電話傍受

一昔前、電話交換手が活躍していた時代には他人の会話が聞ける方法があった。

適当に存在しない番号に電話をかけると「現在・・・・」とお決まりの文句が聞こえてくる。その状態で長時間放置すると他人が電話している声が聞こえてくることがあった。
これは交換手が存在しない番号に電話を掛けた人が既に電話は切っていると思い込み、そのまま別の電話につないだために起こる現象であった。
この現象は一部のマニアや子供達の間で流行、悪ガキたちはそれで遊んでいて、ある地域では盗聴ごっこというような呼ばれ方をしていた。
その遊びにまつわる怖い噂があった。夕方の六時くらいにその遊びを行うと、怪しい会話が聞こえるというものだ。
その会話の内容は男の喘ぎ「はぁーはぁー」といった感じのものと、卑猥な言葉。それに迷惑する若い女性の会話が聞こえてくるのだ。

どうやら今で言うストーカーのような行為をしている男性とそれに迷惑がっている女性の会話らしい。６時台にこの遊びをやると高い確率でこの会話が聞けた。
どうやらストーカー男は毎日頻繁に電話を掛けていたようである。
しかしちょっとしたらその会話が聞けなくなった。女性が引っ越したか、電話番号を変えたと考えるのが普通だが、子供達の間では女性のほうが精神的に参って自殺したとか、ストーカーが女性を殺して捕まったという噂になっていた。
真相は不明。