都市伝説・・・奇憚・・・blog
宿題
2008.07.15 (Tue) | Category : 誰も信じない人へ
俺の友達の話しだけど。
俺の友達は、古風に言えばヤンキーだった。
高校もろくに行かず、友達と遊び回っていたそうだ。
先生達は皆サジを投げていたそうだが、友達の担任の教師だけは、そうじゃなかった。
かなりの豪傑だったらしく、何事にも熱心に取り組む先生だったらしい。
幾度となく留年の危機に瀕した友達を叱咤激励してくれたそうだ。
友達はその分、反抗もしたみたいだけど。
先生のおかげか、そいつの頑張りかは知らんけど、友達は高校を卒業してとある土木会社に就職。
そして、去年の10月頃、やつは不思議な夢を見たらしい。
高校の教室、辺りはぼんやりとしていて、何人かの生徒の姿が見える。
教壇には、ニカッと笑った先生の姿があった。
その先生は突然、黒板に「自習」という字を書くと
「明日から休みになるが、宿題がある!」
と叫んだ。
友達が
「えーっ!」
と声を上げると、先生は笑って
「俺からの最後の宿題だ。幸せになれ」
と言ったという。
目が覚めた後、何となく変な感覚があったと友達は言っていた。
そして、その日のお昼頃、そいつは突然、先生の死を知らされたそうだ。
原因は俺は知らないけど、急死だったらしい。
この間、飲みの席で
「俺の先公の命日だったんだ」
なんて話しから、その話しを聞かせてくれた。
いつも強気で口調の荒いそいつが、声を殺して泣いているのを見て、先生の最後の宿題を、こいつはちゃんと続けているんだなぁ、って思った。
別に感動できるような話しじゃなくてスマソ。
怒りを生きる力に
2008.07.14 (Mon) | Category : 誰も信じない人へ
14歳の時に友人が殺されました。犯人は服役して、もう出所してます。
24.5才の時に夜、水を飲みに台所に行くと誰かがいました。
あまり見える方ではないのにはっきりと髪形が見え、
「そろそろ、大人になりなよ」
と言われました。
誰かはわからず
「幽霊だけみたなぁ」
と思いました。恐くはなかったのが印象的でした。
言われた言葉も引っかかり、次の日に母に話しました。
「昨日、幽霊見た。ショートカットの女性で細めで……あ……」
その時やっとその幽霊が
「大人の姿で会いに来た友人」
だと気がつきました
14歳の時に
「犯人が出所した時、犯人が本気で許せなかったらこの手で殺そう……」
と思ってました。
多分、その時が犯人の出所した日だったのでしょう。
実刑判決15年でしたから。10年ぐらいで出て来たのだと思います。
14歳で時が止まった彼女なら……大人になれと言われて当然だと思いました。
14歳の時も生きるのが辛かった私は、私が代わりに死ねば良かったと思ってました。
24.5歳の時も生きる事に疲れて引きこもってました。友人は一喝してくれたみたいです。
今はバイトしてます。資格も取ろうと勉強する予定も立てました。
14歳の時に心の底に沈めた殺意や怒りはテレビで集団暴行や暴行殺人のニュースを見る度に握りこぶしとなって出て来ます。そんな時、友人のことを思い出すと私の中で彼女はいつも微笑んでました。
事件から17年間……いつも心の中で友人は微笑んでいた。
犯人を許すことはできなくても、私の中の殺意や怒りはどうにかできると思い始めた今日この頃です。
今考えると彼女の死は人生の分岐点でした。
中学1年の終りに、彼女の背中を見ながらなぜかはっきりと
「この子、死んじゃうんしゃないか?」
と思いました。
半年後に生まれて初めてやった占いで、身近に死が近付いている暗示が出ました。
その時は
「死んじゃうんじゃないか?」
と友人に思った事を忘れてましたし、遊びだと思ってました。
だから、全てが分かった時は友人が死んだ悲しみより、
「未来を変えられなかった自分」
に悔しくて仕方がなかった。
何度か「虫の知らせ」はあったのに、なにも出来なかった。占いは一切封印して、雑誌の星占いも嫌いになった。
