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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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濡れ女(萌ver.)#4

#1】【#2】【#3】はこちら

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あいつは、いつもベッドの枕元に立っている。気になって眠れないんだよな。

「なぁ、お前もこっちに入って来たら?」
急に話しかけられ、あいつはビクッと体を震わす。

「あ・・・な、なんで、私が貴方と一緒に寝なきゃいけないの!?」
「俺が一緒に寝たいだけ。それに、そうやって枕元に立っていられると気になって眠れないんだ。」

俺の本心だ。駆け引きとか、そういったのは性に合わない。こんな性格のお陰で大分損してきた。
あいつは、無言のまま俺に背を向け、しばらくして消えていった。
いつもこうだ。正直な気持ちを伝えると相手に避けられる。

俺は、明日には、またあいつが出てきてくれることを祈り、静かに両目を閉じた。意識が闇に同化していく。


「ちょっと!どっちかに寄りなさいよっ!私が入るところないじゃないの!」
突然の聞き慣れた声で、俺は飛び起きた。

「お前・・・来てくれたのか。」
「い、一緒に寝た方が湿気が強くなると思ったから・・・しょうがなく一緒に寝るんだからね!私が一緒に寝たいわけじゃないの!分かった!?」
そう言いながらあいつは俺の横に入ってくる。

背をこちらに向けたままだが、あいつの息づかいが聞こえてくるほど俺たちは近付いてた。
俺は何も言わずに、あいつを後ろから抱きしめた。あいつは、一瞬ビクッと肩を振るわせたが何も抵抗をせず、俺に抱かれる。

暖かかった。
何百年もこの世に残る、人間ではない存在のあいつ。それでも・・・あいつは暖かい。

「まだダメだよ。」
ポツリとあいつが呟いた。
「分かってる。しばらく・・・このままで居させてくれ。」
「うん。」

俺の声は―――あいつの声も―――震えていた。


「なぁ、一つだけ聞いて良いか?」
あいつから返事は無い。俺は構わず続ける。
「お前、生きていた頃の記憶あるんだよな・・・。まだ旦那のこと、好きなのか?」
あいつは、力任せに俺の腕を振り払い、俺の方へ体を向ける。

「な、何言ってんのよっ!そんなこと、貴方に・・・か、関係無いでしょ!!」
いつもの照れ隠しの言葉とは違う―――触れられたくない物に触れられたからか、本気の言葉に聞こえた。
俺の口から勝手に次の言葉が出ていた。

「関係あるさ!お前に惚れちまったんだから!」
言葉にして・・・あいつにぶつけて、やっと本当の・・・自分の気持ちが分かった。
あの記述を知ってから、俺の中に渦巻いていたモヤモヤが消えていく。

「なっ・・・人間と妖怪が幸せになれるわけ無いじゃない!む、無責任なこと言わないでっ!」
確かに、先程までは俺も妖怪と結ばれるなんて無理だと諦めかけていた。
でも・・・一抹の希望は見えた。

「お前を抱いて・・・お前の暖かさを知って・・・お前の中にも人間の部分が沢山あるって分かった。大丈夫。俺に任せろ。俺を信じろ!」
無言のまま・・・
俺はあいつと、あいつは俺と、瞳を合わせたまま時が流れた。


「私、結婚なんてしてないの。」
永遠に続くかと思われた沈黙が破られる。
あいつは、話を続けた。

「彼が居なくなったのは、結婚式の前日。彼は死んだわけじゃないの。私を捨てて、他の女と逃げたのよ。だから―――もう、何も思ってないよ。」
俺は、あいつにかける言葉が見つからない。あいつは、まだ言葉を続ける。

「だから、私は綺麗なままなの。ねぇ・・・信じてるからね!」
俺はやっとの事で声を出す。
「あぁ、俺を信じてく・・・・んっ!?」
何が起きたか理解出来なかった。


唇に柔らかい感触が・・・あいつの顔が俺の目の前にあった。
「し、信じてるからねっ!」
呆然とする俺を尻目にあいつはクルリと背を向ける。
俺は、何が何だかわからないまま・・・朝方まで眠ることが出来なかった。


