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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.01.24 (Fri) Category : 

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いただき様

2021.12.09 (Thu) Category : ミステリー・不思議な話

393:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:14:57.12ID:lbDv6SXh0.net
私の話をしてみていい?



394:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:21:16.49ID:lbDv6SXh0.net
こういう板初めて使うからスレ違いかもしれないし、さっき別で板建てようとしてこういうところで話した方がいいよって紹介されて来たんだけど



395:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:22:02.63ID:lbDv6SXh0.net
いただき様って神様の話。ちょっと長い話の割にそんなに怖くも無いかもしれないんだけどね。



396:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:22:45.41ID:lbDv6SXh0.net
いただき様

これは私の父方の祖父の住んでた田舎の山里で祀られてた神様の話。
正式名称があるのかは知らないんだけど、村では「いただき様」って呼ばれている神様が信仰されていたの。
小さなお山のてっぺんにお社があって、そこに祀られてたのさ。

なにぶん最後にその村行ったのが小6の秋なんでうろ覚えではあるんだけどさ。
秋頃(10月くらい?)にそこに行くと、ちょうどその村で収穫祭みたいな小さなお祭りをしているのよ。
いただき様にその年取れた畑の作物をお供えするってお祭り。

その時期になるとお呼ばれされるって理由で学校を1週間くらいお休みできるから、当時の私には変な優越感があって嬉しいお呼ばれだった。



397:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:23:29.29ID:lbDv6SXh0.net
で、私もお手伝いでじいちゃんと母ちゃんと山にお供え物を持って行ったんだけどさ、まぁ何せ、田舎の山道なもんだから道は狭いわ舗装はされてないわで凄い疲れたのをよく覚えてる。

その道すがら、お母さんから、
「いただき様っていうのはねー、お山のてっぺんに住んでるからいただき様なのよー」
って説明を受けた。山頂の頂がいただきって読むってことはその時覚えた。

それで、お山のてっぺん小さな鳥居のついたボロっちい小さなお社があって、その中にある御本尊様みたいな神棚的なやつの前に収穫物やその収穫物を使った料理(お米とか煮物とか)をお供えするんだよね。
で、ひとしきりお祈りしたあと、山を下ってご近所さんで料理を作り合ってちょっとした宴会を開くって寸法よ。



398:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:24:44.65ID:lbDv6SXh0.net
中学上がってすぐにおじいちゃんが死んじゃってからはお呼ばれすることも無くなったんだけど、それまでは毎年秋になるとその収穫祭に呼ばれてお母さんと一緒に里山に行ってたわけ。

お社で豊作祈願のお祈りをしている時、当時小学生だった私は難しい祝詞とかは全く分からないから聞き流して忘れちゃってるんだけど、最後の方で村の地主さんが言ってた
「いただき様、どうかもらってください」
って台詞が妙に頭に残っていて、小学生の私はよくその言葉を繰り返して使っていた。



399:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:25:25.50ID:lbDv6SXh0.net
収穫祭の手順は、お山の社にお供え物をして、3日間宴会をして、3日目にお供えした食べ物とかを、社の前で火で焚いて燃やすって感じなんだけど(その後どうすんのかは知らない)、別にそんなに畏まった儀式をしなくても、「いただき様」に「もらってもらう」儀式ってのは、常日頃何時でもしていいっておじいちゃんに言われてた。

だから私もお遊び感覚で、おじいちゃんのうちにあった神棚(分霊ってやつ?)に向かって、適当な綺麗な石とかおもちゃとかお菓子とかを並べては、
「いただき様いただき様、どうかもらってください」
って言って遊んでたの。
ただその時唯一おじいちゃんがきつく止めたことがあって、なんでもお供えしてもいいけれど、自分の大切なものはお供えしちゃダメだよ。そして間違っても、「自分」とか「他の人」とかをお供えしちゃいけないよって言われてた。

