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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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数学準備室

2018.11.14 (Wed) Category : ミステリー・不思議な話

446:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:44:39.77ID:nxhk2J5O0
長いです、無駄な文章も多いと思いますがぬるい目で見守ってください。

私が通っていた中学校での話です。
昔千葉の田舎に住んでいました、南房総の小さな町で、最寄りの駅まで車で40分かかります‥。
そこの中学校なのですが、よくがっこうには「準備室」ってありますよね。
まあ大抵は理科準備室、音楽準備室くらいなものですけど。

その中学校には数学準備室なんてものがあったんです。
数学なんて、実験道具を扱う理科や、楽器をたくさんしまっておく音楽室に比べて、圧倒的に必要なのものなんてありませんよね?
なのにあったんです、数学準備室。
国語も社会もないのに、数学準備室だけ。

違和感はそれだけではありません。
その数学準備室、異様に広いんですよ。
普通の教室くらいある。
10台のアコギとか、吹奏楽部の大きい楽器がしまってある音楽準備室なんかより広いんです。

でも数学なんて備品いりませんから、スッカスカ。本当にスッカスカ。
違和感だらけでした。

まあ一応、数学準備室なんて名前ついてますからね、数学の先生が一応、使ってはいます。
だから数学の授業に使うものが一応は置いてあるんですけど、その置き方もちょっとおかしくて。
なぜか、広い教室の前方、黒板側に一台ポツンと置かれたそこまで大きくない机の上にのみ、教材が置かれているんです。
机からはみ落ちそうなくらいぎゅうぎゅうに。

なぜそれがおかしいかって、どの教室にもそうですけど、その数学準備室にも、教室の後ろ側に生徒用のロッカーがあって、そのロッカーの上がとても広いので、他の教室ならプリント等はそこにおくんですよね。

しかも準備室は空き教室なわけですから、他の教室と違ってロッカーの中に生徒の荷物もなく、なんでも起き放題になっているのに、なぜか、数学の先生はそこにものを絶対置かないんです。



447:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:45:11.91ID:nxhk2J5O0
奇妙なんです。でもこの違和感を覚えていた人は、学校の中ではそんなに多くなかったと思います。
理由としては、数学の先生、滅茶滅茶怖かったんですよね。
40代の強面のおじさん先生で、あまり好かれていなかったので、その先生に遭遇するかもしれない数学準備室なんて、わざわざ覗く人、少なかったと思います。

ただ私はたまにのぞいていました。
なぜなら、数学準備室、すごく使いたかったんですよ。

私は吹奏楽部に所属していて、トランペットを吹いていたんですけど、それぞれ楽器ごとに練習=パート練習する時に、音が混ざって訳が分からなくならないように、学校中にバラけて練習するのですが。
トランペットのパート練習の場所は、二階の一年生の教室でした。
まあ、遠いんですよ。
音楽室は4階ですから、単純に遠いのが嫌だった。

だからこそ私は、普段から誰もいなくて、三階の階段近くにある他のパートも使っていない数学準備室をトランペットのパート練習場所に出来ないのかなあなんて、よく考えてたんです。

ある日のこと、私はその時一年生で、自分で決めることなんて絶対できませんから、2年生の先輩(夏が終わった時期で、コンクールを序盤で敗退してしまったうちの部では三年生は受験のためほぼ退部していました)に聞いてみたんです。

「数学準備室、使えないんですか?」
先輩は
「ああ」
といった表情で、
「去年ね、」
と事情を教えてくれました。

去年、トランペットと同じくらい練習教室が遠いクラリネットのパートリーダーが、顧問に数学準備室を使わせてくれないか直談判したそうです。
しかし顧問は、それを許可せず、それ以来数学準備室は吹奏楽部内で使用禁止の認識があるとか。



448:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:46:18.08ID:nxhk2J5O0
「なんでダメなんでしょうね」
「さあ。数学の三浦怖いし、うるさいと怒られるんじゃないの」
「ああ、なるほどw」

この時はなんとなく納得したんですけど、その後数学準備室の様子をチラチラ見てみても、そもそも数学の先生はほぼそこに来ないようで、一度も鉢合わせはしないし、さっき言ったように教室は黒板側の畳一畳程度のスペースしか使用されていないので、とてももったいなく見えました。

まあ、いくら指を咥えて見ていても、先輩にそんな話をされてしまってはそれ以上言うこともありませんから、段々と数学準備室のことなど頭から無くなっていました。

ここから話は私が二年生になった春まで飛びます。
新しくできた後輩ともいい関係が作れそうだったし、楽器も上達したしで、部活は一年生の時よりもずっと楽しいものになっていました。
そんな折、顧問の女性の先生が妊娠し、体のために夏休み前には顧問を辞めてしまうことになりました。

教師自体はギリギリまで続けるようですが、部活の顧問は帰る時間もかなり遅くなるし、重い楽器を運ぶことなどもあり体力を使いますから、早めにお辞めになるといいうことでした。

その女性顧問はとても生徒に人気があり、美人で厳しいながらも温かみのある先生で、私もとても好きだったので残念でしたが、お腹の子供の健康の方がずっと大切ですから、部員はみんな先生を祝福していました。

その報告から一カ月後には後任の顧問も決まり(特別養護教室を受け持つ先生でしたが、音楽の教師の資格もある方で、次の音楽教師が来るまでの仮顧問です)、お腹の子供のことを考え、その時期には新顧問と女の顧問が交代で部活に来るようになりました。



449:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:46:52.27ID:nxhk2J5O0
5月の終わり。
三年生と妊娠中の顧問は修学旅行に行くので(妊娠中でしたが安定期だったことと、生徒たちの強い希望もありあまり動けないことを他の先生たちも分かりきった上で一緒に行くことにしたそうです)、吹奏楽部は私たち二年生・一年生と新顧問だけの日が続きます。

その日が二年生になって初めての、「先輩のいない部活」でした。
同じトランペットの同級生も他に二人いますが、私は副パートリーダーだったので、部長のいないその日は全体挨拶や練習目標決め等を任されていました。

