都市伝説・・・奇憚・・・blog
毟られる髪
2008.02.05 (Tue) | Category : ホラー・自己責任
読む場合は自己責任で。
一切関知しません。
では。
怖い話というか、意味不明なんですが、自分にとっては洒落にならないことがありそうなので。
中学時代、怪談ゲームを通して怪談話が好きになり、よく自分に構ってくれる母方従兄弟に怪談をせびってました。
従兄弟は新しいもの好きで、ロンゲメッシュと当時では珍しい格好、友達も多く色々な話を聞かせてくれました。
そんな従兄弟も就職し、じいちゃんも祝いではしゃいでいました。じいちゃんは真っ白で背中の真中くらいまで伸ばした髪の毛を後ろで縛るという変わったファッション(?)をしていたのを良く覚えてします。
従兄弟が就職し、じいちゃんは釣り、ばあちゃんは畑仕事、伯母さんは仕事、従兄弟の姉は学校で、昼間誰もおらず遊びに行くことも減りました。
伯父はずっと前に火事で亡くなっていたそうです。
しばらくして、ポケベルを持つと従兄弟から連絡がありました。
「お前怪談好きだっただろ?爺が釣り仲間に聞いた話があるから今度聞かせてやるぞ」
そんな内容だった気がします。
しかしそれからすぐにじいちゃんが亡くなり、聞く事をすっかり忘れてしまいました。
棺おけの中でじいちゃんは長かった髪の毛をすっかり無くし、坊主にしていました。
高校に入り、携帯電話を持つと従兄弟と電話する機会が増えました。某大手百貨店に就職した従兄弟の話は仕事の話が多く、面白かったです。
高校二年頃、学校から帰ると従兄弟が家に来てました。実際に会うのは葬儀以来ですっかり社会人らしく髪の毛を黒くし、短くなっていました。
丁度祖父の言っていたという怪談話を聞こうと思っていたので聞こうとしたのですが、母の制止に掛かり止められました。
その日の夜、今度ファミレスかどっかに行って話してくれるとメールが入り、楽しみにしてました。
が、数日後に従兄弟は心臓麻痺で亡くなりました。業務中にいきなりだったらしく大騒ぎだったらしいです、ストレスか何かでなったんではないかと言ってました。
葬儀には大手百貨店から大きな花が贈られており、大手会社から花を送られてくるほどの従兄弟を誇りに思ったのと同時に、その花が大好きな従兄弟の死を実感させてきて悲しくなりました。
母は実家で49日まで居るとのことでした。
従兄弟の仕事仲間とそこで知り合い、従兄弟の話を聞いてました。
「あいつ結構怪談とか好きでさ、こんな話をしてきたんだ」
「あいつの爺ちゃんが聞いた話らしいんだけど、戦時中の話だ」
「元華族、裕福な家で成績良く、運動も出来る、さぁこれから国のために戦うぞって時に、肺結核になって兵隊になれなかった男がおったらしい。」
「そいつは村に残った女子供に病気だと忌み嫌われ、果ては恋人や友人にまで見つかれば石を投げられる始末だった」
「怒ったそいつは村人を見返そうとするが、病気は一向に良くならず、体力がどんどん落ちていった」
「死期を知ったそいつは恋人だった女を山に誘って襲い、事が済むと女は逃げて、山に残されたそいつは体力衰弱とで降りることもままならなくなった。」
「翌日男がいない女は心配になり、襲われた現場に向かった。男は女を見ると追いかけた。なにやら恨み言を叫んびながらだったらしい」
「怖くなった女は再びそこから逃げようとするが、男に後ろ髪を掴まれ毟られたそうだ」
「それからその女は子供を産むが、狂い死にしたらしい。そしてこの話を聞いたヤツはそいつに呪われると」
「そこで終わりじゃない、呪いの内容はだ」
「夢の中で、真っ暗、多分部屋の中で朝を探すんだ。」
「待てば良いってもんじゃない、光を探してつかまなきゃいけない。」
「でもそれはあるモノから逃げながらやらないといけない。」
「逃げてると暗闇の中からグワっと音がして、頭を捕まれる。みしっと音がして髪の毛を毟られる」
「だいたいいつもそこでぎりぎり、光を掴んで目が覚める」
「そこでみんな髪の毛を毟られずに襲われたらどうなるかと怖くなって、髪の毛を短くするんだ。」
そのときは話を聞いて戦時中て怖いなぁくらいにしか考えなかった。
が、しばらくして、お骨を墓に入れるとかなんとかで再び母の実家へ。母は髪を短くしていました。
