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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.01.23 (Thu) Category : 

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手紙

2017.10.11 (Wed) Category : 創作作品

152:手紙(1):2006/08/31(木)19:30:12ID:rL5CD+SJ0
※注:この話はフィクションです。出てくる人物名は実在する人物とは一切関係ありません。


B級百物語 第三話『手紙』

翔太(仮名)は、近頃よく届く妙な手紙に悩まされていた。
手紙自体は何の変哲もないただのはがきである。
ただ、その文面が問題なのだ。
「本当に好きだったのに」

差出人も…その住所すらも書いていない手紙。
裏面に、簡素に一言書かれただけの手紙。
「ずっと側に居たかったな」

誰が送ってくるのか。ある程度見当はついていた。
しかし…翔太には理解できなかった。
「私には貴方だけだったの」

だってその相手は…既にこの世に居ないのだから。

翔太は2ヶ月ほど前まで、ある女性とつきあっていた。彼女の名前は恵(仮名)。
二人の仲は至って良好だった。
休日のたびにどこかへ遊びに出かけ、夜にはホテルで身体を重ねた。
翔太は恵を愛していたし、恵もまた翔太を愛していた。

しかし…破局は唐突に訪れる。"予期せぬ死"という形で。
翔太が病院に着いたとき、恵は既に息絶えていた。
バイト帰り、信号無視のトラックにはねられたらしい。
犯人は捕まっており、事故は一応解決したと言える。
しかし、翔太の心が整理されるまでにはそれなりの時間を要した。

事故から1ヶ月が過ぎた頃である。
一通の差出人不明の手紙が、翔太の元へ届いた。
「調子はどう?」
一言。たった一言だけ書かれた手紙である。
しかし翔太にはすぐわかった。
翔太(…恵の…字だ…!)

ちょっと丸い感じの見慣れた字。
それは明らかに翔太のよく知る彼女の書いた文字であった。
そう…理屈の上では理解できた。
しかし…恵が死んだのは紛れもない事実なのである。
翔太(…性質の悪い悪戯だな。)
翔太は手紙を丸めると、くずかごに放り込んだ。



153:手紙(2):2006/08/31(木)19:32:20ID:rL5CD+SJ0
それからさらに1ヶ月が経った現在。
未だにその悪戯は続いているのだ。
「貴方のこと、ずっと見てる。」

相変わらず一言。差出人不明。
その手紙は、3日に一度は必ず届くのである。
翔太の我慢もいい加減限界であった。
段々とストーカーのような文面になってくる手紙は不気味で仕方がない。

郵便受けを壊してしまおうかとも思ったが…新聞や、普通の手紙が届かなくなっては困るので思いとどまった。
翔太は手紙を無視するようになった。
定期的に中身を捨てるとき以外、郵便受けにも近寄らなくなった。

翔太が郵便受けを見なくなってからしばらく経った。
翔太はようやく恵のことを忘れ、新しい恋に落ちていた。

会社の同僚。朝出勤してから夜帰社するまで顔を合わせる相手である。
自然と、スキンシップをとることも多かった。
そのうち二人は深い関係を持った。
いつかのホテルで一時を過ごし…真夜中、翔太は帰宅した。

家についてすぐ、異変に気付いた。
定期的に中身を出していたはずの郵便受けが…大量の手紙で、今にも溢れ出しそうになっていた。
…取らずにはいられなかった。
翔太は、その内の一通を引っ張り出し、恐る恐る裏面を見た。
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

赤いインクでべっとりと書かれた「許さない」の文字。
翔太は思わず手紙を取り落とした。
すると、はがきに黒い文字が浮かび上がってきた。
「これから会いに行くよ」



154:手紙(3):2006/08/31(木)19:33:30ID:rL5CD+SJ0
翔太は急いで家の中に飛び込み、鍵を閉めた。
そして寝室に飛び込み…戦慄した。
恵「…おかえり…翔太。」

