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幽霊も物真似をする
2017.09.18 (Mon) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
449:本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金)00:32:02ID:cHOBKh+D0
6年前から犬を飼い始めた。ミニチュアダックス。もう超可愛いの。
男の子なんだけどさ、ダックス特有のなよっとした座り方してさ、こっち見てるんだ。まじたまらん。
んで、ニートやってた頃、真夜中自室でパソコンやってた。
2時くらいかな、カツカツカツって足音が聞こえるの。うちの愛犬の足音。
んで私の自室のドアの前(閉まってる)に座ってキュンキュン鳴くんだ。
で、ドア開けて小一時間程戯れるのが日課になってた。
ある日いつものように夜中パソ見てると、カツカツカツって音がする。
足音が近づいてくる。
「お、来たな~」
と思ってドア開けると誰もいない。
そんなのが何回か続いて、さすがに怖くなって、ドアを開けるのは
「キュンキュン」
って鳴き声が聞こえてからにしてた
さらにある日。
いつものように近づく「カツカツカツ」
びびって、ドアを凝視してると微かに
「キュンキュン」
聞こえる。
ヽ(*´∀`)ノワンコキターと思ってドアを思いっきり開けると
白目を剥いて口を開けた男が、這いつくばった状態のまま私の顔を睨んでた
451:本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金)00:59:33ID:mLqamRzs0
何、結局そいつは何だったの?幽霊?
ワンコは無事!!?
452:本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金)01:12:34ID:cHOBKh+D0
>>451
ワンは無事。
うち来た時から一箇所絶対に近寄らない所があって(棚の横)近づけようとすると吼えまくるし、私自身もその棚の近くの鏡で男が横切るのをみた事があるので、多分そいつ。
人間ってびっくりすると飛び上がるんだ、って初めてわかった。
その男見た瞬間ドア閉めて、弟にSOSコールした。
けど弟が来た時には何もいなかった。
今は絶対にドアを閉めなくなったよ
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/449-452
.
6年前から犬を飼い始めた。ミニチュアダックス。もう超可愛いの。
男の子なんだけどさ、ダックス特有のなよっとした座り方してさ、こっち見てるんだ。まじたまらん。
んで、ニートやってた頃、真夜中自室でパソコンやってた。
2時くらいかな、カツカツカツって足音が聞こえるの。うちの愛犬の足音。
んで私の自室のドアの前(閉まってる)に座ってキュンキュン鳴くんだ。
で、ドア開けて小一時間程戯れるのが日課になってた。
ある日いつものように夜中パソ見てると、カツカツカツって音がする。
足音が近づいてくる。
「お、来たな~」
と思ってドア開けると誰もいない。
そんなのが何回か続いて、さすがに怖くなって、ドアを開けるのは
「キュンキュン」
って鳴き声が聞こえてからにしてた
さらにある日。
いつものように近づく「カツカツカツ」
びびって、ドアを凝視してると微かに
「キュンキュン」
聞こえる。
ヽ(*´∀`)ノワンコキターと思ってドアを思いっきり開けると
白目を剥いて口を開けた男が、這いつくばった状態のまま私の顔を睨んでた
451:本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金)00:59:33ID:mLqamRzs0
何、結局そいつは何だったの?幽霊?
ワンコは無事!!?
