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2024.04.19 (Fri) Category : 

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ワイが遭遇した霊で打線組んだ

2018.05.20 (Sun) Category : ミステリー・不思議な話

1:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:04:24ID:j7Y(主)
1(ニ)迎え提灯
2(左)浦田先輩の同室者
3(右)ふきちゃん
4(中)謎の祭り
5(一)祭囃子
6(三)アパートの子
7(捕)お客さん
8(遊)ヤマセミさん
9(投)バッバ



2:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:06:57ID:j7Y(主)
1(ニ)迎え提灯

ワイは高校卒業するまで相当な田舎で生まれ育ったんや
中学が町に1つしかなくて同級生は20人切るくらいの山間の自治体や。その中学卒業して後、隣市の高校に片道12キロを自転車で通っとった
高1の6月の夜、部活帰りの真っ暗な中を帰宅してた時のことや



3:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:07:10ID:v2o
期待



9:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:09:01ID:j7Y(主)
ワイの通学路には山と田んぼの間を走る道があって、所々に二、三件の家が固まって建ってる集落があるんや
そこまで来ると、もうワイの家まで五分くらいで、ワイはちょっとチャリのスピードを緩めたんや

ふと目を上げるとその集落の一軒にお盆の迎え提灯が立っとったんや明かりのついてない日本家屋の玄関先に、家紋付きの縦長の提灯が見えて、いまどきロウソクなのか暗めの灯がゆらゆらしとったわ



14:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:11:38ID:j7Y(主)
ワイの地域は7月半ばがお盆なんやが当時は6月、ひと月も前から提灯を出す家があるんか?なんて思っとったら不意にその明かりが消えた、一瞬にして辺りは真っ暗になったんや

その日は不思議に思いながら帰ったんやが後日その家から葬式が出た。
ジッジにその話したら
「それはご先祖からの『迎え提灯』たい」
とのことやったわ



22:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:17:08ID:j7Y(主)
2(左)浦田先輩の同室者

高2の4月ごろの話や
ワイは人数の少ない体育系部活に入っとった
1つ上に選手はおらんかったがなんでか女子マネージャーがおったそれが浦田先輩や

2月頃に浦田先輩が大きな病気をして、都市部の大学病院に入院したんや。
そんでお見舞いの品を顧問と部員でお金出し合って買って、何故かワイとキャプテンの二人で届けに行ったんや



23:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:19:39ID:j7Y(主)
県庁所在地にある大きな病院の、わりと高層の部屋に先輩はおった
たしか3つベッドがあって、先輩は一番奥の窓際、入り口側は空き、先輩の向かいのベッドはカーテンは閉ざされているがちょうど席を外してる、って感じやった

浦田先輩は思ったより元気そうやったし、翌月から学校に行けると言っとったからワイらは安心して他愛もないバカ話をした



24:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:21:32ID:j7Y(主)
ひと通りくっちゃべったあと、ワイらが帰ろうとして病室の入り口に歩いて行った時、ちょうどパジャマの女の子が入ってきた
たぶん中学生くらいで、三つ編みを片方から前に垂らしとったから、妙に大人っぽい髪型やなと思ったのを覚えとる

その時、後ろから浦田先輩が
「あ、おかえり☓☓ちゃん」
と言ったんをワイははっきり覚えとるんや



25:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:22:40ID:j7Y(主)
後日退院した先輩に
「あの三つ編みの子どうしてるんすか」
と聞いたら、誰?と返ってきた

なんでもちょうど見舞いに行った日には同室のベッドは退院だかで完全に空いており、そんな子は居なかった、と
キャプテンには
「ベッドは先輩以外空きで『3人部屋なのに寂しいですね』って話したやろ?」
と聞かれてワイは困惑した
じゃああの生活感のあるベッドは、あのお下げの女の子は何やったんやろうな


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28:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:25:53ID:j7Y(主)
3(右)ふきちゃん

平たく言えばイマジナリーフレンドやな
小2か3の頃、母方のジッジの家に夏休み前半まるまる預けられた事があった
ジッジはワイに気遣ってプレステやガンプラを用意してたけど、数日経つとやっぱり退屈やから、ある日ジッジの家の離れに行くことにしたんや
離れは母屋から続く廊下を渡った奥にあって、その廊下から庭園風の庭を望む事ができた



29:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:26:40ID:j7Y(主)
離れは母屋から続く廊下を渡った奥にあって、その廊下から庭園風の庭を望む事ができた
離れにはジッジの集めた全集物や図鑑、戦争資料集なんかが保管してあって、ワイは図鑑に夢中になって、毎日引き出しては読んどった。

ここから記憶が曖昧なんやが、離れで「ふきちゃん」と過ごしたことが数回あるんや
少し年上の女の子がお昼すぎになると庭の先の生垣から顔を出して、ワイはそれを確認すると廊下のサッシを開けてその子を離れに招いてたんや



30:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:27:37ID:j7Y(主)
お互いに多くを喋ったことはないけど、ふきちゃんがおるとワイはすごく安心して、何時間も飽きずにそこに居れた気がするわ

ある昼、バッバに離れで何をしてるか聞かれたワイは「ふきちゃんとおる」と答え、ふきちゃんの事を話した
バッバは首を傾げて、その夜、それをジッジに報告したと思う

その当時すでにバッバは認知症が始まってたから、ジッジは真に受けなかったのかもしらんが
「友達ができたとや、よかなぁ〜」
と言うて撫でてくれた
でもその日以降、ふきちゃんが現れることはなかった



31:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:28:18ID:j7Y(主)
バッバはもう故人で、ジッジも呆けて施設におるからその当時の事を確認しようがないんや。ただ先日里帰りした際、例の生垣から向こうはどうなってるか気になって回り込んでみたところ、道を挟んで雑木林になっとって、下草に紛れて石蕗が群生しとった



39:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:36:26ID:j7Y(主)
4(中)謎の祭り

ワイはよく中学まで親父と釣りに行った
泊まりがけで、夜通し防波堤から投げ釣りをやる、夏休みの定番行事や
たぶん中1の時やけど、行きしに親父の車が迷った



44:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)00:53:58ID:j7Y(主)
その日はいつも行く港が護岸工事の関係で使えんくなってたんやな
ほんで急遽他のポイント探しに出たんやが、親父もワイも山の人間やから土地勘がないねん

そうこうするうち、漁村とおぼしき集落に降りる道を見つけたんやが、妙に明るいんや
よる8時は回ってるはずやから、この辺の夏とはいえもう暗いのに、人もずいぶん多くなった
皆浴衣や作務衣で、いかにも夏祭りの風景が見えた



53:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)12:58:42ID:j7Y(主)
もともと車一両がやっと、という道の両脇に、次第にたくさんの出店が現れ、行く手はいつしか人で埋め尽くされて車は徐行のような状態になったんや。
ワイは引き返したほうがいいのでは、と言おうと顔を助手席から親父に向けた

親父は険しい顔をして、ブツブツ何かを呟いとったよく聞くとそれは阿弥陀経やった
ワイは親父がおかしくなったんかと思ったが、すぐに合点がいった



54:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)12:59:25ID:j7Y(主)
この祭りは音がしないんや

いくら冷房のために窓を締め切ってても、すぐ近くで行き交う人々の声や屋台で何かを焼く音とか、おおよそ祭りの喧騒が聞こえてこないんや
消音にしたテレビみたいやな

しかし、人々はワイらの車を不思議そうに避けるだけで、決して迷惑そうにされたり、ドアを叩かれたりすることはなかった
その状態が体感的には50メートルばかり続くと、視界が開けて船着場に出たんや



55:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)13:08:52ID:j7Y(主)
仕事やから続きはまた夜書いていくで



56:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)13:31:28ID:tVl
こんな気になるところで切るのやめーや



57:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)13:47:32ID:TB1
はい



60:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)21:48:55ID:j7Y(主)
おまたせやで
すまんな

船着場には小さな漁船が10台ほど停められていて、それらは現実のもののように思われたんやけど、そのいちばん奥にギラギラ光る大きな木造船が泊まっとった
傍目には巨大なイカ釣り漁船にも見えたが、よく見ると船全体がいろんな色で光ってるのが分かった
帆まで着いとったが、蒸気で動きそうな煙突があったんが印象的やった

祭りの人たちは遠巻きにその船を幸せそうに眺めとって、ワイらはその群衆と船の間に飛び出したような状態やった



61:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)21:52:34ID:j7Y(主)
見とれていると、不意にタバコの匂いがしたんや親父が珍しくタバコに火をつけとって、ゆっくり車を出したんや
しばらくするとその集落を抜け、海沿いの暗い道になったなんとなく普通の道に戻ったことが分かったわ

親父は窓を全開にすると、安心したように
「大潮の日にはあぎゃんこつもあっとだろ(ああいうこともあるんだろ)」
と言うた

ちなみにその日は全く釣れなかったし、調べても似たような祭りは無かった
ワイらは何を見たんやろうな



62:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)21:55:12ID:j7Y(主)
5(一)祭囃子

これは小学校〜高校まで続いた話や
ワイが一人で寝つけない夜、時々遠くで笛と太鼓の祭囃子が聞こえるんや
聞こえるのは数年に一回程度で、決まって夏の夕立後の涼しい夜やった気がする

ひょっとこが踊りだしそうな、割と楽しげな一定のリズムと音階をずっと繰り返すんやけど
次第に音は遠くなっていって、ワイはそのうち寝てしまうんや



64:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:01:39ID:j7Y(主)
とうとう中学ん時、このお囃子は何や?と疑って正体を確かめようと思い立った
真っ先に思ったんは実家の裏手にある神社の神楽舞の練習や

今はもう廃れて長いが、その頃は地域の小さな神社にも神楽舞を奉納する風習が残っとった
薪能とも狂言ともつかん、演目の意味も誰も分からなくなったような代物や
氏子の年寄がシテ方、ワキ方(神楽を舞う人)を毎年交代でやり、演奏方は基本的にその息子たちが担った



66:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:05:19ID:j7Y(主)
田植えが近くなると神楽舞の準備がはじまって、関係者は公民館で練習をしてた
舞の奉納自体はGW前には終わる
だから夏に聞こえてくる祭囃子は、演奏方のヤツが腕が鈍らんように練習しとんのかなと思ったんや

ワイの家は演者の家ではなかったが、ジッジが昔区長として神楽を取り仕切ったことがあったから、ある日ジッジに聞いてみたんや



69:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:18:39ID:j7Y(主)
ジッジ、ワイには時々妙なお囃子が聞こえるが何か知っとるか、演奏方の誰か練習しとん?と
ジッジはワイの話を聞くと、目を細めてこう行ったんや。
「もうワシには聴こえんばってん、昔はよう聴こえよった、聴こえよった。こぎゃん音頭やろ?」
そういってジッジは、ワイが聞いてたのと同じ囃子を口笛で吹いた
ワイは音痴やからお囃子の音まで伝えてなかったから、心底驚いたで



71:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:25:26ID:j7Y(主)
※補足
「ふきちゃん」に出てきたのは母方のジッジ
いま出てきてるのは父方で、同居してたジッジや


ジッジは
「ありゃあ、畑ん神さんの祭りたい。もうワシには聴こえんけん、神さんはおらんごつなったと思うたばってん、まだおるたいなぁ(もう神様は居なくなったと思ったんやが、まだおったんやね)」
とニカニカして米焼酎をあおった
神楽の練習は騒音になるからと公民館以外ではやらないらしかった