わたしは夢を見てません。母も健在です。が、日に日に母の髪が白くなって行きます。
怖くなり従兄弟の仕事仲間に聞くと、
「大丈夫だろ、なんかその話ちゃんと神社で呪を封じてるとか聞いたし、俺そんな夢見てないから」
とのこと。
それでも気になったわたしはどこの神社か調べようとしました。ですが話の元となる祖父に話した釣り仲間が見つかりません。
この話を学校の友人に相談すると、
「なんつー話を言ってくるんだよ、それ知ってる」
とのこと。
もうすぐ来る夏休みを利用して神社を尋ねることにしました。
神社へは交通の便が悪く(というか免許なかったので電車+タクシー+徒歩)つく頃には夕方になりました。
神社に着き、そこに居た神社の人らしいおっさんを訪ねると凄まじい勢いで追い返されました。
「どうせまた噂を聞いて来たんだろ、帰れ」
と結局話をすることも出来ず、わたしと友人は今でもその夢を見ていません。
が、わたしの知る限り今までずっと長いままだった母の髪はあれから3年経っているのにまだ短いままです。
母から話を聞くと母があぶないような気がしてきて、聞けません。
従兄弟の仕事仲間と連絡がつかなくなり、手掛かりがなくなりました。
いつか自分も夢をみて頭を毟られるのかと思うと・・・
山の測量
2008.02.04 (Mon) | Category : ホラー・自己責任
読む場合は自己責任で。
一切関知しません。
では。
639 名前:長文スマソ 投稿日:03/02/04 17:50
先月のことです。Aと俺は山へ測量に入りました。
山の測量に行く時は、最低3人で行くようにしていたんですけど行くハズだった奴がインフルエンザで倒れて、他に手の空いてる人も居なかったんでしょうがなく2人で行くことになったわけです。
でもやっぱり不安だったんで、境界を案内してくれる地元のおっさんについでに測量も手伝ってくれるように頼みました。
おっさんは賃金くれればOKという事で、俺たちは3人で山に入りました。
前日からの雪で山は真っ白でした。
でも、ポールがよく見えるので、測量は意外にサクサク進みました。
午前中一杯かかって尾根の所まで測ったところで、おっさんの携帯が鳴りました。
おっさんはしばらく話をしていましたが、通話を終えると、急に用事ができたので下りると言い出したのです。
おいおいって思ったんですけど、あとは小径に沿って土地の境界やから、そこを測っていけばイイからって言われて小径沿いだったら大丈夫かもな、まぁしゃーないか
みたいなムードで、結局Aと俺の二人で続きをやることになりました。
ところがおっさんと別れてすぐ、急に空が曇ってきて天候が怪しくなってきました。
このまま雪になるとヤバイよな、なんて言いながら、Aと俺は早く済まそうと思ってペースを上げました。
ところで、俺らの会社では山の測量するのにポケットコンパスって呼ばれている器具を使っています。
方位磁石の上に小さな望遠鏡が付いていて、それを向けた方向の方位や高低角が判るようになっています。
軽くて丈夫で扱いが簡単なので、山の測量にはもってこいなんです。
俺はコンパスを水平に据え、ポールを持って立っているAの方に望遠鏡を向けて覗きました。
雪に覆われた地面と枝葉に雪をかかえた木立が見えますが、ポールもAの姿も見えません。
少し望遠鏡を動かすと、ロン毛の頭が見えたので、次に、ポールを探して目盛りを読むためにピントを合わせました。
(あれ?)
ピントが合うと、俺はおかしなことに気付きました。
俺たちはヘルメットを被って測量をしていたのですが、Aはなぜかメットを脱いでいて、後ろを向いています。
それにAの髪の毛は茶髪だったはずなのに、今見えているのは真っ黒な髪です。
(おかしいな)
望遠鏡から目を上げると、Aがメットを被り、こっちを向いて立っているのが見えました。
が、そのすぐ後ろの木立の隙間に人の姿が見えます。
もう一度望遠鏡を覗いて少し動かしてみました。
641 名前:639 投稿日:03/02/04 17:53
女がいました。
立木に寄りかかるように後ろ向きで立っています。
白っぽい服を着ていて、黒い髪が肩を覆っていました。
(こんな雪山に・・・なんで女?)