452:本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金)01:12:34ID:cHOBKh+D0
>>451
ワンは無事。
うち来た時から一箇所絶対に近寄らない所があって(棚の横)近づけようとすると吼えまくるし、私自身もその棚の近くの鏡で男が横切るのをみた事があるので、多分そいつ。
人間ってびっくりすると飛び上がるんだ、って初めてわかった。
その男見た瞬間ドア閉めて、弟にSOSコールした。
けど弟が来た時には何もいなかった。
今は絶対にドアを閉めなくなったよ
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/449-452
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川辺に経つ数十人の子供たち
2017.09.16 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
418:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:27:52ID:raMZs4Fq0
もうずいぶん昔の話。消防学校に入学して、半年って頃。
うちの県の消防学校は川辺にあって、台風のときはよく溢れたりした。
今でこそ、水門も完成して人通りの多い道に面してるけど、その頃は空いた土地をたまたま使った、みたいな凄い辺鄙な場所で、夜には街頭なんかほとんどない場所だった。
水難事故もかなり多かったらしくて
「ここはあぶない!」
みたいな絵の看板が何十と立ってる不気味なところだった。
消防学校って完全寄宿舎制で、基本的には寮生活なんだけど夏休みはみんな大体帰省する。
でも幾人かは
「訓練したい」
とか
「面倒だ」
って理由で寮に残ってて、自分もその一人だった。
8月も半ばの暑い夜に、寮にはクーラーなんかないから、外で涼むんだけど訓練棟やら車庫やらに川の音が響いて不気味だった。
419:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:32:11ID:raMZs4Fq0
で、残った寮生同士で懸垂勝負だロープ登り勝負だ、って馬鹿なことを夜中の2時3時の涼しくなる時分までやってたら、学校の門の前を明かりが通っていく。
最初はちらほらだったんだけど、気にしてから眺めてると10か20は通ってた。
この辺には川しかないけれど、夏休みだし高校生が自転車でうろついてるんだろう、くらいに思ってた。
でも、ちょうどその日は台風が通過したあとで、川が荒れてたから
「なぁ、水防団の集まりでもあるんじゃねぇか?」
って話になって、当時は時分も無駄に熱血なのが消防士の卵だったから
「なんか手伝いでもいこうぜ」
ってことになった。
420:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:39:25ID:raMZs4Fq0
門を出ると、学校の塀がずっと続いてて
塀がとぎれたところが川辺へ降りる道、って感じだった。
明かりの行った先は川に降りる道しかないから、と訓練服(ジャージみたいの)に着替えて走っていったんだけど、明かりは見えてこない。
「川辺まで降りてみるか」
と伸びた草かき分けて降りていったら20か30人の子供が、対岸の川辺でぼーっと立ってるの。
みんな白いシャツに短パン、坊主みたいな格好で、中には手に網もってたり。
で、4人か5人の俺たちを気にすることもなく、ぼーっと立ってる。
時間は3時とっくに回ってて、子供がいるわけないし、どう見ても「普通」の子供じゃなかった。
「お前ら、遅いから帰れ!」
って一人が叫んでみたんだけど、誰もこっち見ない。
「これはおかしい」
ってことで、すぐに向こう側に渡ろうとするんだけど橋が無い。
421:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:48:21ID:raMZs4Fq0
「こっから4,500m先に橋あったよな?」
っていって、急いで対岸にいったときにはもう誰もいなくて、さざざざ、って川の音が反響してるだけだった。
流石に怖くなって、帰り道は誰も何も言わなかったんだけど消防学校の門の明かりが見えたときに、ひとりがぼそ、って。
「なぁ、今日って8月の何日だ?」
「12日だろう。あ、日付変わったから13日だ」
「じゃ、旧盆じゃないか」
そのあとは恐ろしくて、食堂で男5人、念仏のようなものを唱えて朝まで過ごしていました。
8月13日、月遅れの盆入り。
ちょうどそんな日に、川辺にたっていたたくさんの子供たち。
今でも、あの正気のない顔は頭から離れません。
朝になってやってきた教官にそのことを話したところ
「あぁ、お前らも見たのか」
と笑ってからこう付け加えました。
「あの子供の数増やしたくなきゃ、水難救助(訓練)、ちゃんとやっておけよ」
と。
今やコンクリートで護岸された川岸で、明るいあの場所に今も彼らが立っているかはわかりません。
ですが、時々、消防学校に教えに行くときはこの話をして見せます。
今思えば、消防学校の学生だからこそ、彼らが見えたのかもしれません。
422:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:49:50ID:raMZs4Fq0
>>418-421
ひさびさの暑い日に、母校を訪れて思い出した話でした。
長文&おっさんの思い出話ですまんかった。
前半と後半で語り口調が違うのは勘弁
423:30◆RPG8JNHiII:2006/08/24(木)18:54:28ID:1Uat1v4I0
最初、消防学校って小学校かと思ったww
424:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:55:11ID:GGOtv0wn0
面白い話だったよ。
ありがと
425:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)19:00:22ID:raMZs4Fq0
>>423
認知度低いからねー。ちょっと寂しいが
426:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)19:03:43ID:Qg35N2ypO
>>425
ダイジョブ!「め組の大吾」とか漫画で知ってるヤツもおる。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/418-426
.