目の前に、紛れもなく"彼女"が立っている。
あのとき死んだはずの…"彼女"が。
翔太「…な、何しに…何しに来たんだよ…」

震える声で問いかける翔太に、恵は無機質な笑顔を見せる。
恵「ずっと…ずっと、会いたかったんだよ?翔太も私のこと、ずっと待ってくれてるんだと思ったのに…」

恵の右手に、何か怪しく光る物が握られていた。凝視しなくてもわかる。カッターナイフだ。
翔太の顔に冷や汗が滲む。
恵「…一緒に来てよ。私、翔太と一緒に居たい!」

恵がカッターナイフを振りかざした。
一歩一歩、ゆっくりと翔太に近づく。
翔太は、何も言えなかった。動くこともできなかった。
ただ、恐怖に捕らわれていた。

…翔太の頭に走馬灯が走る。
何故だろうか、このような状況にも関わらず…翔太の脳裏をよぎるのは、恵との楽しい思い出ばかりだった。

一緒に行った遊園地だとか、そんな他愛のない思い出だった。
でもそれは…大切な、思い出だった。翔太は、きっと目を見開いた。
翔太「…もう、やめてくれ!お前は…お前はそんな奴じゃなかった!」

本心の言葉だった。
一緒に居た頃の恵は、いつも優しく自分のことを考えていてくれた。
翔太「そうやって自分のことしか考えない奴じゃなかっただろ!俺は…そんな風になった恵を見たくないよ!」

恵の足が止まった。
その表情は無機質で、何も読み取れない。
翔太「お前は死んだんだ!…でも俺は、俺は本当にお前が一番好きだった!」
翔太は、あらん限りの声で叫んだ。
死の恐怖と隣り合わせにも関わらず…恵が死んだとき、伝えられなかった…伝えたかった言葉だった。
翔太「…俺は、お前のこと、忘れてなんかいない!ずっとお前のことを好きでいる!」

再び沈黙。恵は困惑したような表情を見せた。
しかしやがて…一筋の涙が、その頬を伝うと共に、恵は口を開いた。
恵「…ありがとう。」

やっぱり、一言だった。
その一言を言い残し、恵はゆっくりとその姿を薄れさせていった。
翔太は放心し、立っていることすらできなかった。
だが、やがて…目を閉じ両手を合わせ…消えた幽霊の冥福を祈った。



155:手紙(4):2006/08/31(木)19:34:34ID:rL5CD+SJ0
朝が来た。
結局一睡もできなかった翔太は、布団から起き上がると、恵の消えた辺りにもう一度手を合わせた。
拝み終えた翔太は、新鮮な空気を吸おうと窓を開けた。
…丁度、郵便局の車が外を走り去っていくところだった。

翔太は、郵便受けを覗くために外へ出た。
朝の心地よい日差しが目に染みた。
郵便受けには、朝刊と…差出人不明のはがきが一通。
翔太は、何の気なしにその裏面を見た。
「昨日はどうもありがとう!まだ私のこと、好きでいてくれたなんて嬉しいな。今度は貴方が私に会いに来て!」

読み終えると同時に、すぐ側で轟音が響いた。
直後、カーブを曲がり損ねたトラックが、立ち尽くす翔太の元へと…





(´・ω・`)前スレで「時報」と「手袋」を書いたものです。
昨日の夜見事にアク禁を喰らって投下できなかったもの、投下しました。遅れてごめんなさい。
こっちのほうが読みやすいかと思い、架空の人物名を使ってみました。



156:本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木)19:41:41ID:Jn+cD8Ak0
>>152
結構おもしろかったよ。
またヨロシク



160:本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木)20:25:41ID:9J1S5chP0
>>152
面白かったよ。次も期待してます


引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?141
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1156868933/152-160












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手袋

2017.10.03 (Tue) Category : 創作作品

979:『手袋』1:2006/08/30(水)00:02:40ID:ouZ+ctOU0
前回の反省を生かし、百物語風にまとめなおしてみました。


(´・ω・`)さあ、百物語の時間だ。二つ目の怪談は…「手袋」。
無機質なゴム手袋を外さない転校生…終わりなき永遠の螺旋階段…
では…始めようか。


夏も終わって秋がやってきた。
今日から二学期ということで、少年…仮にAくんとしよう。少年は、どことなく楽しげな足取りで学校へ向かった。

遅刻寸前で教室に飛び込む。席に着くなりチャイムが鳴り、Aくんはほっとした表情で担任が来るのを待った。
ほどなくして担任が教室に入ってきた…後ろに、一人の少年を引き連れて。

担「今日から、皆さんに新しい仲間が増えます。」

どうやら転校生のようだ。
担任が簡単な紹介をして、少年に席へつくよう促した。
ふとAくんは、彼の手に目が行った。…妙に違和感があると思っていたら、彼は薄いゴム手袋をつけていたのである。
それについては何も説明がなされぬまま、朝のホームルームが始まった。

