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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.30 (Sat) Category : 

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猫の恩返し?(1)

2007.11.28 (Wed) Category : 誰も信じない人へ

小学生の頃、親戚の家に遊びに行ったら痩せてガリガリの子猫が庭にいた。
両親にせがんで家に連れて帰った。思い切り可愛がった。
猫は太って元気になり、小学生の私を途中まで迎えに来てくれるようになった。
いつも一緒に帰っていたけれど、六年生の林間学校に泊りがけで行っているときに車に轢かれて死んでしまった。もう、猫は飼わないと思った。

年月が過ぎ、私は就職してバス通勤をするようになった。
仕事がうまくいかず、やめようかどうしようか迷っていた。バスを降りるといつも我慢していた仕事の悩みが噴出して泣きながら暗い夜道を歩いていた。

そんなある日、バスをおりて歩いていると、少し先に白い猫がいた。
その猫は振り返りながら距離をとりながら私の前を歩く。坂を上がり、いくつもの曲がり道を曲がって行く。私の家に向かって。家の前に出る最後の曲がり角を曲がるとその猫の姿はなかった。数日そうやって猫に先導されるように家に帰る毎日が過ぎた。

ある日、いつものように待っていてくれる猫を見て気が付いた。
しっぽをぱたん、ぱたんとゆっくり上げて下ろす仕草。
小学生の時に飼っていた猫と同じ。思わず猫の名を呼んだ。
振り返った猫は一声鳴いて、また家に向かって歩いた。

涙が出てしかたがなかった。心配して出てきてくれたんだね、ありがとう、ごめんね。
大丈夫だから、もう、安心しているべき所に帰ってね……。
後ろ姿に向かってつぶやいた。最後の曲がり角を曲がる前に猫は振り返った。
近づいて撫でたかったけど、近寄ったら消えてしまいそうで、もう一度つぶやいた。
ありがとうね、大丈夫だからね。そして、猫は曲がり角をまがった。

なぜかふと、後ろが気になって振り返ると白い小さな塊がふっと消えて行く所だった。
そこは林間学校に行って帰らない私を待ち続けて猫が車に轢かれた場所だった。












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ロープの痕

2007.11.28 (Wed) Category : 誰も信じない人へ

私の兄は、優秀な人間でしたが、ちょっと引き篭もりが入っていました(引き篭もりなんていう言葉ができる前のことです)。生真面目すぎて世の中の不正が許せなかったり、自分が世界に理解
してもらえないことを悩んでいました。
私が高校生の時、大学を休学していた兄が突然
 「絵の勉強がしたい」
と言い出しました。私達は皆びっくりしました。兄は確かに絵は小さい頃からとても上手だったのですが、勉強も良くできたので
いい大学に入り、紙の上ではエリートコースを進むかのように見えていたからです。また、鬱がひどくなってきてからは、絵を描くとよけいに鬱になるようで、医者からも絵を描くのをとめられていましたし。
休学中とは言え、いずれは鬱状態を脱して、エリートコースに戻るのだろうと思っていた親は反対しました。反対されたことによって、兄はますます引き篭もりが激しくなっていく様でした。
そんな時、途方にくれた母は、ある易者に相談しに行ったそうです。兄の写真を持って。するとその易者は言ったそうです。
 「息子さんの好きにさせてあげないと、首を吊って死んでしまいますよ」
と。その易者が指差した兄の写真の首の回りには、驚くべきことにうっすらとロープの跡が見えたそうです。映画の「オーメン」みたいに。

驚愕した母は、その易者に言われた通り、毎日一杯の水を供え、毎朝のトイレ掃除を欠かさず、兄のために必死で祈ったそうです(もともと無宗教な家庭でしたので、母がそんな言葉を真に受けて実行していたのが当時の私には不思議に思えましたが)。その写真は箪笥の奥深く隠し、誰にも見せませんでした。
結局両親はその易者の言葉に従い、兄が行きたいという海外のアート・インスチチュートの受験を許可しました。驚くことに兄は入学が許可されました。
それから十二年が過ぎ、兄は現在は芸術家として生計をたてられるようになりました。その兄が結婚することになった時、母が初めて私にこの話をしてくれたのです。そしてその時、十二年ぶりに、例の写真を箪笥から取り出しました。
それを見て母は驚愕に目を見張り、そしてはらはらと涙を流しました。十二年前には確かにあったというロープの跡は全く見当たりませんでした。







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見えない会話

2007.11.28 (Wed) Category : 誰も信じない人へ

いい話かどうかはわかりませんけれども。
ある男性とのおつき合いが始まった頃、彼がアメリカに2週間程出張するというので、当時、仕事もなかった私は、彼の三匹の猫の世話で、彼の家で2週間留守番することにしました。
でも、彼の家では、前の奥さんが亡くなっていて、(もっとも亡くなって7年ほどになりますが)亡くなっているとはいえ、私が先妻の立場だったら、嫌なんじゃないかと思っていました。
そして、アメリカに行く彼を見送った帰り、彼の家に戻ってほっと一息ついたとき、ふと飾ってある、亡くなった奥さんの遺影に「私がここにいてもいいのかしらん?」
と尋ねました。
次の日、買い物に行こうと、玄関に置いてある鍵をみると、家の鍵だけがなくなっています。
車の鍵と一緒にコイル状の金具できっちり付いていたはずなのに、見つかりません。
家中探しましたが、その日は結局見つかりませんでした。
その時ふと思ったのです。鍵がないということは、外には出られないということになります。
ということは、私はこの家に居なくてはいけないという意味に取れます。
そして、再び遺影に尋ねました。
「私はこの家に居ていいのですね」と。
その後、暇に任せて家中の大掃除をしていたとき、ゴミみたいな物の中に紛れ込んでいた彼女の日記が見つかりました。
盗み見みたいですが、その時は自分の疑問の答えのような気がして、読んでみますと、彼女は結婚後すぐから、死ぬまで他の男性を熱烈に愛していたようで、後半の日記には、彼女の夫であるはずの彼の名前すら、誤字で記されていたのでした。
なんだか、彼女に
「私の分まで愛してあげてね」
と引導を渡されたような気がしました。
その後、彼と結婚しましたが、私が家に来てから丁度一年後、いつも着ているコートのポケットから、チャリンと消えたはずの鍵が玄関に落ちました。 







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