もうずいぶん昔の話。消防学校に入学して、半年って頃。
うちの県の消防学校は川辺にあって、台風のときはよく溢れたりした。
今でこそ、水門も完成して人通りの多い道に面してるけど、その頃は空いた土地をたまたま使った、みたいな凄い辺鄙な場所で、夜には街頭なんかほとんどない場所だった。
水難事故もかなり多かったらしくて
「ここはあぶない!」
みたいな絵の看板が何十と立ってる不気味なところだった。
消防学校って完全寄宿舎制で、基本的には寮生活なんだけど夏休みはみんな大体帰省する。
でも幾人かは
「訓練したい」
とか
「面倒だ」
って理由で寮に残ってて、自分もその一人だった。
8月も半ばの暑い夜に、寮にはクーラーなんかないから、外で涼むんだけど訓練棟やら車庫やらに川の音が響いて不気味だった。
419:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:32:11ID:raMZs4Fq0
で、残った寮生同士で懸垂勝負だロープ登り勝負だ、って馬鹿なことを夜中の2時3時の涼しくなる時分までやってたら、学校の門の前を明かりが通っていく。
最初はちらほらだったんだけど、気にしてから眺めてると10か20は通ってた。
この辺には川しかないけれど、夏休みだし高校生が自転車でうろついてるんだろう、くらいに思ってた。
でも、ちょうどその日は台風が通過したあとで、川が荒れてたから
「なぁ、水防団の集まりでもあるんじゃねぇか?」
って話になって、当時は時分も無駄に熱血なのが消防士の卵だったから
「なんか手伝いでもいこうぜ」
ってことになった。
420:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:39:25ID:raMZs4Fq0
門を出ると、学校の塀がずっと続いてて
塀がとぎれたところが川辺へ降りる道、って感じだった。
明かりの行った先は川に降りる道しかないから、と訓練服(ジャージみたいの)に着替えて走っていったんだけど、明かりは見えてこない。
「川辺まで降りてみるか」
と伸びた草かき分けて降りていったら20か30人の子供が、対岸の川辺でぼーっと立ってるの。
みんな白いシャツに短パン、坊主みたいな格好で、中には手に網もってたり。
で、4人か5人の俺たちを気にすることもなく、ぼーっと立ってる。
時間は3時とっくに回ってて、子供がいるわけないし、どう見ても「普通」の子供じゃなかった。
「お前ら、遅いから帰れ!」
って一人が叫んでみたんだけど、誰もこっち見ない。
「これはおかしい」
ってことで、すぐに向こう側に渡ろうとするんだけど橋が無い。
421:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:48:21ID:raMZs4Fq0
「こっから4,500m先に橋あったよな?」
っていって、急いで対岸にいったときにはもう誰もいなくて、さざざざ、って川の音が反響してるだけだった。
流石に怖くなって、帰り道は誰も何も言わなかったんだけど消防学校の門の明かりが見えたときに、ひとりがぼそ、って。
「なぁ、今日って8月の何日だ?」
「12日だろう。あ、日付変わったから13日だ」
「じゃ、旧盆じゃないか」
そのあとは恐ろしくて、食堂で男5人、念仏のようなものを唱えて朝まで過ごしていました。
8月13日、月遅れの盆入り。
ちょうどそんな日に、川辺にたっていたたくさんの子供たち。
今でも、あの正気のない顔は頭から離れません。
朝になってやってきた教官にそのことを話したところ
「あぁ、お前らも見たのか」
と笑ってからこう付け加えました。
「あの子供の数増やしたくなきゃ、水難救助(訓練)、ちゃんとやっておけよ」
と。
今やコンクリートで護岸された川岸で、明るいあの場所に今も彼らが立っているかはわかりません。
ですが、時々、消防学校に教えに行くときはこの話をして見せます。