転校生は、どことなく地味な少年だった。
あまり会話にも乗ってこない、物静かな少年。
多感な中学生の中にあっては、そんな少年は総じていじめにあいやすい。
転校生も、その類に漏れなかった。

ある日の休み時間、本を読んでいたところを、いじめっ子のBとCに無理矢理立たされた。
B「おい!お前いつも何俺たちのことシカトしてんだよ!」
転「…」
C「黙ってんじゃねえよ!ていうか人と喋ってるときぐらい、その手袋外せよ!」

いじめっ子の一人であったCが、転校生の手袋を外そうと手袋を掴んだ。と、その刹那。
転「…やめろよ!」

いつもは大人しい転校生が、突然声を荒げた。
場が静まり返り、Cも鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。
転校生はそのまま席に座り、何事もなかったかのように本を読み始めた。
Aくんは、再び気になってきた。
何故転校生はあんな手袋をずっとつけているのだろう…と。



980:『手袋』2:2006/08/30(水)00:03:29ID:ouZ+ctOU0
その日の帰り道、Aくんは転校生に一緒に帰ろうと持ちかけた。
最初は断られたものの、なんとか一緒に下校することに成功した。

A「その…転校してきたばっかりなのに…苛められたりして、大変だな。」
転「そうでもないよ。」
A「なんかあったら相談しろよ?」
転「…うん。」

帰り道、当たり障りのない会話をしていたものの、結局手袋のことは聞きそびれてしまった。
転「僕の家、ここだから…」
A「あ、ああ。そうなのか。じゃ、またな!」

その日から、二人はいつも一緒に下校することとなる。
ただ、Aくんはいつも結局手袋のことを聞けぬままであった。

月日はゆっくりと流れ、Aくんと転校生の二人は段々と打ち解けていき、親友と呼べる仲になった。
気がつけば、聞けないままだった手袋のことなど、もはや忘れ去っているほどに。
やっとBやCもいじめに飽き、転校生にもぽつぽつと友達ができ始めた。その頃であった。

…修学旅行。中学校生活最大のイベントである、それの季節がやってきた。
偶然にも、くじびきで決めた班で、Aくんと転校生は同じ班になった。
目的地に向かうバスの中、隣通しで笑いながら喋っているとき、Aくんはふと思い出した。

A(そういえば、こいつの手袋の話…結局聞いてなかったな。まあ、いいけど。)
バスは、旅館に着いた。

観光の疲れもあって、風呂から上がってすぐに寝息を立て始める班員たち。
転校生についてもそれは同じであった。
ただAくんは、ふとした悪戯心で…転校生の手袋を外そうと考えていた。

A(…もう寝たよな?…よーっし…)
Aくんは、そっと転校生に近づく。そして布団をめくり、やはり寝ている間も付けたままだった手袋にそっと手を伸ばす。
そして…躊躇いなく、それを外した。
A「うわっ!!」

…Aくんは、思わず悲鳴を上げていた。手袋の内側には…見るも痛々しい"痣"があったのだ。
その悲鳴に気付いたのか、転校生はゆっくりと目を開いた。
そして…ガバッと飛び起き、外された手袋を見た。



981:『手袋』3:2006/08/30(水)00:04:24ID:ouZ+ctOU0
Aくんは、謝ろうとしたのだが…転校生がそれを制した。
転「…触っちゃったんだね。」
Aくんは、もう一度謝ろうと口を開いたが…今度は声が出なかった。
…転校生が、己の首を突然両手で掴んだ。そして…ゆっくりと絞め始めたのだ。

転「もう、ダメだよ。僕が痣を触ってしまった人も、僕の目の前で死んでしまった。」
ゆっくりと、その手に力がこもっていくことがわかる。ギリギリ…と音が聞こえてくる。

転「自分の意思なのか、何か得体の知れない者の意思なのか…わからないけど。」
そこで少年の台詞は途切れた。もはや声が出ないのだろう。
Aくんは、目の前の少年を助けることもできずに…がたがたと震えていた。

そのうち少年は目を閉じ、ばたりと床に崩れ落ちた。
放心状態のAくんは、少年から目をそらすこともせず…ただただ眼を見開いていた。

ところで、まだAくんは気付いていない。
自分の右手の甲、丸く浮き上がった不気味な痣に…

(´・ω・`)その後のAくんの行方を知る者はいない…精神病院に入ったという噂もあるが、真偽の程は…
ただ一つだけ言えることは…彼もまた、"手袋"をはめているであろうこと。
不用意に他者の秘密を暴かないように…待ち受ける結末は…"死"そのものかもしれないのだから…



さっきのより短くしましたが、わかりにくくなってしまったでしょうか?では、終わります。



982:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水)00:09:13ID:UKGJ1JSB0
前後に変な語りが入って興ざめこの上ない。
ロッドサーリングかタモリのつもりか?



984:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水)00:13:00ID:zjlLZzno0
>>982
それは申し訳ない。
次からやりませんので脳内削除してください。。



989:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水)00:47:34ID:v39de1fr0
>>979良かったよー。次も期待してまつ。



引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/979-989












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時報ーバーボンハウスー

2017.09.30 (Sat) Category : 創作作品

935:時報(1):2006/08/29(火)17:23:42ID:ouZ+ctOU0
やあ(´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。
今日はテキーラはないから、サービスに一つ怖い話でもしようか。
これは、つい先月起こった話なんだけどね…


二人の高校生が居たんだ。
名前は仮に…AくんとBくんとしようか。
二人は、クラスも部活も同じの親友同士だ。
入っていた部活は"心霊について研究する会"。俗に言う、"オカルト研究会"ってやつだね。
そんな部活に入っていただけあって、二人は幽霊とか予言とか…そういう超心理的なものを信じる性分だったんだ。

ある日のこと。二人はちょっと急ぎ気味で帰宅中だった。
文化祭の準備が長引いたせいで、帰りが遅くなってしまったんだね。
一応大通りを歩いていたから周囲は明るかった。
だから…Aくんは"それ"を見つけてしまったのさ。

A「おい、B!あれ見ろよ!」
B「え、なになに?」

急いでいるとはいえ、突然見てみろといわれたら見てしまうのが人の性分だ。
Bくんはぱっと指されたほうを見た。
そこには、『占』とだけ書かれた看板をかかげた小さな出店があった。
そして、黒いフードを被った変な占い師が奥に座っていたんだ。

A「占いだってさ!行ってみようぜ!」
急いでいるというのに、Aくんはさっさと出店の方へ走っていってしまった。
B「おい!ま、待てよ!」
仕方がないからBくんも後を追ったんだ。
今思えば、意地でも止めておけばよかったのにね。



936:時報(2):2006/08/29(火)17:24:33ID:ouZ+ctOU0
占「…いらっしゃい。」
占い師は、見かけを裏切らない奴だった。
お客が来たというのに顔も上げず、声もなんだか電子的な声だったんだ。
ただ、妙なことに…その声、どこかで聞いたことがある声だったそうだ。
まあ、どこで聞いたかは思い出せなかったらしいけど。

A「占い、してくれるんですよね?」
Aくんは弾んだ声で聞いた。
こういうのが好きだから"オカルト研究会"なんかに入ったんだ。
ある意味当然なんだろうね。

だけど、話しかけられた占い師の方は、どこか遠くを見つめているようで、Aくんの声なんか耳に入ってない様子だった。

A「あの!占いやってるんじゃないんですか?」
Aくんがすこし声を荒げた。すると占い師は、唐突に口を開いたんだ。

占「7時30分・・・ちょうど…」

AくんもBくんもぽかんとしてしまった。
目の前の人間が、唐突になんの脈絡もないことを言い出したんだからね。
ふとBくんは、何の気なしに腕時計を見た。
時刻は7時29分。30分じゃない。まあ、そんなことはどうでもよかった。

B「おいA、帰ろうぜ。気味わりぃよ。」
A「あ、ああ…そうだな。」

どうやら占ってくれる気もなさそうだし、二人は少々拍子抜けした感じで帰ろうとしたんだ。
そしたら、その瞬間…

ドン!と大きな音が響いた。
二人がはっと音のしたほうを振り向くと、そこにはトラックが停車していた。
だけど、それは別に重要なことじゃない。
二人はトラックの下に目を向け…息を飲んだ。

トロトロと…ゆっくり地面から染み出すように、赤い液体が流れ出ていたんだ。
間違いない。血だ。
Bくんは、今度は意識的に、急いで腕時計を見た。
時刻は7時30分。
ちょうど10秒を回ったところだった。

B「お、おいA!」
A「!…あ、ああ!行こう!」

呼びかけられただけで何かを感じ取ったのか、Aくんもすぐに立ち去る構えを見せた。
そしたら占い師が…また口を開いたんだ。
今度は、長く骨ばった人差し指を…Aくんに向けて。

