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テンポポ様
2017.04.21 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
671:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:44:50.07ID:MtTpUC540
かなり長い話になると思います。
乱文&駄文は目をつぶってくれると嬉しいです。
俺の地元には奇妙な風習がある。
その行事の行われる山は標高こそ200m程度と低い物であるが、一本の腐った締め縄のようなものでお山をぐるりと囲んでおり、女は勿論、例え男であっても普段からその山に立ち入ることは許されていなかった。
それでも、時々調子に乗ってその締め縄をくぐってお山に入ろうとする子どもが現れる。
実際俺の年の離れた兄貴の友達が、その締め縄をくぐってお山に入り込んだらしいのだが、その事実を聞きつけて来た村長連中にお堂に連れて行かれ、三日三晩眠る事すら許されない程の激しい暴行を受けたらしい。
それを聞かされて育った俺達は勿論お山に近づくような事は無かったし、俺達地元の子ども達にとってお山は恐怖の対象でしかなかった。
そんな奇妙なお山であるが、数年~十数年に一度不定期に人が足を踏み入れることがあった。
お山の木々が色を変え、突き抜けるような青空とどこか冬の匂いを想わせる風の吹き出す10月に、その年に11~12歳となる少年たちが集められ、白装束を着せられてお山を登らされるのだ。
ただ一つ、
「お山に入ったら一言も口をきくんじゃないぞ」
と念を押されて。
672:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:49:10.32ID:MtTpUC540
俺がお山に入らなければならないと聞いたのは、その奇妙な行事の行われる10日ほど前の事だった。
両親から話を聞いた段階で俺はすでに泣き出しそうになっていたが、
「村の決定だ。逃げ出すことは絶対にできない。お前にはすまないと思うが辛抱してくれ」
と頭を下げてくる両親を見ると、その願いを断ることは出来なかった。
それからの日々はあっという間だった。
一切の外出は禁止され、食事の内容がガラリと変わった。
大好きだったハンバーグや焼き鳥のような動物の肉を使った料理は食卓から消えさり、その代わりに老人が好みそうな菜食中心の物となった。
しかも、それらのほとんどが塩のみで味付けされており、その他の調味料すら使う事を禁じられていたため、それらの料理をもしゃもしゃ食べながら当時はケージで飼われるウサギにでもなった気分だった。
前日に至ってはそれまで三食あった食事すら禁じられ、口に含める物は水と塩だけとなった。
そんな生活のせいで俺の体はみるみる痩せてしまい、その十日間で体重が6Kgも落ちた。
当日は太陽が昇る前に(4時~5時頃?)に両親に起こされ、どこからか持ってきていた白装束を着るように言われた。
前日まともに食事をとっていなかったせいで、体力は落ちていたし、早朝に起こされた眠気もあって、俺は始終フラフラしていた。
意識が朦朧とするなか、俺の自宅に俺と同じような白装束を着た大人が何人も訪れた。
彼らは両親と話をした後、俺をワゴン車に乗せると件の山に向けて車を発車させた。
673:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:52:03.06ID:MtTpUC540
俺を乗せた車は街灯もない田舎道をしばらく走った後、静かに停車した。
車に乗ってからというもの、大人たちの発する異様な雰囲気に、俺は最早借りて来た猫のように縮こまり、停車した時には少し安堵したのを覚えている。
車から降りると、その場には俺と同年代だったA・B・C・Dがいた。
皆一様にして顔色が悪く、10日前には考えられないほどやつれている。
きっと俺も彼らと同じようになってしまっているんだろうなとげんなりしていると、白装束を着た大人の一人が俺達の前に出て来た。
「今からお山に入る。分っているとは思うが、俺達が良いというまでは口を開くなよ。」
俺達と同じ白装束に身を包み、顔には同じく白い布をかぶせていて、その男の表情は読めない。
しかし、その真剣な様子から俺達はビビりながらもその男の言葉にうなずいた。
674:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:55:23.14ID:MtTpUC540
山に入ってからはまさに地獄だった。
普段から人の入る山ではないので、道などあるはずもなく、落ち葉を踏みしめ、雑草を踏みつぶしてただ黙々とお山の頂上を目指して足を進める。
食事制限と眠気のせいで、平地でさえ足元が覚束ないのに、まだ日の昇っていない山道を一言も声を上げる事すら許されずに登っていく事の辛さが分るだろうか。
ましてや当時の俺達は子どもである。
何故こんなにも辛いことをさせられるのか分らず、正直逃げ出したい気持ちだった。
しかし、逃げ出すことは叶わなかった。
なぜなら、俺達の周りには先ほどの男を先頭に、俺達を囲むようにして男と同じような格好をした大人達がいたのだ。
俺達は何とも言い難い雰囲気の中、道なき道を延々と上り続け、そしてたどりついた先には小さなお社があった。
何を祀っているのか今となっては確認のしようもないが、その小さなお社は子どもが10人入り込めば満員になってしまう程の大きさであった。
大人たちは俺達5人をそのお社に押し込むと、一人一人に酒と塩を配りながら静かに口を開いた。
「それを飲んだらお前達には一人づつお山を下りてもらう。このお社を出たら、どんな道順であろうと真っ直ぐに麓を目指せ。さっきも言った通りこのお社から出た後、お山を降りるまでは決して口を開くなよ」
675:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:58:06.98ID:MtTpUC540
それからその男は、
・このお社の中であれば俺達同士で話をしても良い事
・何があろうと決して後ろを振り向かず、声を上げない事
・太鼓の音が聞こえたら、年少者からお社を出て麓を目指す事
を俺達に伝えると、お社の外で待機していたらしい他の白装束の大人を引き連れてお社を出て行った。
残された俺達は半狂乱だった。
まだ、日が昇っていないせいで、明りはあの男が付けて行った蝋燭の火だけ。
不気味に照らされたお社の中で映し出される顔は見知った友人達の顔であったが、そのどれもが精気を根こそぎ奪われたミイラのように見えてしまう。
「どうなってんだよ!」
「知らねーよ」
「……お母さん」
「何なんだよ、くそっ!!」
初めこそ口々に文句や大人に対する罵詈雑言を吐いていた俺達だったが、あの畏怖の対象だったお山に子どもだけで置き去りにされている恐怖感と絶望感、そしてこれからどうなってしまうのか分らない不安感に支配されてしまい、結局皆無言のまま太鼓の音が聞こえるのをひたすら待ち望んでいた。
676:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:01:58.56ID:MtTpUC540
そうこうしているうちに、何処からともなく野太い太鼓の音が聞こえて来た。
誕生日的に一番年少のAはその音を聞いただけで、ビクッっと体を震わせて声にならない小さな悲鳴を上げていたようだが、俺達の視線とこのお社の中の最悪な空気に耐えられなくなった様子で、扉をあけるとダッシュでお社を飛び出して行った。
開いた扉から一瞬だけ覗いた外の景色は、向かいの山に丁度朝日が顔を出したところで、不思議なことにこの時だけはなぜか安心することが出来た。
Aが飛び出して行って数十分。俺達は特に話すこともなく、ただじっと床を見つめて次の太鼓の音が聞こえるのを待っていた。
どこかに隙間があるのか、冷たい空気が身体を震わせる。