今思えば、消防学校の学生だからこそ、彼らが見えたのかもしれません。
422:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:49:50ID:raMZs4Fq0
>>418-421
ひさびさの暑い日に、母校を訪れて思い出した話でした。
長文&おっさんの思い出話ですまんかった。
前半と後半で語り口調が違うのは勘弁
423:30◆RPG8JNHiII:2006/08/24(木)18:54:28ID:1Uat1v4I0
最初、消防学校って小学校かと思ったww
424:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)18:55:11ID:GGOtv0wn0
面白い話だったよ。
ありがと
425:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)19:00:22ID:raMZs4Fq0
>>423
認知度低いからねー。ちょっと寂しいが
426:本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木)19:03:43ID:Qg35N2ypO
>>425
ダイジョブ!「め組の大吾」とか漫画で知ってるヤツもおる。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?140
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1155910800/418-426
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ー首狩り峠ー <土佐弁混じりの友人シリーズ>
2017.09.16 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
555名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:16:40
首狩り峠
自慢じゃないが私は憑かれやすい。
霊感なんかは殆どないので自覚症状がなくて恐ろしい。
子供の頃はよく行方不明になって、次の日に田んぼの真ん中でケタケタ笑っるのを発見されたとかしょっちゅうでした。
今でも体調悪かったり気ぃ抜くと寄って来ます。
そんな感じの話。
鳴門の方に用事があって遠出してた日の帰り、道路情報聞いてたら何でも、高速の方で事故があって大渋滞との事なので旧道を通って帰る事にした。
長い距離ながら県道なためか対向車は殆ど無い。
頭上を仰ぐと【○○峠 ○○市まで40km】の標識。
以前立っていた標識には【首狩り峠】と書かれていた道だ。
数年前に市長が、縁起が悪いからと勝手に名前を変えたが、今でも『首狩り峠』の通称で呼ばれている。
なぜそんな不吉な名前かというと昔、戦で負けた落人の集落が峠の頂上あたりにあったらしいが、ある時、残党狩りがやって来て盛大な山狩りを行い、一族郎党皆殺しにして首級を持ち帰ったのだとか確かそんな感じの由来だったと思う。
なんて直球ストライクなネーミング。
元来粘土質で急斜面、『ケ』も悪い土地とあって建物は殆ど建っていない。
うどん県とみかん県の県境、峠のちょうど一番てっぺん辺り。
緩やかなカーブ道の先に自販機とイスがあったので車を停めて一休みする事にした。
いい加減、鬱陶しい森ばっかりの風景に辟易していた頃だ。
まだ午後4時だったが天頂まで木に覆われだいぶ暗い。
辺りを見回しながら
「ホント木しかないなぁ」
とため息ついてると、どうも背後に視線を感じる。
気のせい気のせいと思ってると頭上でカラスが一声鳴いた。
体がビクッとなった瞬間、背後に感じる視線が刺すような痛みに変わった。
背中の毛がチリチリ焼けるような感覚だ。(背毛は生えてませんが)こんな感覚は以前、首なし地蔵蹴り飛ばした時以来だ。