だからこそ、すこし調子に乗ってしまっていたかもしれません。
特別養護教諭の新顧問が普通教室の事情に疎いことを分かりきった上で、私は聞いたんです。

「トランペットパート、数学準備室使ってもいいですか?」

新顧問は特に考える様子もなく、
「三浦先生はお使いではないの?使ってないならいいですよ」
と簡単に許可をくれました。

私はその簡単な返事に拍子抜けしつつ、トランペット全員を引き連れて数学準備室に向かいました。

事情を知らない一年生と違い、去年私が先輩に数学準備室を使えない理由を聞いていた現場を見ていた同級生二人は、
「ほんとにいいの?」
とすこし不安げでしたが、いつもの練習場所よりぐっと近い数学準備室に到着すると、文句も晴れたようで、各々好きな場所を取って練習し始めました。

教室の黒板側には教材が山積みですし、他の教室と違って生徒用の机はありません。

いつも窓を開けて外に向かって吹いてる同級生の一人を除いて、私を含む他の4人は(トランペットパートは一年生ふたり、二年生3人です)、自然と教室の後ろのロッカー前に黒板の方を向いて並びます。

何か置ける台があった方が、便利ですからね。



450:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:47:26.68ID:nxhk2J5O0
しばらく練習に夢中になっていたのですが、だんだんと疲れてきた私はトランペットをロッカー上に起き、準備室を見回しました。
どこから持ってきたのか、それとも気づかなかっただけで最初からこの教室にあったのか、いつのまにか窓際で練習している同級生(彼女はいつも髪にリボンのアクセサリーをつけているので以下リボンちゃんとします)の足元に一脚の椅子がありました。


リボンちゃんは一度集中するとなかなか練習をやめない子なので、話しかけませんでしたが。


一心不乱に練習するリボンちゃんと違い、他の子は立ちっぱなしの疲れもあるのか(普段一年生の教室では座って練習していました)、みんなちょくちょく休憩しているようでした。


それを見て私は、いくら近くても椅子がないと疲れるな、やっぱりここはやめといたほうがいいかもなーなんて思っていました。

集中力が切れていた私は、なんとなく教室前方の教材の山へ近づきました。
数学のプリントの山の上に、黒板につける磁石付きの三角定規や、大きなビーカー(計算問題の実演に使うのでしょう)が置いてあるのですが、なんとなくその全ての時間が止まって見えました。

うまく言い表せないのですけど、長く使われていないもの特有の、感じ。。。
実際定規に触れると、薄く指に埃が付きます。



そういえばこの教室は、掃除しているところを見たことがありません。
数学準備室のある三階は私たち二年生の教室もある階ですから、掃除しているところを見たことがないということは、生徒の掃除場所にそもそも入れられていないのでしょう。

それにしても、これでは数学の先生すらこの準備室をロクに使っていないことになります。
一年生の時何度かココを覗いても、誰にも遭遇しなかったのはそういうわけだったのでしょう。



451:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:47:48.10ID:nxhk2J5O0
ますますこの教室の存在意義を疑問に感じていると、後ろで
「おっ?!」
と声がして、私は驚きつつ振り返りました。

みるとロッカー前で練習していた後輩のひとり(彼はおとなしい子なので以下しずかくんとします)がよろけたような体勢で、胸元の楽器だけは守ろうと身をよじっているところでした。

「何、どうしたの笑」
と話しかけると、しずかくんは足元のイスを顎でクイっと指して、
「いきなりなんか押されて。。」
と。
イスに押されるって、そんなバカな。

「ていうかそれどっから持ってきたの?」
この教室には椅子なんてなかったはずです。リボンちゃんが多分どこからか持ってきた(?)一脚のイスを覗いて。
リボンちゃんを見ると、さすがにトランペットをやめてしずかくんのほうを見ていました。その足元にはーーーー。

あれ??

「いや知らないっすよ。俺イスなんて。。。」
リボンちゃんの足元に、さっきあったはずの椅子がありません。
まあということは、誰かしらがいたずらでもしたのでしょう。

だれかがリボンちゃんの足元にあったイスを、しずかくんの足元まで移動させて軽く椅子で小突いた。

それが真相でしょう。


私は笑って、もう一人の同級生(彼女はポニーテールなのでポニテちゃんとします)に、
「ポニテちゃんが犯人でしょ。1年生いじめないでよw」
と彼女の仕業だと決めつけてかかりました。

理由は簡単です、たんに彼女はそういう子なんです。



452:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:48:22.68ID:nxhk2J5O0
ちょっとお茶目でよくいたずらをする子。
もう一人の後輩もしずかくんと同じでおとなしい子ですし、リボンちゃんのトランペットの音はしずかくんの悲鳴が聞こえる直前まで鳴っていました(リボンちゃんは部内でも2、3番目に上手い子なので音の識別が簡単です)から、ポニテちゃんでほぼ確定だと思いました。

しかしポニテちゃんはとぼけた顔で、
「あたしずっと譜読み(目だけで楽譜を読むことです)してたけど」
と。
「またまた?」
と返しつつ教室の後ろに戻り、しずかくんの足元のイスをリボンちゃんのところに戻そうとしました。



するとリボンちゃんも不思議な顔で、
「なんであたし?」
と聞いてきます。
いやリボンちゃんがこれ持ってきたんじゃないの?と聞くと、
「知らないよ。てかこの教室椅子あったっけ」
それ、私がさっき抱いたのと同じ疑問。。。

「あたしもそれ思った」
ポニテちゃんも乗ってきます。


みんなで少し頭を抱えました。
といってもまあ、あるものはあるんですから、そこまで深く考える必要はありません。
教室に椅子、別に不自然なアイテムでもないですし。

気づかなかった、ただそれだけのことでしょう。


移動した件については、ポニテちゃんは否定しましたが、まあおそらく彼女のいたずらです。

それに練習時間も残り半分を過ぎていましたので、私は手を叩いて、練習に戻ろう?とみんなに声をかけました。
準備室にパーっと明るいトランペットの音色が響きます。
チラッと窓の外をみると空はほんのり夕焼けで赤くなっていました。