神様に取られたら困るでしょって。
普段明るくて優しいおじいちゃんがこの時はちょっと険しい顔をしてたから、私も緊張してこくこく頷いてたのを覚えてる。



400:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:26:42.99ID:lbDv6SXh0.net
ただ、そうは言っても好奇心旺盛なお年頃なんで、私はある時(小4くらい?)実験的に、おじいちゃんの家で飼ってた3匹の金魚のうちの1匹、ガラスの小鉢で1匹だけだったくろでめちゃん(黒のデメキン)をこっそりお供えしてみたのね。
「いただき様いただき様、このくろでめちゃんを、どうかもらってください」
って。

そしたら、4日後にそのくろでめちゃんは死んじゃってた。

偶然かもしれないし、くろでめちゃんをお供えしたことは怖くて誰にも言えなかったから、それが本当にいただき様に「お供え」された結果なのかはついぞ分からなかったけど、生き物が死ぬってのはやっぱり衝撃的で怖いことだった。

それ以来私はいただき様に生きてるものをお供えするのはやめようと思った。
とは言えもうその頃には口癖みたいになってたから、いただき様へのお供え自体を止めようとは不思議と思わなかった。
それからもおじいちゃん家に行くたびにお供え自体は続けてたんだけど、小5から小6にかけて行った「お供え実験」の結果はこんな感じだった。



401:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:27:10.66ID:lbDv6SXh0.net
・石ころのお供えは何も変わらない。

・おもちゃ(トミカやライダー人形や着せ替え人形)は心なし壊れるのが早かった気がする。(乱暴に扱ってたせいかも)

・食べ物のお供え物はちょっと判断が付きにくいけど、お供えしてから5日目に食べたおせんべいはしけってた。(再現実験をしてないからやっぱりなんとも言えない)

・引っこ抜いた花や雑草は直ぐに枯れた。(当然か)



402:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:27:45.75ID:lbDv6SXh0.net
結局小学生の行う実験なんかに大した意味は無かったわけだけど。
まぁ、毎年秋にはそんなこともしながら専らおじいちゃんの家で漫画を読みながら過ごしていた。
3日間は確実に宴会で美味しい料理が出るから(田舎料理だけど)楽しみにしていたのも変わらなかった。

でも、中学一年の夏頃におじいちゃんが死んじゃって、そのお葬式に呼ばれて以来その田舎に行くことも無くなってしまった。おばあちゃんは私が産まれる前に亡くなっていたし、ほかの親戚はちょっと遠くなっちゃうしで本当に縁が切れたって感じ。お母さんもおじいちゃんが居ないのにわざわざ田舎まで帰るのも面倒くさいって感じだった。
だけど、その最後のお葬式の時に、ちょっと疑わしい会話があった。



403:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:28:29.17ID:lbDv6SXh0.net
おじいちゃんのお葬式は普通にお線香上げてお経を唱えるタイプの仏教系のお葬式だった。
私はお葬式なんて初めてだったから、お葬式が終わった後、何となくでそこそこ話したことのあった近所のおじさんに、おじいちゃんはいただき様にお供えしないの?って聞いた。

そしたらおじさんは笑いながら、
「そんなんお供えするわけねぇさ」
って軽く答えた。私はそういうものなのかと思って特にその後質問することもなかった。

でも、その後村の近所の人達の会話を何となく聞いてると、
「今年はどうも悪いことが続くなー」
みたいな会話がされててよく話を聞くと、数日前の大雨やら大風やらで農作物がやられて今年は不作になりそうだと嘆いてた所におじいちゃんが死んじゃって、近所の人達が落ち込んでるみたいな話の流れだった。

毎年ちゃんと収穫祭をしてるし、私は参加してないけど、春頃に祈年祭みたいなこともしてるらしいのに、いただき様は助けてくれないんだなーみたいなのを私がちょっと愚痴ったら、おじさんおばさん達は、

「まぁ、大雨やらなんやらは、いただき様のせいではないし仕方ねぇ」

って言って苦笑いしてた。



404:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:29:06.21ID:lbDv6SXh0.net
その時は特に何も思わなくて、そんなもんかって思ったけど。さて、今思い返すとこれはちょっとおかしいのでは?と、気付いた。