占「12時…ちょうど…」



937:時報(3):2006/08/29(火)17:25:09ID:ouZ+ctOU0
二人は急いでその場を離れた。
二人とも真っ青だった。
得体の知れない恐怖って奴を目の当たりにしたんだ、当然だよね。
自宅の近くに来るまで、二人とも黙ったままだった。
でも、あまりにも重い空気に耐えられず、BくんはAくんに話しかけたんだ。

B「…あんまり、気にするなよ?」
さっきの占い師の話だった。
「12時ちょうど。」
占い師は確かにそう言った。Aくんを指差してね。

A「…ああ。」
暗い声だったけれど、Aくんは返事を返した。
Bくんの家が見えてきたので、二人はそこで別れたんだ。

Aくんが家に帰ると、リビングに夕飯の用意とメモが残されていた。
「今日は帰れません。夕飯はこれで済ませてください。母より」
Aくんは、予言されたときを一人で待つことになったわけだ。

夕飯と風呂を済ませてベッドに入ったけど、Aくんは眠れなかった。
何故か目がさえてしまっていたんだ。
ふとAくんは、ベッド脇の目覚まし時計を見た。
時計は9時ちょうどを指していた…あと3時間ってこと。

A(…あんなの…あんな交通事故…きっと、偶然さ。)
Aくんは自分を励まして、眠ろうと努力した。冷や汗を大量にかいていたけど、それも気にせずにね。

夜中。Aくんは異様な雰囲気を感じて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
Aくんは慌てて時計を見た。時計は…9時ちょうどを指していた。

A「…え?」
Aくんは目を疑った。なんと時計が止まっていたのである。
異常な不安に駆られたAくんは、急いで部屋を出て、廊下にある電話を取った。
本当はリビングにある時計を見たほうが早いんだけど、気が動転していたんだろうね。
彼は時報を聞こうとしたんだ。

  「プ…プ…プ…ピーン…午後…11時57分…20秒をお伝えします…」



938:時報(4):2006/08/29(火)17:26:43ID:ouZ+ctOU0
A(あと3分!)
Aくんは思わず身を強張らせた。
12時ちょうどに何が起きるのか…時報を聞きながら、Aくんは座り込んだ。
  「午後…11時58分…ちょうどをお伝えします…」
  「午後…11時58分…30秒をお伝えします…」

12時が刻一刻と迫る中、Aくんは妙なことに気がついた。
A(この声…どこかで…)
  「午後…11時59分…ちょうどをお伝えします…」
  「午後…11時59分…30秒をお伝えします…」

A(…そうだ…あいつの声…)
そう、あいつ。誰だなんて言わなくてもわかるはずだ。
  「午後…11時59分…50秒をお伝えします…」

A(あと10秒…9…8…7…6…?今、なんか音が…)
  「プ…プ…プ…ピーン…」

時報が、12時ちょうどを告げた瞬間、Aくんの後頭部に衝撃が走った。
Aくんは、悲鳴をあげる暇もなくその場に倒れ伏した。
薄れ行く意識の中、Aくんの耳に時報が流れ込んでくる。

  「……後……時………分…1…秒を…・…え…ます…」

明朝。
Aくんの両親が帰ってきた。
廊下に倒れているAくんを見て、二人は急いで駆け寄ったんだそうだ。

Aくんの亡骸は、頭に包丁を突き刺された凄惨なものだった。
母親は気を失い、父親も呆然と立ち尽くした。
ちょうどそのとき、外れていた受話器から…唐突に、声が流れ出したらしい。

  「…死後…6時間…13分…40秒を…お伝えします…」
  ピッ。ツーツーツー…



939:バーボンハウス:2006/08/29(火)17:27:45ID:ouZ+ctOU0
(´・ω・`) …どうだった?少しは楽しんでもらえたかな。この話には続きがあってね。
学校でAくんの死を伝えられたBくんは、その日の放課後あの占い師が居た場所を探した。
でも、見つからなかったらしいんだ。
出店も占い師も、跡形もなく消えてしまっていたんだって。
お客さんも不気味な占い師には近寄らないほうがいい。
目印じゃないけど、"声"に注意することだね。

さて、最後まで聞いてくれたお礼にこのバーボンをおごるよ。
え、もう帰る?バーボンもいらない?…それは残念。



947:本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火)18:09:06ID:FafA0vNO0
>935

なんかツボにきた・・・。
でも創作なんだよね?創作だって言ってよう・・・。



引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/935-947












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