それから20分も経っていないと思います。
私の視界は譜面台の上の楽譜で埋まっていましたから、それには本当に驚きました。
突然目の前から楽譜が消えて、準備室の景色に変わったのです。

最初は譜面台が倒れたのかと思いました。しかし譜面台はさっきよりずっと背を低くして私の前に立っていました。



454:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)07:57:23.91ID:nxhk2J5O0
譜面台を使ったことのない方にはイメージしにくいかと思うのですが、譜面台はネジを緩めて上下にスライドさせることにより高さが調整できるようになっているのです。

学校の備品の譜面台なんて大抵使い込まれたもので、ネジがイかれて固定出来なくなっているものも多いので、
「これもか。。。」
と顔をしかめつつネジ部を確認します。
しかし譜面台のネジは固くしまっていました。
不思議に思いつつネジを緩め、元の高さに戻そうとすると、真っ黒なはずの譜面台の足がまっすぐに白く剥げています。

それはネジ部に触れる場所でした。触れると指に黒い塗料の粉が付き、その様子はまるで…。

窓際から視線を感じそちらを見やると、リボンちゃんが真っ直ぐにこちらを見ています。
正確には私の譜面台の、すこし横あたりを、じっと。

リボンちゃんが練習中にぼーっとすることなど珍しいですから、今の出来事と重ねざるを得ません。
私は譜面台をいじっていましたので、ごめんうるさかった?とリボンちゃんへの謝罪を言い切る前に、彼女が早口で言いました。
「この教室キモい」
いつになく、低い声で。

それは私も感じていることでした。この譜面台の足にできた傷。。。これは多分。。。。。

「全体練習まであと20分くらいでしょ、いいじゃん音楽室戻ろ。三年いないし人少ないし、ちょっとくらい早く戻ってもいいでしょ」
リボンちゃんは本気で嫌がっているようでした。
普段黙々と練習するリボンちゃんに言われては、同意するしかありません。



456:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:08:14.84ID:nxhk2J5O0
他の3人も、、異変を感じて練習をやめていたので、みんなで音楽室へ戻ることにしました。
リボンちゃんは、そそくさと自分の持ち物をまとめると、速足で一番に準備室を出て行きました。

それを追って私も出ます。

慣例で使った教室の、、、?後片付けをすることになっている一年と、多分状況を分かっておらずゆったりしてるポニテちゃんを残して。


音楽室までの廊下、スタスタと歩いて行ってしまうリボンちゃんに走って追いついた私はすぐに切り出しました。


「あの準備室なんだろうね」

「知らない」



457:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:09:05.34ID:nxhk2J5O0
リボンちゃんは普段から素っ気ない子です。可愛いんですけどね。

「私の譜面台さ、」



「見た。ナンカが押さえ付けてた」



458:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:09:33.43ID:nxhk2J5O0
一瞬で鳥肌が立ちました。
リボンちゃんは淡々とした口調で続けます。

「はっきりは見えなかったけど。黒い影みたいなのが」

音楽室の目の前まで来て、リボンちゃんは立ち止まります。それに習って私も止まります。体が震えていました。
何も言えない私にリボンちゃんは冷静に続けます。



459:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:10:05.68ID:nxhk2J5O0
「そいつがその譜面台の上に体乗り出すみたいにして押さえつけてた。ノン(私のあだ名です)は気づいてなかったみたいだけど、結構長い間。多分五分とか」

たたんで左脇に抱えていたその譜面台が気持ち悪くて、大きくゾワっと身震いしました。

そうです。あの譜面台の足にできた傷は、傷は、

「だからその重さに耐えれなくなって、それ、縮んだんだと思う」

無理矢理力をかけてネジを緩めずにスライドしようとしたときにできた傷。



460:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:12:49.46ID:nxhk2J5O0
「その黒いやつは」



私がなんとか絞り出した疑問にリボンちゃんは初めて言葉を詰まらせます。



462:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:19:14.09ID:nxhk2J5O0
「明日からは元の教室使おう」

「ちょっと置いてかないでよ!」



463:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:19:55.71ID:nxhk2J5O0
何故それには答えないのか。何故何故何故何故何故なのか。まだそいつはいたのか。どこにいたのか。軽くパニックになりそうな私を、ポニテちゃんの明るい声が呼び戻します。

ポニテちゃんはやはり事の顛末が分かっていないようで、深刻な顔で立ち止まる私たち二人を呑気な顔で見ています。



464:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:20:10.87ID:nxhk2J5O0
話した方がいいのか、という意味を込めてリボンちゃんの目をじっと見ると、リボンちゃんはあっさりと
「立ちっぱなし疲れただけ、次からはいつものトコだね」
となんでもないような顔で言い、そのまま音楽室に入って行ってしまいました。



「椅子くらい余ってるの持ってきておいとけばー?」
とポニテちゃんはリボンちゃんに続いて行きます。

置いていかれたくなくて、私も急いで二人の後を追います。
音楽室から聞こえるパーカッションの練習の音だけが救いでした。

音楽室に入って一番最初にしたことは、もちろん譜面台を別のものと変えることです。。。



465:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:20:17.69ID:nxhk2J5O0
それからすこしして、徐々に音楽室に他のパートの子達が戻り始めます。
が、一向にトランペットの一年生が戻ってきません。
他のパートよりもずっと早く練習を切り上げたし、教室の片付けといっても窓閉め確認や忘れ物チェック程度のことです。

こんなに遅くなるわけがないし、部活中に何か違うことをし始める不真面目なふたりでもないので、さっきのことも重なり、私は心配で仕方なくなってきます。



466:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:20:32.51ID:nxhk2J5O0
リボンちゃんは他の楽器の子と合わせ練習をしていたので、隣にいたポニテちゃんに
「一年遅くない?」
と話しかけます。
ポニテちゃんは音楽室をさっと見回すと、
「たしかに。私見てくるよ!トイレ行くついでに」

正直、助かったと思いました。だれかと一緒に数学準備室へ一年を迎えに行くことを覚悟していましたが、彼女一人で行ってくれるならそうして欲しいのです。
もうしばらくあの教室には入りたくありません。。。