残された仲間同士で身体を寄せ合い寒さから身を守っていると、
ドーン ドーン
と地鳴りのように野太い太鼓の音が再び聞こえてきた。
それを聞いたBは心を決めていたのか、すくっと立ちあがると躊躇することなくお社を出て行った。
それから数十分後にはCが、その後にはDがお社を出て行った。
お社に残されたのは俺一人。
それまでなんとなくあった仲間と一緒だから大丈夫という心理もなくなり、俺は本当に一人になってしまった事実にガタガタと震えていた。
もうこの頃には時間の感覚などなくなってしまっていた。
膝を抱え、恐怖と孤独感に押しつぶされそうになっていたんだと思う。
だから太鼓の音が聞こえた時は恐怖よりも歓喜の方が強かった。
677:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:05:06.82ID:MtTpUC540
やっとこの恐怖から解放される。
そう思ってお社の扉を開くと、そこには、なんてこともない普通の山の景色が広がっていた。
お社に入った時には、まだ日が昇っていなかったので良く見えなかったのだが、俺達の畏れていたお山にしては拍子抜けするほど普通だった。
朝の爽やかな空気が満ち、風にそよぐ色とりどりの葉っぱ。
朝梅雨はお日様の光を跳ね返し、まるで光の絨毯を敷いたような錯覚さえ覚えた。
思わず、
「何だ、別に大したことねーじゃん」
と口をついて出そうになるのを呑み込み、俺はお山を下り始めた。
678:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:08:16.11ID:MtTpUC540
一番初めに違和感を感じたのは、山を下り始めて数分の事だった。
早朝の山にしては静かすぎるのだ。
山に行ったことのある人なら分ると思うが、山は意外に色々な音に溢れている。
小川のせせらぎや、小鳥の囀り、木の葉のこすれる音に、小さな虫の声。
そのどれもが一切聞こえない。
聞こえるのは俺が落ち葉を踏みしめる乾いた音と、気まぐれに吹く冷たい風の音だけ。
それに気付くと、とたんに俺はえも言われぬ恐怖に襲われた。や
はり、この山は普通じゃない。
しかし、恐怖に襲われたからと言っても足を速める事は出来なかった。
空腹と睡眠不足が祟っているのだ。
俺はふらつく足を無理やり動かし、徐々に山を下っていく。
次に違和感を感じたのは、山の中腹辺りに差し掛かった頃だっただろうか。
何故か誰かに見られているような視線を感じ、辺りを見渡すもそこにあるのは細い木と枯葉だけだった。
「(ここはお山だ。俺以外はすでに山を下りているはずだし、多分気のせいだろう)」
無理やり自分に言い聞かせて足を進める。
と、今度は俺の背後で誰かが話をしているような気配を感じた。
それも一人二人ではなく、複数の子どもの話声だった。
俺は思わず叫び出しそうになるが、手のひらで口を押さえて悲鳴を抑え込む。
その代わりに、俺は脚に力を込めて走り出した。
何度も斜面を転がり、それでも走り続けていると、いつの間にか謎の気配は消えてしまっていた。
張り付く喉のせいで呼吸が苦しく、貧血と酸欠でいよいよ意識が混濁してきた。
それでも、この恐怖から逃れるために、俺は這うようにして脚を進めた。
679:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:11:40.71ID:MtTpUC540
事が起きたのはその時だった。突然背後から
「○○ーーー!!」
と母親の声が俺の名前を呼んだのだ。
思わず振り返る俺。
しかし、そこに母の姿は無かった。代わりにいたのは、俺と同じ白装束を着た一人の少年。
一瞬、先にお山を下ったはずの友人かとも思ったが、声を出すなとあれほど言い含められて声を出すような奴はいないはずだ。
それにその少年の顔に俺は見覚えが無かった。
それほど大きくはない村だ。
同年代の子どもの顔くらい全員分る。
それでは、あいつは一体何者か……。
俺が頭を巡らせている間に、少年はにっこりと笑顔になるといたずらを思いついたような顔で口を開いた。
「さぁ、一緒に行こう」
その言葉を聞いた瞬間。俺は全身に鳥肌が立つのを感じた。
胸の奥がカッと熱くなり、悲しくもないのに涙が止まらなくなった。
「さぁ、行こう」
少年が徐々に近づいてくる。
不思議なことに、落ち葉を踏みしめているはずの少年の足音は何故か聞こえなかった。
「……さぁ」
680:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:13:58.94ID:MtTpUC540
いよいよ少年との間が手を伸ばせば届く距離となった時、お社を出るときに聞こえた太鼓の音が、地鳴りのようにして俺の耳に届いた。
少年から目を離し、後ろを振り返ると腐ったような締め縄と、麓で太鼓を叩く大人達の姿が見えた。
いつの間にか、お山を出るまであと少しの所まで来ていたのだ。
俺は、必死の思いで身を翻すと、締め縄をくぐって大人達の待つ麓へと一気に駆け下りた。
俺がお山を抜けると、大人達は何を思ったか、憔悴している俺に向かって大量の酒と塩をぶちまけた。
そして、模造紙のような巨大な紙で俺を包むと、乱暴に軽トラックの荷台に俺を放りなげた。
反抗する気力もないまま、荷台で揺られ、寒さと空腹を覚えつつ俺は眠りについた。
681:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:16:12.27ID:MtTpUC540
目が覚めると、俺は自宅のベッドに寝かされていた。
両親に話を聞くと、どうも三日三晩眠り続けていたらしい。
両親は村長と神主さんに
「一応覚悟はしておけ」
と言われていたらしく、俺が目を覚ました時は死んだ人が生き返ったように驚いていた。
両親が落ち着きを取り戻したころに、あの山は一体どういったものか尋ねてみたが、明確な答えはなく、ただ悪いモノが集まるのがあの山。
そしてお前が見たのはおそらくテンポポ様だろうと言ったきり口を開くことはなかった。
あの時、俺の他に参加していたA・B・C・Dについては、俺のように何かに話しかけられたり、何者かの視線を感じることはなかったそうである。
体調が回復した後に俺が村長と神主から聞かされた話しの中では、俺のようにテンポポ様に話しかけられて戻って来た子どもは、これまで居なかったそうである。テンポポ様に話しかけられる(=気に入られる)事はそのまま連れて行かれる事を意味していて、俺の場合は運が良かったのか、テンポポ様の気まぐれなのか良く分らないと言っていた。
その話を聞いて、少しでも天秤が傾いていたら俺はテンポポ様に連れていかれて死んでいたのではないかと思うと同時に、それを村のしきたりとして自然に受け入れている大人達に対する恐怖と軽蔑の念を抱かずにはいられなかった。
682:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:18:51.96ID:MtTpUC540
これが、大体十年くらい前の話になる。
その後、俺は何事もなく成長し、高校卒業と共にこれ幸いと村を出た。
成人してからもほとんど村に戻ることは無かったのだが、この間個人的な事情により久しぶりに村に戻る機会があったので、親父と元村長にお山について話を聞いて来た。
最初はどちらもかなり渋っていて苦労したが、私が当事者だという事と、成人しているという事で話してもらえることが出来た。
683:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:20:48.64ID:MtTpUC540
まず初めにお山についてだが、あの山は昔から地元の悪い気の流れが集まる一種の異界なのだそうだ。
鬼が出たとか天狗が出たとか、そういった話には事欠かず、女や子供が立ち入ろうものなら数日のうちに何かしらの不幸がその侵入者に訪れると言われる程、土地にしみついた悪意だとか怨念といったものが浄化されることなく溜まっていく。