14歳の私が当時の彼女にできることはただ一つ、彼女が生きた事を忘れないこと。
だから、葬式の時は泣かなかった。泣いたら涙と一緒に怒りも犯人への殺意も流れてしまうからだろう。
骨壷になった姿を見て、流石に涙があふれたけれど終りじゃなく何かが始まる気がしてました。
就職して憧れてた東京に遊びに行けるようになり、関東にあった友人の墓へも何度か参りました。
何度目かの墓参りの時に
「細長いコーラの缶」
が浮んで離れませんでした。
ペットボトルか350が全盛期なのになぜ?と不思議に思ってたら、友人の記憶だと気がつきました。
お備えのジュースも味が変わりはじめ、気が付いたら元々あったらしい霊媒体質に磨きがかかってました。
三十路越えてハイパー化する体質とともに、嫌でも命の大切さを学ばされました。
人を殺すかもしれなかった手は二十歳ぐらいに左手は人差指の側面、右は人差し指と薬指の側面ほくろができて、両手のほくろを見ようとすると無条件で拝むようになるのです。
右の薬指のほくろも見ると、仏像と同じ手の形になります。拝んでるのではなく、ほくろを見てるだけなんですが。
何度か人が亡くなる体験をして、人が死んだら泣ける人間になれました。
葬式では故人の言葉も頭に響くようになり、世間話されて笑いそうになったり……。
来年から人を生かすための勉強を始めます。
犯人が来ても当たり前のように治療する私になりたい。
生きる事は多分、そんな事だと思うので。
天使のような
2008.07.13 (Sun) | Category : 誰も信じない人へ
俺の妹さ、俺が17の時死んだのよ。今からもう8年前。
まだ6歳でさ。末っ子で、男兄弟ばっかだから、兄貴も弟も猫かわいがりしてたね。
でも、元々病弱でさ、ちっちゃくてさ。
でも、めちゃくちゃ可愛くてさ、ちょっとしたことでも、泣くんだよ。
「兄ちゃん、兄ちゃん」
って。いっつも俺の後ついてくんの。
街にあるケーキ屋のショートケーキが大好きでさ、一週間に一回ぐらい、バイト代で買ってやってた。
食ってるとき
「おいしいー」
って笑う妹が、とっても可愛くてさ、すっげぇ可愛くて…
妹が発作で倒れたって聞いて、俺、学校からバイク飛ばして中学校で弟拾って即効病院に行った。
色んな機械つけて、妹は寝てた。
おかんとばあちゃんが
「もうだめだぁ…」
って、なんかじいちゃんに拝んでるし。
「シノを連れてかんといて!お願いや」
って、じいちゃん、妹生まれてすぐに亡くなってる。
シノを抱くことなく逝ってしまったじいちゃんは、死ぬ間際まで
「シノを抱っこしたいなぁ」
って言ってた。
俺が行って
「シノ!シノ!!」
って呼ぶと、意識が戻った。
「にーやん、あんねー、シノ、ショートケーキ食べたいん」
「いっぱい買って来てやるから死ぬな!寝るな!おきてんだぞ!」
って、俺はケーキ屋からあるだけのショートケーキ全部買ってきた。
でも、妹死んじゃったよ。
俺がショートケーキ買って来て、病室のドア開けると、妹が笑ってて、
「買ってきたぞ!シノ、食って元気出せ!」
って、一口食わしたら、
「おいしいー…ありがと、にいや」
って、笑って目を閉じてソレっきり。
すぐに、ピー―――――って、機械が。電気ショックとかやっても無駄だった。
棺おけに入るときに、気に入ってた、おかんが作ってやった紺色の、フリルのいっぱいついたドレス着てた。
ばーちゃんが作ってやったお手玉もいれてやった。
お気に入りのテディベアも入れてやった。
俺、一年ぐらい立ち直れんかった。
壁にさ、誕生日に妹がくれた
「にーやん達の顔」
って絵があってさ。
まだ六歳だから下手糞でさ、でも、兄弟で笑ってんの。
俺と一番上の兄貴の間で、カチューシャ付けた妹が笑ってる絵。
もう、ソレ見るたびに泣けて来るんだよ。
でも、我が家でな、ちょっと不思議なことが起きるようになったのはそれからなんだ。
夜中に、ばーちゃんの部屋から声がすると思ったら、ばーちゃん(ボケてなくて、霊感あり)が、
