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佐藤さんにだけ見えない老婆の霊
2015.11.04 (Wed) | Category : 誰も信じない人へ
192:名無しさん@おーぷん:2015/08/26(水)03:02:56ID:0eb×
うちの親父から聞いた話。
親父が大学3-4年の間、男3人で小さくて古い一軒家を借りて住んでいた。
といっても、家賃をちゃんと払ってるのは、親父と鈴木さん(仮名)だけ。
もう一人の佐藤さん(仮名)はあまりにも貧乏なので、居候させる代わりに、家の掃除、ゴミ出しなどをやってもらうことにしていた。
(親父と鈴木さんは、佐藤さんの困窮ぶりを助けてやろうということだったらしい)
間取りは3LDKで、LDK6畳・6畳・6畳に4畳半。佐藤さんが4畳半。
この佐藤さんの4畳半に「出た」。
親父も、鈴木さんも、何度も見たのが、恨めしそうに正座する白髪の老婆。
出るタイミングも、朝昼晩関係なし。多い時には一日に三回くらい見る。
4畳半の襖が開いている時、何気なく目をやると、中に白髪の老婆が恐ろしい形相で正座している。
来客の中にも見た人が5人ほどいたらしい。
ところが、その部屋で寝起きしている佐藤さんだけは、老婆の幽霊を見ない。
親父と鈴木さんが
「佐藤、変なもの見たことないか?」
というと、佐藤さんはきょとんとするばかり。
引っ越して1ヶ月し、親父と鈴木さんが黙っているのも悪いと思って、老婆の幽霊を佐藤さんに話した。
すると、佐藤さんは
「うーん」
と考えてから、みかん箱を部屋の中に置いて、上にワンカップを置いて、
「先に住んでいるおばあさん、ごめんなさい。でも、俺は貧乏だから、どこにも行き場がない。
だから、申し訳ないけど、大学を卒業するまでは、この部屋に住ませてもらえないでしょうか?
毎日、お供え物をするのは無理だけど、田舎からお茶とお米だけは送ってくるので、それだけは供えます。
バイト代が入った時には、お花を一輪と、ワンカップをひとつ買ってきます。
どうか、よろしくお願いします」
親父と鈴木さんは(なに、やってんだろうな、こいつ)と思ったが、佐藤さんが真面目にやっていたので、一緒にそのみかん箱に頭を下げた。
(続きは『続きを読む』をクリック)
うちの親父から聞いた話。
親父が大学3-4年の間、男3人で小さくて古い一軒家を借りて住んでいた。
といっても、家賃をちゃんと払ってるのは、親父と鈴木さん(仮名)だけ。
もう一人の佐藤さん(仮名)はあまりにも貧乏なので、居候させる代わりに、家の掃除、ゴミ出しなどをやってもらうことにしていた。
(親父と鈴木さんは、佐藤さんの困窮ぶりを助けてやろうということだったらしい)
間取りは3LDKで、LDK6畳・6畳・6畳に4畳半。佐藤さんが4畳半。
この佐藤さんの4畳半に「出た」。
親父も、鈴木さんも、何度も見たのが、恨めしそうに正座する白髪の老婆。
出るタイミングも、朝昼晩関係なし。多い時には一日に三回くらい見る。
4畳半の襖が開いている時、何気なく目をやると、中に白髪の老婆が恐ろしい形相で正座している。
来客の中にも見た人が5人ほどいたらしい。
ところが、その部屋で寝起きしている佐藤さんだけは、老婆の幽霊を見ない。
親父と鈴木さんが
「佐藤、変なもの見たことないか?」
というと、佐藤さんはきょとんとするばかり。
引っ越して1ヶ月し、親父と鈴木さんが黙っているのも悪いと思って、老婆の幽霊を佐藤さんに話した。
すると、佐藤さんは
「うーん」
と考えてから、みかん箱を部屋の中に置いて、上にワンカップを置いて、
「先に住んでいるおばあさん、ごめんなさい。でも、俺は貧乏だから、どこにも行き場がない。
だから、申し訳ないけど、大学を卒業するまでは、この部屋に住ませてもらえないでしょうか?
毎日、お供え物をするのは無理だけど、田舎からお茶とお米だけは送ってくるので、それだけは供えます。
バイト代が入った時には、お花を一輪と、ワンカップをひとつ買ってきます。
どうか、よろしくお願いします」
親父と鈴木さんは(なに、やってんだろうな、こいつ)と思ったが、佐藤さんが真面目にやっていたので、一緒にそのみかん箱に頭を下げた。
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193:名無しさん@おーぷん:2015/08/26(水)03:03:28ID:0eb×
以来、老婆の霊は出なくなった…わけではなかった。
相変わらず、老婆の霊は出た。
しかし、佐藤さんがみかん箱に毎日お茶を置き、ご飯を炊いたら一膳のせ…を繰り返しているうち、1ヶ月ほど経ったら、老婆の霊は、痩せこけた恨めしい姿から、ふくよかな微笑みをたたえた表情になっていった。
ただし、やっぱり佐藤さんにだけは見えなかったらしいが。
やがて、親父たち3人は就職試験を受け、それぞれが望む職に付き、引っ越す日が来た。
遠方に住む大家さんに話をすると、親父たちが引っ越したら、その家は取り壊してしまう予定だから、特に大掃除などはしなくていい、という。
それでもやっぱり2年間お世話になった部屋だからと、最終日それなりに掃除を済ませると、もう夜中になっていた。
3人が最終電車に間に合うようにと、玄関を出て、最後に揃って振り返ると、佐藤さんが
「あっ!」
と声を出した。
「お前らが言っていたおばあさんって、あの人か?」
やっと、佐藤にも見えたか!と、親父と鈴木さんも見たが、おばあさんはどこにも見当たらない。
「ほら、あそこ。俺の部屋で手を振ってるよ。ありがとう、おばあちゃん!」
そして、親父と鈴木さんが見えたのは、家の屋根からスゥーと上っていく人魂だった。
(人魂は、佐藤さんには見えなかったのが不思議)
今から30年前、東京都板橋区でのお話でした。
引用元:ほんのりと怖い話スレ
http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395824154/192-193
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Title : 無題
>しかし、佐藤さんがみかん箱に毎日お茶を置き、ご飯を炊いたら一膳のせ…を繰り返しているうち、1ヶ月ほど経ったら、
>老婆の霊は、痩せこけた恨めしい姿から、ふくよかな微笑みをたたえた表情になっていった。
なんだか和んだ。
NONAME 2015.11.04 (Wed) 16:16 編集
Re:無題
そのまま守護霊に…とかいう展開じゃなかったね。
成仏したらしいし、この方法もわりといけるのかも。
2015.11.07 15:29