俺はゾッとして望遠鏡から目を離しました。
「おーい!」
Aが俺の方に声を掛けてきました。
すると、それが合図だったかのように、女は斜面を下って木立の中に消えてしまいました。
「なにやってんスかー。はよして下さいよー。」
Aのその声で、俺はわれに返りました。
コンパスを読んで野帳に記入した後、俺は小走りでAのそばに行って尋ねました。
「今、お前の後ろに女立っとったぞ、気ぃついてたか?」
「またそんなこと言うて、止めてくださいよー。」
笑いながら、そんなことを言っていたAも、俺が真剣だとわかると
「・・・マジっすか?イヤ、全然わかりませんでしたわ。」
と、表情が強ばりました。
642 名前:639 投稿日:03/02/04 17:54
Aと俺は、あらためて木立の方を探りましたが、木と雪が見えるばかりで女の姿はありません。
「登山してるヤツとちゃうんですか?」
「いや、そんな風には見えんかった・・」
そこで俺は気付きました。
あの女は、この雪山で一人で荷物も持たず、おまけに半袖の服を着ていたんです。
「それ、ほんまにヤバイじゃないっスか。気狂い女とか・・・」
Aはかなり怯えてました。
俺もビビってしまい、居ても立ってもいられない心持ちでした。
そんなことをしているうちに、周囲はだんだん暗くなって、とうとう雪が降ってきました。
「はよ終わらして山下ろ。こらヤバイわ。」
俺たちは慌てて測量作業を再開しました。
天候はドンドン悪化して、吹雪のようになってきました。
ポールを持って立っているAの姿も見にくいしアッという間に降り積もる雪で、小径もわかりづらくなってきました。
携帯も圏外になっていました。
俺は焦ってきて、一刻も早く山を下りたい一心でコンパスを据え付けました。
レベルもろくに取らずに、Aの方に望遠鏡を向けようとしてそっちを見ました。
すると、さっきの女がAのすぐ後ろに立っていました。
645 名前:639 投稿日:03/02/04 18:10
今度は前を向いているようですが、吹雪のせいで良く見えません。
Aは気付いていないのかじっと立っていました。
「おーい!」
俺が声をかけてもAは動こうとしません。
すると、女のほうが動くのが見えました。
慌てて望遠鏡をそっちに向けてビビリながら覗くと女は目を閉じてAの後ろ髪を掴み、後ろから耳元に口を寄せていました。
何事か囁いているような感じです。
Aは逃げようともしないで、じっと俯いていました。
女は、そんなAに囁き続けています。
俺は恐ろしくなって、ガクガク震えながらその場に立ち尽くしていました。
やがて、女はAの側を離れ、雪の斜面を下り始めました。
すると、Aもその後を追うように立木の中へ入って行きます。
「おーい!A!何してるんや!戻れー!はよ戻ってこい!」
しかし、Aはそんな俺の声を無視して、吹雪の中、女の後を追いかけて行きました。
俺は、測量の道具を放り出して後を追いました。
Aはヨロヨロと木立の中を進んでいます。
「ヤバイって!マジで遭難するぞ!」
このままでは、自分もヤバイ。
本気でそう思いました。
逃げ出したいっていう気持ちが爆発しそうでした。
周囲は吹雪で真っ白です。
647 名前:639 投稿日:03/02/04 18:11
それでも、何とかAに近づきました。
「A!A!しっかりせえ!死んでまうぞ!」
すると、Aがこっちを振り向きました。
Aは虚ろな目で、あらぬ方向を見ていました。
そして、全く意味のわからない言葉で叫びました。
「*******!***!」
口が見たこともないくらい思いっきり開いていました。
ホンキで下あごが胸に付くくらい。
舌が垂れ下がり、口の端が裂けて血が出ていました。
あれは、完全にアゴが外れていたと思います。
そんな格好で、今度は俺の方に向かってきました。
「・・・****!***!」
それが限界でした。
俺は、Aも測量の道具も、何もかも放り出して、無我夢中で山を下りました。
車の所まで戻ると、携帯の電波が届く所まで走って、会社と警察に電話しました。
648 名前:639 投稿日:03/02/04 18:12
やがて、捜索隊が山に入り、俺は事情聴取されました。
最初は、あの女のことを、どう説明したらよいのか悩みましたが結局見たままのことを話しました。
警察は淡々と調書を取っていました。
ただ、Aに女が何かを囁いていた、というところは繰り返し質問されました。
翌々日、遺体が一つ見つかりました。
白い夏服に黒髪。
俺が見た、あの女の特徴に一致していました。
俺は警察に呼ばれて、あの時の状況についてまた説明させられました。
その時に、警察の人から、その遺体についていろいろと聞かされました。
女の身元はすぐにわかったそうです。
去年の夏に、何十キロも離れた町で行方不明になっていた女の人でした。
ただ、なぜあんな山の中に居たのかはわからない、と言うことでした。
