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不思議な友人
2015.03.28 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
207:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:33:56.24ID:oAt9Z5nmI
かなり長い&語り口調なので、苦手な人は飛ばしてください。
中学一年生の頃、私(女)はいわゆる、ぼっちという奴だった。
完全に一人というわけではなくて、友達と普通に話したりはするけれど、
特定のグループには所属していない、準ぼっちの立ち位置。
話しかけられれば話すけど、自分から友達に歩み寄ることはなかった。
ぼっちの人なら分かるかもしれないけど、要は、他人に興味がなかったんだよね。
クラスメイトの名前も中々覚えられなくて、友達の噂についていけない。
誰が誰を好きだとか、ふーんそっかって感じで、中学に入っていきなり皆がそんな話に夢中になるもんだから、話に入る余地がなくなった。
多分私だけ、まだ子供だったんだね。
流行りの携帯も私は持ってなくて、私は完全に"乗り遅れた"子だった。
私のクラスには一人、避けられてる女の子がいた。
別に性格が甚だしくアレとかそういうんじゃなかったんだけど、ちょっとお母さんが変な人でね。
良くない噂が広まって、体面社会の中学で彼女に近づく人はいなかった。
でも、さっき言ったとおり私はぼっちで噂に疎かったから、そんなこと全く知らなくて、彼女に話しかけられた時も、普通に受け答えしていたんだ。
そしたら、だんだん彼女、私しか話し相手が居なくなったみたいで、休み時間毎に私の机に来るようになった。
その頃には流石に私の耳にも彼女の噂は届いていたけれど、私は普通に彼女の友達をしていた。
彼女にとっての友達が私だけだったように、私の友達も、彼女だけだったから。
彼女もきっと、それを感じて安心していたのだと思う。
(続きは『続きを読む』をクリック)
かなり長い&語り口調なので、苦手な人は飛ばしてください。
中学一年生の頃、私(女)はいわゆる、ぼっちという奴だった。
完全に一人というわけではなくて、友達と普通に話したりはするけれど、
特定のグループには所属していない、準ぼっちの立ち位置。
話しかけられれば話すけど、自分から友達に歩み寄ることはなかった。
ぼっちの人なら分かるかもしれないけど、要は、他人に興味がなかったんだよね。
クラスメイトの名前も中々覚えられなくて、友達の噂についていけない。
誰が誰を好きだとか、ふーんそっかって感じで、中学に入っていきなり皆がそんな話に夢中になるもんだから、話に入る余地がなくなった。
多分私だけ、まだ子供だったんだね。
流行りの携帯も私は持ってなくて、私は完全に"乗り遅れた"子だった。
私のクラスには一人、避けられてる女の子がいた。
別に性格が甚だしくアレとかそういうんじゃなかったんだけど、ちょっとお母さんが変な人でね。
良くない噂が広まって、体面社会の中学で彼女に近づく人はいなかった。
でも、さっき言ったとおり私はぼっちで噂に疎かったから、そんなこと全く知らなくて、彼女に話しかけられた時も、普通に受け答えしていたんだ。
そしたら、だんだん彼女、私しか話し相手が居なくなったみたいで、休み時間毎に私の机に来るようになった。
その頃には流石に私の耳にも彼女の噂は届いていたけれど、私は普通に彼女の友達をしていた。
彼女にとっての友達が私だけだったように、私の友達も、彼女だけだったから。
彼女もきっと、それを感じて安心していたのだと思う。
(続きは『続きを読む』をクリック)
208:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:34:29.73ID:oAt9Z5nmI
彼女とはいろんな他愛ない話をしたけれど、家族の話だけはしなかった。
多分、私も彼女も意図的に避けていたのだと思う。
私が彼女と仲良くなってからも、相変わらず彼女の母親の噂は耳に入ってきた。
夜中に家の近くを通ると奇声が聞こえる。
野良猫を捕まえて家の中に連れ込むのを見た。
新興宗教にどっぷりと浸かっている。
彼女に父親がいないのは母親が自殺に追いやったから。etc…
どれが本当でどれが尾ひれだったか、判断のしようはない。
もしかしたら根も葉もない噂ばかりかもしれない。
でも私は、そんな噂より、もっと恐ろしいものを彼女の家に見てしまった。