彼女一人に行かせることに罪悪感もありましたが、ポニテちゃんはどうやら何も感じていないようですし、きっと大丈夫でしょう。

「ごめん。お願いね」


ポニテちゃんは小走りで音楽室を出て行きました。

ホッとした私でしたが、それから数分もたたないうちに音楽室の内線電話が鳴りました。

新顧問は隣の音楽準備室で使っていない楽器のクリーニングをしていましたので、副パートリーダーの私が電話に出ました。


電話の向こうでは、誰かが話しているような声が聞こえます。
でもなんだか遠くて、ノイズも入っているし、音楽室内ではいろんな楽器の音が響いているしでよく聞こえません。
「もしもし?」
呼びかけると一瞬だけポニテちゃんの声がはっきり聞こえました。
多分数学準備室で何かあって、音楽室にかけてきたんだろうと思いました。

とにかくよく聞こえないので、
「行くからまってて」
とだけいって電話を切ると、リボンちゃんを呼んでポニテちゃんから電話があったことを話しました。



467:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:20:49.91ID:nxhk2J5O0>>488
「電話って…」
リボンちゃんはすこし不可解な顔をしていましたが、このときその理由は私にはわかりませんでした。

数学準備室になんて行きたくないけれど、副パートリーダーとして行かないわけに行きません。
しかし流石に怖いし、電話があったということは緊急事態かもしれませんから、新顧問に言って一緒に行ってもらうことにしました。

「電話かかってきてました?」
新顧問にも電話について突っ込まれましたが、今はそんなこと重要じゃありません。

急いで数学準備室に行くと、教室後方に備え付けのロッカーの前で、3人が固まっていました。

ポニテちゃんは息を切らした私たちと新顧問を見て、
「今呼びに行こうと思ってた」
と言いました。

「え、でもさっきポニテちゃんが電話‥」
言いかけるとリボンちゃんが私の制服の端を引っ張ります。促されて視線をやった先は、教室備え付きの電話機・・・が、そこに掛かっていたであろう、壁の白い跡。。。。。。

この使われていない教室からは、電話はとっくに取り外されていたのです。

じゃあ、さっきの電話はーーー。

しまった、と思いました。私は呼ばれたんだ。呼び込まれたんだ。まんまと、ここに、なにものかによって。



468:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:21:29.25ID:nxhk2J5O0
だからだ。だから電話がかかってきた時、電話に一番近いフルートの二年生がだれも反応しなかったんだ。フルートの二年生は5人もいるのに。
だからだ。だから電話中だれも練習をやめなかったんだ。普段なら電話が掛かってくればみんな音を出すのをやめるはずなのに。

あの電話の音は、私にしか聞こえていなかった。
多分、きっとーーー。

腰が抜けそうになりました。新顧問が動けない私とリボンちゃんの間を縫って、3人の覗くロッカーに近寄ります。
「何かありましたか?」

ロッカーを覗いた瞬間、新顧問がピタッと静止します。何があるのか、気にはなるけど見たくありません。
それに、きっと何かが、今も、この教室の中に。。。。。。

リボンちゃんもロッカーに近寄ります。3人と新顧問を押しのけてロッカーの中を確認すると、たじろぐ様子もなくバタンとロッカーを閉めました。
その音で硬直がとけた私は、
「何があったの?」
と恐る恐る聞きました。


リボンちゃんは
「とりあえず音楽室戻ろう。もう全体練習の時間」
とだけ言うと、また一人スタスタと教室を出て行きました。

すこしの気味の悪い沈黙の後、新顧問が
「他の先生に聞いておきます。あまり話を広めないようにして下さい」
と言いました。
普段明るいポニテちゃんが、びっくりするほど元気のない返事をしたのを聞いて、ロッカーの中にはとんでもないものがあったのだろうと推測しました。



469:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:21:47.33ID:nxhk2J5O0
私はそれ以上何も聞けませんでした。

新顧問と音楽室に戻ると、リボンちゃんがいつものすまし顔で楽器を吹いていました。

おかしな体験をした私たちトランペットパートとロッカーの中身を見た新顧問以外は当然、変わった様子もなく普段どおりです。
全体練習が始まり、楽譜と指揮に追われているうちにだんだんと平常心が戻ってきました。

部活が終わる頃には大きくなりっぱなしだった鼓動も落ち着いていました。

帰るまでにさっきの面子と話はしましたが、数学準備室でのことには誰も触れようとはしませんでした。
当然次の日からはいつも通りパート練習に二階の一年生の教室を使いました。あの傷のついた譜面台も、譜面台置き場の故障しているものが集まって置いてある端の方に移動させておきました。

2日後には修学旅行を終えた三年が部活に帰ってきて、とても安心したのを覚えています。

またそれから一週間くらいたった日。
部活終わりにリボンちゃんに引っ張られ、2年の教室に連れていかれました。
「来て」
と言ったっきり無言で歩き始めた彼女を見て、私は彼女の話の中身をだいたい察していました。

彼女はいつも通りの淡々とした口調で話し始めました。

「最近ずっと三浦先生のとこに通ってた」

リボンちゃんとは同じクラスですが、そういえば彼女は最近休み時間のたびにどこかへ行っていました。
普段席で本を読むか、私のところにおしゃべりしにくるので、何をしているのか気になってはいました。



470:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:22:20.61ID:nxhk2J5O0
「あの後すぐ三浦先生に聞いたの。準備室のこと。三浦先生が知ってるのかはわかんなかったけど、翌日すぐ数学の授業あったしちょうどいいから」

「三浦先生は何も教えてくれなかったけど、反応が普通じゃなかった。だからなんか知ってると思った」



リボンちゃんの意外な行動力にすこし感心しました。



471:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:22:34.12ID:nxhk2J5O0
「とりあえず毎日行った。どうしても知りたくて。あのロッカーに貼ってあったお札の意味を知りたくて」



