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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.02.08 (Sat) Category : 

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ー人魚職人ー <喜一じいちゃんシリーズ>

2018.06.11 (Mon) Category : ミステリー・不思議な話

562:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)17:48:05ID:qHMt0DXA0
家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた。

「人魚職人」
「おぉーい喜一」
釣りから帰ったばかりの喜一を店から誰かが呼んだ、この声の主は
「トチロウおじさん!?」
親父の友人の変人学者だ。
「面白いもん見せてやるよ」
シシシと笑いながらおじさんは木箱から何かを取り出した、中から出てきた物に
「人魚!?」
喜一は大きな声を上げて驚いた、それは大根ほどの大きさで頭は人型、下半身は魚の人魚のミイラだった。
「なーすげーだろ?港町で異人をたまたま助けた礼に貰ったんだ」
何故こんな物を感謝の気持ちにしたのだ?と普通は思うが喜一には大方トチロウがこれを欲しがったのだろうと推測できた。

話しがトチロウの武勇伝に変わろうとすると
「で、この紛い物を俺にどーしろって言うんだ」
帳簿を書きながらまるでおじさんの話しにも人魚にも興味がない様に親父が言った。
「えっこれ偽物なの?」
喜一が目を開いて親父を見る
「あたりめぇだろ猿と鯉を繋げた物だ、干物にすれば繋ぎもめだたんからな異人にはこう言った物が売れるんだ」
親父の言葉を確かめる様にトチロウの顔を見上げるとトチロウは肩をすくめて
「残念ながら偽物だ、だけどこういう精巧な作り物は俺は芸術だと思うんだよ」
とそう言ったが、芸術に興味のない喜一には残念でしかたがなかった。

トチロウは人魚を実家に持って帰ったが気味悪がられ根無し草なトチロウは置き場所に困り結局家へ持ってきたのだった。
「頼むよ、預かっててくれ、気に入ってるから売りたくは無いんだ」
懇願するトチロウに親父は少し考え、人魚を手に鑑定をするかのようにまじまじと見だした。
「…おっおい売らないからな」
心配そうにトチロウが言うと親父は変わった条件を出してきた。



563:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)17:49:22ID:qHMt0DXA0
「この人魚の職人を調べて見ろよお前好みな事が解るかもしれんぞ、俺も少し興味があるからな、何か解れば話しを聞かせろよ、それが条件だ」
こんな素っ頓狂な取引にトチロウはまじめに腕を組んで考えた
「最近は暇だしな…俺好み…」
悩むトチロウをよそに親父は人魚を片づけ出す。
「解ったいいだろう、しかし全く何にも無かったら蔵の商品を一つ貰うからな」
そう言い捨てるとトチロウは親父の返事も聞かず店を飛び出して行った。親父の口から
「好かん」
と言う言葉は出なかった、が親父がこんな事を言うときはかならず何かあると知っていた喜一はトチロウを心配した。

トチロウは港を歩き回り数日後、何とか人魚職人を捜し出した。雨が降っていても宿も取らずに傘もささずに聞いた住所の家へと直ぐさま足を運ばせた。が家主は留守、不用心にも鍵がかかっていないのをいい事にトチロウは早速家の中を調べだした、もし見つかりでもしたら大事だと言うのにトチロウの余裕っぷりは場数を物語っていた。

家には細工に使う道具、猿の干物やら薄気味の悪い物が山ほど出てきたがトチロウ好みの謎は見あたらなかった。
それもそのはず、探している本人が何を探せば良いのか解らないのだ。
「ふー」
と一息つこうとしたときだった

「て…ててめぇ何もんだ」
後ろから太い男の声、振り向くとトチロウに庖丁を突きつける男が立っていた
「少し見ていたが物取りじゃ無さそうだが…せせせ政府の人間か?」
男はトチロウを前に落ち着かない様子
「おいおい俺が政府のお偉いさんに見えるか?それにたかが人魚の偽物ごときで訴える人間もいねぇだろぅ?」
トチロウはまるで刃物が見えていないかの様にへらへらと笑うと男はトチロウの姿がそんなにひどい物だったのか上から下まで見定めると
「見たところ丸腰だな」
そう言って庖丁を下ろした
「じゃあ一体人の家のガギを壊してまでの用ったぁ何だ?」
「鍵?鍵は知らねぇが…ええっと無病息災に効く人魚様を買いに来たのよ」
トチロウの適当な答えに
「ウチは出荷はしてるが売りはやってねぇ、周り近所にも人魚細工の事は言ってない。お前何処かの港町の商人からここを聞いて来たんだろう?何故そこで人魚を買わずこんな町はずれまで来た?第一お前が家を詮索している間から人魚は足下に転がっていただろう?」



564:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)17:50:32ID:qHMt0DXA0
また怪しまれ、刃物を前に出された、殺すつもりならとっくに刺していると解っていたトチロウにとって刃物は効果が無かったが、ここに来た理由をどう言えば信じてもらえるのかを首をひねらせて考えていた。

この状況で余裕さえ感じるトチロウの物腰に男の方が内心怯みかけていると
「えーっとあれだ、こんな安っぽいのじゃなくて御利益があるいいヤツが欲しかったんだよ」
また適当に答えたのだが以外と核心を付いたのか男がピクリと反応した。
トチロウはそれを見逃さなかった
「あるんだろう?とっておきのが?」
相手の顔色を伺いながら話しを作って行った
「聞いたんだよ御利益がある特別な人魚の話しを…」
男はトチロウの話しを聞き終える前に庖丁をトチロウに振りかざしたかと思えばそのままトチロウの後ろへ行き沢山の人魚細工の中から一匹掴むとそのまま抱えて窓から逃げ出したのだ。

一瞬何が起こったのか解らなかったが慌ててトチロウは後を追った、雨の中どれだけ走ったろうか、男がドロに滑り派手に転んだ、すかさず取り押さえようと男の腕を掴んだとき水溜まりに転げ落ちた人魚細工が跳ねたのだ、まるで喜んでいるかの様に水溜まりの中へ潜って行ったのだ。

トチロウは自分の目を疑ったが直ぐさま横たわる男を飛び越え泥水の中を手探りで探していると
「わぁぁぁ」
後ろで男の叫び声がした、振り向くと誰もいない…さっきまで男が転がっていたのにどこにもいない、周りはただっ広い畑で隠れようがないのだ。
人魚細工も男も消え、土砂降りの中トチロウただ一人がぽつんと立っていた。



565:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)17:51:10ID:qHMt0DXA0
手がかりを無くし、聞き込みも虚しく途方に暮れトチロウは帰って来た。
トチロウの話しをあらかた聞くと
「ふーんなるほどな、そいつが俺を呼んでいたのかもなぁ」
のんきにキセルをくわえながらそう言う親父に
「おい、本物の人魚なのか?どーなんだ?」
とトチロウは親父に言い寄った。

「どうと言われてもな、俺はお前の細工物から禍々しい移り香を感じただけだからなぁ、本物だったんじゃねぇのか…」
適当な親父の答えに不満なのかトチロウはブツブツと考え込んでしまった、親父の中では何か納得出来たのかすでにこの話にはもう興味がない様に
「木を隠すなら森の中…人魚を隠すなら……」
と一言言うと腰を上げ仕事に戻ってしまった。
「だけどそれじゃあ逆効果じゃねぇのか!?」
親父を追う様に席を立ちあーでも無いこーでも無いと、いつもの二人の会話が延々と続いたのだった。

こうしてトチロウの人魚細工の事はすっかり忘れられ、「武者事件」まで人魚細工は蔵で埃をかぶるのだが、その話しはまたの機会に……


どうも孫です、やっと乗せることが出来ました。なかなか言葉がまとまらず(鮮明に書くとものすごい長文になる)遅くなりました。
長文おつき合い戴きありがとうございます。



567:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)20:01:39ID:jCTwPAGwO
トチロウおじさん久しぶりだなー
孫さんオモシロかったー(^^)/ありがと



568:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)23:16:04ID:XaiIn+oqO
孫って人なんで小説書いてるの?



569:本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土)23:54:15ID:5/UF0JiK0
>>568
無粋な奴だな



引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part37
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1168931224/562-569













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私、霊感あるよ。

2018.06.11 (Mon) Category : ミステリー・不思議な話

398名前:⑦⑦⑦ 2018/06/10(Sun)14:15:05
友人に誘われてその知り合いのおなご衆とバーベキューをする事になった。
夜の川辺で焚き火を囲んでいる夏の夜、当然というか必然というか、怖い話で盛り上がっていた。

各々持ち寄った怖い話も一段落ついた頃、まだ話してない子がポツリと、
「私、霊感あるよ。」
なんて言い出すもんだから皆大喜び。
あまり非科学的な事は信じたくない俺は彼女に証明してくれと言ってみた。

すると、
「あんたの背後に、おじいちゃんがいるよ。」
っとまぁ、ありきたりな事を言ってくれちゃうもんだから。
人相まで詳しく言い当ててくれとまくし立ててみると、ものの見事にピタリ一致

少し怖くなって俺が黙ると、たたみかけるように彼女が言う
「お墓参り全然してないでしょ、おじいちゃん哀しそうな顔してる」
とまで言われ、流石に俺も、信じはしないものの
「墓参り、行こうかな。」
と思ってしまったその瞬間、彼女は目をクワッと見開き
「今、お墓参り行こうって思ったでしょ?」
と、図星をモロに突いてくれた。