いただき様の効能(権能?)が自然災害に敵わないとかだったら、まぁ、所詮迷信だし、伝統だし、みたいな感じで片がつく。

だけど、大雨やらなんやらがいただき様のせいでは無いって言い方は、ちょっとおかしいのではと最近になって思った。



405:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:29:29.27ID:lbDv6SXh0.net
だってそうでしょう?
いただき様が豊穣の神様なんだったら、村の天候やその他の災害の排除まで合わせていただき様の仕事ってことになる。
だけど、村が不作になっても、村の人はその不作はいただき様のせいではないという。

不作になってもいただき様に関係がないならいただき様を祈年祭やら収穫祭やらで祀る意味が分かない。

で、先日お母さんに聞いたら、まぁ、伝統なんてそんなもんでしょ。と、大して気にする様子もなかった。
というか、お母さんはいただき様についてほとんど何にも知らなかった。



406:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:30:45.55ID:lbDv6SXh0.net
仕方ないので私はお母さんから村の知り合いの電話番号を聞き出して、唯一おかあさんが知ってた、今おじいちゃんの家の管理をしている隣の山田さん(仮)の家に電話をしてみた。我ながら大した行動力だと自画自賛している。

その結果分かったことは、「いただき様」がいわゆる祟り神ってやつだったってことだった。

山田のおばさんが言うことには、

・いただき様は昔、里山のものを片っ端から強奪していく妖怪変化みたいなものだったという文献が残っている。

・村のご先祖さま達がお坊さんを呼んで、その妖怪変化と交渉を試みたところ、村の人達が捧げられるものを捧げてくれれば悪さはしないという方向で話がまとまった。くれるものが豪華なら他の悪いものから村を守ってやるとも。

・そして、当時その妖怪が巣食っていたお山のてっぺんにお社を立て、「いただき様」として妖怪を祀ることにした。いただき様にお供えをしているうちは平穏な年が続いたので、次第にいただき様は神様として扱われるようになった。



407:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:31:25.91ID:lbDv6SXh0.net
そんな話を聞いて、私は感心した。
なるほどいただき様は本当に、ただ貰うだけの神様だったんだなって。
そうしてみると、いただき様の名前も、山の頂って意味も勿論あるんだろうけど、それよりかは物を頂くって意味の方が強いんじゃないかなって思った。

思ったので、その名推理を山田のおばさんに突き付けてみた。
そしたらおばさんは、
「そうかもねぇ」
って曖昧に笑った。ダメだ。あんまり決まらなかった。年取った大人はあんまり話に乗ってくれない。

そんなこんなで、今更知った知識を踏まえて小学生の頃の思い出を振り返ると、私の行った儀式の数々は、神とは名ばかりの妖怪変化に自分のおもちゃやお菓子やガラクタを捧げまくった日々だったんだなぁと何だか微笑ましいような怖いようなイラつくようなよく分からない感情が浮かんでくる。



408:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:32:01.05ID:lbDv6SXh0.net
さて、現在私は大学生、未だ悪ガキ根性の抜けない私は、思いついた。

「いただき様」の儀式は、一応呪い避けとか豊作祈願としても成り立つけど、それはそれとしてやっぱり呪いなのでは?

オカルト板でたまに見る怖いやつと同じだ。

お供えしたら悪いものから守ってくれる。でもお供えするのはなんでもいいっていうのは、あまりにも無条件すぎる。
おじいちゃんの注告に従えば、人間だっていただき様は頂いてしまうんだろうから。

YouTubeで見るオカルト板の話を見てつくづく思うのは、よくもまあうちの村はそんな神様相手にしてて人身御供的な物騒な考えに至らなかったもんだってことだ。妖怪側も農作物ちょっと恵んだだけで済ませてくれるとか優しすぎか?まあ、いいんだけどね?



409:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:32:34.09ID:lbDv6SXh0.net
悪ガキ的には話がもうちょっとスリリングでもいいかなーとか思ってしまう。
それとも調べたら何か陰惨な記録でも出てくるんだろうか?興味があるのでいつか再び村に行ってみようと思う。



410:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:33:16.77ID:lbDv6SXh0.net
話は取り敢えずこれで終わりなんだけど、最後のついでに思うのは、「いただき様」の効果範囲ってどこまでなんだろうってことだ。

お社とか神棚の前じゃないとダメなのだろうか?それとも村の全域?でめちゃんの例で考えると、供えたときは神棚の前だったけど、死んだ時は居間の棚の上だったからちょっとよく分からない。



411:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:34:31.85ID:lbDv6SXh0.net
ここからでも行けるのだろうか?そう考えると何かの生き物で試してみたくなる。

祝詞は簡単。

「いただき様いただき様、〇〇を、どうかもらってください」

良ければみんなも試してみる?



412:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)00:58:11.78ID:lbDv6SXh0.net
>>396
ここで時期間違えてるね。最後に行ったのは中1の夏だよ。



413:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)01:20:35.88ID:ihUrnJiP0.net
どこの地域?



414:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)01:23:30.57ID:lbDv6SXh0.net
東北。



415:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)01:31:08.25ID:ihUrnJiP0.net
せめて市町村レベルで



419:本当にあった怖い名無し:2021/10/11(月)01:53:18.87ID:lbDv6SXh0.net
>>416
最寄りだと岩手県西和賀町って所かな?通り過ぎるだけだからよく分からないけど。




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?364
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1631828149/393-419






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Gなのかナニカなのか

2021.12.01 (Wed) Category : ミステリー・不思議な話

615:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:44:58.63ID:uYGpsM7U0.net
数年前のこと、俺は就職で都会に引っ越した
生まれてから大学までずっと地方住みだったんではじめての都会暮らしにワクワクしてた
部屋は会社の借り上げ物件の中から選んだ
いくつかある中でそこに決めたのは周辺に緑が多かったのと風呂と便所が別だったから
こうして新生活がスタートした

最初の1年目はよかった、仕事は忙しくなかったし、なんせ色んなことが新鮮だった
二年目もまだ普通だったと思う、仕事は忙しくなったけど充実してたし、新鮮味はすでになかったけどオタクなので楽しみがあった

三年目、唐突に雲行きが怪しくなってくる。不幸とか不運とかそんなんじゃないんだけど
まず仕事がめちゃくちゃ忙しくなった、うちはそれなりに大きい会社なんだけど俺のいる部門は特に業績がよくて、働けば働くほど成果がでるからみんな働きまくって、今思うと集団でランナーズハイみたいになってた

そうなると部屋にも帰らなくなる、帰っても寝るだけとか着替えるだけ
念のため書いておくとうちの会社はブラック企業じゃない、むしろホワイト
当然、会社からは休みを取るよう勧告もきてたけど
「うるせー、もっと働かせろ」
って勝手にみんな働いてた、もうほんと異常だったと思う



616:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:45:59.46ID:uYGpsM7U0.net
そんな生活がだいぶ続いて、自分でもやばくね?って思ったのは部屋がすっかり汚部屋になり果てたころだった
寝る場所(布団はとっくにゴミの下だったんで座イスを倒して寝る場所にしてた)以外は足の踏み場のないゴミの山
言い訳になるけど、実家も大学の時すんでたところもゴミの分別に厳しくなかったのでゴミの分別がまずできなかった
だしたはずのゴミ袋がそのまま残されてるって経験をはじめてしたよ

なんとか生ごみだけはだしたけどそれ以外は分別し直す時間も気力もなくて放置
この頃にはさすがに会社からもストップがかかってて業務の見直しがはじまってた
だから毎日、部屋には帰れるようになってたんだけど、そうなるとどうなると思う?
ゴミが増えるんだよ、生活してるんだから当たり前なんだけど
それでも生ごみさえ出しとけば匂いも酷くないし、別にいいかって気にせず生活してた
別に誰か客がくるわけでもないしな