「いつまで寝てるのよっ!いつも冷めないうちに食べてって言ってるでしょ!」
「ん・・・あ、あぁ。」

昨夜の事がまるで無かったかのように、いつも通りのあいつだった。
俺は、いつも通り、あいつの作った朝食を食べ、大学へ向かう。
「んじゃ、行ってくるわ。」


あいつは何故か赤くなっていた。
「ちょっと待って・・・ん・・・、ん・・・。いってらっしゃい!また帰るの遅かったら怒るからねっ!」
いきなりのキス。そしてあいつは俺を蹴飛ばし、ドアを閉めた。


(完)


 


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濡れ女(萌ver.)#3

#1】【#2】はこちら

- - - - - -
あいつとの生活が始まって1週間。
しっかりと栄養管理された食事のお陰で、俺の体調は以前よりも良くなっていた。
唯一の悩みの種は、湿気による寝癖くらいだな。

悪態を付きながらも、俺のことを思ってくれているあいつのために、そして、俺自身のために、俺は民俗学の教授の元へこの1週間通い詰めていた。
いくつかの文献を教えて貰い、それを読み漁った。

しかし、あいつを助けられる方法は見つからなかった。ただ、その中にひとつだけ・・・気になる記述があった。


『濡れ女子は水難にあって死んだ漁師や、水辺で働く人の妻たちの帰らぬ夫に対する悲しく強い思いが作り出した妖怪』


あいつにも旦那が居たのだろうか・・・。今は旦那のことをどう思っているのだろうか。
そんなことを考えながら、俺は帰り道を歩いていた。いつの間にか、俺のアパートが見えてくる。
夜風に乗って、魚を焼く香ばしいかおりが漂ってくる。

「今日は焼き魚か・・・旨そうだな。」
俺は、何気なく呟いた一言に、こそばゆいような感情を覚えた。


ふと思いつき、部屋へ行く前に外から中の様子を覗いてみる。
あいつは台所のイスに座っている。

じーっと・・・一点を―――ドアを見つめ―――寂しそうにその長い髪に指を絡めている。

「ただいま。」
錆だらけのドアを開け、あいつが待っているだろう俺たちの部屋へ入―――。

「ただいま。じゃないっ!毎日、毎日帰ってくるの遅いよ!あ・・・別に寂しいからじゃないんだからねっ!ご飯が冷めちゃうから・・・じゃなくてっ!!湿気だらけの部屋に居てもらえないと殺せないでしょ!陰気な顔してるくせに、なんでそんなに外出ばっかするのよっ!」

あいつは台所から、物凄い勢いで玄関まで走ってきた。
「まぁ・・・な?俺も男だ。色々あるんだよ。」
「色々って!?あ、それよりも・・・・どうしたの?妙に元気無いし・・・だいじょ・・・。」

あいつはそこまで言いかけて・・・少し赤くなりながら言い直す。
「コ、コホン、コホンッ!し、心配してるんじゃないんだからっ!ただ、私の湿気の効き目が気になっただけ!ほんとだからねっ!」

うわ、咳のつもりだろうけど、思いっきり喋ってるし。
「なんだ、そのわざとらしい咳は。冷めちゃうんだろ?飯食おう。外にまで良い香りが漂ってて、もう我慢できねぇよ。」
「あ、うん。」

あいつは赤くなったまま、サササッとテーブルまで行き、俺のイスを引いてくれる。
「ありがと。お、うまそぉ!」
今日のメニューは、鯵のひらき、鰹のたたきのサラダ、お吸い物にはツミレが入ってる。

「な、なに喜んでるのよっ!お魚屋さんが旬だから美味しい・・・じゃなくて安くしてくるって言ったから・・・。それに、全部魚で済ませれば楽でしょ?て、手抜きをしたかっただけなのっ!」
「でもさぁ~、お吸い物に入ってるツミレ、手作りじゃ―――いや、なんでも無い。いただきますっ!!」

俺は、あることに気が付き、からかうのは一旦やめることにした。
あいつは、真っ赤になって――たぶん恥ずかしくて――今にも泣き出しそうだった。



恥ずかしがるあいつと一緒に食器を片付け、風呂へ入る。
この前、冗談で一緒に入ろうって言ったら真っ赤になって消えちゃったんだよな。
今日は、話すことがあるし・・・誘うのはやめとこう。


風呂から上がり、あいつと一緒にテレビを見る。
若手芸人のコメディ番組なんだが、隣のあいつを見ている方が面白い。

あいつは、俺に笑ってるところを見せたくないのか、両手で口を塞ぎながら食い入るようにテレビを見つめている。自分を見つめる俺には全く気が付いていないようだ。

そのとき、テレビに映し出される舞台に、突然黒いラバーで身を包んだヒゲ男が現れた。
『ハァ~イ、ハード○イです!フォーーー!』
「ぶっ!な、なにこの人っ!?こわっ! こ、こし振ってるよ~!??」
ハード○イがツボなのか・・・この濡れ女子。