ロッカーの中を私はここで初めて知りました。
後日聞く勇気はなかったものの、あれじゃないかこれじゃないかと巡らせた予想の多分一番か二番目には出ていたものです。

「今日やっと、三浦先生が折れてくれた。ポニテ連れてったら、割とあっさり」

ポニテちゃんまで。なんだか私一人置いて行かれたような気持ちでした。

「ポニテちゃんは成績いいから。。」
見た目によらず学年トップ10に常に入っている優等生の彼女にまで真剣に迫られては、三浦先生も困ったことでしょう。

リ「6年前まであの教室、普通に2年5組だったんだって」

リ「でも使えなくなったから、元々の1組の隣にあった生徒指導室を改装してそこを1組にして全部ずらしたんだって」

私「使えなくなった?」

リ「そ、あたしが見たあの黒いのは、6年前の生徒たちが呼んじゃったモノ」

リ「コックリさんみたいなのをやったらしい。呼んだら帰ってもらわなきゃいけないのに、帰らせ方わかんなくて、あそこに住み着いちゃったんだって」



472:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:23:02.76ID:nxhk2J5O0
私「そんな話・・・」

リ「信じられないよね、普通なら。こんなありがちな話。でもあたしは信じるよ。見たから」

リボンちゃんの目には迷いがなくて、脅かされている風でもなくて、その黒いナニカも、ロッカーの中身も見ていないのに、一人怯えていた自分が小さく思えました。



473:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:23:16.41ID:nxhk2J5O0
リ「その後あの教室で私たちが見たような変なことが続いて問題になって、教室はいっとき立ち入り禁止になったらしいのね」



リ「だけど立ち入り禁止ーなんて大々的にしちゃったら逆に何があるんだって何とかして入ろうとするバカが出るわけじゃん」



474:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:23:34.59ID:nxhk2J5O0
リ「だからその時の先生たちみんなで相談して、一番恐れられてて、当時まだ転任して来たばかりだった三浦先生の準備室になったんだって」



リ「先生って絶対何年かいたら転任させられるから、新しい先生じゃないといけなかったみたい。変にいわくあります感出して立ち入り禁止にするより、開放しておく方が誰も気にしないし」



475:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:23:58.07ID:nxhk2J5O0
リ「って考えると、三浦先生って玄関先にある魔除けの仮面に顔似てるよねw」


三浦先生の怒り顔を思い出して、私も少し笑いました。


リボンちゃんはすぐ真面目な表現に戻り、それでね、と話を続けます。



476:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:25:15.59ID:nxhk2J5O0
リ「しずかくんたちにお願いしようと思ってるの。私たちが卒業した後も、あの教室に誰も入らないように」



私「三浦先生の準備室である限りは大丈夫じゃない?」


リ「先生来年で7年目だから。なんか7年以上おんなじ学校にいると高確率で転任させられるんだって」



477:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:25:21.58ID:nxhk2J5O0
私「そっか。また怖い先生が代わりに入ってくるといいけど。。」

リ「それ、生徒の私たちが願うのおかしいけどねw」

話し終えたリボンちゃんはすこしスッキリした表情に思えました。

その後ポニテちゃんを加えた私たちは、後輩のふたりに話をし、この話をむやみに広めないこととを誓い合いました。
そしてあの数学準備室に誰かが興味を持ったら、何かしらの方法であそこに長居するのを防ぐよう動くことも決めました。

どうやってあの教室に興味を持つ生徒を察知するのか、何をしてその行動を止めるのか、わからないことだらけですが決意だけはありました。

その後、運良く?転任を逃れた三浦先生の鉄壁の守りのおかげか、数学準備室で何か起こるということもなく、私たちは卒業しました。

卒業後、ポニテちゃんとリボンちゃんとは別々の高校に進みましたが、リボンちゃんからは年に2度ほど連絡が絶えずありました。

今年、20歳の誕生日を迎えた私にリボンちゃんからそっちに行くから久々に会おうよと連絡がありました。



478:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:25:52.05ID:nxhk2J5O0
リボンちゃんは地元を離れて関西の大学に通っており、千葉まで来るとなると大変です。
夏休み中か成人式の時でいいのに、と言いましたが、どうしてもお祝いしたいと言ってくれたので、彼女に甘えてささやかな誕生日パーティーを開いてもらいました。

学校のこと、将来のこと、うざいバイト先の先輩のこと、恋愛のこと。
リボンちゃんは私の家に泊まる予定だったのですが遅くまで色々話しているうちに楽しい時間は過ぎて、私はいつのまにか寝てしまっていたようでした。
起きると昼の15時を回っていて、リボンちゃんの荷物はありませんでした。


彼女は今日の夜バイトがあると言っていましたから、帰らざるを得なかったのでしょう。
あー見送れなかった。。とすこし落胆しながら、お詫びのラインでもしようかと携帯を開きました。
するとリボンちゃんからラインが入っていました。

“ノン、誕生日おめでとう。昨日今日は本当に楽しかった。

中略

あたし一個言ってないことあった。昔中学校の時、数学準備室で変なことあったでしょ。あたし黒い影見たってノンに言った。

あの影ちょっとの間ノンにずっと着いてた。

すぐいなくなったけど。で黒い影について三浦先生に聞いた。でもそういう話は今までなかったって言うんだよね。

見たって言う他の生徒たちの話では体高の低いナニカだっていうし、コックリさんで呼んじゃったくらいだから狐みたいな動物霊だと先生は思ってたって。



479:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:26:10.11ID:nxhk2J5O0
ちょっと調べたり考えたりしたんだけど、動物霊が電話なんて使う?多分使わないよね。

だからあたしのみたアレは、別の何かかもしれない。言った方がいいのかすごい迷ったんだけど、下手に言って怖がらせてもかわいそうだから。。

でもノンに何かあったらあの時言わなかったあたしの責任かもしれないって思ったから、ノンのことはいつでも気にかけてた。

ノンが20歳の誕生日、無事に迎えられて良かった。大切な日にこんな気持ち悪いこと言ってごめん。

でもあたしはもう遠いし、ノンに何かあってもすぐに行ってあげられない。
だからこれからノンに何かあってもすぐ自分で対処法を考えられるように言わなきゃと思ったの。

なんかまとまらないけど、夏休みもそっち帰るから、また遊ぼうね。”



480:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:26:49.52ID:nxhk2J5O0
どうしてでしょう。
私はまだ彼女が何かを隠している気がしてなりません。

