近くの待避所に避難することになった。

途中で近所の友人と一緒になり話ながら歩いていくと、彼が道の途中で何かを見つけた。
ガードレールの下の斜面に女性がいる。
下に落ちた荷物を拾おうとして滑り、足をくじいて登れなくなったらしい。

通りがかった人たちと一緒に彼女を引き上げることにして、近所の大学生→俺→友人の順にガードレールから「人間の鎖」を作って雨でぬかるんだ斜面を降りていった。

友人が彼女の近くまで降りていくと彼女が何かを差し出した。
激しい雨音の中に赤ん坊の泣き声が聞こえる。
女性は妊婦で、斜面を落ちたショックで生まれてしまったらしい。
とりあえず先に赤ん坊を引き上げることにして、上の道で待機していた人に預けることにした。

視野の隅で赤ん坊を渡された人の顔色が変わるのを見た気がした。
再び人間の鎖を伸ばして降りていくと、女性がいない。
友人が女性を探そうとして、手を離そうとしたとき上から声がした。

「おい、早く上がって来い。」
上の人に女性がいなくなったことを伝えたが、とにかく上に戻れと言うだけで話が通じない。
友人が再び女性を探しに行こうとしたとき、再び上から声がした。
「そいつを行かせるな!戻って来い!」
叫び声に尋常ではない様子を感じ取ったので、しぶる友人を強引に上に引き上げた。

上で待っていた人に教えてもらったところでは、どうやら俺達が引き上げたのは、嬰児のミイラだったらしい。
にわかには信じられなかった。
激しい雨の中でも赤ん坊の泣き声ははっきり聞こえていたのだが…



81:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:19:43.398ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
私には10歳離れた妹がいまして、寝物語に話していたりしていたせいか、弱いながらも霊感がついたようです。
そうは言ってもちょっと見えるとか、夜中に誰もいないのに何度も名前を呼ばれた程度の経験だったのですが、少し前、電話してきた話を聞いていて
「これはキテる!」
というのがあったので書かせてもらいます。

今年の4月頃の話でした。
彼氏が引っ越しをしたというので、妹が荷ほどきの手伝いに行った時のことです。

彼の部屋はマンションの3階。
通りとは面していないのでそれほどうるさくないはずなのですが、幹線道路らしく、車の音はよく聞こえました。
一通り荷物をほどき、邪魔な段ボールはベランダに置いて、その日は新しいベッドで、彼は壁側に、妹は窓側で眠りました。
昼間の疲れからかすぐに眠りについた妹ですが、夢をみたそうです。

夢の中で、妹は銭湯から帰るところでした。
首にタオルをまいてプラプラと歩いていると、暖かいラーメンが食べたくなったそうです。

大通りの向こうにあるお店に向かって歩いていると、街路樹の植えてある大きな交差点に出ました。
アベックが立っていました。歩道を降りた路肩に。

彼らは信号が青になっても動こうとせず、じっと佇んでいます。
妹が交差点に着くまで何度も信号が変わったのですが、それでも動こうとしない彼らを不思議に思い、妹は声をかけてみました。

「あの、どうかしたんですか?」

女性の方が低い声で答えました。

「…なんだかとても寒くて…」

よく見ると二人ともパジャマを着ています。
足にはスリッパを履いていて、まるでさっき病院を抜け出してきたような出で立ちでした。

「今から私ラーメンを食べに行くんですけど、良かったら一緒に行きませんか?」

寒そうにしている二人を見て親切心が働いたのか、妹はそう言いました。

「…ええ…ありがとう…」

女性の方が静かに答えます。

信号が変わるのを待ち、三人は並んで歩き出しました。ですが、妙なんです。
普通アベックなら寄り添って歩くものなのに、この二人は妹を挟むようにして歩き出すのです。
それも妹の体に触れながら。

「いいなぁ…暖かい体…いいなぁ…」
「あったかぁい…いいなぁ…欲しいなぁ…暖かい体…」

妹の体を撫でるようにして二人はそうつぶやいているのです。
これはヤバイと思った妹は、信号を渡りきると、首に巻いていたタオルを渡しながら二人に言いました。

「ごめんね、私急いでいるから先に行くね。ラーメン屋さんはすぐだから。寒いならこのタオルを巻いてね。」

妹は二人を振り払い、急ぎ足で歩き出しました。
追ってくると思い後ろも見ずにいたのですが、その気配はありません。



82:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:20:55.572ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
少しして振り返るとアベックは妹と別れた信号機のところで、いまだに立ち止まっています。
ちょっとだけほっとして前を向いた瞬間、真後ろから