ちなみに神社の祭神は天神さんやけど、きっとローカルな神さんもおったんやろうな
高校卒業してワイが地元を発つまで、その音はときどき聞こえていた。最後に聞いたんは大学受験勉強中、やっぱり夕立後の涼しい夜やった

ワイは窓を開けて、楽しげな音色をぼんやりと聞いてたんやその前年にジッジは逝ったから、なんとなくジッジも聞いとるんちゃうか、と思った

ワイは夏に帰省してももう祭囃子は聞こえんくなってしもうたが、地域の若いやつが聞いてたらええな



72:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:27:16ID:t8b
ノスタルジーやん



73:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)22:27:39ID:2Fj
>>71
なんか自分ええ締め方するやんけ



78:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:16:38ID:j7Y(主)
6(三)アパートの子

小4の春、ワイは一時期だけ叔父の家に住んどった
家庭的な事情は割愛するが、実家から離れた県庁所在地にある叔父一家のマンションにお世話になってたんやな

叔父の息子(ワイから見たら従兄弟やね)はよくしてくれて、マンションの子らとワイを引き合わせてくれて、皆でマンションの中庭でよく遊んどった



79:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:23:51ID:j7Y(主)
中庭で「だるまさんがころんだ」をやる時のルールがあったんや

『アパートの子が来たら解散』

マンションの裏手に藪があって、その奥に小さな木造アパートがあったらしい
そこの子が、「だるまさんがころんだ」にいつの間にか混ざることがあるんやと

まぁ今だから言えるが、アパートとの経済的格差を意識して、マンションの親たちが代々言い聞かせたことが受け継がれただけかもしれん
そして混ざるのは生きた子じゃないことも、マンションの子供たちには暗黙の了解として認知されとった



81:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:31:16ID:j7Y(主)
その日、ワイがだるまさんの鬼をやった
従兄弟含めマンションの子が6人くらいおった気がするわ
何回目かの
「だるまさんがころんだ!」
の掛け声で振り返ったとき、中庭の隅っこに知らん男の子がおったような気がした
背の低い髪の短い子やった



82:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:35:38ID:j7Y(主)
身なりは普通で、幽霊めいた所はなかったように思うんやが、中庭に入るにはオートロックで仕切られたマンションの通路を通らなあかんし、知らんマンションの子が入ってきたら普通は誰か気づく筈や

ワイはブルッと来たが確証が無かったため、とりあえずだるまさんを継続することにした

ところが振り返るたびに、その子が近づいてくるんや
庭木の陰、分電盤の下、すぐ目の前の排水管の陰…
ワイは
「この子にタッチされたらどうなるんや?」
と思った、そしたらめちゃめちゃ怖くなった

そして
「だるまさんが…」
と言った時、肩をぽん、と叩かれた



84:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:41:59ID:j7Y(主)
半分小便漏らして(これは叔母に苦笑されたからよう覚えてるわ)振り返ると、楽しげにスタート地点へかけ戻るマンションの子たちの背中が見えた誰かが普通にタッチしたんやろうな
その中にあの男の子はおらんやった
その後、従兄弟含め皆がが鬼をやって、別の遊びもして夕方には解散した



85:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:47:48ID:j7Y(主)
帰りのエレベーターの中で、従兄弟がワイに
「男の子だったど?」
と突然言った
「一人混じっとった男の子。見たど?」

聞けば従兄弟か鬼のときも知らん男の子か混じっていたらしい。
ワイはさらに肝が冷えたが、実はこれは初めてでは無いらしい
だるまさんがころんだだけでなく、例えばゲームボーイを持ち寄って中庭で遊んでいるときも、不思議そうに覗き込む男の子の視線を幾度も感じてたらしいんや



86:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:47:54ID:sUI
普通に怖いやんけ!



88:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:49:32ID:j7Y(主)
ワイはルール通り解散しなくて良かったんか聞いたと思うが、従兄弟が何と答えたか覚えとらん
多分実害がないからほっといてるとか言われたと思うんやが
従兄弟はだれでも遊びに混ぜてくれるような優しいやつなんやなぁ、って感心した覚えがある

その後叔父の家から実家に戻って、ワイはあのマンションに一度も行ってないわ
次の盆に従兄弟とあったらあのときのことを改めて聞いてみようと思っとる



89:名無しさん@おーぷん:2018/04/02(月)23:59:54ID:sUI
見てるで



90:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)00:06:32ID:9fv(主)
>>89
ありがとう

すまん、このあとまだ書き溜めてないんや
明日にはピッチャーまで回すで



92:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)00:21:37ID:3Aj
人吉行きたいなぁ(唐突)

ワイもお囃子は今でもたまに聞こえるんやが
あれお宮からやと思っとったんやがよく考えてみたら結構距離あるよな…でも住宅地で田んぼも畑もないしな…神様だったら面白いわ



93:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)00:36:41ID:9fv(主)
>>92
ネットで検索しても祭囃子が聞こえる人はそれなりにおるやで
柳田國男も似たような事を書いてた気がするわ



95:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)00:59:40ID:Ywm
だるまさんがころんだといえば洗面所とか風呂場で目を閉じて思ってはいけないっての思い出したんやけどマジなんか?



119:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:43:07ID:2po
>>95
お風呂に入って頭を洗っている時、「だる
まさんがころんだ」と口にしてはいけません。頭の中で考
えることも絶対にヤバイです。何故なら、前かがみで目を閉じて頭
を洗っている姿が「だるまさんがころんだ」で遊んでいるように見える
のに併せて、水場は霊を呼び易く、家の中でもキッチンやおふ
ろ場などは霊があつまる格好の場となるからです。さて、洗髪中に
いち度ならず、頭の中で何度か「だるまさんが
ころんだ」を反芻してしまったあなたは気付くでしょう。青じ
ろい顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔を血ば
しった目でじっとみつめていることに…..。さて、あな
たは今からお風呂タイムですか?何度も言いますが、
いけませんよ、「だるまさんがころんだ」だけは。

これやろ?



120:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:44:57ID:yrc
>>119
やばい
ワイさっき風呂場で言うてもうた…



121:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:45:14ID:2po
>>120
縦読み



122:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:46:33ID:yrc
>>121
ヒエッ…



96:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)01:26:40ID:9fv(主)
7(捕)お客さん

また母方のジッジの家での話や
ちょうどふきちゃんと遊んでたのと同じタイミング、つまりワイが預けられてた時のことや

ジッジは勤め人だったんやけど生家はいわゆるなんでも屋みたいな物を代々営んどったらしく、離れはその店舗跡やった

なんでも屋と言えば聞こえはいいんやが金物屋に毛が生えたような物で、お菓子や生活雑貨なんかを揃えてたらしい
先代(ジッジの父)が長く切り盛りしとったが、70年代で店はやめたらしいわ



97:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)01:29:05ID:9fv(主)
ふきちゃんが来なくなった後か前かは定かじゃないんやが、その日も縁側でワイは寝そべって遊んどった
HGのズゴックと、たしかゼータガンダムを戦わせとったと思うわ
縁側はちょうど西向きやって、夕焼けが強くてカーテンを閉めるか迷っとったような、そんな妙なことを覚えとるわ



98:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)01:31:45ID:9fv(主)
ゼータとズゴックの戦いが佳境の時、
「もし」
と声をかけられた

ワイはびっくりして顔をあげると、いつからそこにおったんか、ガラスのサッシを挟んで男の人が庭に立っとった
西日が強すぎて男の顔は全然見えんやったけど、両足をそろえてぴんと気をつけをしとって、えらい姿勢が良かった

ワイはジッジの知り合いが来たと思って、寝そべったままやと失礼やから体を起こし、サッシを開けようとした



106:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)20:49:48ID:9fv(主)
よう見るとその人は、うなじが隠れる日避けつきのボロボロの帽子を被っとって、足にはゲートルを巻いて腰に鉄でできた丸い水筒を下げてうつむいとった
ジッジの蔵書の戦争資料集の写真で見た、兵隊の格好と同じや、と思った
今思えば、あれは陸軍の制服やったんやね

床が高いせいで、ワイが立ち上がるとその人と同じくらいの身長になった、つまりガラスを隔てて目の前にお客さんの顔があるはずやのに、やっぱり夕日で影になって顔は見えないんや

ワイはそのお客さんが人間なんか分からんくて立ち尽くした



107:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:02:55ID:9fv(主)
「こちらに飯塚圭一様はおいでですか!」
お客さんは突然ワイに話しかけた
妙なんは、ガラス越しの筈やのに聞き取り辛かった覚えがない
キビキビした、妙に楽しげな明るい声やった気がするわ

飯塚はジッジの、つまりこの家の名字やったが、名前に聞き覚えは無かった
ワイはどう答えたか覚えとらん、怖くて何も言えんかったかもしれんし、何かを話したかもしれん

ただ、
「こちらに飯塚圭一様は、おいでですか!」
男はさっきと寸分違わぬ調子で、突然もう一回聞いてきた

ワイは表情の見えない男と、まっかっかな庭とがめちゃめちゃ恐ろしゅうなった

「こちらに飯塚圭一様は、おいでですか!」

ワイの涙腺と股間は臨界した



109:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:08:52ID:9fv(主)
ワイのなき声を聞いて、バッバがかけつけたと思う
バッバにはその男は見えとらんやったと思うわ。ワイはバッバに手を引かれて台所へ向かった
ふり返ると、やっぱりというか、案の定男は消えとった
ただ置き去りのゼータとズゴックが、縁側に長い影を作っとったんを覚えとるわ

バッバの葬式の時、健在だったジッジにその話をした
戦後すぐの頃、そうして幾人かの帰還兵が訪ねてきたことがあった、とジッジは話し出したんや



110:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:11:56ID:9fv(主)
ジッジの長兄の圭一氏は陸軍軍人で、南の島で行方不明になっとる
終戦後、無事に帰ってこれた人たちが兄の消息を訪ねに来ては、まだ帰らない兄を思うジッジとジッジの父を励ましてくれた事が何度かあったんやと

「それは戦友が訪ねて来なはったとばい」
と言って、祖父は仏壇をずいぶん長いこと眺めとった

ちなみにワイはいまもガノタやが、シャア専用ズゴックだけは無理になってもうた



113:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:21:18ID:7l2
ええ話やん
害与えてこんのやったら別にええんやけどなぁ



114:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:22:18ID:3Aj
戦争エピソードは胸にずしんとくるなぁ



118:名無しさん@おーぷん:2018/04/03(火)21:36:50ID:9fv(主)
8(遊)ヤマセミさん

この話は短いで
高校時代、12キロの山道をチャリで往復すんのに辟易したワイはとうとう原付に手を出した
バイトした金を元に中古のスクーター買って、高校近くの親戚の家の軒先でチャリに乗り換えて通学する生活を送っとった

高2の夏が秋、土曜の真っ昼間や
バイクで部活から帰ってるとき川の土手を走る区間があるんやが、対岸の畑の上を白い鳥みたいなんがワイと並行して走ってるんが見えた

対岸までは多分20メートルくらいあるし、普通鳥の姿形までは見えへんのに、あきらかに鳥にしてはでかすぎるんや、ゆうにワイの身長くらいはあった
姿形は図鑑で見たことのあるヤマセミやった