見るに見かねた当時の村人達はお山を締め縄で封印することにするが、それも対した効果はなく、あふれ出る邪悪な気は数年~数十年単位で村に干ばつや洪水、飢饉、流行病などの天変地異を引き起こしていたらしい。
そこで考案されたのが、あの奇妙な風習である。
二次性徴直前の肉体的にも生命的にも最も柔軟で充実している少年たちを集め、9日間を掛けて身を清めることで人ならざる者とし、その中の一人を生け贄としてお山に捧げる。
そうすることで、お山の邪気を祓おうとしたのだ。
実際、効果はあった。
それまでの天変地異は嘘のようになりを潜め、お山に対する畏怖の念は時代の流れと共に希釈されて行った。
684:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:23:28.80ID:MtTpUC540
一定の期間で少年たちを供物に捧げてしまえば、お山は恐るるに足りないとほとんどの村人が思っていた矢先に、村を未曾有の大飢饉が襲うこととなる。
天保4年・西暦1833年のいわゆる天保の大飢饉だ。
当時の江戸幕府すら揺るがしたこの未曽有の飢饉は、例外なく俺の村を襲い、そして多数の餓死者を出した。
そこで注目されたのが、先の風習だった。
飢饉をお山が起こした物だとすれば、村のしきたりを利用して口減らしをする事は勿論、供物としてささげた少年の肉を食う事で当面の食糧にもなるという一石二鳥の名案だと喜んだらしい。
今となっては鬼畜の所業だが、きっと当時はそんな事も言ってられない程酷い状況だったのだろう。
こうして、飢饉が治まる天保10年までに述べ50人以上の少年達が供物としてお山に捧げられ、そしてその少年達の無念さとこの世に対する恨みがお山の邪気と融合して怪物が生まれたのだ。
それこそが、テンポポ様。
685:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:27:27.75ID:MtTpUC540
飢饉前に供物として捧げられた少年達も合わせると、恐らく100人以上の少年達の怨念の塊であり、土地の悪意を吸収してさらに成長した怪物。
その怨念を抑えるために、さらに供物として捧げられた少年たちを合わせると、その規模は最早
想像も出来ない程の数に上る事だろう。
村としても、何度も著名な霊能力者に、お山に巣くうテンポポ様をなんとか鎮めることが出来ないか依頼したそうだが、どの人もお山を見た瞬間に凍りつき、
「あれは、人の祓えるモノではない。これから何百年もかけて管理し、徐々に力を弱めて行くことしか出来ないでしょう」
と匙を投げたらしい。
あのお山を管理することは、村に生まれた者の務め。
何の罪もない無垢な少年達を供物という形で殺め、死肉を貪り生き延びた者達の末裔としてそれは当然の義務かもしれない。
しかし、今年生まれた俺の息子の顔を見ると、俺はこう思わずにはいられないのだ。
「どうかこの子が12歳になる時に、俺と同じような目には遭いませんように」
と。
長々とスイマセン。 以上で終わりです。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?273
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1310794907/671-685
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かなり長い話になると思います。
乱文&駄文は目をつぶってくれると嬉しいです。
俺の地元には奇妙な風習がある。
その行事の行われる山は標高こそ200m程度と低い物であるが、一本の腐った締め縄のようなものでお山をぐるりと囲んでおり、女は勿論、例え男であっても普段からその山に立ち入ることは許されていなかった。
それでも、時々調子に乗ってその締め縄をくぐってお山に入ろうとする子どもが現れる。
実際俺の年の離れた兄貴の友達が、その締め縄をくぐってお山に入り込んだらしいのだが、その事実を聞きつけて来た村長連中にお堂に連れて行かれ、三日三晩眠る事すら許されない程の激しい暴行を受けたらしい。
それを聞かされて育った俺達は勿論お山に近づくような事は無かったし、俺達地元の子ども達にとってお山は恐怖の対象でしかなかった。
そんな奇妙なお山であるが、数年~十数年に一度不定期に人が足を踏み入れることがあった。
お山の木々が色を変え、突き抜けるような青空とどこか冬の匂いを想わせる風の吹き出す10月に、その年に11~12歳となる少年たちが集められ、白装束を着せられてお山を登らされるのだ。
ただ一つ、
「お山に入ったら一言も口をきくんじゃないぞ」
と念を押されて。
672:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:49:10.32ID:MtTpUC540
俺がお山に入らなければならないと聞いたのは、その奇妙な行事の行われる10日ほど前の事だった。
両親から話を聞いた段階で俺はすでに泣き出しそうになっていたが、
「村の決定だ。逃げ出すことは絶対にできない。お前にはすまないと思うが辛抱してくれ」
と頭を下げてくる両親を見ると、その願いを断ることは出来なかった。
それからの日々はあっという間だった。
一切の外出は禁止され、食事の内容がガラリと変わった。
大好きだったハンバーグや焼き鳥のような動物の肉を使った料理は食卓から消えさり、その代わりに老人が好みそうな菜食中心の物となった。
しかも、それらのほとんどが塩のみで味付けされており、その他の調味料すら使う事を禁じられていたため、それらの料理をもしゃもしゃ食べながら当時はケージで飼われるウサギにでもなった気分だった。
前日に至ってはそれまで三食あった食事すら禁じられ、口に含める物は水と塩だけとなった。
そんな生活のせいで俺の体はみるみる痩せてしまい、その十日間で体重が6Kgも落ちた。
当日は太陽が昇る前に(4時~5時頃?)に両親に起こされ、どこからか持ってきていた白装束を着るように言われた。
前日まともに食事をとっていなかったせいで、体力は落ちていたし、早朝に起こされた眠気もあって、俺は始終フラフラしていた。
意識が朦朧とするなか、俺の自宅に俺と同じような白装束を着た大人が何人も訪れた。
彼らは両親と話をした後、俺をワゴン車に乗せると件の山に向けて車を発車させた。
673:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:52:03.06ID:MtTpUC540
俺を乗せた車は街灯もない田舎道をしばらく走った後、静かに停車した。
車に乗ってからというもの、大人たちの発する異様な雰囲気に、俺は最早借りて来た猫のように縮こまり、停車した時には少し安堵したのを覚えている。
車から降りると、その場には俺と同年代だったA・B・C・Dがいた。
皆一様にして顔色が悪く、10日前には考えられないほどやつれている。
きっと俺も彼らと同じようになってしまっているんだろうなとげんなりしていると、白装束を着た大人の一人が俺達の前に出て来た。
「今からお山に入る。分っているとは思うが、俺達が良いというまでは口を開くなよ。」
俺達と同じ白装束に身を包み、顔には同じく白い布をかぶせていて、その男の表情は読めない。
しかし、その真剣な様子から俺達はビビりながらもその男の言葉にうなずいた。
674:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:55:23.14ID:MtTpUC540
山に入ってからはまさに地獄だった。
普段から人の入る山ではないので、道などあるはずもなく、落ち葉を踏みしめ、雑草を踏みつぶしてただ黙々とお山の頂上を目指して足を進める。
食事制限と眠気のせいで、平地でさえ足元が覚束ないのに、まだ日の昇っていない山道を一言も声を上げる事すら許されずに登っていく事の辛さが分るだろうか。
ましてや当時の俺達は子どもである。