「いいなぁ…暖かい体…欲しいなぁ…」

と言う声が聞こえて来たのです。妹は必死になって走り出しました。

ここで妹は目を覚ましたそうです。
時間は朝の4時頃でした。

妹が飛び起きたのに驚いて、彼も起きたそうですが、話をろくに聞こうともせず、また眠ってしまいました。
彼は幽霊を信じないたちです。
それも
「いると思うと怖いから」
という理由なので、怖い話が大の苦手なのでした。
まあ眠かったというのもあるんでしょうが…。
彼の態度に頬を膨らませながらも、妹もまた眠りにつこうとしました。

その時、道路を歩く足音が聞こえて来ました。
もう車もろくに通らない時間です。
シンと静まり返った世界では小さな音でもよく響くのかもしれません。
ただ、普通の足音ではありませんでした。

パタ…パタ…パタ…

スリッパのような足音です。
先ほどの夢のことがあります。
妹は単なる偶然だと思いながらも耳をじっとすませていました。

足音は徐々にマンションに近づいて来ます。

パタ…パタ…

足音はマンションの入り口付近まできたようでした。
(早く行ってよ…)
妹は心の中で願っていました。

けれど足音はより近くなってきます。

パタ…パタ…パタ…

どうやら路地を抜け、マンションの裏手に近づいて来るように聞こえます。
妹の頭はパニック状態でした。
(まさか?…けど…)
足音は彼の部屋の真下辺りで止まりました。
もうすっかり眠気は醒めていました。
今は足音に全神経を集中させています。



83:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:22:06.998ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
ギッ、ギシ…

何者かがベランダの柵をよじ上るような音がします。
音は1階から2階へ上がってきました。
ゆっくりと上る音の主がどこを目指しているかなど、考えたくもありません。

ギシ…ギシギシ…

遂に音は妹の寝ているベランダから聞こえてきました。

ギシ、…ギシギシ…

ドン!

ベランダに置いてあった段ボールの上に何か重い物がが降りる音がしました。
確かに窓の外に誰か…「何か」がいます。
ですが、ベッドを降りてカーテンを開ける勇気などありません。
妹はそのまま目をぎゅっとつぶっていました。
向こうに何かが立っている、それは見なくてもはっきりと感じられたそうです。
普通は念仏を唱えたりしそうですが、妹は怖がりながらも、声に出さずに腹を立てていました。

「あたしになにが出来るっていうのよ!何にも出来ないんだから早く出てってよ!今すっごく幸せなんだから!体なんか、絶対あげないからね!」

やがて、妹は金縛りにあいました。
布団のまわりに人の気配がします。それも二人。
かなり悪意に満ちた霊気を感じた妹はこれは絶対目を開けちゃあだめだ!と思ったそうです。
ですが、むりやり瞼をこじ開けられるかのごとく、目が徐々に自分の意志に逆らって開いていくのです。

開いた目には、例の二人が映っていました。

二人は妹のベッドの周りをゆっくりと回っていました。
最初、布団の周辺を歩いていたのが、徐々に輪を狭めるようにして妹に近づいてきます。
それにつれ、腰を曲げ、しゃがむような格好で顔を近づけて来ました。
女性の髪が顔に当たっているのがわかります。



84:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:22:45.601ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
それこそ妹の顔から10cmくらいまで近づいた時、

連れていこうか…

という女の声が妹の頭に響いきました。
落っこちているおもちゃでも持っていこうか、というような、素っ気ない言い方でした。
二人は動けない妹の布団を剥ぐと両手を持って引っ張りあげようとしました。

(いや、いやだって!あたしは行きたくない!!)

妹は動けない体で必死に抵抗しました。
どうにか動かせるようになると、夢中で女の手を振り払いました。
すると女性は

なんでそんなことをするの?

