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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.01.23 (Thu) Category : 

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―葬祭― <師匠シリーズ>

2013.05.01 (Wed) Category : 創作作品

446 葬祭 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:33:26 ID:3rNkYIQb0
大学2年の夏休みに、知り合いの田舎へついて行った。
ぜひ一緒に来い、というのでそうしたのだが、電車とバスを乗り継いで8時間もかかったのにはうんざりした。
知り合いというのは大学で出会ったオカルト好きの先輩で、俺は師匠と呼んで畏敬したり小馬鹿にしたりしていた。
彼がニヤニヤしながら「来い」というのでは行かないわけにはいかない。
結局怖いものが見たいのだった。

県境の山の中にある小さな村で、標高が高く夏だというのに肌寒さすら感じる。
垣根に囲まれた平屋の家につくと、おばさんが出てきて「親戚だ」と紹介された。
師匠はニコニコしていたが、その家の人たちからは妙にギクシャクしたものを感じて居心地が悪かった。

あてがわれた一室に荷物を降ろすと俺は師匠にそのあたりのことをさりげなく聞いてみた。
すると彼は遠い親戚だから・・・というようなことを言っていたがさらに問い詰めると白状した。
ほんとに遠かった。尻の座りが悪くなるほど。

遠い親戚でも、小さな子供が夏休みにやって来ると言えば田舎の人は喜ぶのではないだろうか。
しかし、かつての子供はすでに大学生である。
ほとんど連絡も途絶えていた親戚の大人が友達をつれてやって来て、泊めてくれというのでは向こうも気味が悪いだろう。

もちろん遠い血縁など、ここに居座るためのきっかけに過ぎない。
ようするに怖いものが見たいだけなのだった。



447 葬祭 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:35:11 ID:3rNkYIQb0
非常に、非常に、肩身の狭い思いをしながら俺はその家での生活を送っていた。
家にいてもすることがないので、たいてい近くの沢に行ったり山道を散策したりしてとにかく時間をつぶした。
師匠はというと、持って来ていた荷物の中の大学ノートとにらめっこしていたかと思うと、ふらっと出て行って近所の家をいきなり訪ねてはその家のお年寄りたちと何事か話し込んでいたりした。
俺は師匠のやり口を承知していたから、何も言わずただ待っていた。

二人いるその家の子供と、まだ一言も会話をしてないことを自嘲気味に考えていた6日目の夜。
ようやく師匠が口を開いた。
「わかったわかった。ほんとうるさいなあ、もう教えるって」
6畳間の部屋の襖を閉めて、布団の上に胡坐をかくと声をひそめた。

「墓地埋葬法を知っているか」
という。
ようするに土葬や鳥葬、風葬など土着の葬祭から、政府が管理する火葬へとシフトさせるための法律だ、と師匠はいった。
「人の死を、習俗からとりあげたんだ」
この数日山をうろうろして墓がわりと新しいものばかりなのに気がついたか?と問われた。
気がつかなかった。確かに墓地は見はしたが・・・

「このあたりの集落はかつて一風変わった葬祭が行われていたらしい」
もちろん知っていてやって来たのだろう。
その上で何かを確認しに来たのだ。
ドキドキした。聞いたら後戻りできなくなる気がして。

(続きは『続きを読む』をクリック)



 









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―写真― <師匠シリーズ>

2013.03.30 (Sat) Category : 創作作品

437 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:23:06 ID:3rNkYIQb0
大学2回生の春ごろ、オカルト道の師匠である先輩の家にふらっと遊びに行った。
ドアを開けると狭い部屋の真ん中で、なにやら難しい顔をして写真を見ている。
「なんの写真ですか」
「心霊写真」
ちょっと引いた。

心霊写真がそんなに怖いわけではなかったが、問題は量なのだ。
畳の床じゅうにアルバムがばらまかれて、数百枚はありそうだった。
どこでこんなに! と問うと、「業者」と写真から目を離さずに言うのだ。
どうやら大阪にそういう店があるらしい。

お寺や神社に持ち込まれる心霊写真は、もちろんお払いをして欲しいということで依頼されるのだが、たいてい処分もして欲しいと頼まれる。
そこで燃やされずに横流しされたモノが、マニアの市場へ出てくると言う。
信じられない世界だ。



438 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:24:13 ID:3rNkYIQb0
何枚か手にとって見たが、どれも強烈な写真だった。
もやがかかってるだけ、みたいなあっさりしたものはない。
公園で遊ぶ子どもの首がない写真。
海水浴場でどうみても水深がありそうな場所に無表情の男が膝までしか浸からずに立っている写真。
家族写真なかに祭壇のようなものが脈絡もなく写っている写真・・・