俺の視線に気が付いたあいつはすぐに顔を背ける。
「お、面白いんじゃないんだからねっ!わ、私の生きていた時代にはこんな人居なかったから気になってるだけなんだからねっ!」

そう言いつつも、ちらちらハード○イを見ては笑いをこらえている。
「俺が夏休みに入ったら、こいつのライブにでも行くか?」

あいつは、何を言われたか理解できずに一瞬固まる。
「え・・・で、でも私が居たら、あなた周りの人に・・・。」
「そんなこと気にするなよ。飯作ってもらってる礼だ。行きたくないなら別に良いんだけど?」
「誰が行きたくないって言ったのよ!早とちりして―――。バッカじゃないの?約束だからね!絶対連れて行ってよ!」
そんなに好きなのか・・・まぁ、喜んでくれるなら良いかな。

「おう。約束だ。ほれ、もうテレビ終わったし寝ようぜ?」
「うん!」


あいつは、いつもベッドの枕元に立っている。気になって眠れないんだよな。
「なぁ、お前もこっちに入って来たら?」


(つづく)


 


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濡れ女(萌ver.)#2

#1】はこちら
- - - - - -
俺は酷く混乱していた。
なんで彼女がここにいる。それよりも、なんで濡れたままなんだ。

「君は濡れおなごなんだね?」
俺は自分の言葉に驚いた。なんで、こんな事を言ったのだろう。でも・・・
俺の想像は正しかった。

「そうよ。馬鹿な男。貴方は私に微笑み返した御陰で、死んでいくの。私なんかに笑顔を見せたこと。一生後悔して死んでいくの。」

彼女は、無表情のまま続ける。
「何人もの男が私に微笑み返した事を後悔して死んでいったわ。貴方もそうなるの!」
彼女の言葉には感情の色が無かった。

いや・・・俺には無理矢理感情を抑えつけているように聞こえた。
そして、先程から気になっていたことを訪ねることにした。
「この部屋を片づけてくれたの君なんだろ?」

まるで『ぼっ!』という音が聞こえてくると思ってしまうほど・・・
彼女の白い顔が真っ赤に染まった。
「な、なんで私が貴方の部屋を掃除しなきゃいけないのよ!?貴方って、じ、自意識過剰じゃないの?」
明らかに動揺している・・・。俺は面白くなって言葉を続ける。

「でもさぁ、この部屋、鍵掛かってたぜ?それに、合い鍵なんて作ってないし。おかしいんじゃない?」
長い沈黙の後。
「・・・・・したよ。」
今にも消えてしまいそうな小声だ。

「ん?聞こえないんだけど?」
「だから、掃除したよ!こんな汚い家じゃ私が居なくても病気になっちゃうし・・・じゃなくて!!こんな汚い家に私が住みたくないから掃除したの!貴方のためじゃないんだからね!」

彼女は、隣室から苦情が来そうな大声で一気にまくし立てた。
コレクションのことも聞いてやろうかと思ったが、これ以上虐めるのは可愛そうだよな。

俺は、出来る限り優しい声でお礼をいう。
「ありがとう。」
「だ、だから貴方のタメじゃないんだからっ!!」
そういうと彼女は恥ずかしそうに消えてしまった。


アパートに帰ったのは22時を回ったころだった。
俺は民族学の教授が教えてくれた事を頭の中で反芻していた。

「濡れおなごは悪意から人を取り殺すんじゃないんだ。彼女達は取り憑く男を選ぶことが出来ない。
彼女達に取り憑かれた男の周りは常に、異常な湿気に覆われてしまう。それが―――現代でいうのならカビによる多彩な疾患を引き起こし、取り憑いた男を殺してしまうんだ。
彼女達も犠牲者なんだよ。妖怪だって、心は元の人間のままなんだ。一緒に過ごした相手が死んでしまう。それの繰り返しだ。」



そんなことを考えながら、俺は無造作にドアを開けた。
クリームシチューの良い香りが漂ってくる。
台所には、フランスパンとクリームシチューさらに簡単なサラダまで置いてあった。
そして、申し訳無さそうに彼女がこちらを見つめていた。