とでもいうように、顔をしかめると手を離し、そのまま押入の方へ歩き出して行きました。
二人は押入のドアから、どこかに吸い込まれるように消えてしまいました。

引っ張られた感触よりも、あのときの女性の髪の感触の方が嫌だった、と妹は言っていました。

怖がりの彼にこんな話をするわけにもいきません。
ですから、彼はまだそのマンションに住んでいます。

それにしても、妹が連れて行かれようとしたのは、やっぱり「あの世」だったのでしょうか…



86:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:26:10.846ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
つい、先日あった話。
私は転職を考えるサラリーマンだが、友人にキャバクラの店長がいる。

この男、小太りのいつもにこにことした男だが、学生時代から非常に強い悪霊に取りつかれているという。
私は基本的にそういったものは楽しんで聞く程度なので信じていないのだが、
彼との七年ほどの付き合いの中で、どうにもおかしいことが多数ある。

先に説明しておくと、彼にとりつく悪霊というのは、手にひどい怪我をした女性だという。
私は残念ながら彼にとりつく、彼曰く美女の幽霊を視認したことはない。

私は、販売員をしているのだが、その日は、訳のわからないクレームで嫌な気分で帰り道を歩いていた。
そのクレームというのは、精神的に病んでいるお客様のものだった。

普段から、難癖をつけて金を巻き上げようとする連中に頭を下げていて、そういうことには慣れていたが、そのお客様はとても嫌な人だった。
もともと、私は霊を見るなんてことはできないのだが、彼と付き合い出してから、なんとなく気配のようなものは感じるようになっていた。

終電車で地元の駅についた時、なんだかとても嫌な感じがしていた。
なんというか、一人で歩きたくないのだ。

私の住む町は、治安の悪い片田舎だ。
大阪の環状線沿線なのだが、そこはちょっとした歓楽街の隣にあたる駅で、駅前だけはそれなりに明るい。
アパートまで歩いて十五分ほどなのだが、タクシーに乗ろうと思っていた。

私自身、その時の行動が何やら不可解なのだが、突然コンビニに行きたくなり、駅から少し離れたコンビニに立ち寄った。
雑誌を買って、コンビニから出る。アパートまではあと五分ほどの距離だ。
タクシーに乗るのもためらわれ歩いていた。

話は変わるが、そのクレームのお客様は、電話注文でパソコンを買おうとしていた女性だった。
北海道からなぜか注文の電話がきた。通販窓口へ行くのが普通なのだが、なぜか電話がかかっていた。

パソコンの性能などについてファックスを送り、納得してもらったら代金着払いで発送するだけにのだが、そのお客様は、電話口で私を指名し、ながながと世間話をする。
それが五日近く続いていた。
離婚したことや、さらには私の過去の恋愛(当然適当にお茶を濁したのだが)、そんなことを話続ける。

中でも、そのお客様は、自分が霊能者だという話をしてくる。
私は、正直なところそれにかなり辟易としていた。

なぜか近道をするか、遠回りをするか迷った。
帰り道の選択には二種類あって、潰れた工場のわき道を通り近道するか、国道をそって歩くかのどちらかだ。
その時、嫌な感覚があったのになぜか近道を選んだ。

歩きながら、なぜか後ろから誰かがやってくるのが分かった。
その誰か、というのは明らかに人間ではなかった。
足音も何もないが、そいつが後ろから凄いスピードでやってきて、私の後ろにぴたりとついたのが分かった。
私は怖くて、気づかないフリをして歩いた。
何かわめきそうになったが、そんなことをしてはダメだと、強く感じていた。

家にだとりついてからも、その感覚は離れなかった。もともと安い2DKで壁が薄いのだが、空室のはずの隣から複数の足音がやけにはっきり聞こえた。
私は怖くなり、そのまま布団をかぶって寝た。
よく覚えていないが、ひどく嫌な夢を見た。何かに追い立てられる夢だったのは覚えている。



88:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:28:42.601ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
次の日、やけに疲れて仕事へ行った。
今日さえ乗り切れば休日が待っている。
肩が重く、くしゃみをすれば体全体に嫌な痛みが広がる。

そのお客様からまた電話がかかった。
私は仕方なく、そのお客様に注意した。
業務に差し障りがあるので電話はお控え頂きたい、と言っただけだ。
お客様が何を言ったのかあまりよく覚えていないが、凄い剣幕で怒鳴られる。

「私はあなたに好意をもたれてるから付き合ってやったし、お祈りもあげてやったのに、どうしてそんなこと言うの?」
そんな気持ち悪いことを言われたのだけは鮮明に覚えている。
そのお客様から、私のメールアドレスに携帯電話のカメラで取られた写真が送られていた。

気分の悪い話だった。日付は昨日だった。
お客様は整った顔立ちはしていたが、取り立てて特徴のある女性ではなかった。
不鮮明な顔写真だったが、追い込まれたような目つきに見えた。