えぇ…と思ってバイクを停めると、ヤマセミは対岸の山の方へ行ってしまって見えなくなった

ワイの地域にヤマセミはおらんのやけどな
迷鳥のコンドルか何かを見間違えたんかと思ったが、まあ今もワイはヤマセミさんやと思っとる



127:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:05:17ID:0e9(主)
9(投)バッバ

同居してた父方のバッバの話や
ワイはバッバが大好きやったいつも優しくて、音痴なワイにつきあって一生懸命歌を教えてくれた

ワイは両親が共働きであんまり家におらんかったからバッバが親みたいなもんやった
夕飯はいつもバッバが作ってた

食い物には厳しくて、庭で育てた野菜は絶対残したらあかんかった
昔の人やからほとんど和食中心やったけど、それはそれは美味かったで

バッバはワイが小6のとき交通事故で死んだ



128:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:09:10ID:0e9(主)
バッバは前日から体調が良くなかったが、それを押して、町で1つだけのスーパーに夕食の買い物に行ったんや
その帰り、これも町で1つだけの信号を赤で渡ってしまったんやな

先生の車で学校から病院に駆けつけたとき、もうバッバは息をしとらんかった
親父がベッドにすがりついて泣くのを見たのは最初で最後やった

ジッジはバッバの手を握っとったが、救命活動をやってくれてた医者に
「どげんもならんとですかな、わかりました。もうよかですばい」
と毅然と言った
程なくして医者は時間を告げて、バッバは本当に死んでしまった



129:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:13:54ID:0e9(主)
叔父や伯母、親戚たちがすぐに病院に集まってきた10人が10通りの驚きや悲しみ方をしたが、ワイは実感というものが全く湧かなくて、救急救命室って大したことないんやなとか、従兄弟と会うんは久しぶりやなとか思っとった

だって朝ワイを笑顔で学校に送り出した人間が、目の前で頭を包帯で巻かれて横たわっとるこの人と同じとは思えへんかった
頭じゃわかってても感情が追いつかないんやな

そっから通夜やら葬式やら慌ただしくて、依然としてバッバが死んだ実感が湧かないまま、とうとう火葬場まで来てしまった



130:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:15:48ID:0e9(主)
「ここで泣かな、一生後悔する」
ワイはそう思ったが、どうしてか涙が出てこん
ここに横たわって安らかな顔をしている冷たい人はバッバ?ほんまに?ほんまにバッバなんか?
逡巡しているうち、棺桶が炉に入れられた
泣きっぱなしの叔母たちををジッジが叱り飛ばしても、みんなで干瓢巻きを食って思い出話をしても、真っ白で小さくなったバッバの骨が帰ってきても、ワイは泣けんやったんや



131:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:20:58ID:0e9(主)
終わらせるで

そのまま鬱屈としてひと月ほど過ごし、お盆に差し掛かった頃やったと思う
親父から町の図書館に本を返してくるように言われた
バッバが借りたままの本があることに遺品整理中に気づいたんやろう

数冊の本が入ったトートバッグを生返事で受け取り、ワイは徒歩で図書館に向かった
めちゃめちゃ暑い中、両脇に田んぼが青々とした道を突っ切ると15分くらいで町営図書館に着く
図書館のおばちゃんはトートバッグから本を取り出すと、貸出カードとワイを不審そうに見比べとった

そらそうやな、カタカナ2文字の名前のガキなんてそうおらんわ
ワイはどう説明するか迷ったが、祖母が亡くなったこと、代わりに返しに来たことを素直に話した



132:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:22:58ID:0e9(主)
おばちゃんは短く驚くと畏まったお悔やみの言葉を言ってくれて、奥に引っ込んでどっかに電話を掛けとった
多分役場にバッバのことを確認したんやろうな

おばちゃんは戻ってくるとき、カウンターの上の回転棚から一枚カードを抜き出すと、ワイに渡した
「これ、あなたのおばあちゃんの。いらなければこちらで処分するけれど、どうする?」
ワイはまぁ、とかはぁ、とか言ったと思うわ、とにかくカードを受け取って図書館を後にした



133:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:31:54ID:0e9(主)
今でこそ図書館はどこもバーコードやicタグ管理やが、当時は手書きのカード管理やった
その図書館では利用申請をすると個人用カードが渡されて、本を借りるときはタイトル、貸出日を書いて本と引き換えにカウンターに預ける仕組みやったんやな
延滞されとる本はカードで分かるって仕組みや
画像みたいな感じやな



ワイは蒸し暑い田んぼ道を家へと歩きながら、何気なくそのカードを眺めた
バッバの貸出カードはずいぶん埋まっとった
「竜馬がゆく」とか歴史ものが多くかったが、その下の方、つまり最近借りた本に目が止まった



134:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:34:03ID:0e9(主)
『洋食の基本ハンバーグステーキ』

目の前が何だかぐるぐるするのが分かった、うるさいセミの声も、カンカン照りの日差しもすこし遠くなったような気がした
祖母はワイのために慣れない洋食を作ろうとしてたんや
そのとき、祖母のハンバーグはおろか、大根の照り焼きやミョウガの天ぷらに二度とありつけないことが、はっきりと実感を伴ってわかった
喉の奥が苦しくなって、眉間に痛いほど力を入れたがぼろぼろ泣けてきた
ワイは初めてバッバが死んだことが理解できたんやね

そのときやった後ろから音もなくえんじ色の自転車がワイを追い越していった
目が霞んでよく見えなかったが、あの日、軽自動車の下でぐちゃぐちゃになった自転車のそれと同じ色やった



135:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:37:16ID:0e9(主)
そして、それに跨ってたのは紛れもないバッバやった
パーマをかけたちょっと猫背のその人は、いつも畑に出るときの格好で自転車に跨り、実家の方へ曲がって見えなくなったはっきりと覚えてないが、ペダルは動かしてなかったんちゃうかな
ワイはダッシュで後を追ったが、バッバを見つけることは出来んやった

