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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2025.03.10 (Mon) Category : 

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ハンバーガー

2010.04.22 (Thu) Category : 人を信じすぎる人へ

644 名前:1/3 投稿日:03/04/16 20:34

今住んでるマンションから徒歩十数分のところにハンバーガー屋がある。
フランチャイズ店ではなく、手作りの味を売りにしている店だ。

セット(バーガー+ポテト+ドリンク)で頼むと800円以上はするし、すごく美味いってわけでもないせいか、いつ行っても客がいない。

店内はそのくせわりと広いので、ちょっと寂しささえ感じるほどだ。

店は中年男性がレジと厨房、その奥さんらしき女性がウェイトレスや雑用を担当している。店の奥は彼らの住居に直接繋がっている作りで、よく言えばアットホーム、悪くいえば生活感があり飲食店としてはだらしない感じ。

店も店の二人も70年代を感じさせるスタイル。
それもオシャレな感じじゃなく、ちょっと陰気な、貧乏臭い感じのものだ。

フロアの中央には各種調味料が置いてある。
おれの好きなサルサソースも置いてあるので、他に食べたいものがない時に消去法でここに来ることがたまにあった。

調味料置き場には、
「当店のハンバーガーには独自の味付けをしております。調味料の類は一度召し上がってからお付け下さい」
というメッセージが書かれている。

独自の味付けっていってもケチャップとフレンチドレッシングがかかっているだけだ(たぶん)。
おれは最初からサルサソースをドバドバかけて食っていた。

確か3度目にこの店を訪れた時だったと思う。
レジでの注文時に
「うちのハンバーガーはそのまま食べてみて下さいね。あまり調味料を使うと味がわからなくなりますからね」
と言われた。

おせっかいだなぁと思いながらも、
「ええ」
とだけ無難な返事をしておいた。

その日も結局いきなりサルサソースどばどばで食べた。

それからなんとはなしにその店に行かなかったのだが、2,3ヶ月は経ってからふとまた食べたくなり、久しぶりに店を訪れた。

「うちのハンバーガーはそのまま食べてみて下さいね。あまり調味料を使うと味がわからなくなりますからね」

はっきりと覚えているわけではないのだが、前回と同じセリフをそっくりそのまま言われた。
で、今回はおっさんの顔がちょっと引き攣っていて、口調も何か感情を押し殺した様に、変に棒読みなんだ。

口元なんかちょっとプルプル震えて、どもりをすれすれで免れた感じ。

ここに至って初めてちょっと不審に思った。この店はレジが一階にあり、客が飲食するフロアは階段を上ったところにある。

ウェイトレスの奥さんも注文した品を席まで届けると、飲食フロアの奥にある自宅へと引っ込んでしまうので、おれがハンバーガーを食べているところを彼らに直接見られた記憶がないのだ。

でも、さっきの口調は通り一遍の説明ではなく、はっきりとおれへの非難が感じられるもの。
いつもおれがサルサソースどばどばやってるのを見られていたのかな。

まあでも、客がどんな食い方をしようと勝手だ。

奥さんが注文したセットを置いてフロアの奥の方へ向かったのを確認しておれはまた調味料コーナーへ向かい、バーガーのバンズを取り、サルサをどばどばかけた。

なんかおっさんが押し付けがましいのがムカつくけど、たまに食うとわりと美味いなーと思いながらむしゃむしゃやっていた。

半分くらい食べたところだったか、不意にガシャンというガラスの割れる大きな音がした。
驚いて音のする方を反射的に振り返ると、それはフロアの奥の店主達の住居の入り口。

そこから半身だけのぞかせ、店主と奥さんがこちらを凝視していた。

店主は何かを床に叩きつけた直後の様な姿勢で、顔だけこちらを向いている。
一瞬だけ視線が合ったが、すぐに目を逸らせて小走りに店を出た。
ただただ、怖かった。

彼の表情はおれに暴力的な危害を加えようというような、つまり殺気を感じさせるようなものではなかった。
自我の崩壊というものが表情に表れるとしたら、ああいう感じではなかろうかと思わせるものだった。