俺は、あの時のことはもう忘れたい、と思っていたのでそんなことはどうでもエエ、と思って聞いていました。
けれど、一つ気になることがありました。
女の遺体を調べたところ、両眼に酷い損傷があったそうです。
俺は、Aのヤツそんなことをしたのか、と思いましたがどうも違ったみたいで、その傷は随分古いものだったようです。
「目はぜんぜん見えんかったはずや。」
警察の人はそう言いました。
649 名前:639 投稿日:03/02/04 18:13
結局、Aの行方は、今でもわかっていません。
残された家族のことを考えると、Aには生きていて欲しい、とは思いますが、あの時のことを思い出すと、正直なところ、もう俺はAに会いたくありません。
ただ、何となく嫌な予感がするので、先週、髪を切って坊主にしました。
終わりです。
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655 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/04 19:16
>>639
アレ?この話
・後ろ髪引っ張られる
・目が潰されている
・坊主にする
これって、どっかで聞いたような・・・
664 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/04 20:50
>>655
すごい気になる。教えれ。
667 名前:655 投稿日:03/02/04 20:58
>>664
単なる思いつきで自信ないんですけど
前スレのパート?で似たような話を見たような・・・
廃屋で何かに憑かれて神主さんが出てくるやつ。
後ろ髪を引っ張って取り憑くとかなんとか・・・
670 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/04 21:06
>>667
自己責任?
672 名前:655 投稿日:03/02/04 21:51
>>670
そう!それです!
さっき過去ログのpart13見てきました。その話です。
673 名前:639 投稿日:03/02/04 23:12
>>670 672
ああ、やっぱりそう思いますか。
俺もその話、前に読んだことがあってそんで、今回のことで気になりだして、髪の毛ボーズにしたんです。
Aも髪の毛のばしてたしあの話(自己責任)の方言見てると、女が行方不明になった町に近い感じがしたし
俺はまあ勝手に、女に憑いてたモノがAに移って、それで女は死んでもたんかなぁって考えて。
で、Aは今どこにおるんやろうって思うと、なんか怖くて髪の毛切ったんです。
ここへ書き込んだのは、ちょっと感じワルイかもしれへんけど誰かの反応を見たかったんです。
俺の不安(自己責任の話と共通点がある)が普通レベルのものなのか、妄想レベルなのかが知りたかったんです。
674 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/05 00:19
で、問題のその話。(集計サイトより)
http://www1.ocn.ne.jp/~jet-web/kowai/13/504.htm
自己責任で読んで下さい。
自己責任…
話は繋がっていたのか
676 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/05 00:52
なんか集計サイトの掲示板にも自己責任と他の話の関連が書かれてたね。
転載------
すいません…投稿じゃないんですけど…
誰も言ってないと思ってたら、投票のところでどなたかが
感想に書かれてるので、前から気になっていることを
ちょっと書いてみます。
【仮説】
「ヤマニシさん(13)」って、「自己責任(13)」と同じことを言っている話じゃないですか?
<似ている点>
・普通の民家のような廃屋
・山の上に神社
・怖い神主
・口にものをつめこむ
・後ろ髪
・封印された奥座敷(?)
<推測>
Y子はネットでX男と知り合った
Y子はネットで呪い怪談「ヤマニシ」の話を聞いた(?)
Y子は現地に行っておかしくなった(呪われた?)
Y子に「ヤマニシ」を教えたX男もおかしくなった
<推測2>
「ヤマニシ」を読むとおかしくなる
677 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/05 00:53
転載続き
<推測3>
「ヤマニシさん(13)」の事件が起きたのは、記述を信用するなら1998年
「ヤマニシさん(13)」の最後に言われている「ヤマニシ=実体のない呪いの話」が、実は「自己責任(13)」(BBSのヘッダを信用するなら1997年ごろ流通)だと考えてもおかしくない
<推測4>
むしろそうだったからY子は後ろ髪をばっさり切ったのでは?