556名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:19:28
首を90°だけ回し視線を後ろに送ると道路の向こう側に犬が座っているのが見えた。
真っ黒い犬だ。
真っ赤な目をしている。
いや、目じゃない。
目玉がない。
真っ黒な顔面の眼窩はぽっかり空いていて、眼球の代わりに赤い絵の具を浸したような赤さだ。
その眼球の無い目で私の方をじ〜っと見ている。
背中どころか私の全身神経が警鐘を鳴らしている。
。目は真っ赤なくせに口ん中や舌まで真っ黒なのだ。
犬だけど犬じゃない。
ヤバイいぞ、これは非常にヤバい。
私は見えてない、気付いてない素振りをしつつ車の方へ戻る。
頭上ではカラスどもがギャアギャアうるさく喚いている。
エンジンをかけ一目散に逃げる。
ミラーをたたんだまま3km走る。
もしサイドミラーに映ってたらと思うと気が気でなかったからだ。
そんな体験談を自称『視えるけど祓えない』友人に話したところ、臆病者と小馬鹿にされるかなと思ったんですが、意外に興味津々。
実に乗り気になってしまった。
私が
「いや、暫くあっちの方は用事ないし」
と言うと短い沈黙の後
「・・・うどん」
「は?」
「うどん食いたい」
「はぁ?」
「うどん食いてぇーー!!」
「は!?」
「うどん食いにいくぞ、ハイ決定」
「ハァ!?」
「来週ね。車は却下。バイクで行きます」
「・・・はぁ」
有無を言わさぬ強引さで決定された。
まぁレポート作成の一環と諦めるしかなかった。
ヤレヤレ。
557名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:21:42
生協前で集合、明るくなってから出発。
フツーのツーリングである。
私の愛車はエリミネーター400。
友人はRZの改造品。
排気量が多くても小回りが利かないのでどんどん離されていく。
例の場所を教えようにも 時速90kmで遠い彼方へかっ飛んでいく友人に教える術もなく、行きしはフツーに素通りしていった。
しばらくしてさびれた山村に差し掛かった頃、友人がテールランプで停車を指示する。
農道のガタガタ道を抜けた先にうどん屋があった。
こんな所にもあるもんだなぁと感心したが、友人曰く
「街で大量生産してるようなうどんはクズ、うんこだよ。こういう民家でやってるようなんが一番ウマいんよ、水もウマいしね」
入ると、なるほど普通の民家だ。
私「じゃあキツネうどんお願いします」
友「山菜天ぷらソバ大盛りで」
「お前、うどん食いてぇーって言うてたやん。ソバて・・・」
「まぁ ウソだからね」
さいですか・・・
うむ、さすがうどんの国。
確かにうまい。
ところで、今日ずっと気になってた事があったのでうどん啜りながら友人に訊いてみた。
何で車じゃなくてバイクで来たのかって。
するとニッコリ笑って
「ホラ、お前がもしとり憑かれても置いて逃げられるしょ」
うどん食った後、テキトーに走って、さぁ帰るかーとなった。
558名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:27:07
まだ秋口、4時になってもだいぶ明るい。
ただ、山ん中に入ると樹木に遮られずっと暗くなる。
頂上付近になると光が全然入らなくなる。
そして、件の休憩所に着く。
自販機と電灯、石造りの椅子が2つだけの寂しい場所だ。
エンジンを切った友人が辺りを見回し
「んー、気合入っちょーね」
と一言。
何か見えないかと訊いてみたが
「んー、見えへんね」
と。
「空気がエラい澱んどるから何やかやでそうやけどねー。待つ?」
あんまりヒマだったので2人石椅子に座って、次のレポートの調査どこ行くか〜って話になった。
「先月○浦の合戦場行ったけぇ次○○鍾乳洞にしよう」
と友人。
「えー前回の時、次は大歩危小歩危に行こう〜言うてたや、それに鍾乳洞も前に行ったし」
と私。