「ぱ・・・パン、私のせいでダメになっちゃったから・・・。私は湿気で貴方を殺すんだから!空腹で死なれちゃ困るのよ!!」
俺は無言で彼女を抱きしめていた。

「きゃ、な・・・何するのよ!」
「何も言わなくて良いよ。俺は絶対に死なないから・・・。大丈夫。」
「は?な、何言ってるのよ。私は貴方を取り殺すのよ?し、死んで貰わないと困るんだから!」
そう言う彼女の声は震えている。今にも泣き出しそうな。そんな弱い声だった。

「君は何度も男を殺したって言ってたよね。辛かったよね・・・。悲しかったんだよね。俺は死なない。君の悲しみの連鎖は俺が止める。だから、安心して。」
彼女の微かな嗚咽が聞こえてくる。



トントントントン。
包丁の心地よい音で俺は目覚めた。
台所では彼女が朝食を作ってくれているのだろう。
正直、俺たちがこの後、どんな運命を辿るのか分からない。
でも・・・あいつを悲しませたくない。


「ちょっと!早く起きなさいよ!!せっかくご飯作ったんだから、空腹で死なれちゃ困るって言ったでしょ!?」

(つづく)


 


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濡れ女(萌ver.)#1

あの頃はまさか、こんなことになるなんて思ってもいなかった。
バイト帰りにいつも通る河川敷。あいにくの雨だが俺の好きな景色だ。
そんな場所であいつと出逢った。

少し石が盛り上がり、川幅が狭くなっているところに女がいた。
もう深夜0時を回っているのに女一人、しかも傘を差している様子も無い。
俺は心配になって、彼女のもとへ駆け出していた。

「どうしたんですか?こんな時間に女性一人なんて危ないですよ?」
彼女は俺の問いには答えず、無言のままこちらに振り向いた。

俺は言葉を失ってしまった。雨に濡れているはずなのに、艶やかに輝く長い黒髪。
アルピノかと思うほど白く美しい肌。星の光に照らされ輝く大きな瞳。
彼女を見ていると自分という存在が、どんなに卑小な存在が思い知らされるような気がした。

長い沈黙が続く、俺は彼女の瞳から目を離す事が出来なかった。彼女も俺の瞳を見つめている。
ふと彼女が微笑んだ。俺は笑顔で答えるしか無かった。
彼女の薄桃色の唇が開き、長い沈黙を打ち破る。

「男はみんな一緒・・・馬鹿な男。」

雨が紡ぎ出す音に消されてしまいそうな小さな声、しかしはっきりと聞こえた。
俺の意識が一瞬遠のく、次の瞬間には彼女は消えたように居なくなっていた。



自宅に着いたのは午前一時を少し過ぎたころだった。あれからどうやって帰ったのか覚えていない。
彼女は一体なんだったんだろう。もしかしたら、何もかも夢だったのかも知れない。
でも、彼女の言葉は俺の脳裏に焼き付いている。全ての男を呪うように感じられた。

彼女はどうして、あんな言葉を言ったのだろうか・・・それに着ている服もおかしかった。
いわゆる洋服ではない、和服だ。黒い生地に紋白蝶が描かれている美しい着物だった。

明日から、また大学だ。もう寝なくては・・・そうは思っても、俺の頭から彼女が消えることは無かった。



午前8時、もう大学へ行く準備をしないと遅刻してしまう。俺はインスタントのコーヒーを入れ、
3日前に買った食パンを手に取った。

「なんだこれ!?」
思わず声を上げてしまった。食パンは見るも無惨なほど青カビまみれになっていた。それだけではない。
封を切っていないパスタ麺にも、うっすらと青カビが生え始めている。6月だからカビ易いのは分かるけど、これは異常じゃないのか・・・。

しかし、そんなことを気にしている場合じゃない。俺は熱いコーヒーを胃に流し込み、大学へと向かった。
急いで大学へ向かった俺は、そんな俺を見つめる和服の女が居たことには気がつくはずもなかった。



大学からの帰り道、俺は今日受けた講義を思い出していた。民族学の講義で九州地方に伝わる伝説を聞いたのだが、
その中に「濡れ女子」という妖怪の伝説があった。雨の日の晩に水辺に現れ、ニタリと微笑みかける。
それにつられて微笑み返した男は一生取り憑かれてしまうそうだ。