<推測5>
「自己責任(13)」を読んだわたしたちも、そのトリガーがひかれていない(現地に出向くようなことはしていない)だけで、実は呪われているのでは?
<推測6>
「ヤマニシさん(13)」が実話なら、神社の奥座敷にまだ「A」がいるのでは?
以上です。
夜一人でこれを考えついたときには、めちゃめちゃ怖かったです。
http://www1.ocn.ne.jp/~jet-web/kowai/
無断転載スマソ
以下、「山の測量」作者様の書き込みです。
測量師補
山の測量の作者です。自己責任との関連性について話が出ていたので書き込んでおきます。結論から言うと、自己責任と私の体験の間には関連性があるとしか思えません。Aは春先に山で発見されました。下着姿で凍死。やはり目に怪我をしていたそうです。眼窩に木片が残っており、どうやら木の枝などで目を潰したらしい。もう一つ、Aの失踪後に本社の事務員が一人行方不明になりました。Aが発見された場所から数キロしか離れていないところに車が乗り捨てあったそうです。以上の話は実体験ではなく伝聞ですので信頼性は低いのですが。一応このあたりの事情は書いておいた方が良いかと思い書き込みました。あとは各自の判断にお任せします。
-7/8 13:24
ヤマニシさん
2008.02.03 (Sun) | Category : ホラー・自己責任
読む場合は自己責任で。
何かあっても関知しません。
では。
4年前? 先輩と彼女と、彼女の知り合いの男女と4人でデートすることがあった。で、帰りにメシ食ってたら、知り合いの女の子が
「ヤマニシさん見に行きたい」
って言い出したんだって。
あ、先輩と、その男女ってのは面識なくて、その日が初対面だった。先輩の彼女が、男女の男の方と同じ中学
だったとかの仲で、男の方は大人しい感じだったらしい。
もう夜も遅いし先輩も彼女もヘロヘロだったから帰りたかったし、その女の子が勘違い爆発な奴で、途中から先輩もキレ気味だったんだけど、その女の子がけっこう可愛くて、もう一人の男のほうがヘラヘラ機嫌取ってるような感じだったんで、こいつらつきあってるわけじゃねーのかよ、なんだかなー思ったんだけど、まこの場はこいつの顔立ててやっとこか、みたいなノリで、行くことにしたんだって。
そのゴキゲンくんと勘違い女って(気の毒なのでX男とY子にしとく)、今珍しくないけど、ネットの掲示板か何かで知り合ったらしかったのね。まぁようするに、ちょっとインドアーな感じのカップルだった、ってことです。
そのころ地元でちょっと有名になった話で、ラブホ山の裏の廃屋に「ヤマニシさん」がいて、こちらから
「ヤマニシさんヤマニシさん」
て呼ぶと
「もーすもーす」
とか何かいう声で応えるらしい。
Y子はその話をどっかから聞いてきたらしくって、車あるんならいきましょーよー、って言ってたそうな。
町中から車でちょっと行ったところに、ラブホがバンバン立ってる山があって、その裏の方にお屋敷通りがあるんだけど、そこは、基本的に表から車でぐるっと上って、降りていかないとそっちに行けないようなふうになってるから、確かに車じゃないと、裏から歩いて上るしかない。まぁ車があればこれ幸い、というのはわかるんだけど、なんかとことんまで図々しい奴だなぁ、と先輩も思ったらしい。
でなんだかんだで行くことにした。
まぁ帰りに適当なこと言ってホテル行くか? とは先輩思ってたんだろうけど。(笑)
先輩の彼女は、相当嫌がってたんだけど、なんとか言い含めた。
Y子はそうとうはしゃいでいたらしい。だーれもオマエの話なんて聞きたくないっちゅうのに、自分の知ってる怪談話をペラペラしゃべりだしたりして、まぁ後になって考えるとおかしい状態に入ってたのかもしれんとは、先輩言っていた。
結局夜中だし、車で乗り付けるわけにもいかないので、山頂から少し下った駐車場に車を止めて、Y子が教わったっていう廃屋の場所まで歩いて行った。
その廃屋っていうのが、元華族の家だったのをバブルの時に全部つぶして2件並びに家を建てたんだけど、持ち主が借金か何かでいなくなったんで放置されてる家らしい。1件は貸家にするつもりだった