「いや、今度の○○鍾乳洞がまた出るちゅーて聞いたんよ。人骨見つかったらしいし」
「いや、俺ら別にオカルト調査隊じゃないからね?もっとフツーん所に・・・」
そんな会話をしている時、強い風が吹いた。
カラスがギャアギャア喚き始めた。
同時にまたあの悪寒に見舞われた。続いてヒドい頭痛が私を襲った。
隣の友人も右目を抑えて呻いている。
視界がぐわんぐわんする。
友人が何か叫んでいるが途切れ途切れにしか聞こえない。
身体は身体で氷水に浸かったような寒さが。
震えが止まらない。
隣の友人がフラっと立った?と思った瞬間・・・右足が飛んできた。
胸部にモロに受けた私はのけ反り、もんどりうって石から転げ落ちた。どうやら蹴り飛ばされたらしい。
あの細足からは想像できない威力だ。
「何すんだ!」
「コレでいいか!?」
「は?」
いや、私に向かって言ってるのではない。
友人は何も無い空間にもう一度
「コレでいいか!?」
と叫んだ。
いつの間にか風も止んだようだった。
友人は大きく深呼吸をした。
そして私に
「まだ頭痛い?立てる?」
と訊いてきた。
さっきの胸部への蹴りでロクに声の出せない私は首をコクコク縦に振った。
「すぐに帰るよ。エンジン」
フラフラする足取りでバイクの所まで戻ると寄り道もせず一直線に帰った。
559名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:30:57
生協前のファミレスで一息つく。
「あのさぁ、いっぱい訊きたい事あるんだけども」
「あのさ」
「ん?」
「面白そうやからずっと黙っちょったけど、今朝からずーっとお前ん肩に何か憑いてたんよ」
「え!?」
「3人くらい」
「なぬ!?」
「やけど、山で風吹いちゅー時、そいつらが全部お前から逃げて行きよったんでウチもビックリしてん。で、その後すぐ頭痛くなったと思うんやけど、声が聞こえた」
「声?」
「直接脳に響くような声で、スワルナ!って」
「座るなって?あの椅子?」
「やろね、お前には聞こえんかったみたいやから何とか退かそうと思って蹴った。ゴメンね」
「やから、コレでいいか!って言ってたんか・・・あ、犬はおった?」
「いや、何も見えんかった」
「そか、何やったんだろあの犬」
「あ。でもね、声が最後に言うたんよ。三度目は無いって。命が惜しけりゃもう近付かん方が良いね」
「言われなくても行かねぇよ」
後日、友人が仕入れてきた地元の老人の話によると、何でもあの場所、数年前まで社が建ってたんだけど、土砂崩れで流されて土台しか残ってないんだと。
つまり椅子だと思って座ってたあの石は社の土台。
まぁ尻乗っけられたら神様も怒るか。
しかし、ただ石に座っただけで代償がコレほどとは・・・
家に帰ってから気付いたが、あの日持ってた携帯電話、MP3プレイヤー、デジタル時計、全部ブッ壊れてました。
磁気だか電磁波だか原因は分かりませんが・・・全く、洒落にならん。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
首狩り峠
自慢じゃないが私は憑かれやすい。
霊感なんかは殆どないので自覚症状がなくて恐ろしい。
子供の頃はよく行方不明になって、次の日に田んぼの真ん中でケタケタ笑っるのを発見されたとかしょっちゅうでした。
今でも体調悪かったり気ぃ抜くと寄って来ます。
そんな感じの話。
鳴門の方に用事があって遠出してた日の帰り、道路情報聞いてたら何でも、高速の方で事故があって大渋滞との事なので旧道を通って帰る事にした。
長い距離ながら県道なためか対向車は殆ど無い。
頭上を仰ぐと【○○峠 ○○市まで40km】の標識。
以前立っていた標識には【首狩り峠】と書かれていた道だ。
数年前に市長が、縁起が悪いからと勝手に名前を変えたが、今でも『首狩り峠』の通称で呼ばれている。
なぜそんな不吉な名前かというと昔、戦で負けた落人の集落が峠の頂上あたりにあったらしいが、ある時、残党狩りがやって来て盛大な山狩りを行い、一族郎党皆殺しにして首級を持ち帰ったのだとか確かそんな感じの由来だったと思う。