何故こんなにも辛いことをさせられるのか分らず、正直逃げ出したい気持ちだった。
しかし、逃げ出すことは叶わなかった。
なぜなら、俺達の周りには先ほどの男を先頭に、俺達を囲むようにして男と同じような格好をした大人達がいたのだ。
俺達は何とも言い難い雰囲気の中、道なき道を延々と上り続け、そしてたどりついた先には小さなお社があった。
何を祀っているのか今となっては確認のしようもないが、その小さなお社は子どもが10人入り込めば満員になってしまう程の大きさであった。
大人たちは俺達5人をそのお社に押し込むと、一人一人に酒と塩を配りながら静かに口を開いた。
「それを飲んだらお前達には一人づつお山を下りてもらう。このお社を出たら、どんな道順であろうと真っ直ぐに麓を目指せ。さっきも言った通りこのお社から出た後、お山を降りるまでは決して口を開くなよ」
675:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)17:58:06.98ID:MtTpUC540
それからその男は、
・このお社の中であれば俺達同士で話をしても良い事
・何があろうと決して後ろを振り向かず、声を上げない事
・太鼓の音が聞こえたら、年少者からお社を出て麓を目指す事
を俺達に伝えると、お社の外で待機していたらしい他の白装束の大人を引き連れてお社を出て行った。
残された俺達は半狂乱だった。
まだ、日が昇っていないせいで、明りはあの男が付けて行った蝋燭の火だけ。
不気味に照らされたお社の中で映し出される顔は見知った友人達の顔であったが、そのどれもが精気を根こそぎ奪われたミイラのように見えてしまう。
「どうなってんだよ!」
「知らねーよ」
「……お母さん」
「何なんだよ、くそっ!!」
初めこそ口々に文句や大人に対する罵詈雑言を吐いていた俺達だったが、あの畏怖の対象だったお山に子どもだけで置き去りにされている恐怖感と絶望感、そしてこれからどうなってしまうのか分らない不安感に支配されてしまい、結局皆無言のまま太鼓の音が聞こえるのをひたすら待ち望んでいた。
676:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:01:58.56ID:MtTpUC540
そうこうしているうちに、何処からともなく野太い太鼓の音が聞こえて来た。
誕生日的に一番年少のAはその音を聞いただけで、ビクッっと体を震わせて声にならない小さな悲鳴を上げていたようだが、俺達の視線とこのお社の中の最悪な空気に耐えられなくなった様子で、扉をあけるとダッシュでお社を飛び出して行った。
開いた扉から一瞬だけ覗いた外の景色は、向かいの山に丁度朝日が顔を出したところで、不思議なことにこの時だけはなぜか安心することが出来た。
Aが飛び出して行って数十分。俺達は特に話すこともなく、ただじっと床を見つめて次の太鼓の音が聞こえるのを待っていた。
どこかに隙間があるのか、冷たい空気が身体を震わせる。
残された仲間同士で身体を寄せ合い寒さから身を守っていると、
ドーン ドーン
と地鳴りのように野太い太鼓の音が再び聞こえてきた。
それを聞いたBは心を決めていたのか、すくっと立ちあがると躊躇することなくお社を出て行った。
それから数十分後にはCが、その後にはDがお社を出て行った。
お社に残されたのは俺一人。
それまでなんとなくあった仲間と一緒だから大丈夫という心理もなくなり、俺は本当に一人になってしまった事実にガタガタと震えていた。
もうこの頃には時間の感覚などなくなってしまっていた。
膝を抱え、恐怖と孤独感に押しつぶされそうになっていたんだと思う。
だから太鼓の音が聞こえた時は恐怖よりも歓喜の方が強かった。
677:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:05:06.82ID:MtTpUC540
やっとこの恐怖から解放される。
そう思ってお社の扉を開くと、そこには、なんてこともない普通の山の景色が広がっていた。
お社に入った時には、まだ日が昇っていなかったので良く見えなかったのだが、俺達の畏れていたお山にしては拍子抜けするほど普通だった。
朝の爽やかな空気が満ち、風にそよぐ色とりどりの葉っぱ。
朝梅雨はお日様の光を跳ね返し、まるで光の絨毯を敷いたような錯覚さえ覚えた。
思わず、
「何だ、別に大したことねーじゃん」
と口をついて出そうになるのを呑み込み、俺はお山を下り始めた。
678:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:08:16.11ID:MtTpUC540
一番初めに違和感を感じたのは、山を下り始めて数分の事だった。
早朝の山にしては静かすぎるのだ。
山に行ったことのある人なら分ると思うが、山は意外に色々な音に溢れている。
小川のせせらぎや、小鳥の囀り、木の葉のこすれる音に、小さな虫の声。
そのどれもが一切聞こえない。
聞こえるのは俺が落ち葉を踏みしめる乾いた音と、気まぐれに吹く冷たい風の音だけ。
それに気付くと、とたんに俺はえも言われぬ恐怖に襲われた。や
はり、この山は普通じゃない。
しかし、恐怖に襲われたからと言っても足を速める事は出来なかった。
空腹と睡眠不足が祟っているのだ。
俺はふらつく足を無理やり動かし、徐々に山を下っていく。
次に違和感を感じたのは、山の中腹辺りに差し掛かった頃だっただろうか。
何故か誰かに見られているような視線を感じ、辺りを見渡すもそこにあるのは細い木と枯葉だけだった。
「(ここはお山だ。俺以外はすでに山を下りているはずだし、多分気のせいだろう)」
無理やり自分に言い聞かせて足を進める。
と、今度は俺の背後で誰かが話をしているような気配を感じた。
それも一人二人ではなく、複数の子どもの話声だった。
俺は思わず叫び出しそうになるが、手のひらで口を押さえて悲鳴を抑え込む。
その代わりに、俺は脚に力を込めて走り出した。
何度も斜面を転がり、それでも走り続けていると、いつの間にか謎の気配は消えてしまっていた。
張り付く喉のせいで呼吸が苦しく、貧血と酸欠でいよいよ意識が混濁してきた。
それでも、この恐怖から逃れるために、俺は這うようにして脚を進めた。
679:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:11:40.71ID:MtTpUC540
事が起きたのはその時だった。突然背後から
「○○ーーー!!」
と母親の声が俺の名前を呼んだのだ。
思わず振り返る俺。
しかし、そこに母の姿は無かった。代わりにいたのは、俺と同じ白装束を着た一人の少年。
一瞬、先にお山を下ったはずの友人かとも思ったが、声を出すなとあれほど言い含められて声を出すような奴はいないはずだ。
それにその少年の顔に俺は見覚えが無かった。
それほど大きくはない村だ。
同年代の子どもの顔くらい全員分る。
それでは、あいつは一体何者か……。
俺が頭を巡らせている間に、少年はにっこりと笑顔になるといたずらを思いついたような顔で口を開いた。
「さぁ、一緒に行こう」
その言葉を聞いた瞬間。俺は全身に鳥肌が立つのを感じた。
胸の奥がカッと熱くなり、悲しくもないのに涙が止まらなくなった。
「さぁ、行こう」
少年が徐々に近づいてくる。
不思議なことに、落ち葉を踏みしめているはずの少年の足音は何故か聞こえなかった。
「……さぁ」
680:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:13:58.94ID:MtTpUC540
いよいよ少年との間が手を伸ばせば届く距離となった時、お社を出るときに聞こえた太鼓の音が、地鳴りのようにして俺の耳に届いた。
少年から目を離し、後ろを振り返ると腐ったような締め縄と、麓で太鼓を叩く大人達の姿が見えた。
いつの間にか、お山を出るまであと少しの所まで来ていたのだ。
俺は、必死の思いで身を翻すと、締め縄をくぐって大人達の待つ麓へと一気に駆け下りた。
