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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.01.23 (Thu) Category : 

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―血 後編― <師匠シリーズ>

2013.02.24 (Sun) Category : 創作作品

前編はこちら【血 前編

795 名前: 血  後編 2006/08/28(月) 21:37:35 ID:9j0TgqFm0
はじまりはただの占いだったという。
女の子であれば、小学生や中学生のときにハマッた経験はあるだろう。
高校になっても占いに凝っている子となれば、占いの方法もマニアックなものになり、ちょっと傍目にはキモいと言われたりする。

京介さんもそのキモい子の1人で、タロットを主に使ったシンプルな占いを休み時間のたびにしていたそうだ。
やがて校内で一過性の占いブームが起きて、あちこちで占いグループが生まれた。
子どもの頃から占い好きだった京介さんはその知識も豊富で、多くの生徒に慕われるようになった。

タロットやトランプ占いから、ホロスコープやカバラなどを使う、凝ったグループも出てきはじめた。
その中で、黒魔術系と言っていいような陰湿なことをする集団が現れる。
そのボスが間崎京子という生徒だった。

京介さんと間崎京子はお互いに認め合い、また牽制しあった。仲が良かったとも言えるし、憎みあっていたとも言える、一言では表せない関係だったそうだ。
そんなある日、京介さんはあるクラスメートの手首に傷があるのに気がついた。



796 名前: 血  後編 2006/08/28(月) 21:38:22 ID:9j0TgqFm0
問いただすと、間崎京子に占ってもらうのに必要だったという。
間崎京子本人のところに飛んでいくと、
「血で占うのよ」
と涼しい顔でいうのだった。

指先や手首をカミソリなどで切って、紙の上に血をたらし、その模様の意味を読み解くのだそうだ。
そんなの占いとは認めない、と言ったが、取り巻きたちに
「あなたのは古いのよ」
とあしらわれた。

その後、手首や指先などに傷を残す生徒はいなくなったが、血液占いは続いているようだった。ようするに目立つところから血を採らなくなった、というだけのことだ。
これだけ占いが流行ると他の子とは違うことをしたいという自意識が生まれ、よりディープなものを求めた結果、それに応えてくれる間崎京子という重力源に次々と吸い込まれていくかのようだった。

学校内での間崎京子の存在感は、ある種のカルト教祖的でありその言動は畏怖の対象ですらあった。
「名前を出しただけで呪われる」
という噂は、単に彼女の地獄耳を怖れたものではなく、実際に彼女の周辺で不可解な事故が多発している事実からきていたそうだ。

血液占いのことを京介さんが把握してから数週間が経ったある日、休み時間中にクラスメートの一人が急に倒れた。
そばにいた京介さんが抱き起こすと、その子は
「大丈夫、大丈夫。ちょっと立ちくらみ」
と言って何事もなかったかのように立ち去ろうとする。
「大丈夫じゃないだろう」
と言う京介さんの手を、彼女は強い力で振り払った。
「放っておいてよ」
と言われても放っておけるものでもなかった。その子は間崎京子信者だったから。

(続きは『続きを読む』をクリック)


 









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―血 前編― <師匠シリーズ>

2013.02.16 (Sat) Category : 創作作品

428 血   前編 ウニ 2006/06/03(土) 12:12:03 ID:3rNkYIQb0
大学1回生のとき、オカルト道を突き進んでいた俺には師匠がいた。
ただの怖い物好きとは一線を画す、得体の知れない雰囲気を持った男だった。

その師匠とは別に、自分を別の世界に触れさせてくれる人がいた。
オカルト系のネット仲間で、オフでも会う仲の「京介」さんといいう女性だ。 
どちらも俺とは住む世界が違うように思える、凄い人だった。 

師匠のカノジョも同じネット仲間だったので、その彼女を通じて面識があるのかと思っていたが、京介さんは師匠を知らないという。 

俺はその二人を会わせたらどういう化学反応を起こすのか、見てみたかった。 
そこで、あるとき師匠に京介さんのことを話してみた。 
「会ってみませんか」
と。 

師匠は腕組みをしたまま唸ったあとで、 
「最近付き合いが悪いと思ってたら、浮気してたのか」 
そんな嫉妬されても困る。 
が、黒魔術に首をつっこむとろくなことがないよ、と諭された。 
ネットでは黒魔術系のフォーラムにいたのだった。 



429 血   前編 ウニ 2006/06/03(土) 12:12:36 ID:3rNkYIQb0
どんなことをしてるのか、と問われて、あんまり黒魔術っぽいことはしてませんが、と答えていると、あるエピソードに食いついてきた。 

京介さんの母校である地元の女子高に潜入したときの出来事だったが、その女子高の名前に反応したのだった。 
「待った、その女の名前は? 京子とか、ちひろとかいう名前じゃない?」 

