都市伝説・・・奇憚・・・blog
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落としたもの
2010.06.29 (Tue) | Category : 人を信じすぎる人へ
40 名前:__投稿日:03/05/21 19:01
夜。雨の降る深い闇の林道で、1人の女が傘も持たずに佇んでいる。
それを見たタクシーの運転手は、その様子を気味悪く感じながらも女の前にタクシーを停車させ乗っていくように勧めた。
女は黙って運転手を一瞥すると、後部座席に乗り込み一言「×××へ」とだけ言った。
現在の場所から数十キロも離れた場所の名前であった。そこまで歩いて行くつもりだったのか・・。
運転中、2人の間に会話は無かった。
目的地に到着し、「着きましたよ」と言って運転手が振り返ると居るはずの女が消えている。
* * * *
タクシー運転手の間では有名な都市伝説の一つである。
無論、一般人だろうとこの話を知る人は多いだろう。
しかし、多いだけで“実際にそれを体験した人”というのは一体どれくらい居るのであろうか?
残念ながらその数は少ないと思う。
そんな中、昔タクシー運転手であった田中さんがこんな体験談を語ってくれた。
その体験談は、どこかあの都市伝説に似ているような気がする。
* * * *
当時タクシーの運転手だった田中さんがその女に出会ったのは、雨の強い夕暮れ時のことであった。
半ば道路に飛び出すようにしてタクシーを止めに入ったその女を、田中さんは危うく轢いてしまうところだったという。
「本当に突然出てきたもんだから、ビックリしたな。最初は怒鳴ってやろうと思ったけど、あの様子見てたら・・・」
その異様な様子に田中さんは怒鳴ることも忘れてしまったらしい。
この強い雨のなか傘も持たずに、布に包んだ赤ん坊を抱いた女は運転席側の窓を叩き続け
「乗せてください」
と呪文のように繰り返し呟いていた。
「雨に濡れた長い髪が顔にベッタリ貼り付いててな、表情が読み難かったが歳は20代前半位か。目が据わってたのが印象的だったな…それと――」
――それと、赤ん坊の抱き方が奇妙だったという。
右腕で赤ん坊を外側から丸め込むように片手で抱いて、残った左掌をその頭に置いていた。
別に撫でている風も無く、本当にただ赤ん坊の頭に手を置いているようだったという。
田中さんは後部座席に女を座らせると、何処へ向かうのか訪ねた。
「とにかく近くの病院まで…子供が……急いで!」
何と無く女の事情を理解した田中さんは、今の場所から一番近いであろう病院を思い出すと一気に車を走らせた。
「運転中は喋れる雰囲気じゃなかったな。バックミラーで何度かその女性の様子を見てたんだけど・・」
女は俯いたまま我が子に何かを呟きかけていた。腕はあの“奇妙な抱き方”のまま崩す素振りは一度も見せなかったという。
話し掛ける勇気の出なかった田中さんは、その代り車の速度を上げると病院まで急ぐことにした。
しかし、田中さんはすぐに自分の選んだ選択肢が間違っていたことを思い知らされたという。
大雨のせいもあったのであろうか、突然変った信号で田中さんが急停止したところ、後部座席に座っていた女性がよろけて運転席の背中にぶつかってしまったのだという。
ベリッ
女のぶつかった衝撃が消えると同時に、背後で嫌な音が響いた。
「本当に、嫌な音だった。まだ治りきっていない大きなカサブタを、思いっきり剥がしたことある?あれの何十倍も凄い音がしたな」
何かの剥がれるような奇妙な音のすぐ後で、今度は何か重い物が「ゴトッ」と落ちるような音がした。
何事かと思い田中さんが振り返ると、女は別段慌てる風も無く落とした何かを拾おうと座った状態から身を屈め、左手を伸ばして床をまさぐっていた。
信号が次に変るまでまだ余裕があったため、田中さんはその様子をずっと眺めていたという。
さっきのこともあるため赤ん坊の安否も気になったのだが、身を屈めた女の胸や頭の下に隠れて赤ん坊の様子はわからなかった。
数秒後、目的の物を掴んだのか女の動きが一瞬止まった。
身を起した彼女の左手には、よく分からない『何か』が鷲掴みにされていた。丸く、紫がかった奇妙な塊であったという。
女がその『何か』を掴んだままの左手を元の位置に戻すと、「クチュッ」という小さな音と共に先ほどと何ら変わらぬ“奇妙な抱き方”が完成した。
その全ての動作を目にした田中さんは、何かに気付いたように目を見開くと、叫びに近い声でこう言ったという。
「降りてくれ!!金は要らないから、出てってくれ!!!」