なんでわかるんだと聞いたら、
「だって、おじいちゃん少しニコッとしたから。」

それでも信じたくなかった俺だったが、さすがに不気味になって引いていた。
そこで、すっかり肝を縮めてしまった俺を見かねた友人が
「俺もなんか見てくれよ」
と言うと、
「あんたの車、白いセダンでしょ。」
と、これもまた図星。

俺と同じく友人も何でわかるんだと問うと、
「その車、気をつけた方がいいよ。」
俺も友人も2人揃ってビビってしまい、ここらでお開きにしようという事にした。

その後、その時の事をよく考えてみると、俺や友人に言った事は・・・霊感が無くても誘導出来る話なんじゃないだろうかと思った。
心の中で奴はペテン師なんだろうと思うようになっていた。

しかしバーベキューの日から一ヶ月程経った時、友人が大事故を起こしたという報せを受けて呆然とした。
幸い命を失うまでには至らなかったものの、ムチウチと両足の骨折という洒落になってない状態だった。

廃車となった白い旧型のクラウンを解体した時、ダッシュボードの裏側が、大量の血で真っ黒になっていたと友人に聞いた。
その血は友人の物ではなく、恐らくは友人の前の所有者の物だろうとの事。

以来、少しだが非科学的な事も信じるようになった。

(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)




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白黒写真

2018.06.09 (Sat) Category : ミステリー・不思議な話

615:本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火)00:12:50ID:crqTqEJ20
白黒写真 1/5

僕がまだ中学生だった頃の事。
僕等の中学校の校舎はまだ今では珍しい木造で僕が丁度二年目を終える頃に旧校舎は取り壊し、新しい鉄筋コンクリートの校舎が作られる事となった。
お陰で僕等の貴重な最後の一年はプレハブと言う悲しい結果となった訳だがこの話は旧校舎から一旦全ての学用具を運び出す時に起きた不思議な現象だ。

その頃僕は図書委員と言う無難な委員を任されていたために図書館の本の移動という極めて面倒で体力の要る仕事を任された。
実際本の数は物凄く、数日で分けて運ばなければ済まないほどだった。



616:本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火)00:15:13ID:crqTqEJ20
白黒写真 2/5

本棚から本を抜き、分類別にダンボールに収納し、それをプレハブ倉庫まで運ぶ。そんな作業を何十回繰り返す。
そうして全ての本が運び出された後、広々とした図書館には空になった本棚以外何も無くなっていた。
最後の作業と言う事で僕らは本棚を持ち上げ、横にしてから解体を始めた。
本棚も校舎の改築に合わせて新調されると言う事だった。

年季の入った本棚の後には年を物語るほどの多くの埃と色々な本が隠されていた。
主には古い怪しげな本や、今まで紛失したと思われる本が沢山見つかった。
にわかに盛り上がる面々。
そんな中に一枚の写真が混じっている事に僕等は気づいた。



617:本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火)00:17:14ID:crqTqEJ20
白黒写真 3/5

手にとって皆で見るとそれはセピア色で白黒の世界。
木造の校舎の前に六人の学生が肩を並べて写っていた。
僕らはこれは何年も前の先輩の写真じゃないか、この木造校舎が出来て間もない頃撮られたものじゃないかと言った。

なぜなら校舎の裏にはまだ木々が沢山存在していて、校舎自体も今より傷が少ない気がしたからだ。
それで少しの間、皆で写真を見つめていたら妙な事に気づいた。
なんだか焦げ臭いのだ。別に何かを燃やしている訳でもないし、誰かがタバコを吸っていたわけでもない。皆気づいていた。
写真から焦げくさい臭いがしている。



618:本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火)00:20:18ID:crqTqEJ20
白黒写真 4/5

髪や肌が焼けた臭い。そして写真を覗くと中の六人は輪郭が無くなっていた。いや、顔や手が真っ黒に変わっていたんだ。
それを見たとき、僕は体中が熱くなった気がした。
そのまま僕等はぼおっと写真を見つめていた。

どれだけの時間が過ぎたか解らないけれど、やがて図書館に先生が顔を見せる。
そして僕等をみて悲鳴を上げて走り去った。
それで我にかえった僕等が見ていたのは床に着いた写真型の焦げ付きだった。



619:本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火)00:22:23ID:crqTqEJ20
白黒写真 5/5

僕等が見た写真は結局何だったのか解らない。
後程先生に聞いてみた所によると僕等の顔が無いように見えたと言っていた。
その日、家に帰ると僕は高熱で寝込んだ。
二、三日高熱が続き、学校へ出席した時、僕以外の図書委員も皆高熱で休んでいたらしい事がわかった。

思い返してみると、その時僕等の人数は確か六人だった。
それが関係しているのかも良く解らない。
今では木造の校舎も取り壊され、跡形もなくなってしまった。



引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?150
https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1164123087/615-619




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