そういえば京介というハンドルネームしか知らない。 
話を聞くと、師匠が大学に入ったばかりのころ、同じ市内にある女子高校で新聞沙汰になる猟奇的な事件があったそうだ。 
女子生徒が重度の貧血で救急車で搬送されたのであるが、
「同級生に血を吸われた」
と証言して、地元の新聞がそれに食いつき、ちょっとした騒ぎになった。 
その後、警察は自殺未遂と発表し、事件自体は尻切れのような形で沈静化した。
しかしそのあと、二人の女子生徒が密かに停学処分になっているという。 

「当時、僕ら地元のオカルトマニアにはこの事件はホットだった。○○高のヴァンパイアってね。たしか校内で流行ってた占いの秘密サークルがからんでて、停学になったのはそのリーダー格の二人。どっかで得た情報ではそんな名前だった」 

(続きは『続きを読む』をクリック)



 









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―顔― <師匠シリーズ>

2013.01.07 (Mon) Category : 創作作品

423 顔 ウニ New!2006/06/03(土) 12:07:12 ID:3rNkYIQb0
大学1回生の冬。
大学生になってからの1年弱、大学の先輩であり、オカルト道の師匠でもある人と様々な心霊スポットへ足を踏み入れた俺だったが、さすがに寒くなってくると出不精になってくる。

正月休みにめずらしく師匠が俺の下宿に遊びに来た。
とくにすることもないので、コタツにもぐりこんで俺はゲームボーイを、師匠はテレビをぼーっと見ていた。
ふと、師匠が
「あれ?」
と言うので顔を向けると、テレビにはダイバーによるどこかの海の海底探査の様子が映っていた。

「この石像って、あ、消えた」
すぐに画面が切り替わったが、一瞬だけ見えた。
地中海のエジプト沖で、海底にヘレニズム期の遺跡が発見されたと、アナウンサーが報じていた。
海底に沈んだ石造りの古代の建造物が、ダイバーの水中カメラに映し出されている。

その映像の中に、崩れた石柱の下敷きになっている石像の姿があったのだ。
なにかの神様だろうそれは、泥の舞う海の底で苦悶の表情としか思えない顔をしていた。



424 顔 ウニ New!2006/06/03(土) 12:07:58 ID:3rNkYIQb0
最初からそんな表情の石像だったとは思えない、不気味な迫力があった。
何ごともなく、番組は次のニュースへ移る。
「こんなことって、あるんですかね」
と言う俺に、師匠は難しい顔をして話しはじめた。

「廃仏毀釈って知ってる?」
師匠の専攻は仏教美術だ。日本で似たような例を知っているという。
江戸から明治に入り、神仏習合の時代から仏教にとっては受難といえる神道一党の時代へ変化した時があった。
多くの寺院が打ち壊され、仏具や仏像が焼かれ、また神社でも仏教色の強かったところでは、多くの仏像が収められていたが、それらもほとんどが処分された。

「中でも密教に対する弾圧は凄まじかった」
吉野の金峰山寺は破壊され、周辺の寺院も次々と襲われたが、その寺の一つで不思議なことがあったという。



426 顔 ウニ New!2006/06/03(土) 12:08:58 ID:3rNkYIQb0
僧侶が神官の一党に襲われ、不動明王など密教系の仏像はすべて寺の庭に埋められて、のちに廃寺とされた。
弾圧の熱が収まりはじめたころ、貴重な仏像が坑されたという話を聞きつけて、近隣の山師的な男がそれを掘り起こそうとした。

ところが土の中から出てきた仏像は、すべて憤怒の顔をしていたという。
元から憤怒の表情の不動明王はともかく、柔和なはずの他の仏像までもことごとく、地獄の鬼もかほどではないという凄まじい顔になっていたそうだ。

その怒りに畏れた男は、掘り出した仏像に火をかけた。
木製の仏像は6日間(!)ものあいだ燃え続け、その間「おーんおーん」という唸り声のような音を放ち続けたという。
あまりに凄い話に俺は、気がつくと正座していた。



427 顔  ラスト ウニ New!2006/06/03(土) 12:10:24 ID:3rNkYIQb0
「何年かまえ、人間国宝にもなっている仏師が外国メディアのインタビューを受けた記事を読んだことがある。記者が、どうしてこんなに深みのあるアルケイックスマイルを表現できるのでしょうかと聞くと、仏師はこう答えた。『彫るのではない。わらうんだ』これを聞いたときは痺れたねぇ・・・」
めずらしく師匠が他人を褒めている。

俺は命を持たない像が、感情をあらわすということもあるかも知れない、と思い始めた。
「そうそう、僕が以前、多少心得のある催眠術の技術を使って面白いことをしたことがある」
なにを言い出したのか、ちょっと不安になった。

「普通の胸像にね、ささやいたんだ。『お前は石にされた人間だよ』」

怖っ
なんてことを考えるんだこの人は。
そしてどうなったのか、あえて聞かなかった。 




 








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