彼女はいないし、仲のいい同僚はいたけど互いの家を行き来するような仲じゃなかったし
あとまだ忙しいといえば忙しかった、本格的な業務改善はこれからって段階で、量こそへったけどそれでも仕事は忙しかった
毎日、汚部屋に帰るようになってからしばらくしてその異変は起きた
夜中にナニカが部屋を横切ってくんだよ

俺は小さいころからたまに変なものを見たり感じたりすることがあった
怖い思いも何度かしてるんだけど、そのナニカは別格だった
なんていうのかな
「あ、これだめなやつだ」
ってすぐわかった

ナニカはまずカタチがない
もやもやとしたものが大きくなったり小さくなったりしながらウゾウゾしてる
雲とかガスとか靄みたいかと思えば固まって実態っぽくなったりもする
生き物とか動物みたいな気配もあるけど、人間っぽさを感じる時もあるし、無機物みたいに思えたりもする
色も黒かとおもえば灰色だったり紫とか赤とかがぐちゃぐちゃに混ざり合ってるようにも見える

おばけとか霊とかじゃなくて、もうほんとナニカとしかいいようがない
そんなナニカが俺の部屋の窓からトイレの方へ抜けていくんだ、毎晩
時間はきまって日付がかわった後すぐくらい



617:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:46:40.99ID:uYGpsM7U0.net
最初に遭遇した時は
「なんかやべーのがいた」
って心臓がバクバクした

次にそれが毎晩のことだとわかって
「うそだろ」
って泣きたくなった
いつからだ?いつからあんなのが通るようになったんだ?
幸い、ナニカは俺にかまうことなく素通りしていく

でもそれがいつまでそうなるかはわからない、そもそもなんであんなのが通るようになったのかもわからない
住みはじめから2年目までは確かにいなかった
ということは家に帰らなくなった頃だろう
思い当たる節はぜんぜんない、というか近所の事情なんていっさいわからない
大きな事故や事件なんてもんがなかった、とかそれくらいだ

わからない、わからない、こわい、わからない、なんでおれがこんな目に
俺はナニカがいなくなる時間までゲーセンやパチンコで過ごすようになった
なんていうか、なにかをする気力がなかったんだ
会社は忙しかったけど不要の残業は禁止されてたし、他に行く当てもないし、かといってあのナニカが通る部屋へ戻るのも嫌だし

いまにして思えばだいぶ参ってたんだと思う
そんな生活が続いていたところへ

実家の姉から遊びにいってもいいかという連絡がきた



618:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:47:37.47ID:uYGpsM7U0.net
姉も俺とおなじオタクなんだけど俺と違ってめちゃくちゃ行動派
有言即実行、行動力の塊みたいな人
特別仲が良いというわけではないがオタクな部分が共通してるので気心のしれた相手だ
なんで姉ならいいかとOKした、たぶん両親や妹なら断ってたと思う
姉の目的は日曜のイベントだが、金土とこっち在住の友達とも遊ぶ予定とのこと、木曜に仕事が終わってから夜行バスで出発し金曜の朝に着くということだった。
俺はなんとなく金曜の午前に半休をとった

なんていうか朝のうちに姉とあっておいて直接説明した方が面倒がないと思ったのだ
こうして、姉が来た
姉は迎えいった俺を
「わざわざ休まなくてもよかったのに、ありがとね」
と労わってくれた

俺はあれこれ電話やメールで説明するのが面倒だったことと、休みがあまりまくってるから別にいいといった
最寄り駅から部屋までは15分かからないくらいの1本道、他愛もない話をしながら部屋へ着いて
「は???え???」
ドアを開けた瞬間、めちゃくちゃ驚かれた
そりゃ弟の部屋が足の踏み場のない汚部屋だったら驚くよな

言い訳すると、姉がくるということでいちおう、今までよりはきれいにしたつもりだった、自分なりに
「え?弟これどうしたん?なんで???」
「あー、仕事が忙しくて」
「いやいや、忙しいにしたって限度があるでしょ」