俺がお山を抜けると、大人達は何を思ったか、憔悴している俺に向かって大量の酒と塩をぶちまけた。
そして、模造紙のような巨大な紙で俺を包むと、乱暴に軽トラックの荷台に俺を放りなげた。
反抗する気力もないまま、荷台で揺られ、寒さと空腹を覚えつつ俺は眠りについた。
681:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:16:12.27ID:MtTpUC540
目が覚めると、俺は自宅のベッドに寝かされていた。
両親に話を聞くと、どうも三日三晩眠り続けていたらしい。
両親は村長と神主さんに
「一応覚悟はしておけ」
と言われていたらしく、俺が目を覚ました時は死んだ人が生き返ったように驚いていた。
両親が落ち着きを取り戻したころに、あの山は一体どういったものか尋ねてみたが、明確な答えはなく、ただ悪いモノが集まるのがあの山。
そしてお前が見たのはおそらくテンポポ様だろうと言ったきり口を開くことはなかった。
あの時、俺の他に参加していたA・B・C・Dについては、俺のように何かに話しかけられたり、何者かの視線を感じることはなかったそうである。
体調が回復した後に俺が村長と神主から聞かされた話しの中では、俺のようにテンポポ様に話しかけられて戻って来た子どもは、これまで居なかったそうである。テンポポ様に話しかけられる(=気に入られる)事はそのまま連れて行かれる事を意味していて、俺の場合は運が良かったのか、テンポポ様の気まぐれなのか良く分らないと言っていた。
その話を聞いて、少しでも天秤が傾いていたら俺はテンポポ様に連れていかれて死んでいたのではないかと思うと同時に、それを村のしきたりとして自然に受け入れている大人達に対する恐怖と軽蔑の念を抱かずにはいられなかった。
682:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:18:51.96ID:MtTpUC540
これが、大体十年くらい前の話になる。
その後、俺は何事もなく成長し、高校卒業と共にこれ幸いと村を出た。
成人してからもほとんど村に戻ることは無かったのだが、この間個人的な事情により久しぶりに村に戻る機会があったので、親父と元村長にお山について話を聞いて来た。
最初はどちらもかなり渋っていて苦労したが、私が当事者だという事と、成人しているという事で話してもらえることが出来た。
683:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:20:48.64ID:MtTpUC540
まず初めにお山についてだが、あの山は昔から地元の悪い気の流れが集まる一種の異界なのだそうだ。
鬼が出たとか天狗が出たとか、そういった話には事欠かず、女や子供が立ち入ろうものなら数日のうちに何かしらの不幸がその侵入者に訪れると言われる程、土地にしみついた悪意だとか怨念といったものが浄化されることなく溜まっていく。
見るに見かねた当時の村人達はお山を締め縄で封印することにするが、それも対した効果はなく、あふれ出る邪悪な気は数年~数十年単位で村に干ばつや洪水、飢饉、流行病などの天変地異を引き起こしていたらしい。
そこで考案されたのが、あの奇妙な風習である。
二次性徴直前の肉体的にも生命的にも最も柔軟で充実している少年たちを集め、9日間を掛けて身を清めることで人ならざる者とし、その中の一人を生け贄としてお山に捧げる。
そうすることで、お山の邪気を祓おうとしたのだ。
実際、効果はあった。
それまでの天変地異は嘘のようになりを潜め、お山に対する畏怖の念は時代の流れと共に希釈されて行った。
684:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:23:28.80ID:MtTpUC540
一定の期間で少年たちを供物に捧げてしまえば、お山は恐るるに足りないとほとんどの村人が思っていた矢先に、村を未曾有の大飢饉が襲うこととなる。
天保4年・西暦1833年のいわゆる天保の大飢饉だ。
当時の江戸幕府すら揺るがしたこの未曽有の飢饉は、例外なく俺の村を襲い、そして多数の餓死者を出した。
そこで注目されたのが、先の風習だった。
飢饉をお山が起こした物だとすれば、村のしきたりを利用して口減らしをする事は勿論、供物としてささげた少年の肉を食う事で当面の食糧にもなるという一石二鳥の名案だと喜んだらしい。
今となっては鬼畜の所業だが、きっと当時はそんな事も言ってられない程酷い状況だったのだろう。
こうして、飢饉が治まる天保10年までに述べ50人以上の少年達が供物としてお山に捧げられ、そしてその少年達の無念さとこの世に対する恨みがお山の邪気と融合して怪物が生まれたのだ。
それこそが、テンポポ様。
685:本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水)18:27:27.75ID:MtTpUC540
飢饉前に供物として捧げられた少年達も合わせると、恐らく100人以上の少年達の怨念の塊であり、土地の悪意を吸収してさらに成長した怪物。
その怨念を抑えるために、さらに供物として捧げられた少年たちを合わせると、その規模は最早
想像も出来ない程の数に上る事だろう。
村としても、何度も著名な霊能力者に、お山に巣くうテンポポ様をなんとか鎮めることが出来ないか依頼したそうだが、どの人もお山を見た瞬間に凍りつき、
「あれは、人の祓えるモノではない。これから何百年もかけて管理し、徐々に力を弱めて行くことしか出来ないでしょう」
と匙を投げたらしい。
あのお山を管理することは、村に生まれた者の務め。
何の罪もない無垢な少年達を供物という形で殺め、死肉を貪り生き延びた者達の末裔としてそれは当然の義務かもしれない。
しかし、今年生まれた俺の息子の顔を見ると、俺はこう思わずにはいられないのだ。
「どうかこの子が12歳になる時に、俺と同じような目には遭いませんように」
と。
長々とスイマセン。 以上で終わりです。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?273
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1310794907/671-685
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ドッペルゲンガー?(15)
2017.04.21 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
750:後ろの名無し[sage]:05/03/2102:25:52ID:A1/6wcnPO
半年位前に仕事から帰って来てリビングに行こうとした時見てしまった。
うちの家はキッチンを横切らないとリビングには行けない。
だから必然的に通過するがその日仕事から帰るとキッチンの灯りがついていたので
「電気消し忘れてた!」
とキッチン横で立ち止まりキッチンの方を向いた。
そこにはコンロでフライパンを使い炒め物をしている自分がいた。
あまりにもビビって
「うぉっ!」
と声をもらしてしまったらもう一人の自分は振り返った。
直感的に俺は目を合わすとヤバいと思い顔を下に向けて目を閉じた。
もう一度目を開けてキッチンを見ると電気すらついておらずもう一人の自分は消えていた。
んですっかりそんな事忘れてた今日晩飯を作る為にキッチンで料理を作っていると廊下から
「うぉっ」
って男の声がしたんでビビって振り向くと目を閉じて下を向いている自分の姿がありました。
ドッペルゲンガーでしょうか?
見るとかなりヤバいらしいですが…。
752:本当にあった怖い名無し[sage]:05/03/2103:04:43ID:OqZjkNzwO
>>750
キッチンの次元が歪んでるのかな?
最初に見た自分は未来の姿で、二回目に見た自分は過去の姿だったのかな?