なんて直球ストライクなネーミング。
元来粘土質で急斜面、『ケ』も悪い土地とあって建物は殆ど建っていない。
うどん県とみかん県の県境、峠のちょうど一番てっぺん辺り。
緩やかなカーブ道の先に自販機とイスがあったので車を停めて一休みする事にした。
いい加減、鬱陶しい森ばっかりの風景に辟易していた頃だ。
まだ午後4時だったが天頂まで木に覆われだいぶ暗い。
辺りを見回しながら
「ホント木しかないなぁ」
とため息ついてると、どうも背後に視線を感じる。
気のせい気のせいと思ってると頭上でカラスが一声鳴いた。
体がビクッとなった瞬間、背後に感じる視線が刺すような痛みに変わった。
背中の毛がチリチリ焼けるような感覚だ。(背毛は生えてませんが)こんな感覚は以前、首なし地蔵蹴り飛ばした時以来だ。
556名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:19:28
首を90°だけ回し視線を後ろに送ると道路の向こう側に犬が座っているのが見えた。
真っ黒い犬だ。
真っ赤な目をしている。
いや、目じゃない。
目玉がない。
真っ黒な顔面の眼窩はぽっかり空いていて、眼球の代わりに赤い絵の具を浸したような赤さだ。
その眼球の無い目で私の方をじ〜っと見ている。
背中どころか私の全身神経が警鐘を鳴らしている。
。目は真っ赤なくせに口ん中や舌まで真っ黒なのだ。
犬だけど犬じゃない。
ヤバイいぞ、これは非常にヤバい。
私は見えてない、気付いてない素振りをしつつ車の方へ戻る。
頭上ではカラスどもがギャアギャアうるさく喚いている。
エンジンをかけ一目散に逃げる。
ミラーをたたんだまま3km走る。
もしサイドミラーに映ってたらと思うと気が気でなかったからだ。
そんな体験談を自称『視えるけど祓えない』友人に話したところ、臆病者と小馬鹿にされるかなと思ったんですが、意外に興味津々。
実に乗り気になってしまった。
私が
「いや、暫くあっちの方は用事ないし」
と言うと短い沈黙の後
「・・・うどん」
「は?」
「うどん食いたい」
「はぁ?」
「うどん食いてぇーー!!」
「は!?」
「うどん食いにいくぞ、ハイ決定」
「ハァ!?」
「来週ね。車は却下。バイクで行きます」
「・・・はぁ」
有無を言わさぬ強引さで決定された。
まぁレポート作成の一環と諦めるしかなかった。
ヤレヤレ。
557名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:21:42
生協前で集合、明るくなってから出発。
フツーのツーリングである。
私の愛車はエリミネーター400。
友人はRZの改造品。
排気量が多くても小回りが利かないのでどんどん離されていく。
例の場所を教えようにも 時速90kmで遠い彼方へかっ飛んでいく友人に教える術もなく、行きしはフツーに素通りしていった。
しばらくしてさびれた山村に差し掛かった頃、友人がテールランプで停車を指示する。
農道のガタガタ道を抜けた先にうどん屋があった。
こんな所にもあるもんだなぁと感心したが、友人曰く
「街で大量生産してるようなうどんはクズ、うんこだよ。こういう民家でやってるようなんが一番ウマいんよ、水もウマいしね」
入ると、なるほど普通の民家だ。
私「じゃあキツネうどんお願いします」
友「山菜天ぷらソバ大盛りで」
「お前、うどん食いてぇーって言うてたやん。ソバて・・・」
「まぁ ウソだからね」
さいですか・・・
うむ、さすがうどんの国。
確かにうまい。
ところで、今日ずっと気になってた事があったのでうどん啜りながら友人に訊いてみた。
何で車じゃなくてバイクで来たのかって。
するとニッコリ笑って
「ホラ、お前がもしとり憑かれても置いて逃げられるしょ」
うどん食った後、テキトーに走って、さぁ帰るかーとなった。