らしいけど、それもそのまま。
屠殺場とか、精肉工場とか、外から見えないようにやたら高い生け垣になってるでしょ。
あれに近いような感じの屋敷が、ちゃんと2件並んで建っている。
Y子は誰に聞いてたのか、どんどん歩いていって、一方の屋敷に入っていく。
先輩と彼女もだんだん、まずかったかな、という気になってきて、一応年上だし(先輩は高校浪人かつ大学も浪人)止めとこうかな、と思ったんだけど、Y子がどんどん歩いていくので、仕方なかったらしい。Y子やたら髪が長かったんだけど、もうそれが肩に付かないくらいの早足だったそうです。
表は草ぼうぼうなんだけど、屋敷そのものは案外きれいで、建物は暗かったけど、街灯はけっこう明るかったらしい。
なんだか思ったほど凶悪な雰囲気でもなかったし、門扉も開いていたので、そのまま中に入っていった。
後ろからX男が黙って歩いてきているので、先輩が
「君大丈夫?」
って聞くと、
「すいません、僕がこの話教えたんですよ…」
って、ものすごくすまなそうにしてる。
「ああ、別に暇だし、気にせんでね。ヤマニシさんの話ならけっこう知ってるし」
って先輩が言うと、X男がブルブル震えだして
「すいません、すいません、すいません」
なんでかやたら謝るんですよ。
で、そっからよくわからないんですけど、(肝心なところなのにスマンけど先輩はその場面をよく見てなかった。
ここは先輩の彼女の記憶)玄関先にいたY子が、いきなり庭の方にダーって走って回りこんで行って、縁側のサッシを開けると、そっから顔だけ差し入れて
「おおねたたまつり、もーすもーす」
(?)ってでかい声でわめきはじめたらしいんです。
声が聞こえたんで先輩が血相変えて走って行って、Y子に追いついた時、Y子は縁側から靴脱いで上がろうとしてたらしい。
こう、足を4の字にして右足のスニーカーを左手で脱がすためにつかんで、もう上がる寸前だったんです。
スニーカーの裏が妙に白かったんで覚えているらしい(我ながらヘタな表現、どーゆー体勢だったか伝わるかな?)
これはヤバイ、って思って、慌ててX男と二人がかりで引き留めて押さえたんですけど、けっこう強い力だったみたいです(憑き物だったかどうかは不明)。
放っておくと何回も
「もーすもーす」
って言うので、彼女にハンカチ借りて、自分のとあわせて、Y子の口の中に押し込んで、両脇から抱えて連れて帰ったったらしいです。
その後は、特に事件も起きずに、なんとか車のところまでたどりつけたそうです。
Y子はばたばたしっぱなしでしたが、車に入ると落ち着きました。
反対側で抱えてるX男も、ぼろぼろ泣きながら
「もうす…」
って言ってたのが、なんか気味悪かったそうです。
それからすぐ、散会するのは気味が悪いので、4人で同じラブホに入ったそうですが、もちろんなんにもできなかったそうです(笑)。
X男とY子は、朝が来ても放心状態のままだったそうです。
その後、X男とY子は別れたということでした(元からつきあってなかったという話もある)。
やっぱりY子はちょっとおかしくなったみたいで、半年大学を休学したらしい。けっこう地元では通りのいい大学の、理系の学部に入ってたんだけど、そのまま退学して、芸術系の専門学校に入り直したそうな。先輩の彼女が会ったときには、髪はぐりぐりに短くしてたらしいです。ちょっとお茶飲んだらしいのですが、やたら後ろ髪を気にして、しゃべりながら自分の手で引っ張ってたのが怖かったとか。
その会ったっていうのも、これ見に行った翌年だったらしいから、それからどうなったのかは先輩も知らないそうです。
X男とは全然会ってないそうです。
この話聞いたのは、先輩が部活の合宿に差入れに来た時で、3こ上で直接面識もなかったし、うさんくーさい人だったし、この人担いでるんやろと思ってたけど、免許取った後実際友達と行ったら、それっぽい家はあった。
(「ヤマギシ」っていう表札じゃないからね、念のため。廃墟つっても普通の家だしこの書き込みで荒れるのイヤだから地元の人は行かないように)