実際俺も同じ経験したよ。
俺の場合は、自分の部屋に入ったら俺が寝てて、ビックリして揺り起こしたら、起きた俺が俺を見てビックリした顔のままスーット消えた。
それから数日後部屋で寝てたら、揺り起こされ。
俺は目が覚めてビックリした。
目の前にはビックリした顔の俺がスーット消えていく姿が見えた。
753:本当にあった怖い名無し[sage]:05/03/2103:14:20ID:OqZjkNzwO
ドッペルゲンガーを見た俺は、今も取りあえず元気に生きてるから、多分死ぬことはないと思うよ。
とか言いながらも、実は、ドッペルゲンガーを見て3日後に、階段から落ちて背骨を圧迫骨折して今自宅療養中です…
背骨を固定するコルセットがきつくて、煙草が吸えないのがツライよ、まぁ多分ドッペルゲンガー関係ないな(苦笑)
771:後ろの名無し[sage]:2005/03/21(月)13:15:05ID:G4MDLfwOO
>753
750ですけどドッペルゲンガーはやはりあるんだと確信しました。
昔自分の携帯番号から着信履歴があり「クローン携帯」が話題になった時期だったんでもしかして…とかけなおしたらさすがに繋がるわけも無く不思議に思った事があります。
怖い事に履歴の時間が2005年5月7日からの着信でした。今も同じ番号です。
これは関係ないか…スマソ。
引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part24
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1104498240/750-771
半年位前に仕事から帰って来てリビングに行こうとした時見てしまった。
うちの家はキッチンを横切らないとリビングには行けない。
だから必然的に通過するがその日仕事から帰るとキッチンの灯りがついていたので
「電気消し忘れてた!」
とキッチン横で立ち止まりキッチンの方を向いた。
そこにはコンロでフライパンを使い炒め物をしている自分がいた。
あまりにもビビって
「うぉっ!」
と声をもらしてしまったらもう一人の自分は振り返った。
直感的に俺は目を合わすとヤバいと思い顔を下に向けて目を閉じた。
もう一度目を開けてキッチンを見ると電気すらついておらずもう一人の自分は消えていた。
んですっかりそんな事忘れてた今日晩飯を作る為にキッチンで料理を作っていると廊下から
「うぉっ」
って男の声がしたんでビビって振り向くと目を閉じて下を向いている自分の姿がありました。
ドッペルゲンガーでしょうか?
見るとかなりヤバいらしいですが…。
752:本当にあった怖い名無し[sage]:05/03/2103:04:43ID:OqZjkNzwO
>>750
キッチンの次元が歪んでるのかな?
最初に見た自分は未来の姿で、二回目に見た自分は過去の姿だったのかな?
実際俺も同じ経験したよ。
俺の場合は、自分の部屋に入ったら俺が寝てて、ビックリして揺り起こしたら、起きた俺が俺を見てビックリした顔のままスーット消えた。
それから数日後部屋で寝てたら、揺り起こされ。
俺は目が覚めてビックリした。
目の前にはビックリした顔の俺がスーット消えていく姿が見えた。
753:本当にあった怖い名無し[sage]:05/03/2103:14:20ID:OqZjkNzwO
ドッペルゲンガーを見た俺は、今も取りあえず元気に生きてるから、多分死ぬことはないと思うよ。
とか言いながらも、実は、ドッペルゲンガーを見て3日後に、階段から落ちて背骨を圧迫骨折して今自宅療養中です…
背骨を固定するコルセットがきつくて、煙草が吸えないのがツライよ、まぁ多分ドッペルゲンガー関係ないな(苦笑)
771:後ろの名無し[sage]:2005/03/21(月)13:15:05ID:G4MDLfwOO
>753
750ですけどドッペルゲンガーはやはりあるんだと確信しました。
昔自分の携帯番号から着信履歴があり「クローン携帯」が話題になった時期だったんでもしかして…とかけなおしたらさすがに繋がるわけも無く不思議に思った事があります。
怖い事に履歴の時間が2005年5月7日からの着信でした。今も同じ番号です。
これは関係ないか…スマソ。
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1104498240/750-771
変な女の人がどこからともなく出る(未完?)
2017.04.21 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
499本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:15:48ID:PcKqMpbe0
築30年になる広島にある実家に、ずっと昔から変な女の人がどこからともなく出る。
最初に変な女を目撃したのは俺の兄で、しかも15年も前になるんだが、(当時5歳)一階の縁側(わかるかな?)の隣にある小部屋で母と姉と兄と俺の4人で寝てたんだよ。
午前3時か4時の太陽が上がりかけの頃、
「音せん?」
つって兄が姉を突然起こして、
「縁側の外で歩いてる音がする」
って言ったらしい。
俺は話を聞いただけだから詳しい事は知らないんだけど、兄はそのとき縁側の外(ガラス戸を挟んで)でなにやら後ろ向きで佇んでる女の人を見たそうな。
暗くてよく見えなかったけど、青いスカート履いて首が不自然に傾いてたらしい。
姉はそんなもん見えなかったって言い張って、母も早くから起こすなって兄を叱ったんだけど、5歳がつく嘘にしてはあまりにもハッキリと説明するから、母は不気味がったらしい。
501本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:27:55ID:PcKqMpbe0
不審者かもしれないから次の日泊り込みの仕事から返ってきた父と、林業をしてる祖父とで家に隣接してる巨大な納屋を探索したらしい。もちろん誰もいなかった。
それから1年して父の仕事の都合で新潟に引越ししたんだよ。
引越ししてから半年経ったある日、一階で俺は兄とスーファミで遊んでいたんだけど、ゲラゲラ笑いながらスーパーマリオやってた兄が突然ダンマリし始めて、俺は
「どうしたの?」
って顔しながら兄の顔除いたら、顔が真っ青で目が半開きになってるのよ。
そしたら急にむせ始めて、畳の上に大量の(さっき飲んだ)三ツ矢サイダーを吐き散らしたんだよ。
いきなりの事で俺は黙って吐き続ける兄を観察していたんだが、ゲホゲホ咽る音に気づいた父が、あわてて駆けつけて背中さすってやって事なきを得た。
病院行っても風邪ひいてたわけでもないし、食あたりでもないし、いったいゲロ吐いた理由は何だったんだろうと兄に聞いたら、前広島で見た首が変な女の人が窓の外に立ってたらしい。
俺はビビったのやら、興奮したのやらよく分からん気持ちで兄と一緒に父と母に女のことを言ったんだが、なぜかメチャメチャ怒られて、俺と兄にゲンコツかました。
502本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:40:33ID:PcKqMpbe0
それから5ヶ月くらいして神奈川に引っ越した。引越しした理由を聞いても父と母は答えてくれないし、なぜか俺たちを怒る。姉は訳がわからないからとりあえず泣いてた。
神奈川に住みだして2年くらい立って、兄は12歳、俺は7歳になったある日、兄の友人が3人家に遊びに来て、俺も加わって皆でクラッシュバンディクー2やってた。
あまりに長々とハマっていたので、外はあっという間に真っ暗な7時前。
母がPTAの友達と買い物から帰ってきて、すぐ友達に家に帰るように叱ってから、兄と俺で友達を玄関でサイナラをしようとしたそのとき、兄が突然後ずさりして玄関から飛びのいたんだよ。
こんな異常な行動を母と友達と俺は(゚д゚)ポカーンとして兄を見ていたんだけど、兄は表情が固まってなにやら気分が悪そうだった。5秒くらいその場で固まったと思ったら、そのまま台所に走って行ってしまった。
母と俺と友達は空気が読めず、
「トイレでも行ったのかな?」
とか喋りながら友達を送った。母が
「なにがあったん?」
つって兄に聞いてみると、玄関の右側の壁にある下駄箱の下の影から白い足がのぞいてたらしい。母は黙って兄の話を聞いていたが、母も気分が悪そうに、深刻な表情をしていた。