俺はおそるおそる師匠に聞いた。
「お払い済みなんでしょうね」
「・・・きちんとお払いする坊さんやら神主やらが、こんなもの闇に流すかなあ」
「じゃ、そういうことで」
出て行こうとしたが、師匠に腕をつかまれた。
「イヤー!」
この部屋にいるだけで呪われそうだ。
雪山の山荘で名探偵10人と遭遇したら、こんな気分になるだろうか。

(続きは『続きを読む』をクリック)


 









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―血 後日談― <師匠シリーズ>

2013.03.05 (Tue) Category : 創作作品

前編】【後編

813 名前: 血  後日談 2006/08/28(月) 22:09:47 ID:9j0TgqFm0
大学1回生の秋。
借りたままになっていたタリスマンを返しに京介さんの家に行った。 
「まだ持ってろよ」
という思いもかけない真剣な調子に、ありがたくご好意に従うことにする。

「そういえば、聞きましたよ」
愛車のインプレッサをガードレールに引っ掛けたという噂が俺の耳まで流れてきていた。
京介さんはブスッとして頷くだけだった。
「初心者マークが無茶な運転してるからですよ」
バイクの腕には自信があるらしいから、スピードを出さないと物足りないのだろう。
「でもどうして急に車の免許なんか取ったんですか」

バイカーだった京介さんだが、短期集中コースでいつのまにか車の免許を取り、中古のスポーツカーなんかをローンで購入していた。
「あいつが、バイクに乗り始めたのかも知れないな」
不思議な答えが返されてきた。
あいつというのは間崎京子のことだろうと察しがついた。
だがどういうことだろう。

「双子ってさ、本人が望もうが望むまいがお互いがお互い に似てくるし、それが一生つきまとうだろう。それが運命なら、しかたないけど。双子でない人間が、相手に似てくることを怖れたらどうすると思う」
それは間崎京子と京介さんのことらしい。



825 名前: 血  後日談 2006/08/28(月) 22:37:13 ID:9j0TgqFm0
「昔からなんだ。あいつが父親をパパなんて呼ぶから、私はオヤジと呼ぶようになった。あいつがコカコーラを飲むから私はペプシ。わかってるんだ。そんな表面的な抵抗、意味ないと思っていても自然と体があいつと違う行動をとる。違うって、ホントに姉妹なんていうオチはない。とにかく嫌なんだよ。なんていうか魂のレベルで」
 
高校卒業するころ髪を切ったのも、あいつが伸ばしはじめたからだ。
ショートカットの頭に手のひらを乗せて言った。
「今でもわかる」
なにかをしようとしていても、その先にあいつがいる時は、わかるんだ。
離れていても同じ場所が痛むという双子の不思議な感覚とは、逆の力みたいだ。
でも逆ってことは、結局同じってことだろう。
京介さんは独り言のように呟く。

「変な顔で見るな。おまえだってそうだろう」
指をさされた。
「最近、態度が横柄になってきたと思ってたら、そういうことか」
一人で納得している。
どういうことだろう。
「おまえ、いつから俺なんて言うようになったんだ」
ドクン、と心臓が大きな音を立てた気がした。
「あの変態が、僕なんて言い出したからだろう」

そうだ。
自分では気づいていなかったけれど。
そうなのかも知れない。



827 名前: 血  後日談 ラスト 2006/08/28(月) 22:39:04 ID:9j0TgqFm0
「おまえ、あの変態からは離れた方がいいんじゃないか」
嫌な汗が出る。
じっと黙って俺の顔を見ている。
「ま、いいけど。用がないならもう帰れ。今から風呂に入るんだ」
俺はなんとも言えない気分で、足取りも重く玄関に向かおうとした。
ふと思いついて、気になっていたことを口にする。

「どうして『京介』なんていうハンドルネームなんですか」
聞くまでもないことかと思っていた。
たぶん全然ベクトルが違う名前にはできないのだろう。京子と京介。正反対で、同じもの。それを魂が選択してしまうのだ。

ところが京介さんは顔の表情をひきつらせて、ボソボソと言った。
「ファンなんだ」
信じられないことに、それは照れている顔らしい。
え? と聞き返すと、
「BOφWYの、ファンなんだ」
俺は思わず吹いた。いや、なにもおかしくはない。一番自然なハンドルネームの付け方だ。
けれど、京介さんは顔をひきつらせたまま付け加える。
「B'zも好きなんだがな。『稲葉』にしなかったのは・・・・・・」

やっぱりノー・フェイトなのかも知れない。
そう呟き、そして帰れと俺に手のひらを振るのだった。


 









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