やっぱり実家には誰も来とらんし、仏壇には真新しい位牌が据えてあった、あぁやっぱりバッバは死んだんや、もういないんや、そう思うとまた少し涙が出た



136:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:41:23ID:eOl
ぐるぐるする感じわかる
取り返しつかないことした感じ



137:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:41:44ID:J7o
ばっぱ…あかん…



138:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:42:19ID:Zzu
バッバ…



140:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:52:39ID:0e9(主)
それっきり祖母は現れなかった。
夢に見ることはあっても、あの夏のようにはっきりと姿を見せたことは一度もないんや
今でもこのことを思い出すと、あれは祖母が自分の死をワイに分からせるために仕掛けたイベントだったんじゃないかと思う

ワイはと言えば、それから幾度となく祖母の料理を再現しようと試みたがてんで駄目やった
祖母の好きだった本を読んだり、若い頃の足跡を追ったりもした
図書カードは実家の机に大事にしまってある

おばあちゃんコンプレックス上等と豪語しとったが、やっぱり最近になって恥ずかしく思えてきて、祖母に申し訳ないと思うようになった
今年の夏行われる13回忌で祖母に関する法要は全て終わる。
あの図書館も、この3月いっぱいで閉じられたと聞いた

今年帰ったら、あの時と同じ道を歩いてみようと思うんや
多分祖母は出てきてくれんやろうが、なんとなくワイはそれで満足する気がする。
やっと一区切りつく気がするんや



141:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:54:00ID:0e9(主)
ワイが遭遇した話は以上やで

長々とすまんかったな



143:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:06:44ID:J7o
こう言う体験て子供の頃は割とするよな
当時は不思議とも思っとらんかったんやが
ただ帰還兵はパンチあるなチビルで



142:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)00:57:23ID:A65
他にないんか?



146:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:19:42ID:0e9(主)
>>142
じゃあ
(補欠)勝手口の影
(補欠)足袋
許してくれるならかくで



147:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:20:42ID:eOl
かいて



150:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:38:53ID:J7o
おかわり
あるだけ出してや



151:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:48:51ID:0e9(主)
(補欠)勝手口の影

中二の夏の話や
ワイの地元の中学は同級生20人しかおらんが、その中で特に仲のいいやつ、大山と小笹と手嶋ってやつがおって
いっぺん4人で廃墟探検に行ったんや

ワイの家から神楽舞のある神社へ歩くには、その神社の鎮守の杜を抜けなあかん
廃墟はその森に隠れるようにして建っとる平屋の家やった



154:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)01:55:29ID:0e9(主)
なんでも廃墟にはかつて娘一人と両親が住んどったが、ある日父親が仕事の事故で亡くなって母と娘が夜逃げしたとか、いろいろ言われとったがどれも眉唾やった

まあとにかく、その家に侵入することを思い立ったんやな



156:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:04:48ID:0e9(主)
すまん、これ高1のときに中学の友達と集まった時の話やわ

ワイらの中で携帯を持っとったんは小笹だけやったし、ヤツの携帯でムービーを撮ったら何か映るんちゃうか、という期待があった
ちょうどほん怖とか流行りだした頃やったかな
幸いトイレの窓が開いとったから、ワイらは壁に飛びかかるようにして窓に飛びつき家に入り込んだ

部屋の中は雑然としとった
家財道具はほとんど残っとって、シンクの上で皿が乾かしてあったりして、いかにも夜逃げしました、という風やった
壁のカレンダーは2000年の4月で止まっとったから、当時にしてもそれなりに時間が立ってた



160:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:16:40ID:0e9(主)
この平屋の中は割と広くて、ダイニング、キッチン、洋室が2つくらいと子供部屋があったが、その全部を小笹の携帯のムービーに収めた
一回に付き30秒しか撮れないとかでえらく騒いどったな

子供部屋なんかは、なぜか大量に散乱したタオルの山に紛れてランドセルが落ちとったりして雰囲気があった

日が高いうちの事やったが、森の中だからか日は差し込まず全体的に薄暗く、カビと埃臭さで目が回りそうやった

それなりに汚い家ってだけで
別に御札まみれとかじゃなく、要するに拍子抜けしたんやな
最後に玄関を映して、ワイらはまた便所から這い出した



161:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:25:26ID:0e9(主)
それからワイの家に戻って、皆で菓子を食いながらムービーを確認した

キッチンを写したものを再生したとき、大山が
「ん?」
と何かに気付いたんや
「勝手口にいま、誰か写っとったど?」
もう一度確認すると、たしかにキッチンの勝手口の外、すりガラスの向こう側に人影がある

300万画素だかの、たかが知れた画質だがらクリアではないが、それははっきりと人の形だとわかった
女だ。ピンクの長いスカートを履いているような、背の高い女に見える。

ワイらは恐怖よりも
「うおおおお!!映っとるー!!!やべー!!」
と騒ぎ立てた



162:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:29:24ID:0e9(主)
次、また次、と再生して行く。ダイニングの窓。
ここはすりガラスではないが、特におかしな様子はない。窓の外は雑木林がちらりと映っとるだけやった

洋室のほうのムービーにもおかしなところはない。子供部屋も同様や
段々冷静になったワイらは、いやあアレは光の都合でああ見えただけやろ、じゃあお前確かめてこいや、ノーサンキューやですまんなええんやでとか言いながら、最後のムービーを見ることにしたんや



164:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:41:30ID:0e9(主)
最後のムービーはたしか子供部屋を出た直後から始まって、玄関を10秒くらい写したもんやったと思う