503本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:54:16ID:PcKqMpbe0
それから1年ぐらいして、実家の祖父が死んだのをきっかけに広島に引っ越すことを決めた。
祖父は地元でも親切で人望が熱かったので、大勢の人が葬式に来てくれた上に、お坊さんが3人も出動するという豪華な葬式だった。
それから一週間経ったある日、葬式のとき撮った写真が現像されて送られてきた。
俺はアフォだったので、
「さ~て心霊写真でも探そうかなぁ」
とか不謹慎なこと言いながら写真を見ていたから母と父に物凄く怒られた。
後からあらためて見てみると、3枚くらい変なものが映ってる写真があった。
一枚目は皆で集合して縁側を後ろに撮った写真なんだが、縁側のガラス戸についてるカーテン
に、何か黒い髪のようなものが絡みついている写真だった。
2枚目は俺がふざけて、兄と廊下を後ろにを撮影した物なんだが、廊下が不自然に暗く、顔のようなものが半分だけ壁から除いてる。心なしか白目をむいているように見える。
3枚目はガラス戸を挟んで外を撮影した写真なんだけど、ガラス戸に手の跡がハッキリ映ってる。
指紋とかじゃなく、ちょっと透明な手がベッタリと張り付いてる。
当時俺は9歳になるかならないかくらいのガキだったんで、あんま写真の意味が分からなかった。
とりあえず親に教えてみたけど、気のせいとか言って写真を寺に持って行ってしまった。
505本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:07:56ID:PcKqMpbe0
5年経った。
実家を改装して二階が広くなり、部屋が5つできた。
兄の部屋は西日しか当たらない位置にあるので、日中は結構暗い部屋だった。
ある日、俺が二階に上がろうとしたとき、誰もいないハズの兄の部屋からギシギシと軋む音がする上に壁を蹴ってる?ような乱暴な音がするのでちょっと怖い気分もあったがのぞいてみた。
カーテンレールの上に女の頭が乗っかっていた。
不自然なほど顔が暗くて、半開きしている口元しか見えない。
電気をつけるヒモに首が無い体がぶら下がっていて壁を蹴っ飛ばしている。
俺は
「ヒェェェッ!」
とか漫画みたいなセリフ叫びながら階段を転げ落ちて、一階のリビングでなんでも鑑定団を見てた父に今見たものを話した。
父は
「ハァ?」
を連発しながら俺の話を聞いたが、すぐに2階に走って行った。
俺は恐ろしくてその場に凍りつき、とりあえずなんでも鑑定団を鑑賞していたが、父が10秒くらいで降りてきた。なにもいなかったらしい。
507本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:20:15ID:PcKqMpbe0
その晩外出から帰ってきた兄に話すと、真っ青になって
「マジ?」
とか
「コエー」
とか言いながら、1階の縁側の小部屋に布団を準備し始めた。
俺は祖母に、このあたりで昔事故とか起こらなかったかどうか聞いてみると、昔、実家の裏にある道路でタクシー運転手の死亡事故があったらしい。
道路のすぐ脇に川があり、その川に突っ込んで死んでしまったらしい。
ブレーキ跡がなかったので、警察は自殺だろうと言い、運転手を運んだ。
祖母はその騒ぎに近所の友達と一緒に行ったらしいが、担架にで運ばれている運転手の顔が妙に
強張っていたそうな。昔からこの辺りは見通しが良い割には妙に事故が多い。
俺も2,3回事故を見た。(見たというより音を聞いた。車が引っくり返ってホイールが空回りする音とか)
4年くらい経って、兄は山口の大学に通うために引っ越していった。
母と部屋をわけて使っていた俺は、兄の部屋を引き継がせてもらうことになった。
それから1年後、俺は中学の部活のおかげでヘトヘトになりながらベッドに潜り込んだ。
その日はなぜか眠れず、9時にベッドに入ったのに、11時を回っても寝れる気配が無い。
すると突然明らかに部屋の中で女の狂ったような笑い声が響き、凄まじい速さで全員に鳥肌を
立たせながら俺は起きた。
「イヒヒヒヒヒヒヒヒ」
みたいな古臭い笑い方だったのが気味が悪い。
あわてて母とか姉とか起こして、今起こったことを説明した。3人で部屋を調べたが、特に変わった所が無い。
恥ずかしいけど、その日は母の部屋で寝ることに(w)
510本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:37:13ID:PcKqMpbe0
半年後経った。
ある日姉は友達を二人家に泊まりにこさせて、その夜は3人でカメラとかで部屋を撮影して遊んだらしい。
1週間ぐらい経って、写真を現像した姉は真っ青になって俺に話しかけてきた。
「私を撮った写真に変なもんが写っとんよ~」
とかいいながら写真を見せてもらった。
確かに姉の後ろの窓からハゲた男の顔と、俯いている女?のシルエットがクッキリと写っている。話を聞くと、文化祭でも自分の写真に変なものが写ったらしい。
姉は気味悪がって、2枚の写真を寺に持っていってお払いさせてもらうことにした。
姉も昔から兄が見た女の人や、俺が見た生首のことを非常に気味悪がっていたので、寺にそのことを言ったらしい。そのとき姉が住職さんから聞いた話によると、、、
「もしかして君の家には納屋があるんじゃないんかね?納屋っていうのは普通物置として使われているんじゃけど、昔は家に知的障害者とかが生まれると納屋に閉じ込めて近所の人から隠すんよ。築30年以上っていったら、まだその風習が続いてた頃かもしれんねぇ。もしものことがあるけぇ供え物とお経を唱えたほうがいいかもしれん。」
と聞いたらしい。祖母に納屋のことを聞いてみたが、ここに住み始める時から納屋はあり、かなりボロボロだったので何度も祖父が木材を持ってきて補強したらしい。
父は風習を聞いたことが無く、納屋を調べに行ったがそれらしい場所は無かった。
しかし、あるスペースだけ不自然に土壁で塗り固められ、その場所に行くための床が打ち砕かれて入れないようになっていたらしい。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?135
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1152269321/499-510
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築30年になる広島にある実家に、ずっと昔から変な女の人がどこからともなく出る。
最初に変な女を目撃したのは俺の兄で、しかも15年も前になるんだが、(当時5歳)一階の縁側(わかるかな?)の隣にある小部屋で母と姉と兄と俺の4人で寝てたんだよ。
午前3時か4時の太陽が上がりかけの頃、
「音せん?」
つって兄が姉を突然起こして、
「縁側の外で歩いてる音がする」
って言ったらしい。
俺は話を聞いただけだから詳しい事は知らないんだけど、兄はそのとき縁側の外(ガラス戸を挟んで)でなにやら後ろ向きで佇んでる女の人を見たそうな。
暗くてよく見えなかったけど、青いスカート履いて首が不自然に傾いてたらしい。
姉はそんなもん見えなかったって言い張って、母も早くから起こすなって兄を叱ったんだけど、5歳がつく嘘にしてはあまりにもハッキリと説明するから、母は不気味がったらしい。
501本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:27:55ID:PcKqMpbe0
不審者かもしれないから次の日泊り込みの仕事から返ってきた父と、林業をしてる祖父とで家に隣接してる巨大な納屋を探索したらしい。もちろん誰もいなかった。
それから1年して父の仕事の都合で新潟に引越ししたんだよ。
引越ししてから半年経ったある日、一階で俺は兄とスーファミで遊んでいたんだけど、ゲラゲラ笑いながらスーパーマリオやってた兄が突然ダンマリし始めて、俺は
「どうしたの?」
って顔しながら兄の顔除いたら、顔が真っ青で目が半開きになってるのよ。
そしたら急にむせ始めて、畳の上に大量の(さっき飲んだ)三ツ矢サイダーを吐き散らしたんだよ。