女は前に振り返った田中さんをバックミラー越しに睨み付けると、ロックの外れたドアを開けて大人しく出て行った。
開きっぱなしのドアから雨音が間断なく響き渡ってきた。
** * *
「彼女が落とした物ってのは赤ん坊の生首だったんだ。可哀想に、詮索はしないが一度離れちまったものを彼女は必死にくっ付けようとしてあんな抱き方してたんだろうな。それで急いで病院に連れて行こうとしてたわけだ」
田中さんはそこまで一気に喋り終えると、何かを思い出したように顔を上げ溜息を吐いた。
夜。雨の降る深い闇の林道で、1人の女が傘も持たずに佇んでいる。
それを見たタクシーの運転手は、その様子を気味悪く感じながらも女の前にタクシーを停車させ乗っていくように勧めた。
女は黙って運転手を一瞥すると、後部座席に乗り込み一言「×××へ」とだけ言った。
現在の場所から数十キロも離れた場所の名前であった。そこまで歩いて行くつもりだったのか・・。
運転中、2人の間に会話は無かった。
目的地に到着し、「着きましたよ」と言って運転手が振り返ると居るはずの女が消えている。
* * * *
タクシー運転手の間では有名な都市伝説の一つである。
無論、一般人だろうとこの話を知る人は多いだろう。
しかし、多いだけで“実際にそれを体験した人”というのは一体どれくらい居るのであろうか?
残念ながらその数は少ないと思う。
そんな中、昔タクシー運転手であった田中さんがこんな体験談を語ってくれた。
その体験談は、どこかあの都市伝説に似ているような気がする。
* * * *
当時タクシーの運転手だった田中さんがその女に出会ったのは、雨の強い夕暮れ時のことであった。
半ば道路に飛び出すようにしてタクシーを止めに入ったその女を、田中さんは危うく轢いてしまうところだったという。
「本当に突然出てきたもんだから、ビックリしたな。最初は怒鳴ってやろうと思ったけど、あの様子見てたら・・・」
その異様な様子に田中さんは怒鳴ることも忘れてしまったらしい。
この強い雨のなか傘も持たずに、布に包んだ赤ん坊を抱いた女は運転席側の窓を叩き続け
「乗せてください」
と呪文のように繰り返し呟いていた。
「雨に濡れた長い髪が顔にベッタリ貼り付いててな、表情が読み難かったが歳は20代前半位か。目が据わってたのが印象的だったな…それと――」
――それと、赤ん坊の抱き方が奇妙だったという。
右腕で赤ん坊を外側から丸め込むように片手で抱いて、残った左掌をその頭に置いていた。
別に撫でている風も無く、本当にただ赤ん坊の頭に手を置いているようだったという。
田中さんは後部座席に女を座らせると、何処へ向かうのか訪ねた。
「とにかく近くの病院まで…子供が……急いで!」
何と無く女の事情を理解した田中さんは、今の場所から一番近いであろう病院を思い出すと一気に車を走らせた。
「運転中は喋れる雰囲気じゃなかったな。バックミラーで何度かその女性の様子を見てたんだけど・・」
女は俯いたまま我が子に何かを呟きかけていた。腕はあの“奇妙な抱き方”のまま崩す素振りは一度も見せなかったという。
話し掛ける勇気の出なかった田中さんは、その代り車の速度を上げると病院まで急ぐことにした。
しかし、田中さんはすぐに自分の選んだ選択肢が間違っていたことを思い知らされたという。
大雨のせいもあったのであろうか、突然変った信号で田中さんが急停止したところ、後部座席に座っていた女性がよろけて運転席の背中にぶつかってしまったのだという。
ベリッ
女のぶつかった衝撃が消えると同時に、背後で嫌な音が響いた。
「本当に、嫌な音だった。まだ治りきっていない大きなカサブタを、思いっきり剥がしたことある?あれの何十倍も凄い音がしたな」
何かの剥がれるような奇妙な音のすぐ後で、今度は何か重い物が「ゴトッ」と落ちるような音がした。
何事かと思い田中さんが振り返ると、女は別段慌てる風も無く落とした何かを拾おうと座った状態から身を屈め、左手を伸ばして床をまさぐっていた。
信号が次に変るまでまだ余裕があったため、田中さんはその様子をずっと眺めていたという。
さっきのこともあるため赤ん坊の安否も気になったのだが、身を屈めた女の胸や頭の下に隠れて赤ん坊の様子はわからなかった。
数秒後、目的の物を掴んだのか女の動きが一瞬止まった。
身を起した彼女の左手には、よく分からない『何か』が鷲掴みにされていた。丸く、紫がかった奇妙な塊であったという。
女がその『何か』を掴んだままの左手を元の位置に戻すと、「クチュッ」という小さな音と共に先ほどと何ら変わらぬ“奇妙な抱き方”が完成した。