結局事実はラインで言うのに、私の誕生日、翌日バイトがあるにもかかわらず明け方の夜行バスで10時間近くかけてやってきた彼女がそうまでして見たかったのは本当に久々に会う友達の顔だけだったのでしょうか?
それとも言えなかっただけで、本当は直接言おうとしていたのでしょうか。

私が考えすぎなだけならいいのですが。
ラインでは当たり障りのない返事をしました。
この夏休み、お盆に彼女は帰省します。私はきっと聞くでしょう。


その黒い影は、本当に今はもう、見えていないのかと。



455:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:06:29.74ID:LBy+3uOiO
三行にまとめて



481:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:27:38.07ID:nxhk2J5O0
>>455
使われていない教室に
現れた黒い影
今も私についてきている可能性



482:本当にあった怖い名無し 2018/08/06(月)08:31:55.06ID:oazemYJP0
怖かったというより読み物として面白かった



引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?351
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1529557486/446-482




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ワイがバッバから聞いた昭和10年ごろの不思議な昔話するで

2018.11.14 (Wed) Category : ミステリー・不思議な話

1:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:26:23ID:stI(主)
途中で書き込めへんくなったら吸収されたと思ってクレメンス
スマホ変えたらレベルがリセットされたんや



2:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:29:41ID:stI(主)
一つ目
バッバの住んどった地域では夏と秋の二回ほど祭りをやる
特に米の収穫時期になると町内をあげて祭りをするんやけど、世話役さん?(年齢が中学高学年くらい)は祭りが終わると神社に残されるらしい



3:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:30:46ID:stI(主)
女は立ち入り厳禁で、バッバは神社で何をしてるのか気になって数人の友達と見に行ったら



5:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:31:49ID:stI(主)
神主の娘さんの巫女さんと世話役さんがセクロスしてた
たぶん、筆下ろしの話

途中送信してしもうた
すまへん



6:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:34:39ID:stI(主)
二つ目
バッバの地域では夏祭りや秋祭りとは別に、恒例行事があったらしい
川を挟んだ町の子供と川辺の石を投げあって戦ごっこをする
ほんで打ち取られた子供(石をぶつけられて怪我をした子供)が多く出た方の町は不作になると言われとった

こんな大怪我になりそうなことをホンマにしとったのか不思議



9:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:39:48ID:stI(主)
三つ目
川を挟んだ隣町に金持ちの家があって、その家が蔵を改築することになった
田舎で物珍しいことがなかったバッバは友達数人と解体現場をよく見に行っとったらしい

そしたら髪から肌から真っ白な子供がおって一緒に遊んだらしい
でも、蔵が出来上がってからはその子を見んくなった言うとった



10:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:39:54ID:stI(主)
たぶん、座敷牢とアルビノの子供の話
昔は障害がある子供が生まれたら生まれてすぐに○すか、金持ちは座敷牢を作って軟禁しとったらしい



11:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:42:42ID:stI(主)
四つ目
バッバの家は、父親と後妻さん長男次男三男四男、一番下で唯一女のバッバの7人家族だったらしい
長男は兄弟を食わせるのによく働いて山を何個か買った
ほんで、山を綺麗に?するのに度々山に一人で入っていっては食いもんを持って帰ってきた



15:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:46:16ID:stI(主)
そのうち、働きすぎか何かで肺炎になって咳き込むことが多くなり、別の部屋に隔離されるようになった
そんな病状なのに、長男は抜け出して山へ行き、バッバに山のご馳走(たぶんアケビや甘柿)を持って帰ってくれたらしい

ただ、死ぬちょっと前からに山の方へふらふらっと行っては、
「そろそろ結婚するんだ」
とか
「嫁さんを紹介しちゃる」
って言うようになった



16:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:47:30ID:stI(主)
そんであっけなく死んだ

バッバが言うには山の女神さまに取り入られたかららしい



17:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:52:12ID:stI(主)
五つ目
時代がちょっと経つけど、広島に原爆が投下された3日後の話

バッバの住んどる田舎にも広島が消えたという噂が入ってきた頃、橋の下や納屋の裏に化け物がおると町中の噂になった
せやけど、大人たちがいつのまにかそういう人らを焼いて処分して騒ぐのを禁止したらしい



18:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:52:50ID:stI(主)
今なら歩いて移動してきた被害者のことやと分かるもんやけどな

バッバは
「子供とはいえ、化け物呼ばわりして騒いどったのはいけんかった」
と反省気味



19:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)14:53:19ID:stI(主)
ちょっとお客さんが来たから対応してくるンゴ
すまへん



21:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:05:44ID:stI(主)
遅くなってすまへん
ジッジの妹さんが亡くなったからお客さんが多くてな

六つ目
バッバが小さい頃、特に仲の良かった女の子がおったらしい
その女の子は物凄く可愛くて器量良しやった
せやけど、その子が10歳くらいになったころ、突然神隠しにあったらしい



22:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:10:00ID:stI(主)
大人たちは神隠しにあったと騒いで、バッバたちにもしばらくの間は夕暮れ以降の外出禁止令が出された
せやけど、バッバと四男はこっそり抜け出して近所の世話役さん(年上のお兄さんのこと)と3人で遊びまわっとった



23:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:10:58ID:stI(主)
バッバが
「○○ちゃんと遊びたいな」
って言うたら、
「○○ちゃんはもうダメかも知れん、もう話すな」
と世話役さんから聞いた

その時は
「ああ神さまに連れていかれたんだ」
と思ったらしい

おそらく、女児誘拐を神隠しにあったと言ってごまかしとるんやと思う



24:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:14:10ID:stI(主)
七つ目
バッバの住んどる地域の神社の鳥居を新しくすることになって、軍のお偉いさんからお金が寄進されることになった
町の人らは軍人さんをもてなすのにバッバの家に軍人さんを招いて酒盛りをした
酒盛りの席の上座に、剣?と榊と米が置かれとって、
「自分らは何を祀ってるんだろう」
と不思議に思ったらしい

たぶん御神体?の話



26:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:15:12ID:stI(主)
これ見とる人おるんやろうか
エロい話は多いんやけどそっちの方がええやろか



27:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:18:17ID:d6h
>>26
どっちも語れ



28:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:19:33ID:stI(主)
八つ目
淡々としとる話ばっかやからエロい話にする
若い世話役さんは自分で稼ぐような年齢になったら、神社の神主に連れられて集団で都市部の方へ行くイベントが収穫終わりの時期にあった
時々、モテないブ男がとんでもない美人さんを嫁に連れて帰ることがあったらしい

たぶん、遊郭とか見受けの話



29:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:24:55ID:stI(主)
九つ目
バッバの女友達が13か14になった頃、世話役さんの1人と恋愛してあっちでパコパコそっちでパコパコしとった
すぐに噂になって世話役さんの家が村八分になりかけたんやけど、世話役さんが家でしたことで事なきを得た



30:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:27:21ID:stI(主)
せやけど、しばらくしてその女友達が妊娠しとるのが分かった
すぐにその世話役の子供やと噂になったやが、そうでもないのが分かった
女友達は折檻されていろいろ聞かれたんやけど、どうやら誰の子供か分からへんらしい

結局子供を下ろしてお終い
思春期の子供はエッチやなってだけの話



31:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:28:11ID:stI(主)
たぶんやけど、バッバの話を聞く限り、昔はかなり性に対しておおらかだったんやと思うわ
バレたらあかん言うだけで



32:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:28:45ID:ads
こういう今思うとそういうことかみたいな不思議な話は好きやで



33:■忍法帖【Lv=1,デスストーカー,h8S】:2018/10/31(水)15:30:37ID:stI(主)
>>32
サンガツ
バッバは山の神さまの話だけは「山の神さまの仕業」と信じとるけど、ワイは、長男だけ前妻の子供だったから長男が疎ましくて後妻さんがキチガイ扱いしたんやと思っとるわ



34:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:33:49ID:stI(主)
十つ目
秋祭りの際は盆踊りではないんやけど、みんなで踊る風習があった
その場で結ばれたカップルには神様の祝福があるからお見合いや親が決めた結婚より優先させても良かったらしい



36:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:37:02ID:d6h
>>34
公開せっくすか



39:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:38:27ID:stI(主)
>>36
たぶんそうやと思う
拝殿か祭殿でセクロスしたら結婚OK的な



35:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:37:02ID:81O
イッチ今いくつや?



39:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:38:27ID:stI(主)
>>35
ワイは今24やで



37:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:37:33ID:stI(主)
十一つ目
時代がしばらく流れるけど、戦後すぐの頃の話
女学校を卒業したバッバは働くのが面倒で専門学校に通い始めた
専門学校は都市部にあったから、毎日兄たちからお小遣いをもらって汽車に乗って学校へ行ったりサボって活劇?を見に行っとった



38:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:38:17ID:4NA
孫によくもまあ性が絡んだ話できるな
ワイにとってはそういう老婆の存在が不思議や



41:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:39:19ID:stI(主)
>>38
ワイのバッバもマッマも破天荒やねん
若い頃の話聞いたら頭おかしい人やと思う



40:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:38:47ID:stI(主)
都市部ではジーパンが流行っとって、バッバは一目惚れしてジーパンを衝動買いして、そのまま履いて帰ったらしい
そしたら、兄や近所の人らが烈火のごとく怒って
「二度とはしたない格好をするな」
と言われたらしい

今の感覚からすれば訳分からん話



42:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:40:13ID:IQQ
ジーパンはアメリカの労働者の格好だからでしょ



44:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:42:11ID:stI(主)
>>42
なるほどなぁ



43:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:42:02ID:stI(主)
十二つ目
また戦後すぐの話
バッバの兄たちは一番下の年が離れた妹を物凄く可愛がっとった
せやから、バッバがねだればすぐに小遣いをやった

そのうちバッバは活劇をみたり自転車に乗る?のは飽きて、大阪まで行ってやろうと企てるようになった
せやけど、当時の大阪は治安が悪いから近づくなと言われとった



46:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:43:28ID:stI(主)
ほんでバッバは神戸へ行ってビーフシチューを食べて帰ったらしい
美味かったらしいけど、ワイは畜生やと思う
兄たちに働かせておいて



47:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:44:34ID:d6h
ハイカラなバッバええなあ



50:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:46:10ID:stI(主)
十三つ目
ワイのバッバはジッジとお見合い結婚しとる
その時、今で言う婚約をしとるんやけど
「確かに娘さんをもらい受けます」
という口約束だけやと、言った言わないになる

せやから、
「確かに婚約した」
って証拠に真っ白な扇子を婿さんから嫁さん(仮)に送る慣習があったらしい



51:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:47:56ID:stI(主)
ちなみに、昭和26年に婚約しとるんやけど、結納金?としてかジッジの兄は、バッバの兄らに当時のお金で200万を出しとる
当時の貨幣価値は分からんけどとんでもない額やと思う



53:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:48:58ID:d6h
今ほど孕むことへの恐怖ないんかな



54:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:49:40ID:stI(主)
>>53
孕んだらホオズキの実のお茶を飲ませまくるらしいで



55:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:49:55ID:stI(主)
目の前にバッバおるから聞いてみるわ



56:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:50:17ID:IQQ




57:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:50:49ID:stI(主)
「知らんわ。その子らがやりたい放題やってただけや。知らんけど」
らしい



59:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:51:53ID:stI(主)
嫁や婿を取る町はだいたい決まってたらしい



60:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:53:42ID:stI(主)
まとめるとやけど、血が濃くなるから、あんまり近い者同士で結婚せえへんかったらしい
嫁や婿を取る町が決まっとるのは、吉川?と毛利が戦をした時に敵対しとった町からは迎えなかった決まりがあったらしい



61:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:55:15ID:stI(主)
バッバ口悪いから話はおもろいんやけど、ワイが文章にすると抑揚なくて面白くないなぁ



62:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:57:48ID:d6h
おもしろいで
ほおづき飲むんか~
今でもできそうやな



63:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:58:09ID:stI(主)
十四つ目
三男は賢くて新京?にある大学へ行くことになった
医者が町から出るということで町ぐるみで盛大に送り出した
普段見ない人らまで家に来て迷惑やったらしい