確かに気味悪かったですが、友達が馬鹿だから、ダーって走って入って、玄関のベル押して戻ってきた。
俺はビビリなんで入ってないけど。
きじまさん
2008.02.02 (Sat) | Category : ホラー・自己責任
いわく付きの話です。
読む場合は自己責任で。
何があっても感知しません。
では。
”きじまさん”と言う、あるチームの創立メンバーの友人がいた。
この人がひき逃げによる交通事故にあったところからすべては始まりました。
リーダーを含めたメンバーが病院に駆けつけた時、「面会謝絶」の札がドアから外されたところでした。
廊下には両親がいて母親は泣き崩れていましたが、父親は息子も喜ぶだろうからと彼らを通してくれました。
病室に入った彼らが見たものは全身を包帯に巻かれた”きじまさん”が、ベッドに横たわる姿でした。
四肢がなくなっていました。
両腕も両脚も切断され、しかし点滴や酸素吸入などは無く、ただ心電図のモニターが規則的な音を立てていた。
手遅れだったのです。打つ手がなかったのでした。
包帯から覗いた片方の眼だけが ぐるりと動いて彼らを見た。
そして低く包帯にくぐもった声がぶつぶつ何かをつぶやいた。
リーダーが耳を寄せると
「俺をこんなにした犯人を捜し出してくれ…」
わかった、とリーダーは答えた。
「必ず犯人を捜し出して仇を討ってやる!」
直後、心電図の波形が平坦になった。
彼らは犯人探しに奔走した。
しかし、しょせん素人なので犯人を見つけ捕らえる事もできずに一年が過ぎた。
”きじまさん”の一周忌がきた。
彼らは墓前に集まった。
彼らは墓前に手を合わせ、中には嗚咽する者までいた。
誰もが「すまん、許してくれ、成仏してくれ」と祈った。
どこからか、ぼそぼそとつぶやく声が聞こえる。
背後からだった。
彼らは見た。
後ろの墓石に”きじまさん”が座っていた。
腕も脚も無く、全身包帯に巻かれて片方の眼だけを覗かせ…
「俺を殺したンは、お前やろ!」
と、唸るように言った。
大の男達が悲鳴を上げた。
口々に、叫び、わめいた。
「違う! 俺らと違う!」
”きじまさん”は、現れた時と同じ唐突さですうっと消えた。
誰にも言うな。
リーダーの一言で全員が自分達の胸の中にしまっておく事にした。
そして、数年後…
ある夏のこと、そのメンバーのひとりが怪談で”きじまさん”の幽霊のことを話してしまった。
その場の友人は震え上がって喜んだ。
ところが…である。
帰宅して数日、その友人から電話があった。
友人は震える声でこう言った。
「きじまさんを見た。」
自宅で入浴中、洗髪してる背後で「ぼそぼそ」声がしたので振りかえると、
「俺を殺したンは、お前やろ!」
気のせいだよ、と彼は友人に言った。
電話を切った数分後、別の友人が「きじまさんを見た」と…。
自宅のマンションのエレベーターにひとりで乗っていて、誰もいないのに「ぼそぼそ」声がする。
振りかえっても当然誰もいない。だが視線の下の方に四肢のない体をぐるぐると包帯に巻かれた片方の眼が睨んでいた。
「俺を殺したンは、お前やろ!」
結局その夜は何本もの電話を友人たちから受けた。
「きじまさんを見た。」と。
話はここまでです。
きじまさんはいまだに犯人を探しているらしい。
話を聞いた人は「きじまさん」に訪問される恐るべき伝言ゲームなのだ。
この話を聞いた数日のうちに”きじまさん”を見るかもしれない。
もし、聞かれたら…
「違う!」
と、答える。そしてその体験を誰かに話すこと。
”きじまさん”が犯人にたどり着けるように……。
と言いつつ、
この怪談が「最恐」と呼ばれるのはここからです。
実はこの話、作り話なんだそうです。
そのチームの人が友達に
「なんだ、まだ信じとったんか? あれなあ、実話とちゃうねん。」
と、言ったそうです。
”きじまさん”と言う人は存在しないらしいのです。
なあーんだ、と思いましたか?
本当に奇怪で奇妙なのはこの事ではなかったのです。
説明しましょう。
”きじまさん”が存在する可能性はないとしても、
「両腕両脚が切断され、全身が包帯で覆われて、片方の眼だけが露出している。」
と言う情報にお気づきでしょうか?