「まさかな・・・。」

俺は自嘲気味に笑い、夕食用にレトルト食品を買う。



アパートの自分の部屋の前に俺は立ちつくしていた。
鉄で出来ているドアに赤黒い錆が点々と現れていた。
俺は覚悟を決め、錆び付いたドアを開ける。

目の前に現れた光景に俺は言葉を失ってしまった。
「へ?部屋が片付いている・・・?」
実家の母が来たのだろうか、一人暮らしの男が作り出した異世界だったはずの俺の部屋はまるで新居のように綺麗に片づいていた。

「母さん、来てくれたのなら待っててくれても良いのに。けど、書き置きくらい残しておけよな。」
母が部屋を片づけてくれた喜びもつかの間、俺はある可能性を思いついてしまった。





やはり・・・俺の秘蔵のエロコレクションが無くなっている。
すぐに部屋を片づけてくれた礼を言うつもりが、この一件の御陰で電話する気も失せてしまった。

ふと、背後に気配を感じ、俺は振り返った。そこには昨夜の彼女が立っていた。
あの時と全く同じ・・・濡れた長い髪のまま。

(つづく)

 


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下女(萌ver.)

現代都市伝説の代表格ともいえる「下男」。
当ブログでは【下男(1)】【下男(2)】【もしもし、下男です】などを取り上げているが、このうち「下男(2)」が最も有名なものであろう。

また、【下男誕生秘話?】のような話も存在する。

で、今回も萌えver.である。
流石に下男では話になりにくいのか、下女になっている。

- - - - - -
俺のアパートで久しぶりにツレと飲もうって話になった。
お互い仕事は忙しい割に、金はない。
結局宅飲みって訳になる。

しかしそれはそれで楽しく、気付けばもう二時を過ぎていた。
早い時間から散々飲んでへべれけだから、早めに休もうと布団を並べた。
俺はベッド、ツレは床に敷いた押入れでかび臭くなった布団。
そこんとこは我慢してもらう。

するとツレは急に
「俺、飲み足りねーから、ビール!ビール買いにいくべ!」
そんなことを言い出す。俺は
「冷蔵庫に淡麗あるじゃん。飲めよ」
といってもエビスじゃないと嫌だとか言い出す。

お前今までエビスなんて飲んだことあったっけ?
強引にベッドから引きずり下ろされたが、俺は外に出る気なんてなかった。
強情な俺に根負けして、結局ツレは外に出て行った。
多分戻ってこないだろう。
俺んちに泊まる予定だったのに荷物まで持っていったから。

俺は酒臭いため息を吐くと、ふとベッドの下を覗いた。
そこには大きな包丁を持った女が居た。
恨みがましい目で俺を見てくる。
「・・・お前、そこ狭いから出て来いよ」
「!!っ!」

俺に話しかけられたのが相当驚いたのか、ベッドに頭をぶつける女。
「おい、痛かったろ、いいから出て来いって」
女はぶつけた頭をさすりながらなにやらぶつぶつ言ってる。
「べ、べつに・・・あんたに言われたから出てきた訳じゃないからねっ!」

俺は無言で女の頭をさする。
「キャッ!さっさっさわんないでよッバカッ!!」
真っ赤になりながら包丁を振り回す。
「タッチセラピーっていいんだぞ。痛いの痛いのとんでけーって」
女は大きな瞳をまんまるくして、
「ホントだ、痛くない・・・」

そんなことを言った後に急にまた真っ赤になって
「き、気安く触んないでよっ!!」
と可愛らしい声で怒鳴る。

なんだかまた酒が飲みたくなって冷蔵庫から淡麗を取り出し、飲みなおすことにした。
そしたら女はおもむろに立ち上がり、大きい包丁を振り回しながら、冷蔵庫の残りモンでつまみを作ってくれた。

家庭的な味付けのそれは、早くに死んだ母ちゃんを思い出させた。
なんだか切なくなって、つい涙声になっちまった。
「ずっと・・・居てくれたらいいのに」
そんな言葉もポロッとでちまった。

女は台所で俺を振り返り、
「バッバカ!ずっと居たのに・・・じゃなくて、えっと、地縛霊なんだからずっとここにいるにきまってんでしょ!
で、でもあんたと一緒に居たいとかじゃないからね!!!勘違いしないでよね!」

思わず抱きしめたくなった。


 


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44
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男性
誕生日:
1973/02/20
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飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
リア充もげろ。
来世はブサメンじゃないといいなぁ。

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