その全ての動作を目にした田中さんは、何かに気付いたように目を見開くと、叫びに近い声でこう言ったという。
「降りてくれ!!金は要らないから、出てってくれ!!!」
女は前に振り返った田中さんをバックミラー越しに睨み付けると、ロックの外れたドアを開けて大人しく出て行った。
開きっぱなしのドアから雨音が間断なく響き渡ってきた。
** * *
「彼女が落とした物ってのは赤ん坊の生首だったんだ。可哀想に、詮索はしないが一度離れちまったものを彼女は必死にくっ付けようとしてあんな抱き方してたんだろうな。それで急いで病院に連れて行こうとしてたわけだ」
田中さんはそこまで一気に喋り終えると、何かを思い出したように顔を上げ溜息を吐いた。
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新聞配達
2010.06.28 (Mon) | Category : 人を信じすぎる人へ
26 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/21 16:58
新聞配達のバイトをしてた時の体験談です。
当時、私が配達を受け持っていた区域に古いアパートが建っていたんですが、そこの2階の一番奥にちょっと気味の悪い部屋がありました。
毎朝4時半頃に、朝刊をドアの新聞受けに突っ込むんですが、階段を降りる前に、必ず「カタン」と音がして、振り返ると新聞がなくなっているんです。
最初は「早起きの人が居るんだなぁ」なんて思っていたのですが、それが毎日続くので、ちょっと気味が悪くなってきました。
新聞を入れた後、試しにドアの前でちょっと待ってみたのですが何も起きません。
あきらめて階段の方へ向かうと、背後で「カタン」と音と共に新聞が引き込まれました。
古いアパートなのでドアに覗き穴も無く、これはたぶん足音なんだと考えました。
そのアパートは階段も通路も金属製なので、足音がカンカンと響きます。
その音でタイミングを計っているのだろうな、と。
それである朝、2階に上がる時に靴を脱ぎ足音を忍ばせて配達してみました。
新聞を入れる時も、音を立てないように細心の注意を払って。
その甲斐あってか、階段を降りる時も新聞が引き込まれることはありませんでした。
何となく駆け引きに勝ったようないい気分でアパートを後にしました。
次の日の配達では、靴を脱がずに普通に足音を響かせて階段を上がりました。
奥の部屋の前に来た時、足裏でジャリッと音がしました。靴底ごしに小石のような感触。
足下を見ると、粉々に砕けた牛乳ビンの破片があたり一面に散らばっています。
頭からス─と血の気が引いた瞬間、「カタン」と軽い音が聞こえました。
視線を上げると、新聞受の隙間から白い手がヒラヒラと手招きしていました。
新聞配達のバイトをしてた時の体験談です。
当時、私が配達を受け持っていた区域に古いアパートが建っていたんですが、そこの2階の一番奥にちょっと気味の悪い部屋がありました。
毎朝4時半頃に、朝刊をドアの新聞受けに突っ込むんですが、階段を降りる前に、必ず「カタン」と音がして、振り返ると新聞がなくなっているんです。
最初は「早起きの人が居るんだなぁ」なんて思っていたのですが、それが毎日続くので、ちょっと気味が悪くなってきました。
新聞を入れた後、試しにドアの前でちょっと待ってみたのですが何も起きません。
あきらめて階段の方へ向かうと、背後で「カタン」と音と共に新聞が引き込まれました。
古いアパートなのでドアに覗き穴も無く、これはたぶん足音なんだと考えました。
そのアパートは階段も通路も金属製なので、足音がカンカンと響きます。
その音でタイミングを計っているのだろうな、と。
それである朝、2階に上がる時に靴を脱ぎ足音を忍ばせて配達してみました。
新聞を入れる時も、音を立てないように細心の注意を払って。
その甲斐あってか、階段を降りる時も新聞が引き込まれることはありませんでした。
何となく駆け引きに勝ったようないい気分でアパートを後にしました。
次の日の配達では、靴を脱がずに普通に足音を響かせて階段を上がりました。
奥の部屋の前に来た時、足裏でジャリッと音がしました。靴底ごしに小石のような感触。
足下を見ると、粉々に砕けた牛乳ビンの破片があたり一面に散らばっています。
頭からス─と血の気が引いた瞬間、「カタン」と軽い音が聞こえました。
視線を上げると、新聞受の隙間から白い手がヒラヒラと手招きしていました。
夫婦喧嘩
2010.06.20 (Sun) | Category : 人を信じすぎる人へ
