幸せのにんじん

幸せのにんじん、というものをご存知だろうか。

小学校の給食に入っている、人型や星型などに切り抜かれたにんじんである。
宮崎県で行われていると言う噂だ。

学校によって違うそうだが、週に1回や月に1回、また全校児童に１つまたは各学年に１つづつ入っているらしく、極めて珍しいものなんだそうだ。

これが入っていた生徒は他の生徒の羨望のまなざしを受けるそうで、好き嫌いをなくし、給食を少しでも楽しく食べてもらいたい、と始まったとのこと。

だが、この幸せのにんじんに思いもよらぬ噂が持ち上がった。

いわく

「幸せのにんじんの手足や頭が取れていると当たった人も将来そうなる」
「噛まずに飲み込まないと自分も死ぬ」
「丑の刻参りの藁人形に模して作られたもので当たると死ぬ」
などである。

原因は不明（一説には植物の根には特別な魔力がこめられているから、というのもある）だが、不気味な話である。