前置きが長くなったけど、私がそんな彼女と縁を切るきっかけとなった話をします。
209:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:35:05.98ID:oAt9Z5nmI
夏休みが明けて間もないある日、彼女が風邪で学校を休んだ。
彼女が休むのは初めてで、久しぶりの話す人がいない学校での一日に、私が変な懐かしさと少しの淋しさを覚えていると、ふと私の頭にある考えが浮かんだ。
彼女の家に、プリントを届けに行ってあげようと思ったんだ。
帰る方向が私とは逆の彼女には、本来、別のクラスメイトがプリント係に割り当てられる。不運にもその係に任命された男子は、快く私にその役を譲ってくれた。
「お前ら、仲良すぎ。できてんじゃねぇの」
男子はヘラヘラ笑ってたけど、内心、かなり安堵してたんじゃないだろうか。
先生から教えてもらった彼女の家に向かう途中、私はかなりドキドキしていた。
プリントを届けに行こうと思ったのは、ほんの軽い好奇心からだった。
彼女の家を見てみたい。まさか噂ほど酷い家ではないだろう、と。
しかしいざ行く段階になって、自分のした行為が、彼女への裏切りに当たるのではないかと思えてきた。けして口には出さないけど、彼女は家族のことを知られるのを嫌がっているに違いない。特に、私には。
後悔したけど、重要なプリントも有ったから捨てていくわけにもいかない。
届けに行くしかなかった。トボトボと歩き、彼女の家についた。
少し小さめの一軒家。少し古びてはいるけれど、街並みに溶け込む普通の家で、私は少し自信を取り戻し、一呼吸置いてインターホンを押した。
二階の窓がガラッと開く。彼女だ。
彼女はびっくりした顔をして、その首を引っ込めた。続いて、階段を降りてくる音。
母親が出なかったことに私はホッとして、彼女が出てくるのを待った。
210:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:36:45.82ID:oAt9Z5nmI
スーッ……ストン。
ふすまが開いて、閉まる音。
なんだろう?と思ったけど、直後にドアが開いて、彼女が出てきた。
風邪が治っていないのか、顔色が悪い。
「A(私)ちゃん、どうしたの?」
「これ、プリント預かったから」
彼女の声はハッキリとしていて、別に変な様子は無い。私は安心して、プリントを渡した。
早く元気になってねとかだの二言三言言葉を交わして、彼女は二階へと上がって行った。
何事もなくプリントを届けられたことにホッとして、私は帰ることにした。
彼女の家を去る時に、私はあることに気づく。
玄関の向かってすぐ左に当たる部屋のカーテンが開いている。
さっきの、ふすまの音の部屋?
そう思って、何気なく見た。
これがいけなかった。
畳の部屋の中心。小柄な女の人が、両手で何かを上に掲げ、フラフラと立っている。
丁度、電球を交換してるみたいに。
手に持ってるのは猫だった。
いや、もしかしたら犬?わからない、死んでるように見える。
何あれ?
急に怖くなって、私は一目散に駆け出した。
その時背中のほうで、カーテンが閉まる音を聞いた気がする。
211:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:37:36.20ID:oAt9Z5nmI
翌日、彼女は学校にやってきた。
私は昨日見たものが気になって気になって、でも彼女に聞けるわけないし、悶々としていた。
彼女は普段通りで、私はもしかしたら本当に電球を交換してる
母親を見ただけかもと思い始めた。
そう思ってたら、休み時間、彼女がこんなことを言った。
「今日ね、お母さんまで風邪引いちゃって、うつしちゃったみたいなの。Aちゃんは大丈夫だった?」
間接的な話題だけど、彼女が母親のことを口にするのは初めてで驚いた。かなりの違和感。
そして、給食前の四時間目、彼女は倒れて保健室に連れてかれた。
かなり無理をして学校に来てたみたい。
そんな様子はなかったけど、彼女は38度近くまで熱が上がっていて、実際はフラフラの状態だったらしい。
彼女は先生の心配を振り切って、一人歩いて帰って行った。
学校の近くだから大丈夫だと思うけど、私は心配で、彼女のことを考えている内に、一つの嫌な考えが浮かんだ。
もしかして、無理をして学校に来たのは、学校を休むと私が家に来るから?
そう考えるとそうも思えてくる。彼女は今日母親の話をしていた。
あれはもしかして、私の気を何かから反らすため?