姉はそれから健康に悪いとかちゃんと寝れているのかとか借りてる部屋なんだから綺麗にしなきゃとか、なんていうか、直接俺を責めるわけじゃないけれど耳にいたいことをあれこれ気にしだした
姉に悪気がないことはわかっていたし、俺の自業自得なんだけど、図星だからこそイライラしはじめた
俺だって別に汚そうと思って汚したわけじゃない、こんな部屋にしたくてしたんじゃない。精いっぱい仕事をして、毎日をがんばって生きてただけだ、なのになんで俺がこんな目に
グルグルとそんな考えが積もりに積もって気が付くと俺はキレていた

「うるせー!勝手にきて文句いうな、今からホテルでもなんでもとればいいだろ!」
俺はそういって万札1枚と部屋の合鍵を置いて出勤した



619:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:48:51.08ID:uYGpsM7U0.net
会社についていつものように業務をこなしてたら、だんだんと冷静になってきた
姉はあれからどうしたのだろう
姉は真面目な性格なので、ホテルにいくとは思えない、友達と遊ぶ予定があるといっていたからそれは守るにしても、他の時間は部屋の片づけをしたりするんじゃないだろうか、いや絶対にそうするだろう
やばい、俺はナニカについてはいっさい話していない

もっとも、姉は俺とちがって霊感はゼロらしいのでナニカをみることもないのかもしれないが
でもあの異常性は霊感のあるなしで変わるともちょっと思えなかった
俺は定時とはいわないがいつもよりだいぶ早い時間、22時頃に仕事を切り上げた
そうして部屋に戻ると
「おかえり、遅くまでおつかれさま」

姉はいた
部屋はほぼ片付いていた
俺はだいぶ混乱した。正直、1日や2日で片付く部屋じゃなかったはずだ
なのに姉は最後の仕上げとばかりにフローリングを水拭きしている
「ゴミ、今日だせるやつはだしたけどだせなかったやつはベランダにだしてあるよ」
そういわれベランダを見ると20近いゴミ袋の山ができていた
「あと、あの1万で掃除機買ったから」

確かに見慣れない掃除機が1つあった、電気屋は駅前にある
姉は、友達と遊ぶ約束を断って1日がかりで部屋を片付けてくれた
俺はなんにもいえなかった、ゴメンもありがとうもいえなかった
そんな俺を気にすることなく、姉は夕飯がまだだというので近くのコンビニまで買い出しに行こうという
俺もまだだったので一緒に行くことになった

「さすが都会、ごみの分別細かすぎるわ」
「納豆のパックって乾くと匂いがなくなるんだね、片付けちょっと楽だった」

コンビニで夕飯や必要品を買い込んで、姉のゴミ奮闘記を聞きながら戻る。家の鍵を開けたところで俺は唐突に思い出した
そうだ、ナニカのでる時間だ
時計を見る、時間はまさに日付がかわる少し前



620:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:51:16.48ID:uYGpsM7U0.net
このままだとナニカと鉢合わせしてしまう、説明をする時間もない
というか場所も悪い、玄関はちょうどナニカの進行方向の真ん中にある
俺は姉に買い忘れがあるからコンビニへ戻ろうといった

しかし姉は
「弟だけいっといでよ」
とさっさと部屋にはいってしまった
俺は慌てて姉を追ってはいり、ナニカが通る時間だと伝えた
「え、なにそれ。まじで?!」
姉は霊感はないが幽霊は信じている、というかむしろ怖い話とか大好きだ
そうこうしているうちに日付がかわった
ナニカの通る時間だ
こうなると綺麗に片付いた部屋が心細くなってくる

乱雑にモノが積み重なっていた汚部屋はあれはあれで隠れ場所がたくさんあるようで安心できた
だが今、部屋の中はスッキリして部屋の隅々まで明るい
俺と姉はじっと身動きもとれず、固まっていた



621:本当にあった怖い名無し:2021/08/29(日)20:52:16.18ID:uYGpsM7U0.net
10分、20分…それ以上
「なんもでないじゃん」
「あれ?」
「もう!」

