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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.04.23 (Tue) Category : 

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姥捨てのあった山で

2015.04.27 (Mon) Category : 誰も信じない人へ

403:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)22:55:53.79ID:ys/K+BwD0.net
実家は民宿をやっている
天然温泉が自慢だが湯量はうちが使うので精一杯
さらには場所も悪くて客足がアレなかんじだ
何より一番近くの村まで山を抜ける国道に出てから人の足で二十分
しかもその村がコンビニも一軒もないいわゆる過疎地という有り様だ

そんな立地でも生き残れるにはもちろん理由がある
ズバリ観光が目的ではない客を会員として囲うこと

のぞいたり盗撮ができたりするようなロケーションは山の中にくらいしか無い上にその山もより麓に近い国道を除けば山もうちの物
元々は山菜の窃盗を防ぐために張ったフェンスには当然のことながら地権者による退去命令が書かれたプラカードが張ってある
こわしでもしたら器物損壊、中に入ったら不法侵入
手間を掛けてつくりあげた陸の孤島は、つまるところ、お客様を守るためのものなわけだ

もっとも悪名高い週刊誌なんかが飼ってる飢えたフリージャーナリスト崩れなんかはフェンスを工具で刻んで穴開けて入ることもある
そういう時はどの角度からの盗撮かがわかれば不法侵入がその掲載された写真一枚で立証出来てしまうのでたいていは出版社の方が折れてうちでの話は記事にはならない
なのでうちの実家はそっち界隈では山姥の宿とか呼ばれてるらしい

そんな煮え湯を飲まされたのの中に仮名トミタさんてのがいる
本人曰く結構な芸能人スキャンダルを掴んだものの冗談抜きで告訴一歩手前までいって原稿料とリスクを天秤にかけて諦めたそうだ

その後は純粋に宿と山に興味を移したとかいって俺が中学校位の頃からよく話をしにきてくれた
最初は警戒していたけれども
「お客様の事については聞くつもりがない
どうせ記事にできないしそっちもまさか家業を壊す気はないだろう」
といったので
「お客様も家族だから売らない」
といったらむむむと唸った後で何かつぶやいていた
以降近くを通る度お土産をくれてお礼に山仕事の手伝いの話をする関係になった

(続きは『続きを読む』をクリック)


 









拍手[4回]



404:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)22:56:29.77ID:ys/K+BwD0.net
確かあれは高校二年の夏だったと思う
進学の為に近くの街の親戚の家の納屋ぐらししていた俺が実家に帰るとすっかり文通相手じみたトミタさんからの手紙があった
近くの山の持ち主に許可をとって今度そこにある古い廃屋の取材に来るという話

仕事が雑誌から映像制作に変わっていてちょっと興味があったので両親に頭を下げた
この頃の両親はトミタさんを暴走癖はあるが物分かりはいい憎めない奴とみていて
あんまり友達が出来ない俺にとって年上のいいおじさん的立場だってのも理解してくれてたので芸能人にサインを頼む色紙をもたせて送り出してくれた

国道に出て待っていると予定より一時間遅れでロケのバンが来た
見慣れた顔が一人それがネドさん
取材先の廃屋の持ち主
昔おれがやまなびの仕事の最中にうっかり仕事忘れて昆虫採集に熱中してたせいで日暮れ前に家に帰れず迷子になった時探しにきてくれた村の衆の一人だ

お医者さんであの当時で確か70歳越えてたけど山歩きが趣味っていうなかなかな健脚
他に名前もきいたことのないような女性芸能人が一人と最低限の人員だった

倒木のせいで途中から歩きになったハプニングを経てどうにか廃屋についた俺たちは廃屋の前にテントを張って撮影時間になるまでをしのいだ
もっとも、俺は気が気じゃなかった
やまなびっていうのは山菜人と書いてうちの旅館では山菜採集と源泉からお湯を運ぶ樋の点検をする仕事で本格的に一人でそれをやるようになってから野生児っぽい勘は身についてた

どんなものかっていうと
都市に出ると普通よりかなり良い耳のせいで周囲の音を拾いすぎて落ち着かないけれども一方でこういうところではとにかく役立つ
その勘に訴えかけるんだ
葉鳴り以外の音がいやになさすぎるって
なんか、避けるようなものがあるんじゃないかって



405:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)22:57:35.71ID:ys/K+BwD0.net
収録がはじまって雇われ霊能者がほんとか嘘かもわからないことをペラペラくっちゃべってる中でなんであの人はこの嫌な種類の静寂がわからないんだろうって思っていたらトミタさんがポットにはいったあっつーいお茶を御馳走しにきてくれて
「顔青いけどどうした?」
って聞くんで
「ここ、虫の音が少なくて変だ」
っていったら
「お前もそう思うか」
っていつのまにか近くにいたネドさんも同意した
「そんなに変ですか」
ってトミタさんがいうので
「俺、小さい頃夜の山で助けが来るまで一人で震えてたことがあるんですでもその時の山はこんなに冷たくなかった」
「うん、ここらはリルリルリリリと虫がうるさ」
ネドさんが喋ってる最中に二人一斉に廃屋の方を振り向いた

ふたりともほぼ同時に何かを察していた
同じ方向を警戒したのをネドさんと二人で確認し合っていると山に近い暮らしをする二人が揃ってとった行動にトミタさんが真っ青な顔をしていた

「あのー」
「よ?ってなんだ。ボン」
ボンてのは俺のアダ名
「ようようって聞こえました」
二人とも同じようなのを聞きつけたと確認しあうとネドさんが真顔になった
「取材は中断とはいきませんか。大人だけならともかく子供を連れてきていては」
「ちょっとまってください。OKっていうから取材費も日程も組んでこうして」
「強行するにしても彼を自宅に届けるのが先だ。ひどく嫌な雰囲気だ」
「そうは言われても免許持ってるのがカメラマンのほかはペーパードライバーの私だけなんですよ」
トミタさんが困り果てて居る時にナラヌ、という声が車のある方向から聞こえた



406:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)22:59:14.84ID:ys/K+BwD0.net
「あ、ダメだ」
自分の声が妙に間抜けだった
皆一斉に黙って声の聞こえた方向を向いたから一層間抜けに思えた
それからカメラマンが唐突にはしゃぎだして今の聞いたかといいながら映像の確認をはじめるけれど録音できてないと嘆き出す
その足元にあったビデオカメラのレンズ箱がひとりでにはじけ飛んでいって斜面を転がって止まった
みんなここで固まったけれど俺とネドさんは山慣れしているので平然としたものだった

一度撮影が中止されて皆ハロゲンランプの周りでしきりに周囲を見渡しながら集まった
面白かったのは一番年少の俺がネドさんに次いで落ち着いてた事か
「あの、ここって、なんか本当にまずいんですか」
「だから取材申し込まれた時に言ったろう
その家は姥捨てがあった頃の犠牲者を供養するために戦前に村のものが建てた姥様方のおすまいだ」

「こんなことが起ると知って」

「いいや
怖い風習があったことを番組で取り上げて欲しかったから撮影を許可した」

「……トミタさんちょっと待って下さいよまさかこんな最高のネタお蔵入りですか?御機嫌じゃないですかここ」

中止に傾きかけていたトミタさんに食い下がるカメラマンの横でまさかこんなことが起きるとは思ってなかった女性芸能人は化粧崩れも気にせずに泣きだした
雇われ霊能者はカメラが回ってないことを確認すると帰りましょうよやめましょうよとリピートする

「まあ、中止もやめたほうがいいと思う
来た時にわかってるはずだけど安全にUターン出来るようなところまでしばらくバックが必要こんな夜中にバックで運転するほうがお化けより何倍も怖いよ」



407:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)22:59:59.46ID:ys/K+BwD0.net
腹をくくって姥様の家にてくてく歩いて行って
「軒先お借りします」
っていってお辞儀した
「おあがんなさい。さっどうぞ」
泣きながら笑う老婆が目の前にふっと現れかけてまた消えた
耳をつんざくような悲鳴があがった

声の主はトミタさん
女性芸能人さんもあんまりすごい声にびっくりして言葉を失っていた
取材そのものは結局カメラマンの努力もむなしく撮れず録れずで完全に失敗
よくあるヤラセな内容に終わってしまったもののトミタさん以外の撮影スタッフは
「幽霊ってマジいるんだね」
「はじめて仕事に情熱感じたかも」
みたいになぜだか盛り上がっている

帰り際に振り返ったら着物の袖で顔を拭いながら見送りに出た婆さんたちが見えた
こんなとこ置き去りにされて成仏もできずに百年とかそれ以上漂ってるだけってなんかすごく嫌だなと思った