558名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:27:07
まだ秋口、4時になってもだいぶ明るい。
ただ、山ん中に入ると樹木に遮られずっと暗くなる。
頂上付近になると光が全然入らなくなる。
そして、件の休憩所に着く。
自販機と電灯、石造りの椅子が2つだけの寂しい場所だ。
エンジンを切った友人が辺りを見回し
「んー、気合入っちょーね」
と一言。
何か見えないかと訊いてみたが
「んー、見えへんね」
と。
「空気がエラい澱んどるから何やかやでそうやけどねー。待つ?」
あんまりヒマだったので2人石椅子に座って、次のレポートの調査どこ行くか〜って話になった。
「先月○浦の合戦場行ったけぇ次○○鍾乳洞にしよう」
と友人。
「えー前回の時、次は大歩危小歩危に行こう〜言うてたや、それに鍾乳洞も前に行ったし」
と私。
「いや、今度の○○鍾乳洞がまた出るちゅーて聞いたんよ。人骨見つかったらしいし」
「いや、俺ら別にオカルト調査隊じゃないからね?もっとフツーん所に・・・」
そんな会話をしている時、強い風が吹いた。
カラスがギャアギャア喚き始めた。
同時にまたあの悪寒に見舞われた。続いてヒドい頭痛が私を襲った。
隣の友人も右目を抑えて呻いている。
視界がぐわんぐわんする。
友人が何か叫んでいるが途切れ途切れにしか聞こえない。
身体は身体で氷水に浸かったような寒さが。
震えが止まらない。
隣の友人がフラっと立った?と思った瞬間・・・右足が飛んできた。
胸部にモロに受けた私はのけ反り、もんどりうって石から転げ落ちた。どうやら蹴り飛ばされたらしい。
あの細足からは想像できない威力だ。
「何すんだ!」
「コレでいいか!?」
「は?」
いや、私に向かって言ってるのではない。
友人は何も無い空間にもう一度
「コレでいいか!?」
と叫んだ。
いつの間にか風も止んだようだった。
友人は大きく深呼吸をした。
そして私に
「まだ頭痛い?立てる?」
と訊いてきた。
さっきの胸部への蹴りでロクに声の出せない私は首をコクコク縦に振った。
「すぐに帰るよ。エンジン」
フラフラする足取りでバイクの所まで戻ると寄り道もせず一直線に帰った。
559名前:⑦⑦⑦ 2017/09/10(Sun)20:30:57
生協前のファミレスで一息つく。
「あのさぁ、いっぱい訊きたい事あるんだけども」
「あのさ」
「ん?」
「面白そうやからずっと黙っちょったけど、今朝からずーっとお前ん肩に何か憑いてたんよ」
「え!?」
「3人くらい」
「なぬ!?」
「やけど、山で風吹いちゅー時、そいつらが全部お前から逃げて行きよったんでウチもビックリしてん。で、その後すぐ頭痛くなったと思うんやけど、声が聞こえた」
「声?」
「直接脳に響くような声で、スワルナ!って」
「座るなって?あの椅子?」
「やろね、お前には聞こえんかったみたいやから何とか退かそうと思って蹴った。ゴメンね」
「やから、コレでいいか!って言ってたんか・・・あ、犬はおった?」
「いや、何も見えんかった」
「そか、何やったんだろあの犬」
「あ。でもね、声が最後に言うたんよ。三度目は無いって。命が惜しけりゃもう近付かん方が良いね」
「言われなくても行かねぇよ」
後日、友人が仕入れてきた地元の老人の話によると、何でもあの場所、数年前まで社が建ってたんだけど、土砂崩れで流されて土台しか残ってないんだと。
つまり椅子だと思って座ってたあの石は社の土台。
まぁ尻乗っけられたら神様も怒るか。
しかし、ただ石に座っただけで代償がコレほどとは・・・
家に帰ってから気付いたが、あの日持ってた携帯電話、MP3プレイヤー、デジタル時計、全部ブッ壊れてました。
磁気だか電磁波だか原因は分かりませんが・・・全く、洒落にならん。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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