いきなりの事で俺は黙って吐き続ける兄を観察していたんだが、ゲホゲホ咽る音に気づいた父が、あわてて駆けつけて背中さすってやって事なきを得た。
病院行っても風邪ひいてたわけでもないし、食あたりでもないし、いったいゲロ吐いた理由は何だったんだろうと兄に聞いたら、前広島で見た首が変な女の人が窓の外に立ってたらしい。
俺はビビったのやら、興奮したのやらよく分からん気持ちで兄と一緒に父と母に女のことを言ったんだが、なぜかメチャメチャ怒られて、俺と兄にゲンコツかました。
502本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:40:33ID:PcKqMpbe0
それから5ヶ月くらいして神奈川に引っ越した。引越しした理由を聞いても父と母は答えてくれないし、なぜか俺たちを怒る。姉は訳がわからないからとりあえず泣いてた。
神奈川に住みだして2年くらい立って、兄は12歳、俺は7歳になったある日、兄の友人が3人家に遊びに来て、俺も加わって皆でクラッシュバンディクー2やってた。
あまりに長々とハマっていたので、外はあっという間に真っ暗な7時前。
母がPTAの友達と買い物から帰ってきて、すぐ友達に家に帰るように叱ってから、兄と俺で友達を玄関でサイナラをしようとしたそのとき、兄が突然後ずさりして玄関から飛びのいたんだよ。
こんな異常な行動を母と友達と俺は(゚д゚)ポカーンとして兄を見ていたんだけど、兄は表情が固まってなにやら気分が悪そうだった。5秒くらいその場で固まったと思ったら、そのまま台所に走って行ってしまった。
母と俺と友達は空気が読めず、
「トイレでも行ったのかな?」
とか喋りながら友達を送った。母が
「なにがあったん?」
つって兄に聞いてみると、玄関の右側の壁にある下駄箱の下の影から白い足がのぞいてたらしい。母は黙って兄の話を聞いていたが、母も気分が悪そうに、深刻な表情をしていた。
503本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)10:54:16ID:PcKqMpbe0
それから1年ぐらいして、実家の祖父が死んだのをきっかけに広島に引っ越すことを決めた。
祖父は地元でも親切で人望が熱かったので、大勢の人が葬式に来てくれた上に、お坊さんが3人も出動するという豪華な葬式だった。
それから一週間経ったある日、葬式のとき撮った写真が現像されて送られてきた。
俺はアフォだったので、
「さ~て心霊写真でも探そうかなぁ」
とか不謹慎なこと言いながら写真を見ていたから母と父に物凄く怒られた。
後からあらためて見てみると、3枚くらい変なものが映ってる写真があった。
一枚目は皆で集合して縁側を後ろに撮った写真なんだが、縁側のガラス戸についてるカーテン
に、何か黒い髪のようなものが絡みついている写真だった。
2枚目は俺がふざけて、兄と廊下を後ろにを撮影した物なんだが、廊下が不自然に暗く、顔のようなものが半分だけ壁から除いてる。心なしか白目をむいているように見える。
3枚目はガラス戸を挟んで外を撮影した写真なんだけど、ガラス戸に手の跡がハッキリ映ってる。
指紋とかじゃなく、ちょっと透明な手がベッタリと張り付いてる。
当時俺は9歳になるかならないかくらいのガキだったんで、あんま写真の意味が分からなかった。
とりあえず親に教えてみたけど、気のせいとか言って写真を寺に持って行ってしまった。
505本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:07:56ID:PcKqMpbe0
5年経った。
実家を改装して二階が広くなり、部屋が5つできた。
兄の部屋は西日しか当たらない位置にあるので、日中は結構暗い部屋だった。
ある日、俺が二階に上がろうとしたとき、誰もいないハズの兄の部屋からギシギシと軋む音がする上に壁を蹴ってる?ような乱暴な音がするのでちょっと怖い気分もあったがのぞいてみた。
カーテンレールの上に女の頭が乗っかっていた。
不自然なほど顔が暗くて、半開きしている口元しか見えない。
電気をつけるヒモに首が無い体がぶら下がっていて壁を蹴っ飛ばしている。
俺は
「ヒェェェッ!」
とか漫画みたいなセリフ叫びながら階段を転げ落ちて、一階のリビングでなんでも鑑定団を見てた父に今見たものを話した。
父は
「ハァ?」
を連発しながら俺の話を聞いたが、すぐに2階に走って行った。
俺は恐ろしくてその場に凍りつき、とりあえずなんでも鑑定団を鑑賞していたが、父が10秒くらいで降りてきた。なにもいなかったらしい。
507本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:20:15ID:PcKqMpbe0
その晩外出から帰ってきた兄に話すと、真っ青になって
「マジ?」
とか
「コエー」
とか言いながら、1階の縁側の小部屋に布団を準備し始めた。
俺は祖母に、このあたりで昔事故とか起こらなかったかどうか聞いてみると、昔、実家の裏にある道路でタクシー運転手の死亡事故があったらしい。
道路のすぐ脇に川があり、その川に突っ込んで死んでしまったらしい。
ブレーキ跡がなかったので、警察は自殺だろうと言い、運転手を運んだ。
祖母はその騒ぎに近所の友達と一緒に行ったらしいが、担架にで運ばれている運転手の顔が妙に
強張っていたそうな。昔からこの辺りは見通しが良い割には妙に事故が多い。
俺も2,3回事故を見た。(見たというより音を聞いた。車が引っくり返ってホイールが空回りする音とか)
4年くらい経って、兄は山口の大学に通うために引っ越していった。
母と部屋をわけて使っていた俺は、兄の部屋を引き継がせてもらうことになった。
それから1年後、俺は中学の部活のおかげでヘトヘトになりながらベッドに潜り込んだ。
その日はなぜか眠れず、9時にベッドに入ったのに、11時を回っても寝れる気配が無い。
すると突然明らかに部屋の中で女の狂ったような笑い声が響き、凄まじい速さで全員に鳥肌を
立たせながら俺は起きた。
「イヒヒヒヒヒヒヒヒ」
みたいな古臭い笑い方だったのが気味が悪い。
あわてて母とか姉とか起こして、今起こったことを説明した。3人で部屋を調べたが、特に変わった所が無い。
恥ずかしいけど、その日は母の部屋で寝ることに(w)
510本当にあった怖い名無しsage2006/07/11(火)11:37:13ID:PcKqMpbe0
半年後経った。
ある日姉は友達を二人家に泊まりにこさせて、その夜は3人でカメラとかで部屋を撮影して遊んだらしい。
1週間ぐらい経って、写真を現像した姉は真っ青になって俺に話しかけてきた。
「私を撮った写真に変なもんが写っとんよ~」
とかいいながら写真を見せてもらった。
確かに姉の後ろの窓からハゲた男の顔と、俯いている女?のシルエットがクッキリと写っている。話を聞くと、文化祭でも自分の写真に変なものが写ったらしい。
姉は気味悪がって、2枚の写真を寺に持っていってお払いさせてもらうことにした。
姉も昔から兄が見た女の人や、俺が見た生首のことを非常に気味悪がっていたので、寺にそのことを言ったらしい。そのとき姉が住職さんから聞いた話によると、、、
「もしかして君の家には納屋があるんじゃないんかね?納屋っていうのは普通物置として使われているんじゃけど、昔は家に知的障害者とかが生まれると納屋に閉じ込めて近所の人から隠すんよ。築30年以上っていったら、まだその風習が続いてた頃かもしれんねぇ。もしものことがあるけぇ供え物とお経を唱えたほうがいいかもしれん。」
と聞いたらしい。祖母に納屋のことを聞いてみたが、ここに住み始める時から納屋はあり、かなりボロボロだったので何度も祖父が木材を持ってきて補強したらしい。
父は風習を聞いたことが無く、納屋を調べに行ったがそれらしい場所は無かった。
しかし、あるスペースだけ不自然に土壁で塗り固められ、その場所に行くための床が打ち砕かれて入れないようになっていたらしい。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?135
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1152269321/499-510
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