以来足繁くネドさんに許可もらって姥様の家に顔を出した
後でおばあちゃんに大目玉くらったけど
苗床栽培につかってる古木を裁断して持ってったりした

「何年でも十何年後でもいいそのあたりをきのこの群生地にして村の人達のキノコ狩りの場にすればあの人達は寂しくないんじゃないか」
という提案に大賛成してくれたネドさんが他界するまでずっと続けた
めしくう必要もないお化けとちがってこっちは金がいるんだよとさんざっぱらどやされたものだ
ネドさんが他界した後で山を相続したその息子さんは冷淡な人であっさり手放してしまったものだから結局ネドさんと俺のキノコ狩りで寂しくない計画も頓挫した



408:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)23:05:41.02ID:ys/K+BwD0.net
そんなにいい大学じゃないけど都会の大学に受かった俺は三年の夏サークルの合宿をうちの実家に誘致してその前の二年間は夏季冬季ともに家の手伝いで結局学友とも遊べなかったことへの意趣返しを果たした
あんまり人付き合いが得意じゃなくとも庭のような山でなら鼻高くして歩ける

まあ珍しく中心人物になるとシャイの虫が疼くようで結局いつも以上に口数が少なかったけれども

ある夜散策に出たという女友だちが一人帰らなかった
捜索隊を出すという話になった時に友人たちにはそれぞれうちの家族についてもらい
俺はライトをもって一人山に入った
素人が迷い込みそうな傾斜のきつくない当たりを調べつくして途方にくれていた俺の耳に
「こっち、こっちさおいで」
その声が聞こえた
見ると沢山の婆様たちが向かい合わせで道をつくりながら手招きしていた

不思議と怖くはなかったし悪くはされまいと思って姥様達の間を通って行った
すると泣き疲れた様子の女友だちが体育座りして膝に顔をうずめこんでいた
あの状況で寝られるとはなかなかタフだと思う

とにかくまずは揺さぶって起こすが
「歩き疲れて動けない」
また夜の山の怖さにやられちゃっていてかなり様子がおかしかったので
「背中に柔らかいのがあたる役得と引き換えにならここからおぶって帰るのも結構いいな」
とジョークを飛ばしてみたら多少落ち着きを取り戻して結局自分の足でどうにか歩いてみるということに

肩を貸して立ち上がった頃には婆様たちはニコニコ笑顔
女友達それ見て一発で腰を抜かして立ち上がれなくなって結局本当におぶってかえることに

こんな救出劇の後の俺の株がうなぎのぼりだったのは想像してもらえるとおもう
分不相応にもちょっとしたヒーロー扱いだったよ
正直そんなふうにしてもらえること何一つしたおぼえがない
かといって助けたのは幽霊なんだよといってもジョークとしか思われないし
食い下がると頭のおかしいやつだ思われてしまうから困ったものだ



410:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)23:16:52.56ID:ys/K+BwD0.net
トミタさんとよくあの当時の事を話す
実家の祖母が生きているうちに聞いた話ではあそこら一帯の山々は昔は肉食獣の出る地帯だったそうだ
生きながらに食い殺された人だっていただろうし餓死だってろくな死に方じゃない
そういうことを考える時湧き出てくる疑問は今でも胸を締め付ける
なぜあんなにも優しくなれるのかが分からない
なんで祟らないのかも分からない

とりあえず俺は幽霊にだけはなりたくないから未練は遺さない生き方をしようと思う



411:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)23:20:43.79ID:SzRnxI2/0.net
親心だね

姥捨て山の民話に、枝折り型というタイプのストーリーがあるけれど、史実であろうがなかろうが想像しただけで泣いてしまう

息子が帰るときに迷わないように、老齢の母が道に枝を折って落としていくのよ



415:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/21(土)23:51:21.62ID:X4vI149W0.net
山奥で観光目的じゃない固定客とか露出プレイくらいしか思いつかん



416:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/22(日)01:16:49.63ID:5vzeYJREO.net
この話の真偽云々じゃなく会員制みたいな旅館はあるそうだよ
恋愛沙汰がばれるとまずい有名人カップルとかが人目を忍んで慰安にくるとか
まぁ旅館に来るまでにバレないものなのか謎だけど
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