ナニカはでなかった

プリプリと怒る姉、ポカーンと何が起こったか混乱している俺
姉は怒りながら夕飯を食べ、明日の準備をし、風呂に入ると、さっさと寝てしまった
どういうこと?なんで?なんででない?
あんなに毎晩毎晩通ってたのに、なんで今日はでないんだ?
俺は混乱したまま、数か月ぶりに部屋の布団で寝た

次の日、ゴミだししながらふと思った、そうかゴミが邪魔をして入れなかったのかもしれない、と
ならゴミ袋がなくなっても何かでバリケードを作れば入ってこないのかも、と俺はナニカ対策を考え始めた
けれどこれは無駄に終わる

この日を境にナニカはでなくなった

姉が帰り、ゴミ袋がなくなってもでなかった
俺はしばらくの間は警戒したけど、結局ナニカが現れることはなかった
数年たった今でも、ナニカは現れないし、できればもう二度と現れて欲しくない




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?363
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1627548828/615-621





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オチなし、話としては怖くないですが、俺的にちょっとブルった話。

2021.11.24 (Wed) Category : ミステリー・不思議な話

183:本当にあった怖い名無し:2021/09/24(金)13:48:17.71ID:ivVi/8HD0
オチなし、話としては怖くないですが、俺的にちょっとブルった話。

今年の5月くらいに、近場の漁港で釣りに行ったんだ。
そこで結構な大物が釣れたので、翌日友達に写真を見せながら自慢した。

すると友達が
「その漁港って先週くらいに身元不明の遺体があがったところじゃないの?」
って教えてくれた。

ネットで検索してみると、確かに地元の新聞やローカルニュースで友達が言ったとおりの報道がされていた。

それを知ったときはちょっと不気味な感じがしたけど、釣りに行ったのは遺体が発見されてから一週間くらい経っていたし、俺以外にもたくさんの釣り人がいたから、すぐに気にならなくなった。

実際、この後で書く出来事とは関係はないだろう。
だけど、俺の中ではどうしても関連付けようとしてしまう。



184:本当にあった怖い名無し:2021/09/24(金)13:48:29.02ID:ivVi/8HD0
それから一週間くらい経ったころ、ある下り坂を車で下っている時だった。
そこはとても見晴らしがいいところで、遠く(2kmくらい先?)の海が見渡せる。
そして、例の漁港が真正面に見えるのだ。

俺は何気なく漁港を見て、あのニュースを思い出した。(あー、変なこと思い出しちゃったな)と思った時だった。

漁港の堤防のところに黒いもの、と言ってもすごく遠いから豆粒くらいになんだが、それが視界に入った(気がした)。
その瞬間、俺の意識と視線が無理矢理その黒いのにフォーカスされたような感覚に陥った。

スマホで写真を撮るときに、タップしたら自動でピントが合う、みたいな感じといえばいいのかな?

そして、その黒いものも俺を見ていると直感した。
つまり、俺とその黒いものは数キロの距離を隔てて目が合ってしまったのだ。
常識で考えればあり得ないけど。

そいつの視線に悪意みたいなのは感じなかったが、もちろん良い感じもしない。
ただただ、無感情な何かがこっちをじっと見ているようだった。

時間にしたら2~3秒くらいだったとは思う。
このまま見ていてはまずいと思ったので、意識を無理矢理前に向けて、漁港の方を見ないようにして、坂道を下った。

話はこれで以上です。あれが何だったのかはわかりません。
もちろん、例の遺体とは全然かんけいなく、そもそも俺の気のせいかもしれません。
だけど、それ以降その漁港には行っていません。
よく魚が釣れるところなので行きたいのですが、もう少し時間を空けてからにしようと思ってます。

おわり



185:本当にあった怖い名無し:2021/09/24(金)14:08:55.35ID:2mO/zbMv0
普通に人がいたんでしょ
目が合ったと感じたのは気のせい



186:本当にあった怖い名無し:2021/09/24(金)14:27:50.18ID:OKTmnJjS0
アザラシでしょ



引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?364
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1631828149/183-186





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