「あぁ、じーさん、紫乃連れてきてくれたん。そう、その服気にいっとんのな、あぁ、そうかそうか、これて嬉しいか」
障子の隙間から見ると、ばーちゃんが笑ってんの。相槌まで打ってさ。
テーブルにお茶とジュースまで出してさ。
妹の好きな、地元の古い店が作ってる瓶のサイダー。
俺、ついついばーちゃんの部屋あけちゃった。
そしたら、ばーちゃん、慌てもせずにさ
「ヒロトー、じいちゃんとシノがそこに来とる、挨拶せぇ」
って、俺にまでお茶出すし。
「これ飲んだら、かえるとこまで帰りんさい」
って、ばーちゃんは笑ってた。
まぁ、それくらいは序の口。
おかんが台所で、弟のおやつにホットケーキ作ってたら、作っといた一皿の、一枚の半分だけが無くなってんだって。
歯型ついてて。どう見てもシノの口の大きさでさ。
「あの子、ホットケーキも好きやったからなぁ」
って、ばーちゃんもおかんも涙してんの。
あとは、家に居るときに、シノの声を聞いたことは、全員ある。
おとんが、
「きっと、この家が好きで出て行かないんだろう」
って言ってたな。
で、就職するからって東京で一人暮らし始めた。
その頃、好きな女もできて、告白しようか迷ってた。
ある日、夢ん中、妹とよく行った公園で、二人でベンチに座ってた。
「にーやんは、あの人すきなの?」
おかんが作ってやったフランス人形みたいなドレス着てさ、妹が笑ってんの。
向こう側のベンチに、俺の好きな人が座って、本を読んでて、それを指差しながら。
「うん」
って、俺が答えると、
「大丈夫、シノが何とかしたげる」
って笑ってた。
んで、しばらく経ったある日さ、その女の人から告白されてしまった。
それから、そのまま今に至るってわけで。
結婚して、しばらく経って、実家に、シノとじーちゃんの墓参りに行った時、墓前でさ、俺の奥さんが言うんだよ。
「そういえばね、不思議な事があったの」
「なに」
「あなたに告白する前にね、不思議な子にあったの。新宿で買い物してたら、ちっちゃい女の子に声をかけられてね、紺色に白いフリルのドレス着てて…でね、『おねーさんは、にーやんのこと好きですか』って言われたの。 『にーやんってだれ?』って聞いたら、『大丈夫ー、おねーさんは、にーやんのお嫁さんになる、うちのにーやんもおねーさんの事好き』って言って、どっかに消えちゃったの。でね、その子が居なくなった後、不思議なんだけど、あなたの顔が頭に浮かんだの」
「…シノ…」
しか、思い当たる所は無い。
そのことを、嫁に話すと、嫁は
「まさかー」
って笑ってたが、実家に戻って、茶の間に飾ってある、妹の写真見て、
「この子!!」
って、驚いてた。
あぁ、シノがくっつけてくれたんだ。
で、またしばらくして、嫁が妊娠。
でも、ちょっと危なかった。
ある日、病院で、嫁の看護しながら、眠っちまった。
そしたら夢に、またシノが出てきた。
「にーや、おとーさんになるの」
「そうだね」
また、公園だった。今度は俺の横に、腹が大きい嫁が座ってた。たまごクラブ読みながら。
「シノ、にーやの子供、守る」
って言って、
嫁も、
「お願いね」
って言ったら嫁の腹の中に入ってっちまったよ。
むしろ、消えたの方が正しいのか。
目が覚めて、朝、嫁にその事を話したら、嫁も、同じ夢を見てたらしい。
で、嫁も
「お願いっていったら、おなかン中入ってっちゃった」
って笑ってて…
無事、生まれました、我が子。
健康な、女の子です。今年三歳になります。
しぐさが、妹に似てます。
笑い方とか、喋り方とかね。あと、性格とか、好きな物とか嫌いなものとか。
っていうか、妹の生まれ変わりだろうな。
っていうか、俺、親ばかになりました。
麻雀も、パチンコもやめたし、家にも早く帰るようになったし。
俺の実家に帰ると、もう、皆、猫っ可愛がり。
ばーちゃん大興奮。
おやじ、初孫の為にデジカメとデジタルビデオカメラ買いました。
おかん、連れてくと離しません。
とても元気で、いたずら盛りの我が娘、元気に育てよ。
まぁ、平和です、我が家。