451 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/20 10:21
何年前だったか、うちの近所で起こった話しです。
そこの奥さんは背が高く色白で太った方でした。
おしゃべり好きだけど、少し口が悪く、ご主人の事もボロクソにけなします。
ご主人は反対に痩せていて、とても寡黙な学者タイプのような方でした。
人前で奥さんに何を言われても黙って従っておられて、近所でも、ご主人がかわいそうだわねと噂していました。
でも、そこの家のお隣さんが話してくれたのですが、夜になるとすごい夫婦喧嘩があるそうなのです。
それもどうやらそのおとなしいと思われるご主人が手をあげるらしく、たまに奥さんの悲鳴も聞こえるそうです。
けれども他人のプライバシーですから、何も聞かなかったふりでお付き合いされていました。
そこの奥さんも、あくる日は何事も無かったかのように明るくされていたし、はた目からは普通のよくあるご夫婦に見えていました。
ある夜、そのお隣さんの、いつも早く寝る子供が起きていて
「お母さん、隣でおばちゃんが泣いてる。」
と言います。
その子の部屋が一番隣の声が聞こえるのです。
ああ、また夫婦喧嘩だな、と思い聞いちゃ悪いと思いながらも静かにしてると
「このめす豚め!」
とご主人の声が聞こえビシッ!と叩くような音。
「もうやめて!」
と奥さんの悲鳴。
ちょっといくら夫婦喧嘩でもひどいんじゃないかなと思い止めに行ったほうがいいのかなと迷っておられました。
そうするうち声が止んだので、やれやれとその夜は終わりました。
あくる日、お隣さんは大変な騒ぎで目を覚ましました。隣の奥さんが亡くなられて、警察が出入りしています。
ご主人が奥さんを殺してしまったそうなのです。
「ああ、あの時止めに入れば良かった!」
と、心底悔やんだそうです。
ですが、のちに警察からお隣に、そこの夫婦関係について少し事情聴取があってわかったのですが、どうやら死因は、夫婦のSMプレイ中の事故だったらしいのです。
首にロープを巻きつけて、吊るしたりしてるうちに亡くなってしまったとか。
お隣さんが聞いた声や音は、プレイの調教中だったんですね。
そういう時に止めに入ったって・・・。
でも、本当にプレイだったのか、ひょっとして殺意があったのでしょうか。
何年前だったか、うちの近所で起こった話しです。
そこの奥さんは背が高く色白で太った方でした。
おしゃべり好きだけど、少し口が悪く、ご主人の事もボロクソにけなします。
ご主人は反対に痩せていて、とても寡黙な学者タイプのような方でした。
人前で奥さんに何を言われても黙って従っておられて、近所でも、ご主人がかわいそうだわねと噂していました。
でも、そこの家のお隣さんが話してくれたのですが、夜になるとすごい夫婦喧嘩があるそうなのです。
それもどうやらそのおとなしいと思われるご主人が手をあげるらしく、たまに奥さんの悲鳴も聞こえるそうです。
けれども他人のプライバシーですから、何も聞かなかったふりでお付き合いされていました。
そこの奥さんも、あくる日は何事も無かったかのように明るくされていたし、はた目からは普通のよくあるご夫婦に見えていました。
ある夜、そのお隣さんの、いつも早く寝る子供が起きていて
「お母さん、隣でおばちゃんが泣いてる。」
と言います。
その子の部屋が一番隣の声が聞こえるのです。
ああ、また夫婦喧嘩だな、と思い聞いちゃ悪いと思いながらも静かにしてると
「このめす豚め!」
とご主人の声が聞こえビシッ!と叩くような音。
「もうやめて!」
と奥さんの悲鳴。
ちょっといくら夫婦喧嘩でもひどいんじゃないかなと思い止めに行ったほうがいいのかなと迷っておられました。
そうするうち声が止んだので、やれやれとその夜は終わりました。
あくる日、お隣さんは大変な騒ぎで目を覚ましました。隣の奥さんが亡くなられて、警察が出入りしています。
ご主人が奥さんを殺してしまったそうなのです。
「ああ、あの時止めに入れば良かった!」
と、心底悔やんだそうです。
ですが、のちに警察からお隣に、そこの夫婦関係について少し事情聴取があってわかったのですが、どうやら死因は、夫婦のSMプレイ中の事故だったらしいのです。
首にロープを巻きつけて、吊るしたりしてるうちに亡くなってしまったとか。
お隣さんが聞いた声や音は、プレイの調教中だったんですね。
そういう時に止めに入ったって・・・。
でも、本当にプレイだったのか、ひょっとして殺意があったのでしょうか。
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