止せばいいのに嫌な考えは止まらなくて、考えれば考えるほどしっくりくるように思える。
昨日聞いたカーテンの音、あれはもしかして、二階の窓から私を見ていた彼女が閉めたカーテンの音だったんじゃ…。
そんな疑問を抱きながらも、これまで通り私たちの仲は続いた。
あの女の人がなんだろうと、彼女は彼女だし、良い友達だと思っていた。
知られたくないなら追求はしない。それで良いのだし、その方が良いと思ったから。
212:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:38:30.26ID:oAt9Z5nmI
ところが、12月に入ったある日、彼女がまた学校を休んだ。
先生によれば、また風邪だと言うこと。
クラスではもう私と彼女は仲良しカップルみたいに扱われていて(この頃には彼女もほんの少し他の人とも話すようになっていて、以前ほどは避けられていなかった)、当然のように先生にプリントを押し付けられた。
私は、嫌だな、嫌だな。
と思いながらも行かないわけにはいかず、前と同じようにトボトボ彼女の家へと言った。
ポストに入れちゃおうか。
彼女もその方が、喜ぶと思うし。
そんなことを考えてる内に、彼女の家に着いた。
玄関のドアの前。誰かがうずくまっている。
彼女だった。
「ちょっと、どうしたの?」
私はびっくりして声をかけた。
彼女があげた顔は青白く、私を見て薄く笑った。
「プリント、Aちゃんが届けに来ると思ったから…」
「いや、だからって」
「とにかく、ありがとう」
明らかにおかしい。何かを隠している。
彼女はプリントを私の手から奪い、玄関のドアを開けた。
と思ったら、急にプリントに口を抑えて、吐いた。
「大丈夫、大丈夫だから」
再びうずくまる彼女。手に持つプリントは戻したモノで汚れ、服にもいくらかかかっていた。
「大丈夫なわけないでしょ、いいからここにいなよ」
こうなると、もうつべこべ言ってられない。
私は玄関から顔をのぞかせて、彼女の母親を呼んだ。
213:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:39:41.84ID:oAt9Z5nmI
「すいませーん、誰かいますかー?」
「お願い、Aちゃん。いいからやめて」
Aちゃんは涙目で言ったけど、私は突如湧き上がる謎の友情に燃えていた。
こんな状態の彼女をほっておけるわけがない。
母親がどんな人だって良いよ、友達なことには変わりないじゃない。って。
誰も出てこない。私は彼女の母親にイライラした。
こんな状態の彼女を残して、母親は何をしてるのか?
「ちょっと、家上がるよっ」
「だめっ」
彼女の制止も聞かず私は家に上がった。
「すいませーん!」
反応なし。
これはもう仕方ないと思い、とりあえず彼女の吐いたものを処理するため、玄関から続く廊下のトイレらしきドアに向かった。拭くものを取りにいくためだ。
と、何かが聞こえる。廊下の左手、あのふすまの部屋からだ。
やっぱり、いるの?
怖いもの知らずモードの私は躊躇なくそのふすまを開けた。
結果として、その母親とみられるその女性は、いた。
前と同じポーズで。
やっぱり死んだ猫を掲げて。
でも、そんな異様なポーズがどうでもよくなるほど、さらに異様なものがその部屋にはあった。
私に気づきすらしない様子の母親。
その手に掲げる猫に誘導されて、私の目は天井へと向かった。
214:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)22:40:12.56ID:oAt9Z5nmI
天井には、ひとつの大きな顔があった。
目。鼻。口。それだけ。
眉も、髪も無かった。まるで肉のお面が貼り付けてあるかのように、ピッタリと。
頭がクラクラした。急な自体に脳が追いつけず、私は叫びも逃げもせず、それをじっくりと見てしまった。
作りもの?なに?
眉も髪もない顔は、男か女かすらわからない。
感情の無い目は、真っ直ぐと下を見つめていた。
それから目が離せないでいると、彼女の母親が私にトコトコと歩みよって来て、
「はい」
と普通の声で、猫の死骸を、私に差し出した。
それで私は限界だった。
声も出さず私は駆け出して、ドアを開けて玄関から外に出た。
外にいた彼女は私の顔を見て、全てを悟ったようだった。
「Aちゃん、ちがうの!アレは作り物でね、私のお母さん、おかしいの、お母さんがおかしいだけなの!」
彼女の声を背に、私は逃げた。
風邪で弱っている彼女を置いて。でもそんなことにもう構っていられなかった。
あれは作りものじゃない。
ふすまの部屋から逃げる直前、私はあの天井の顔が瞬きをするのを、見てしまったから。
216:本当にあった怖い名無し:2012/12/27(木)23:25:57.41ID:oAt9Z5nmI
そして次の日から、彼女は学校に来なくなった。
彼女に対する罪悪感もあったけど、当時はただただ恐ろしくて、私は忘れるように努めた。
それ以来、私は彼女を見ていない。
オチも無いですが、終わりです。
あの事件以来彼女との交友はぷっつりと途絶え、ほとんど何も分からぬままです。
あのふすまの部屋はなんなのか?
母親は猫の死骸を使って何をしていたのか?
ただ一つ風の噂で、彼女の父親は本当に死んでいたと言うことを聞きました。
今はどうか分かりませんが、当時は親切な叔父さんが近所に住んでいて、彼女ら一家を気にかけてくれていたそうです。
彼女は今どうしているのか、今ではただ、それだけが気になります。
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Title : 無題
怪奇現象にうんぬんより、これって虐待だよね
学校無能すぎるだろ
NONAME 2015.03.29 (Sun) 00:05 編集
Re:無題
学校はねぇ…
保身しか考えない連中ばっかりだからねぇ…
2015.04.01 14:29
Title : 無題
この女の子も被害者だ…家族がこうなると逃げ場が無いから…
スバル 2015.03.29 (Sun) 08:13 編集
Re:無題
近所にいたっていう叔父さんはどうしたんだろ
2015.04.01 14:32
Title : 無題
不思議な友人というより、狂気な母親だ
NONAME 2015.04.02 (Thu) 17:01 編集
Re:無題
母親がメインか…
2015.04.06 21:19