メッセージには、今回は許してあげますみたいなことが書いてあった。
私は、営業で席を外しているということにして、その日は電話に出なかった。

あまりに気分が悪かったためか、私は仕事ほ終えると友人の店に飛び込んだ。
金を払い、見知った顔の女の子と話ながら、閉店を待った。

彼は、いつものように笑顔でやってきた。
明け方である。
私は店長室と銘打たれた狭い部屋で、彼に事情を説明した。
終始、彼は苦笑したままだった。

「あかんわ、ほんまにあかんわ、それ。なんやえらいことになっとるで」
私は疲れと肩の重さに倒れる寸前だった。

彼は泊めてやるから、と彼の私とは比べ物にならないマンションへ連れていってくれた。
「よぅわからんけど、アレやろ、テンパった顔した女やろ、そのクレームかけとるんは」
私は、いつものことながら、彼の、その霊視みたいなものに感心した。
助けてくれるなら、金のことでも、こんなことでも、こいつくらいしかいないだろう。

「うーん、アレやな。俺と一緒やな」
彼は私の背中をばしぱし叩いた。
私はなんとなくそれで楽になった気分だった。
布団を借りて横になっていると睡魔に誘われた。



89:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:30:26.892ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
その夢のことははっきり覚えている。
私は、実家へ逃げている。
高校を卒業してからは戻っていない実家の懐かしい道を、走りつづけていた。
家に入り、鍵をしめて、懐かしい十年近く前の居間へ行く。
そこは誰とも分からない連中ががやがやしていた。
そこにいた連中の顔は覚えていない。

ただ、中年の男もいたし、少年もいたし女性もいた。
誰も知らない顔だったように思える。
助けて下さい、と私は彼らにすがりつく。

「大丈夫、ここには入れないから。あとはお前がやれ」
そのような意味合いのことを言われたように思う。

気がつくと、昼間の三時すぎだった。
彼は、パソコンでファイナルファンタジーをやっていた。
私が起きるとそれを中断して、コンビニ弁当を渡してくれた。
肩の痛みは嘘のように取れていた。
「楽になったやろ。ほら、後ろ」

マンションの七階である彼の部屋のベランダを見ると、凄い形相の女がドアを叩いていた。
よく見ると、その後ろにいくつもの何か分からない気持ち悪いものも見えた。
私は悲鳴を上げて目をそらすとねそれは見えなくなった。風で窓が小さく音を立てているだけだ。

私の携帯電話に何度も着信があった。
会社からのそれだ。また鳴り出して、私はそれをとる。
あのお客様が、私に誘惑されたと騒ぎ出しているとのことだった。
彼はにやにや笑いながら、それを見ていた。

私を出せとのことだったので、私はお客様に電話をさせられることになった。
「断れよ。もう思いっきり断れよ」
と、彼は言った。
私はお客様に電話をかけて、角が立たないように、断った。

あなたが何度も電話をかけ、あなたが勝手に口説かれたと言っています。
私にそんな他意はなく、昨日申し上げた通り、これ以上の電話は営業に差し支えがあります。
そんなことを私は説明し、無理やり電話を切った。
彼が窓を開けて風を入れた。私は怖かったが、そのまま黙り込んだ。

「嫌なことこれからもあるやろけど、まあ我慢しいや」
と、彼に言われて、私は家まで送ってもらった。
目の端に、何か影がよぎる。
それを見ないようにしている。

たまに嫌な夢を見る程度になり、肩もそれほど重くなくなった。
お客様からはキャンセルの電話があり、私はそれからも開放された。
あれから三週間ほどたつが、たまに店に無言電話が鳴る。
あと、何かの拍子にあのお客様の首だけが、じっと私を見ている時もあるが、実害はその程度だ。

今日も、それが見えたので書きました。
これで終わりです。長くなり申し訳ありません。



99:毒男◆B.DOLL/gBI[]2016/08/15(月)01:42:39.604ID:8wDINd5e0.netBE:708155702-PLT(12004)
|A-) そろそろ寝るかなあ
   おやすみねー



105:過去ログ★[]
■このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

引用元:毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1471181969/



.
PR

この記事にコメントする

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
最新コメント
[11/28 LouisRah]
[11/28 JoshuaMop]
[10/25 ukvartiraFum]
アクセス解析
カウンター

Powered by [PR]

忍者ブログ