さらに数ヵ月後、店の前を通りかかった。

店は売りに出されていた。貼り紙から察するに、最後に店を訪れてからほどなくのことのようだった。


 








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後味の悪い話

2010.04.17 (Sat) Category : 人を信じすぎる人へ

642 名前:641女の子の話1/2 投稿日:03/04/07 16:29
彼女の姉には4才になる息子がいたんだけど、ある時、白血病を患って入院してしまった。
小児白血病ってのは進行が速い。

昔に比べれば死亡率は飛躍的に下がったとは言え、まだまだ恐ろしい病気なんだって。
だから、姉と夫は祈るような気持ちで、毎日病院へ通っていたそうだ。

そこへ現れたのが彼女の叔母さんって人。

この人が、霊とか呪いとかを信じているうえにお節介な人で、自称霊能者って人を病院に連れてきて、病室で霊視っぽい事をさせた。

その霊能者曰く
「この子には悪霊が憑いている。今すぐ除霊しないと連れて行かれる。」
両親は半信半疑ながらも、藁にもすがる思いで除霊を依頼した。

ただ、病院から息子を連れ出すわけにはいかなかったので、家で除霊の儀式を行った。

しかし、子供の病状は一向に良くならない。
すると、また叔母さんがやって来て、その霊能者の言葉を伝えた。
「悪霊の力は思いのほか強い。一刻も早く連れ出して除霊しないと、子供は地獄に堕ちる。」
その直後、子供の容態が急変した。

まだまだ甘えん坊だった息子は、母親の手を握りしめ
「ママ怖い・・ママ怖い・・」
と言いながら息を引き取ったそうだ。

このことが原因で、両親は離婚してしまった。
母親(語り手の姉)は下の娘を引き取って、一旦実家に戻った

しかし、彼女の心には「子供は地獄に堕ちる」って言葉が重くのしかかっていた。
地獄で苦しむ我が子の姿を想像すると、気が狂いそうになる。それこそ地獄のような日々。

そんなある日、荷物を整理していたら、死んだ息子が使っていた落書き帳が出てきた。
子供が描き殴った乱雑な絵ばかりだったが、ページをめくるたびに涙がこぼれたという。

と、彼女の目が最後のページに吸い寄せられた。
病院から落書き帳を持って帰った時、そこには何も書かれていなかったと記憶している。

だが、今見るとそのページには文字が書かれている。鉛筆書きの拙い字でたった一言
「だいじょうぶ」
それを見た瞬間、彼女は(これは息子があの世から送ってくれたメッセージだ)と思ったそうだ。

「それでお姉ちゃん、一念奮起して大型免許を取って運送会社に入ったんだ。今は実家を出て女手一つで娘を養っている。つくづく母親って強いなぁって思うよ・・」

それっきり、語り手の女の子はテーブルの上に俯いたまま黙ってしまった。

冷静に考えれば、彼女が最後のページを見逃しただけなのだろう。俺はそう思う。
でも、目の前で半泣きになっている女の子にはあえて言わなかった。
それ言っちゃあ野暮だろうって思ったから。

だって、子供を失った親というものは、僅かな希望にでもすがりたくなるもんじゃないか?
自分は霊なんて信じていないけれど、そんな俺だって妻子を失った時は、せめてあの世で幸せに暮らしていて欲しいって、しばらくはそればかり願ってた。

それを糧に今日を生き延びる事ができるなら、死後の世界を信じても良いって思ったんだ。

だから、そんな希望をうち砕くような自称霊能者の無神経な言葉には本当に腹が立った。
ぶん殴ってやりたい。今でもそう思う。
 

 








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回覧板

2010.03.29 (Mon) Category : 人を信じすぎる人へ

298 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/03/21 23:59

2年ほど前、俺はあるアパートの6階に一人で暮らしていたんだけど、そこで衝撃的な思いをした。
ある日のことだ。朝飯をたいらげてテレビを見てるとピンポーン、と呼び鈴が鳴った。