今も昔もあんま変わらへんな



64:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:58:42ID:stI(主)
マッマ帰ってきたンゴ
すまへん
たくさんあるんやけど、ほなまた



65:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:59:23ID:d6h
おつやでー



66:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)15:59:55ID:stI(主)
付き合ってくれてサンガツ
バッバとマッマの話は時代もあって、面白いんやけどまた気が向いたら聞くンゴよ



67:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:00:39ID:sZc
広島なんやな



68:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:01:06ID:stI(主)
>>67
島根やで



69:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:01:16ID:IQQ
新京は東京やろう
旧京→京都で



70:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:01:43ID:stI(主)
>>69
はえーサンガツ
知らんかったわ



71:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:02:48ID:stI(主)
すまへん
マッマはまた外出したからまた勝手に書くンゴ



72:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:03:32ID:d6h
>>71
やったぜ!



73:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:04:10ID:z93
お前のババア何歳だよ



75:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:05:13ID:stI(主)
>>73
もうええ歳やで



77:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:05:25ID:z93
>>75
いくつよ



78:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:06:24ID:stI(主)
>>77
昭和5年生まれやから88やったはず



74:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:04:52ID:stI(主)
十五つ目
バッバは実年齢80後半やけど、よくよく見ても60代にみえるくらい若ぶり
というか、昔のアルバム見ても今とそんなに変わってへん
色白美人なんやけど、バッバに限らずワイ家の人間は色が白い奴が多い



80:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:08:55ID:stI(主)
バッバの住んどる地域には、白鬼が降りてきて村人と仲良くなって一緒に住むようになって村人と結婚した話がある
白鬼は龍神さまだったり、白蛇の化身だったり、龍神さまの娘だったり割と適当なんやけど、バッバの生まれた地域に色白の人が多いのは何か影響しとるんやないかと思う



79:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:07:20ID:z93
昭和10年のバッバって5歳やけどそんな鮮明におぼえてんの?



81:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:09:56ID:stI(主)
>>79
あんま覚えてへんやろなぁ
昭和10年前後のことやから8〜12.3歳前後の頃のことやし、9割ウソやと思うわ



83:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:11:55ID:stI(主)
質問ないと思うけどあったらひまやし答えるで
バッバ目の前でテレビ見とるし



84:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:16:54ID:d6h
部落の子について



85:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:18:03ID:stI(主)
>>84
これ系の話ほんまに多いねん
ワイが聞いた話の8割は部落の話
部落の区別の仕方とか、
「○○の人らと付き合うな」
とか



86:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:20:48ID:d6h
>>85
田舎は結構多いよな
区別の仕方なんてあるんか



87:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:23:52ID:stI(主)
>>86
土地の高低差と地名、家の作りで見分けるんや



88:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:24:47ID:d6h
>>87
はえ~勉強になる



89:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:25:38ID:stI(主)
>>88
日当たりや家と田んぼの位置でも分かるらしいで
まぁ話半分に聞いとるけど



76:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:05:13ID:OCn
いい加減にしろ



78:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:06:24ID:stI(主)
>>76
すまんな
ひまやねん



82:名無しさん@おーぷん:2018/10/31(水)16:11:23ID:stI(主)
ほなやっぱり辞めとくわ
すまへんかった
付き合ってくれた人サンガツやで



引用元:ワイがバッバから聞いた昭和10年ごろの不思議な昔話するで
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1540963583/




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デジャヴュ:フランス語(或いはデジャブ、デジャヴ:英語)

2018.11.14 (Wed) Category : ミステリー・不思議な話

405:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)22:35:43ID:tEfcR1bv0
そういえば年に何度かデジャブっていうの?
「これ前にも体験したような気がする」
ことがあるんだけど、ここ数年、
「これ前にもあったぞ、って思ったことあるぞ」
っていうデジャブのデジャブみたいなのが増えてきてる。

次に何が起こるのか、相手が何を言うのか、自分が何をするのかが10秒先くらいまで全部わかることがある。
一度、
「このあと物が落ちてしまう」
ていうデジャブがあったとき、それが落ちる前に先回りして受け止める準備したら周りの人に変な顔された。



406:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)22:41:47ID:WIbI6IMU0
受け止められた?



407:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)22:56:16ID:tEfcR1bv0
>>406
うん、ばっちり。
ていうか慌てて取る準備したんじゃなくて、自然に何も無いところにその物を取りに先に手を伸ばして取ったっていう感じだったので、いま思い返せば確かにおかしい。



408:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)22:57:39ID:z60luuoWO
デジャブって何かを体験した後にその事を一瞬で忘れて
「あれ、前にも…」
っていう現象の事じゃなかったっけ?

つまり>>405のはデジャブじゃなくて予知、だな



409:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)23:17:50ID:b7qxb33F0
>>408
それはそういうメカニズムだと説明されてるだけじゃね



410:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)23:30:00ID:tEfcR1bv0
>>408
なにかをやった後にしか起きないわけか>デジャブ
言われて見れば昔のデジャブは
「いまの流れの出来事は一度あったような」
ってのばっかりだけど、最近の予知タイプwのほうだと、順に物事を追いながら起きるんだよなあ。
あ、なんかこれ覚えがあるぞ→これがこうなって→こうで→こうなるんだ って感じ。

1)わかってるのにその一連の流れから逃れられない場合
2)一度やったことをもう一度やり直してる感覚(復習してる?)の場合
3)上で書いたみたいに起きる事がわかってるから多少自分で好きに動ける場合

その間の感覚はこの3つのパターンかな。ほとんどは2番目だけど。



411:本当にあった怖い名無し:2007/12/21(金)23:33:34ID:nxXUSJanO
デジャブのデジャブ、俺もたまにある。
この場面見たことあるぞ、って何度も思ったことあるぞ。
何かループしてんのか?みたいな。
でも何を見たのか思い出そうとしてる間に、見たことある場面は終了してしまうが(笑)



引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~Part42
https://hobby10.5ch.net/test/read.cgi/occult/1194980636/405-411



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