この玄関もすりガラスで、縦にアルミの桟が何本か走っとる横開きのタイプや
開けたら「カラカラカラ…」って音がするやつやな

屋内が薄暗いから、すりガラス越しの外は程々に明るく映っとった

5秒ほど経ったあと、手嶋の
「つまらん、はよ出よか」
という音声とともに、カメラは玄関から離れようとした

ちょうどその時やった。
画面の端っこで、玄関に一瞬写ったんは、さっきのスカートの女のシルエットと、青い作業着のようなものを着た男のシルエットやった
すりガラスの向こうに突然2人の影が現れたんや

さらにその後、鍵を開けるような「カチャ」という音が聞こえたあたりでムービーは終わった



165:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:43:26ID:sUE
こわEこっちのほうもええな



166:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:49:08ID:0e9(主)
ワイらは顔を見合わせた
勝手口ですりガラスに写る女を実際見たやつは誰もおらん玄関も無論や
鍵が開く音なんてもってのほか、ワイらは極力音を立てず行動しとったから、絶対に気づく筈や

ワイらはひやぁっとした空気に包まれ、小笹は半べそをかいてムービーを全部消した
結局その日は3人ともワイの家に泊まって、朝までFF10やってた

今現在、その廃墟は買い手がついて普通に一家が住んどるらしい
ワイは今もお風呂のすりガラスは苦手やで



167:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)02:54:10ID:0e9(主)
もう一つの方はまた改めて書くやで
高校まではいろんな体験をした
他の人の話もあったら聞かせてくれや



170:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:05:32ID:sUE
ほな前の話するで
小学生のころ、田舎のばあちゃんの家に泊まりに行ったときの話や
昼間やることもないし近所の川に行ったりして遊んだんや
んで、体中泥まみれになって帰ったころにはもう夕方やったんや



171:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:12:02ID:sUE
んで、ばあちゃんちの家に入って、汚れたままの服で居間に行ったら怒られるから
そのまま沸いとった風呂場に行ったんや(このとき妙な視線を感じてたんやがばあちゃんやと思って無視してたで)

全面タイル張りの風呂場やったんけどな、風呂に浸かって100秒数えて、風呂場から出ようとして入口の模様入りの擦りガラスに目をやったらな、黒い穴が3つ空いとる白い円が奥に出とったんやまあ顔やな





172:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:18:06ID:sUE
黒い点がひくひくって動いてて、当然ワオは今まで霊なんて見たことなかったし、それが「あっちのもの」と気づくまで7秒くらい棒立ちしとったやな

急にシャワーの上の石鹸がドンッ!って落ちてきてその音に驚いてしりもちついてから初めて自分の置かれとる状況がわかったんや
もうそっからは急いで畑側にあいとる窓を開けてそこから丸裸で外に出た



173:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:19:26ID:sUE
当然自分は丸裸なわけやから、遠くに行くこともできず、日も暮れる中家にも入れず、結局畑の井戸の裏に震えてばあちゃんが外出てくるのを待ってたんや



174:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:22:36ID:sUE
しばらくしたら、ばあちゃんが買い物から「帰って」きたんや
丸裸のワイをみて驚いて質問してきたんやが、とりあえず家に入れてもらった

そのあと必死にさっきの状況を説明したんやが、知らんという顔やった。お守りを受け取って、ばあちゃんの布団に入れてもらって寝た。



175:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)03:23:43ID:sUE
正直これだけの、特にこれといったオチもない話なんやが、

ばあちゃんは外出中には戸締りする人やったし、ばあちゃん不在の家の電気・ドアがなぜ開いてたのかわからんし風呂も沸かした記憶ないっていっとった

終わりやでクソ話すまんな



182:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)10:54:03ID:Bo1
わいも一つだけ書かせてクレメンス
昔ワイがすんでたマンションの一部屋(襖開けてただけやから実質2部屋)での出来事なんやけど
その部屋は下絵のような構造になっとって姿鏡付きのクローゼットと硝子戸付きのTVラックが対になっとる置き方やったんや



183:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)11:01:52ID:Bo1
わいが鏡とラックの間で寝転んどるときにちらっと鏡を見たらちょうどラックの硝子戸の部分に小さい人の顔が写りこんどったんや
小さいとき散々幽霊ネタで兄弟に泣かされとったわいはちょっとびびりつつ直に硝子戸を見たんや
すると戸には何も写っとらんわいの間抜けな顔があるだけや



184:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)11:08:06ID:Bo1
わいは段々泣きそうになりながら姿鏡の方を見るとさっきまでわいの顔の1/4も無かったのにわいの顔の1/2サイズになってわいの顔の真横に来たんや
わいは死ぬかもしれないと思いつつ立ち上がって逃げようとすると身体に力が入らなくて立てない

「無理無理無理無理」
と叫んどったら隣の部屋におったアッネが
「何を騒いどるんや」
って言いながら来たんや

わいはそれに安堵?しつつアッネに怒られると思いながら
「鏡に誰か写っとる」
って言うと鏡を覗きこんで
「誰もおらんやん」
と笑っとった



185:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)11:09:13ID:Bo1
嘘やって思いながら鏡を見ると本当に写っとらんくてわいはそのあと家族内で1カ月位馬鹿にされたンゴ



186:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)11:19:48ID:7jp
正体分からずじまいな話って怖いわ



187:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)12:47:51ID:0e9(主)
おはよう
祖母の供養のつもりで書いたがこんなに反響があるとは思わなんだわ

いくつか思い出した話があるから、また需要があれば書かせてもらうやで
出来るだけ実体験に忠実に書いたが、身バレしんように年代や名前は嘘もあるが許してくれや



191:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)15:26:28ID:J7o
前のお囃子聞こえる件やけど家族に確認したらほんまにただの練習やったみたいやわ
フツーの住宅地やし道理でな



192:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)18:06:48ID:dkh
>>191
都会でも聞く子おるらしい



193:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)19:16:19ID:0e9(主)
(補欠)水源の人

ワイが高校卒業した年の話や
県外の人には馴染みがないかもしれんが、ワイの生まれた県には「水源」がいっぱいある
山に降った雨水が火山岩の地層に染み込んで、長い年月をかけて地下水になる

地下水はゆっくりと海の方へ地面の下を流れていくんやけど、地表の近くを流れる所からは水が湧き出すことがあるんやそれが水源で、いわば川の源流やな
ワイの家から20分ほどにある村には5,6の水源があって、観光地化された大きなものから、田んぼの中で人知れずこんこんと湧き続けるものまで様々やった



195:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)19:39:55ID:0e9(主)
ワイの実家も井戸があったし、基本的に生活用水は全て井戸水で賄っとったが、それでも水源で汲んだ水は格別やった

例えばコーヒーに、煎茶に、出汁にしても水源の水で作ると、口当たりが柔らかくて角の取れた味になると言われとった

だから月にいっぺんはポリタンクや空のペットボトルを持っての水くみは大切な家族行事やった



196:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:22:46ID:0e9(主)
ワイの家の好みはNという、なかでもひときわ目立たない水源や
山裾の平地に広がる田んぼの間を縫うような小さな川沿い、それを大きな火山を左手に見ながら遡ると、小さな森にぶつかるんや。

そこに石造りの鳥居があって、大きな杉を祀っとる、その根本がN水源や
杉の大木が川に足を突っ込むようにして生えとるところ、水はそこからこんこんと湧き出しとった
言わば川のすみっこでさらに水が湧いてるような感じや



197:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:43:06ID:0e9(主)
夏休み、受験勉強の息抜きにと水くみを買って出たワイは、カブの荷台にポリタンクを括り付けて久しぶりにここに来た
最後に来たのはその2年くらい前やった気がするわ

その日はよく晴れた夏の割に涼しくて、もう稲穂の形が見えてきた田んぼを、風がざわざわ揺らしとったんを覚えとる

鳥居をくぐって森の中に入ると、頭上の森のお陰で薄暗く、ことさら過ごしやすかった
ワイは杉の根本に座って、自分のすぐ足元からポコポコ湧き出る湧水が、川の流れと混ざって流れてゆくんぼんやり見とった

ワイは近畿の大学に行くことを決めとったから、しばらくここに来ることもないやろうなぁ、春にはもう一度来れるかなぁなんて考えとった



198:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:44:29ID:0e9(主)
ふっと気配がして、ワイは目を上げた
対岸、鬱蒼とした広葉樹から漏れた光が地面に落ちる辺りに、一本の灯籠が立っとった
神社の境内でよく見るような、台形の土台の上にロウソクを入れる函と、その上に屋根の意匠を持たせた、石造りの常夜灯や

ワイはそんなところに灯籠があったかなぁと思いつつ観察しとったが、屋根部分の苔むした具合からするに随分古いものであるように思われ、なんとなくそれが御神体であるような感じがして、立ち上がって灯籠に頭を下げたんや



199:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:46:33ID:0e9(主)
頭を上げる一瞬、灯籠が女の形をとった気がした
深い緑色の浴衣をまとった、肩で髪を切りそろえた少女がこっちを向いているように思えたんや

ワイはまぁ気のせいやろうと思いつつ水くみを終え、もう一度立ち上がって灯籠に黙礼すると、しばらく見なくなるでであろうこの場所を眺め、鳥居から出た

ポリタンクを原付に括り付けていると、脇の田んぼから爺さんが歩いてきた
草むしりでもしていたのか、長靴は黒く汚れとったんが印象的やった
「あた近所ん人?」
と、爺様はにこやかに聞いてきたワイは隣町から来たこと、この水源には昔からよく来ていたことを話したと思う



200:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:49:43ID:0e9(主)
爺様はすぐ近くに住み、長年田をやってるらしく、こうして水源の来訪者と話をするのが生きがいだそうだ

この土地の歴史や季節の移ろいなんかを風流に語り、ワイはおおむね興味深く聞いていた。
爺様が戦前この辺りにいたと言う化け大だぬきの話をしたものだから、ワイもつい今まで見てきた色々なものの話をして、たいそう盛り上がった

40分位そうして立ち話をした別れ際、
「それであた、あの人には挨拶したとかい?」
と爺様はついでの様に聞いた
「なんべんか来とんなら、会うたこともあっど?水ば守っとらすたい。ワシも時々見ゆる」
爺様はちょっと恥ずかしげに少年のように声を潜めて言うた



201:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)20:54:29ID:0e9(主)
爺様はそれがどんな姿形かは言わなかった、ただなんとなくあの人が誰かワイにも分かっていた
はっきりと何と答えたかはまったく覚えとらん、ただ
「また来ます」
と言って、ワイは水源を後にした

暫く走ると、カブの荷台でポリタンクがちゃぷんちゃぷんかわいい音を立てるもんやからワイはロープを確かめるべくバイクを停めた
随分と遠くで爺様が鳥居に向かって一礼し、また畑に戻っていくのが見えた



202:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)21:00:36ID:0e9(主)
おしまいやで。終わりにするで!見てくれた人サンガツ



203:名無しさん@おーぷん:2018/04/04(水)21:08:05ID:7jp
こういう綺麗な話もすこ




引用元:ワイが遭遇した霊で打線組んだ
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1522595064/





.
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Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Title : 無題

遭遇した霊による打線

1(ニ)
2(左)
3(右)
4(中)
5(一)
6(三)
7(捕)
8(遊)
9(投)

あかん優勝してまう

七篠 2018.05.21 (Mon) 08:46 編集

Re:無題

どこのチームや

2018.05.21 17:13

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