こんな早朝に何の用だよ・・・出てみると隣のオッサンだった。
「はいよ、回覧板。」
そう言ってオッサンは俺に回覧板を手渡し、すぐに去っていった。

俺は少しの間玄関で立ち止まったままでいた。何か・・・おかしくないか?
そう、回覧板だった。ふつう、回覧板は必ず下の階から上の階へと回っていくはずなのだがその日は何故か隣から回ってきたのだ。俺は家を出て、すぐさま隣のオッサンの家の呼び鈴を鳴らした。オッサンは不機嫌そうな顔つきで現れた。

「すみませんが、今日はなんでお宅がうちに回覧板を・・・?」
俺はそう訊いてみた。オッサンは少し顔をしかめた。
「ああ、すまんよ。上に回してくれんか」
そう問い掛けてきたので俺は
「は?」
と答えた。

するとオッサンは
「じゃあ、いい。とにかく上に回しておいてくれ」
一方的にそう言い放ち、バタン、とぶっきらぼうにドアを閉じてしまった。

なんだそりゃ。仕方ないので、とりあえずその場で回覧板を開いてみた。
回覧板の中には、いつものどうでもいい書類と、住民がサインをする用紙はなく、代わりに水色の色紙が一枚だけ挟まっていて、その裏には何か書いてあるようだった。

俺はそれを見て驚愕した。
色紙の裏には何とも気味の悪い絵が一面に書き詰められていたのだ。

大蛇がぐるぐると巻きついた十字架、刃物でメッタ刺しになっているリンゴ、眼球が飛び出した犬、四肢が全て切り離された人間、首だけで笑っている人の頭・・・・

かなりの種類だった。しかも、どの絵も全くと言っていいほど統一性がなく、それぞれ違う人間が書いたようなものに見えた。幼稚園児レベルの画力の、まさに落書きと呼ぶに相応しいような絵もあれば、美術館などで展示されていてもおかしくないような、驚くほど精巧でリアルな絵もあった。

とにかく、どれも恐ろしくグロテスクな絵だった。一般人が見たら間違いなく狂った人間の仕業と思うだろう。俺もそうだった。

なんて真似しやがる・・・どこの糞野郎か知らないが、悪質な悪戯だと思った。
それにしてもオッサンはこの絵を見て何も思わなかったのだろうか?
それとも単に気付かなかったのか?俺は再びオッサンの家の呼び鈴を鳴らした。

すると何故か、さっきはすぐに出てきたくせに今度は全然出てこない。
何度も呼び鈴を鳴らしたが、一向に出てくる気配はなかった。

ひどく気味が悪くなってきたので出来るだけ早く回覧板を手放したくなった。
階段を上がって上の階へ行き、呼び鈴を鳴らした。

しかし誰も出てこなかった。仕方ないので下の階に行き、何度も呼び鈴を鳴らしたがやはり誰も出なかった。俺は諦めて回覧板を持って家に戻ることにした。

何でこんなものが俺に回ってくるんだよ・・・すっかり嫌になった俺は、回覧板の色紙を取り外してクシャクシャに丸めてゴミ箱に捨てた。

それで少しだけ気分が晴れたような気がしたので、その日は早いうちに寝た。
夜中になって、俺は目を覚ました。時計を見ると午前3時だった。

何でこんな時間に目が覚めるんだ・・・俺はふと、あの回覧板のことを思い出して急に怖くなった。何故かあの色紙の存在がとても気になった。

恐る恐るゴミ箱の中を覗いてみると・・・色紙はクシャクシャに丸まって、さっきのまま捨ててあった。取り出して見てみると、例の気持ち悪い絵が目に飛び込んできた。

「ん・・・?」
よく見ると、絵の中に混ざって平仮名が書いてあるのに気付いた。


『 し に た い 』



次の日、隣のオッサンは首吊り自殺をしていた。
あまりに怖くて、悲しくて、泣いた。


 








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