八五三

７歳で亡くなった娘の１回忌に行う八五三の儀式といものがあるという。

これは反魂法の一種。 
３歳、５歳、７歳の子供の身体を７分割して、それを組み合わせて一人分の身体を作り、それに死んだ子供の魂を呼ぶのだ。
ただ、それだけではなくてもう一つ、８番目の要素が必要らしいのだが、詳細は伝わっていない。
旧家等では現在でも行われている…という話もある。

鏡の中

ベッドや布団の左横に鏡を置く。 
そのまま眠ってしばらくして目を覚ます。 
誰も動かすこともなく、鏡が左側にあると鏡の中の世界に入り込んでしまっている。

海難事故

　仲間たちと海に遊びに行ったある若者が、泳いでいる最中に行方不明になってしまった。彼は泳ぎが上手く、とても溺れたとは思えない。ところが、翌朝になってから、地元の警察より身元不明の若者の水死体が見つかったという連絡が仲間たちの元へと届いた。仲間たちは不安な胸を抱え、病院へ身元の確認に行く。見るとその水死体は不自然なほどに長く、ベッドに乗り切らないためか床に置かれ、ビニールシートをかけられていた。
　若者たちは恐る恐るビニールシートをめくり、水死体の顔を確認する。
　…間違いない、行方不明になった彼らの仲間だ。
　顔を見合わせ、肩を落とす若者たち。だが、彼らの表情は、シートをめくり終えた瞬間に悲しみから恐怖へと変わった。水死した若者の脚に、白髪の老婆の死体がしがみついていたからだ。

　老婆が行方不明になったのは、数日前とされていることが多い。若者を引き込んだ老婆が、すでにこの世の存在ではなかったことを説明するためであろう。