片方の眼とは言ったものの左右どちらとは告げられていない。
目撃が誤認や錯覚の場合、偶然に正解と一致する確立は50%。
ところが作り話で右・左と言ってないのならその証言の確率は50%であり、半分は食い違っていなければならないのです。
しかし寄せられた目撃証言は一件の例外もなく一致しているのです。
「左眼に睨まれた。」と…。
自己責任において
2008.02.01 (Fri) | Category : ホラー・自己責任
いわくつきの話です。
読む場合は自己責任で。
何かあっても一切関知しません。
では。
5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。
表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。
私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。
ここで、文章にすることで少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。
私たち、(A・B・C・D・私)は、皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余していました。
学校も、私たちがサボったりするのは、受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、体育祭後は朝学校に出て来さえすれば後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。
ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。
サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。
外から様子のわからないような、とても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびりましたが、A、Bは
「大丈夫」
を連発しながらどんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。
でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。すぐCが
「あれ何や」
と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアは、こちら側からは本棚で塞がれていました。肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることにそのとき疑問を持つべきでした。
それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのかじめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。
「なんやこれ、気持ち悪い」
と言って友人Aが写真入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。紙は御札でした。
みんな、ヤバッと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見てBが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。
写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。
「何やこれ」
酒に弱いCはその場でウッと反吐しそうになりました。
「やばいてやばいて」
「吐いてる場合か急げ」
よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。何がなんだかわけがわかりませんでした。後ろではだれかが
「いーーー、いーーー」
と声を出しています。きっとAです。祟られたのです。恐ろしくて振り返ることもできませんでした。無我夢中でよ じのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。
Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、
「イタイタ」
Cが叫びます
「引っ張んな足!」
部屋の向こうではAらしき声がわんわん変な音で呻いています。Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。
「B!かんぬっさん連れて来い!」
後ろ向きにDが叫びました。
「なんかAに憑いとる、裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」
Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。
「足!足!」
「痛いか?」
「痛うはないけどなんか噛まれた」
見るとCの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように、丸く歯形がついて唾液で濡れています。相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。
「あいつ俺に祟らんかなぁ」
「祟るてなんやAはまだ生きとるんぞ」
「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」
「ぬしらー!」
縁側からトレーナー姿の神主さんが真青な顔して入ってきました。
「ぬしら何か! 何しよるんか! 馬鹿者が!」
一緒に入ってきたBはもう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
「ええからお前らは帰れ、こっちから出て神社の裏から社務所入ってヨリエさんに見てもらえ、あとおい!」
といきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。後ろで何かザキっと音がしました。
「よし行け」
そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。
それから裏の山に上がって、神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが、白い服を着て待っていました。めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。
それから、Aが学校に来なくなりました。私の家の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。ただ山の裏には絶対行くなとは、言われました。
私たちも、あんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。期末試験が終わった日、生活指導の先生から呼ばれました。今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行くと、私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。私が入ってくるなり神主さんが言いました。
「あんなぁ、Cが死んだんよ」
信じられませんでした。Cが昨日学校に来ていなかったこともそのとき知りました。
「学校さぼって、こっちに括っとるAの様子を見にきよったんよ。病院の見舞いじゃないとやけん危ないってわかりそうなもんやけどね。裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。駆けつけたとき
には白目むいて虫螺の息だった」
Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思ってちょっと口答えしそうになりましたが、神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。
「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。
来たら憑かれて死ぬんぞ。それと後ろ髪は伸ばすなよ。もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」
それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。
あのとき神主さんは私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。
卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。その後私たちはバラバラの県で進路につき、絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。
私は、1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。
その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、せめて初盆くらいは帰ってこんか、と、電話で両親も言っていました。それがいけませんでした。
駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。
Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、さらに自分の髪の毛をその上から一本一本几帳面に張り付けていたということでした。鑞で自分の耳と瞼に封をしようとした痕があったが、最後までそれをやらずに自害したという話でした。
Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、松山の近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩いているのを見つかったそうです。Dの後頭部は烏がむしったように髪の毛が抜かれていました。Dの瞼は、閉じるのではなく、絶対閉じないようにと自らナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。
このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはありません。
BとDの末路など、今の私にはどうでもいい話でした。つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っていないと、気づかされてしまったのです。
胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行 うという風習があったのです。
私は連れてこられたのでした。
それから3日、私は9度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。このとき、私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。
3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」
「うん」
「お前もこっち来てくれよ」
「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んとCは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは地獄か地獄ちゅうのはなぁ」
そこで目を覚ましました。自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。
私は、考えました。アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。
ここまでの長文たいへん失礼しましたが、おおざっぱな書き方では読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。
読んだ方は、申し訳ないのですが犬に噛まれたとでも思ってください。ご自分の生存確率を上げたければこの文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします。

