世界の異常食料

　日本で異常な食材に関する都市伝説としては「ミミズバーガー」や「ラーメンスープに蛇の出汁」などが有名であるが、オランダでは同種の噂として、ホットドッグのソーセージには猿の肉が使われているという話が非常によく知られている。そのため、オランダでは都市伝説全般のことを指して、「猿のサンドイッチ」と呼ぶこともあるようだ。
　また、アメリカでは、フライドチキンの肉にネズミが使われているというフライドラットの噂が有名であるし、同じネズミの肉がドイツではハンバーガーの材料であるとされている。異常な食材に関する噂というのは、万国共通な都市伝説の基本なのかもしれない。

哲学館（現・東洋大学）

　哲学館（現・東洋大学）の創始者であり「妖怪博士」の異名で知られる仏教学者・井上円了（1858-1919）は、迷信がはびこる明治日本の状況を憂い、その撲滅に生涯を捧げた人物でもある。そんな円了であるから、哲学館の校舎を建てるときにも当然方角や風水などの迷信を徹底的に嫌い、あえて縁起が悪いといわれている鬼門に向けて校舎を構えさせた。鬼門などというものはただの迷信であると、自らの実践によって証明しようとしたわけだ。
　もっとも、この時に建てられた校舎は、建設からわずか七年後に火事で焼け落ちてしまったのだが。

哲学堂公園

　東京中野区にある哲学堂公園は、都内の有名心霊スポットの一つとして知られている。これは公園の目の前にある道路がバイク事故多発地帯であるためで、バイクで走っていると突然背中にしがみついてくる女の幽霊や、おなじみ首なしライダーの姿などがよく目撃されているらしい。また、以前にこの近くで一家心中を行った夫婦がいたらしく、この夫婦の幽霊の姿も公園の入り口である「哲理門」の側でよく目撃されている。他にも、公園内の「幽霊梅」の近くでは心霊写真がよく撮れるだとか、哲学堂を取り囲む樹木や藪の中から、女の泣き声が聞こえるなどといった噂もあるようだ。
　ところで、この哲学堂公園を造園したのは、明治時代の哲学者・井上円了である。円了といえば迷信がはびこる明治の世相を憂い、妖怪や幽霊の正体を科学的に解き明かすことで、その撲滅に生涯を捧げた人物。その円了の遺産ともいえる哲学堂公園が、幽霊や現代妖怪の住処となっているとは、なんとも皮肉なことである。